「有志翻訳の採用は今後の日本語サポートの試金石」―SF4Xストラテジー『Stellaris(ステラリス)』有志翻訳者Sousui氏インタビュー【有志日本語化の現場から】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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「有志翻訳の採用は今後の日本語サポートの試金石」―SF4Xストラテジー『Stellaris(ステラリス)』有志翻訳者Sousui氏インタビュー【有志日本語化の現場から】

海外のPCゲームをプレイする際にお世話になる方も多い有志日本語化。今回は有志翻訳をベースにしたPC公式日本語版が配信されたばかりの『Stellaris(ステラリス)』。元となった翻訳を手掛けた有志翻訳リーダーに話を訊きました。

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海外のPCゲームをプレイする際にお世話になる方も多い有志日本語化。今回は2022年5月12日(現地時間)のアップデートでPC向けの公式日本語版が登場したSF4Xストラテジー『Stellaris(ステラリス)』の有志翻訳リーダーに話を訊きました。

日本語化とは海外のゲームを日本語で遊べるようにすることです。その中でも、デベロッパーやパブリッシャーによる公式の日本語化ではない、ユーザーによる非公式な日本語化を有志日本語化(有志翻訳)と呼びます。一般的にボランティアで行われ、成果物は無償で配布されます。

有志日本語化には、デベロッパーやパブリッシャーが許可する範囲内で行われるものと、無許可のものがあります。最近はインディーゲームを中心に有志日本語化が公式日本語版として採用される例も出てきています。


連載第19回は、PC公式日本語版がリリースされたばかりの、SF4Xストラテジー『Stellaris(ステラリス)』。このPC公式日本語版のベースとなった有志翻訳を手掛けたリーダーSousui氏に話を訊きました。

Stellaris - Base Game Trailer

ボランティアで活動しているのは責任を負わないため

それが翻訳速度を維持するのに最も良いと判断しているからです

――自己紹介をお願いします。

Sousui氏(以下、敬称略)『Stellaris』翻訳作業所の管理人を務めるSousuiと申します。有志翻訳では『Stellaris』以外にも同じデベロッパーの『Hearts of Iron IV』や『Crusader Kings III』などに首を突っ込んでいます。

――本作の魅力を教えてください。

Sousui本作を一言で表すなら星間国家シミュレーターです。銀河に版図を広げ、国家としての成長戦略や戦争を含む他国とのやりとりが楽しめます。必ずしも「勝ち」にこだわらない、自由なプレイを許容する懐の深さが魅力です。

――有志翻訳に携わるようになったきっかけはなんですか?

Sousuiもともと同じデベロッパーの『Europa Universalis IV』を英語で遊んでいたのですが、「これが日本語で遊べたらなあ」と悔しい思いをしていました。そんな折『Stellaris』が発表されたのです。少し専門的な話になりますが、新規IPでテーマがユニバーサルなものでしたから、マルチバイト対応しているのではないかと信じて動き始めました。

――ユニバーサルとはこの場合どのような意味ですか?

Sousuiこのデベロッパーのゲームは基本的にヨーロッパを中心にしています。しかし、宇宙人が登場するSFとなれば、世界のどの地域の人からも遠い話になるわけで、逆に「どの地域の人も楽しめるように作られていそうだな」と思ったわけです。

――マルチバイト対応とはアルファベット以外にも対応しているという意味ですか?

Sousuiそう考えてもらって構いません。発売前にデベロッパーの公式フォーラムで質問していたときに、スタッフが「クリンゴン語」を使用しているスクリーンショットを見せてくれました。当時の私は不勉強でわかりませんでしたが、これはUnicodeと呼ばれる文字コード体系に含まれるすべての言語が使用可能という意味だったのです。つまり、本作は原理的にほぼすべての言語に対応していました。

――SFドラマ「スタートレック」に登場する架空の言語にまで対応しているとは、さすが『Stellaris』ですね。

Sousuiそのおかげで、ゲームを日本語で遊べるようにするための日本語化Mod(改変データ)が作成できたのです。本作のデベロッパーはユーザーのMod作成を許可するだけでなく、積極的に推奨していました。

――ボランティアで活動しているのはなぜですか?

Sousui匿名性を維持するためです。匿名である限り責任は発生せず、その代わり報酬も発生しません。

――意外な回答ですね。「好きなゲームを広めたい」でも「コミュニティへの恩返し」でもなく、責任を負う必要がないことがボランティアの理由ですか?

Sousuiそれが翻訳速度を維持するのに最も良いと判断しているからです。最終目的は翻訳を早く完成させることで、その手段として匿名ボランティアを選択しているわけです。

――有志翻訳に一番必要な能力はなんだと思いますか?

Sousui条件によっても変わりますが、本作の場合は間違いなくゲームを日本語にしようという情熱です。奇妙に聞こえるかもしれませんが、「翻訳自体に熱中するあまり、翻訳に費やす時間がゲームを遊ぶ時間を超える」人がいればいるほど良いと思います。

――ゲームを長く遊び、その仕組みに精通する必要はないのですか?

Sousuiゲームの翻訳がおかしくなるのは、テキストだけを手渡されてゲーム中の文脈を知らずに翻訳するのが原因です。これは裏を返すと、ゲーム中の文脈さえ理解していれば正確に翻訳できるということです。翻訳には時間がかかりますから、ある程度文脈を理解している翻訳者なら、あとは翻訳に十分な時間を割くだけの情熱を持っているかどうかが重要になります。

あのタイトルは? すべて訊きます 有志翻訳提供の裏側

私自身が責任を負うことにためらいはありませんでした

――本作のデベロッパーParadox Development StudioのタイトルがPCで日本語をサポートするのは、かつてサイバーフロントから発売されていた日本語版以来、約10年ぶりになります。しかも、本作の公式翻訳は有志翻訳をベースにしたものと聞いています。

デベロッパーから初めてコンタクトを受けたときはどう思いましたか?

Sousuiついに来たと思いましたね。最初のコンタクトはSteamを通してだったので、詐欺の可能性も疑いました(笑)

――日本語がサポートされることは以前から予想していたのですか?

Sousuiまず中国語がサポートされ、あるDLCが発売された頃からストアページに日本語の説明が追加され始めました。そこから、なんとなく流れのようなものは感じていましたね。PC版に先立ってコンソール版で日本語がサポートされていましたが、デベロッパーが日本のPCゲーマーに向ける視線は徐々に確かなものになっていったと思います。

――積極的に日本語をサポートしようというデベロッパーの姿勢は今回のやり取りからも感じられましたか?

Sousuiデベロッパーの担当者は当初、ローカライズを担当していることを明かした上で、「日本語化Modについて質問したい」と尋ねてきました。どんな意図があるのかは明確に説明しませんでしたが、もう明らかでした。

――その後、デベロッパーとはどのようなやり取りがありましたか?

Sousui「本作の未発表コンテンツの情報を共有するために秘密保持契約を結びたい」との申し出があり、契約を結んだあとで日本語をサポートする予定であることを知らされました。彼らは日本語をサポートしようとしていましたが、既存の日本語化Modを基盤にすることで、より早くサポートできると考えているようでした。最初に有志の日本語化Modを利用したいと提案したのもデベロッパー側です。

――さきほど、責任を負わないために匿名ボランティアを選択しているとの話がありましたが、契約を結んでまで有志翻訳の提供に踏み切ったのはなぜですか?

Sousui公式日本語サポートはこのプロジェクトを始めた時から理想の決着でした。そして、責任を負わないのはあくまで参加してくれる翻訳者にとって理想的な環境という意味であって、私自身が責任を負うことにためらいはありませんでした。

――最終目的はゲームを日本語で遊べるようにすることで、匿名ボランティアはあくまで手段ということですね。

――デベロッパーから報酬の提示はありましたか?

Sousuiやり取りのメールを見返しましたが、報酬についてはこちらから「自由に使ってください」と提示していますね。報酬を受け取らないことは初めから決めていましたし、デベロッパーも予期していたのかスムーズに話が進んでいます。

――他にデベロッパーからの要望はありましたか?

Sousui有志翻訳を使用するにあたってデベロッパー側が翻訳者の許可を取ったこと、あくまで翻訳の基盤にするものであってそのまま流用するわけはないことの2点はしっかり明示するように頼まれています。他にも日本語化Modが成立した経緯や日本語のコミュニティについて尋ねられたので、私が知る限りを伝えました。あとは、クレジットに掲載する感謝のメッセージをチェックした程度です。

――デベロッパーとのやり取りで苦労したことを教えてください。

Sousui苦労はほとんどなかったですね。最初に「日本語でやり取りしようか?」と提案があり、その言葉に甘えています。誤解を避けるため、以降のメールのやり取りはお互い日英併記としました。

――担当者の日本語能力はどの程度でしたか?

Sousui担当者本人が日本語を操れるわけではなく、社内に日本語に精通したスタッフがいて協力してもらっていたようです。しかし、文面は非常に自然で、かなり日本語に堪能な人だと思いました。

――有志翻訳の使用を許可したことを翻訳チームにはどう伝えましたか?

Sousui秘密保持契約のため、公式発表まで誰にも知らせていませんでした。この件については完全な独断で、チームには謝罪しています。

――翻訳チームの仲間は納得していますか?

Sousui今のところは喜んでくれている人ばかりのようです。ただ、不満に思われても仕方ないところもあります。責任が発生しない匿名性というのは、こういう場合に素早く話を進められる利点がありますが、実際には不満を言いたくても言えない人がいるかもしれません。そう考えると本当に申し訳ないです。

――有志翻訳が公式翻訳のベースに採用された理由はなんだと思いますか?

Sousuiデベロッパーの担当者は「あなたたちの翻訳は優秀で評判が良いと聞きました」と述べ、翻訳の品質を理由に挙げていました。素直に嬉しかったですね。もともと品質には定評がありましたので、ありそうな話だなと思いました。評判をどこで知ったのかまではわかりません。

――なぜ既存のコンソール版の日本語訳が使われなかったのだと思いますか?

Sousui推測になってしまいますが、コンソール版のパブリッシャーであるDMM GAMESとの契約は、あくまでコンソールに限定されているのかもしれません。日本のPCゲーム市場に関しては、デベロッパー自身が手掛けたいという意図があったのではないでしょうか。

――その推測が正しければ、デベロッパーは今後も他のPCタイトルで有志翻訳を利用する可能性があるわけですね。今回のやり取りを通じて、日本語サポートを強化していく意志があると感じましたか?

Sousui担当者はローカライズの担当だと名乗りましたから、社内に多言語対応のチームがありそうな印象は受けました。日本語のサポート強化は大いにありうると思いますし、今回の『Stellaris』が試金石になるのかもしれません。

――発売予定の新作『Victoria 3』で最初から日本語がサポートされる可能性もあるのでしょうか?

Sousuiスケベ根性で『Victoria 3』についてデベロッパーに質問したのですが、そちらはスルーされてしまいました。しかし、『Stellaris』の日本語サポートも、今回の発表まで具体的な時期を知らせない口の堅さでしたからね。なにも言わなかったということは、個人的には期待できるのではないかと思います。

――既存のタイトル、例えば『Hearts of Iron IV』や『Crusader Kings III』のPC版で日本語が公式サポートされる可能性はありますか?

Sousui十分ありうると思います。本作の日本語サポートが早かったのは、単純に発売がもっとも早いタイトルだからという理由も考えられますから。日本語サポートを後押しするためにも、これを期に『Stellaris』が流行って欲しいですね(笑)

――今後の日本語翻訳の体制はどうなるのでしょうか?

Sousui今後はデベロッパーが翻訳を引き継ぐと聞いています。ただし、それが社内チームでの対応なのか、外部への委託なのかまでは聞き及んでいません。

――公式翻訳となることで、翻訳の品質が低下するのではないかと危惧するユーザーもいるようです。

Sousui残念ながら、ありうる話だと思います。幸いデベロッパーは翻訳について意見を求めていますから、変な翻訳があればどんどん報告していけば良いのではないでしょうか。

筆者注:後日、デベロッパーからSousui氏に以下の情報が伝えられました。

誤訳や不具合の報告はデベロッパーの公式フォーラムに書き込んでください。問題ごとに個別のスレッドを作成するのではなく、まとめて報告していただくのがベストです。

――翻訳の品質を改善するModを配布することは考えていますか?

Sousui私個人としては、もう燃え尽きかけているところがありますので、これでいったん身を退こうと思っています。もちろん、どなたか別の人がそのようなプロジェクトを開始するなら歓迎しますし、もしかしたら翻訳者としてちょっと参加するかもしれません。

かくして『Stellaris』は日本語に翻訳された

翻訳参加者の増加に有効だと感じてからは、意識してスピード重視の方針を採りました

――今回の翻訳チームはどのように結成されましたか?

Sousui当時のコミュニティは実質的に匿名掲示板だけだったのですが、発売前からPVに出てくる英文を翻訳したり、フォントを作って試したりしていました。私が本作で表示可能な日本語フォントを作って報告すると、自然に翻訳の音頭も取って欲しいという流れになりました。そのあとは、別タイトルの翻訳作業所を参考にやっつけ仕事でGoogle スプレッドシートを構築し、発売の当日か翌日には翻訳作業がスタートしていたと思います。

――翻訳作業はどのように行われましたか?

Sousui私自身が早く日本語で遊びたい一心で、最初はとにかくスピード重視の方針で開始しました。「変なところは後で直せば良い。どうせ誰の仕事かわからないし、金も取っていないのだから。」といった感じですね(笑)

後になって、このスピード感が翻訳参加者の増加に有効だと感じてからは、意識してこの方針を採るようになっていきました。

――最初に触れた「翻訳を早く完成させる手段としての匿名ボランティア」ですね。

Sousuiそれに、翻訳作業所を宣伝できる最大の場所はゲーム本編なのです。毎日起動するたびに日本語の部分が目に見えて増えていくのは、翻訳者の増加に大きく影響しました。

――匿名の翻訳者同士でどのようにコミュニケーションしたのですか?

Sousuiプロジェクトが始まってすぐに、現在も続いている匿名掲示板でのコミュニケーションが始まりました。一応、訳語の議論専門の掲示板も別にあるのですが、あまり使われない印象ですね。そのほか、ちょっとしたことは作業所のスプレッドシートの余白部分に直接書き込んでもらっています。

――本作にはSFのフレーバーテキストや架空の固有名詞が多数登場します。ゲームの雰囲気を維持するためにどのような工夫をしましたか?

Sousui不特定多数が翻訳に参加する都合上、元ネタが存在するものに関しては知っている人が手直しする方針となっています。その他の訳語に関しては議論して決めるのですが、ほとんど罵り合いのような激しい議論になる場合もあります。最終的には投票で決着をつける仕組みになりました。

――匿名翻訳者ばかりのチームでどのように投票を成立させるのですか?

Sousui投票サイトを用いて決めています。方式にもかなり工夫があったのですが、私は初期に介入した場合を除いて、訳語の決定に関しては民意に委ねています。まあ、要するに丸投げにしていましたので、あまり詳しくは知りません。

――翻訳がゲーム中に正しく反映されているかはどのように検証しましたか?

Sousui多くの場合は翻訳者自身がゲームをプレイして、良くないと思ったところを直しています。そういう意味では、誤訳や変な文章は目立ってしまって我慢できないですから、翻訳者を刺激するにはなかなか良かったのかもしれません。ユーザーから日本語化Modの配布場所にコメントが寄せられ、それに対応することもあります。

――翻訳作業所にはGoogle スプレッドシートを用いていますが、ゲームの頻繁なアップデートにはどのように対応しましたか?

Sousuiアップデートのたびに差分を抽出して手動で調整しました。このデベロッパーの他のタイトルでは日本語化に専門の翻訳サイトが利用されていますが、匿名性が維持できないので使っていません。その問題さえなければ、専門の翻訳サイトの方が管理は圧倒的に楽でした。

――翻訳者はどのような辞書やツールを利用しましたか?

Sousui辞書サイトを利用している人が多かったです。私自身もそうしていました。機械翻訳についてはまだまだ精度に問題があるため、参考に留めるよう繰り返し告知していました。しかし、それでもそのまま使ってしまう人はいましたね。機械翻訳の間違いは一見してそれと気づかないので、あとから直すのが大変です。

――日本語化を実現する上でどのような技術的問題がありましたか?

Sousuiアルファベットのみを扱う前提でゲームが作られているので、フォントを収めるファイルの容量が小さく、日本語の文字をすべて収録するには一文字あたりのサイズを小さくしなければなりませんでした。その影響で、マップ上の国名を拡大表示すると見栄えが悪くなる問題があります。収録する文字の種類を絞り込めば改善できるのですが、ユーザーが自分の国に好きな名前をつけることも楽しみの一つなので、見栄えの悪さには目をつぶっています。

マップ上の国名を拡大表示したところ。よく見ると斜めの線がギザギザしているのがわかる。

――本作の日本語化で一番難しかったことを教えてください。

Sousui固有名詞を翻訳するためには、ゲームがローカライズ用に用意している以外のファイルを弄る必要があります。しかし、これを行うとSteamの実績が解除できなくなるので、メインの日本語化Modでは国名を翻訳せずに英語のまま残しています。とは言え、事情を知らないライトユーザーにとっては、ゲームを開始して2番目の画面に英語の国名がずらりと並ぶのは心証が良くないでしょう。公式日本語サポートの暁には、ぜひこの問題も解決して完全に日本語で遊べるようにして欲しいですね。

筆者注:後日、デベロッパーからSousui氏に以下の情報が伝えられました。

本作はもともと固有名詞が翻訳しづらく作られているため、現時点では固有名詞は翻訳されていません。すべての言語について固有名詞を翻訳するための最善の方法を模索中で、将来的には翻訳される予定です。

――有志翻訳に参加して嬉しかったことはなんですか?

Sousuiなによりも嬉しかったのは、ゲームを自然に遊べるようにできたことです。日本語化Modを利用したユーザーに、英語圏の人々と同じ体験をさせることができた手応えがありました。

――逆に、大変だったことはありますか?

Sousuiやはり、速度を重視してのアップデート対応作業は色々な意味できつかったですね。時差の関係で毎回深夜になりますし、大型アップデートになると作業量も相当なものです。アップデートに惹かれて翻訳作業所に立ち寄った人が翻訳に参加できないまま終わらないよう、対応はなんとしても急がなければなりませんでした。

――有志翻訳が公式翻訳のベースに採用されて見方が変わったことはありますか?

Sousuiなにかが変わったかというと、それはないかもしれません。しかし、かつてのユーザーコミュニティでは日本語化の話自体がタブーであったり、マルチバイト対応なんてまずあり得ないという空気がありました。たった数年で隔世の感があります。

現場からのメッセージ

有志翻訳はユーザーの意思による活動であり、作品の偉大さの現れでもあります

――翻訳チームとユーザーに向けて一言ずつお願いします。

Sousui翻訳者と管理者の皆さん、ここまでご協力いただき誠にありがとうございました。今後はゆっくりと本作をお楽しみください。そしてユーザーの皆さん、あなた方の「面白い!」という声がなければ、公式サポートはおろかプロジェクトの継続もなかったと思います。私の有志翻訳はこれで終わりですが、今後とも『Stellaris』をお楽しみください。

――これから有志翻訳を志す方へ一言アドバイスをお願いします。

Sousuiゲームを日本語にするというのは、それほど難しくなかったとしても大変なことです。翻訳においてプレイヤー人口や翻訳者数は力だということを意識すると、プロジェクトがスムーズに進むでしょう。

――最後に、有志翻訳者としてゲーム開発者やゲーム業界に伝えたいことはありますか?

Sousui有志翻訳はユーザーの意思による活動であり、あなた方が開発してくださった作品の偉大さの現れでもあります。しかし、たとえ有志翻訳の品質が公式翻訳より優れていたとしても、公式な言語サポートには極めて大きな価値があります。あなた方の作品が、世界のたくさんの人々に自然な形で楽しめる未来が来ることを願っています。

――本日は貴重なお時間を割いていただきありがとうございました。


《FUN》

遊ぶより創る時間の方が長いかも FUN

元ゲームプログラマー。得意分野はストラテジーゲーム。ゲームライターとして活動する傍ら、Modの制作や有志日本語化に携わっています。代表作は『Crusader Kings III』の戦国Mod「Shogunate」。

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