
にじさんじ所属のVTuber・周央サンゴさんが主人公の声優を務めることでも大きな注目を集めている『魔法司書アリアナ ~七英傑の書~(以下、魔法司書アリアナ)』は、コンパイルハートとハイドによる“本”がテーマの2DアクションRPGです。
そんな本作は、京都・みやこめっせにて2025年7月18日から7月20日まで開催した、日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit the 13th(以下、BitSummit)」に初出展。序盤ストーリーを発売前に試遊することができました。
今回、Game*Sparkは試遊を楽しんだ後に、本作でディレクターを務めるハイドの越沼朋也氏と、アイディアファクトリー(コンパイルハートの親会社)の宣伝担当・南隼人氏へ、会場にてインタビューを実施。遊んでみた手応えを踏まえたゲーム内容や、周央サンゴさん起用のきっかけを訊きました。
触ってみてとにかく遊びやすいの一言!“本の世界”の雰囲気やキャラクターモデリングが◎

新作2DアクションRPG『魔法司書アリアナ ~七英傑の書~』は、本の世界を舞台に、魔法司書の「アリアナ・ヴィレリス」が冒険を繰り広げる作品です。ステージの切り替わりが本のページをめくる演出になっていたり、魔法も本から呼び出したりと、徹底して“本”がテーマになっています。
今回の試遊で筆者が遊んだのは2ステージ。青空と草原が眩しい高原と、一転して満月が輝く夜の岩山という、全く表情の異なる“本の世界”を楽しめました。ステージ名は全て「◯の書」となっており、ここでも本らしさが現れています。


基本アクションは横移動とジャンプ、そして魔法での攻撃と至ってシンプルなもの。何かしらの2D横スクロールアクションで遊んだことがあれば、すぐに手に馴染む操作感でした。敵に連続で攻撃を叩き込んで、華麗な魔法さばきを決めたい!
そんな魔法は広範囲を攻撃できるもの、遠距離から安全に発動できるもの、そして回復技……などなど、千差万別。魔法は、数多の種類からプレイヤーが自由にセット&強化できます。製品版では一体どれほどの魔法を撃てるか楽しみです!

また本作はアリアナの声優が、にじさんじ所属のVTuber・周央サンゴさんであることも話題を集めています。アリアナはアクションの度にボイスを発してくれるだけでなく、ちゃんと物語におけるセリフも読み上げられるので、周央サンゴさんのファンは絶対にプレイしておきたいところ!
遊びやすさや世界観、そして周央サンゴさんの演技力に感嘆したところで、ハイドのディレクター・越沼氏と、アイディアファクトリーの宣伝担当・南氏へ行ったインタビューをお届けしていきます。
本の世界でお気に入りの魔法を強化して組み合わせ、キャラクターを装備品でカスタム……RPG要素にもストーリー性にも期待
――本作は魔法も武器も本、ステージ移動もページをめくる演出と、“本”が全体のテーマになっているんですね。
越沼氏:『魔法司書アリアナ ~七英傑の書~』は、現実ではなく本の中の世界に入って冒険するという物語です。アリアナが壊された本の世界を直していきます。
ステージの切り替わり演出は本を読み進めていくイメージで、プレイヤーが使う魔法も本から呼び出すなど、全てが“本”に帰結する世界観になっています。ストーリーの進行も、本の物語を追う形です。

――オーソドックスな2Dアクションで、攻撃やジャンプをシンプルに操作できる遊びやすさが印象的でした。
越沼氏:いわゆる「メトロイドヴァニア」のような探索型ではなく、ステージクリア型のアクションを目指しました。そのため、キャラクターの操作のしやすさ、直感的に動かせる点を重視して開発を進めています。(コンパイルハートの)プロデューサーのアオキ(ヒロシ)さんも開発に深く関わり、一緒にチューニングを行ったことも非常に大きかったですね。
――プレイ中でやはり最も印象的だったのは魔法のシステムでした。数多くの種類が用意されているという、魔法について教えてください。
越沼氏:本作では「魔法ビルド」という要素を打ち出しています。20種類以上ある魔法をどう強化し、どんな性能の魔法を組み合わせるかなど、その自由度の高さが面白い部分です。
また、魔法には属性があり、敵に当て続けると属性値が溜まって爆発を起こし、起死回生の一撃になります。(バースト攻撃)その爆発が次の爆発を連鎖的に生むこともあり、爽快感を味わえる醍醐味ですね。

――なるほど。基本操作だけでなく、カスタム要素もとても分かりやすいですね!2Dアクション面だけでなく、“RPG”としての要素には、どのようなものがありますか?
越沼氏:ストーリーはもちろん気合いを入れています!アリアナ自身がレベルアップしたり、魔法を鍛えたりもできますし、またアクセサリーのような装備品でキャラクターをカスタマイズする要素もあるため、そういった側面から“アクションRPG”と銘打っています。
アリアナのデザインは一発で決定!?周央サンゴさんのボイス収録もスムーズに終わる
――主人公「アリアナ」のキャラクターデザインはうさ耳っぽいリボンや赤タイツなど、とても可愛らしいです。モーションやモデリングもイラストそのまま再現かつ滑らかな動きで、こだわりを感じました。
越沼氏:キャラクターデザインは、弊社のアーティスト(KYK)が企画書を基に描いたのですが、ほぼ一発で現在のデザインに近いものが上がってきて、みんなで「いいね!」と言いすぐに決まりました。
モーションについては、本作の舞台である図書館が、現実では“高尚で厳格”な雰囲気があるので、登場人物たちにもそういった優雅さを出しています。
アリアナの動きも、ただ力任せに攻撃するのではなく、攻撃後にひらりと回転して戻るような優雅な動作を全てに取り入れることを意識しました。揺れものなども丁寧につけて、美しい動きを出せたかなと思います。

――そんなアリアナの声優に、VTuber・周央サンゴさんを起用した経緯を教えてください。ファンにとっても大きな驚きだったと思います。
南氏:VTuberさんを起用しようという話が出たのは、実は開発の終盤で、アリアナ以外のキャラクターのキャスティングは済んでいるという、ギリギリのタイミングでした。アリアナは非常に演技力が求められるキャラクターだったため、VTuberさんにお願いするなら演技力で選ぼうと。そうなったとき、もう周央サンゴさん一択でした。
――実際の収録はいかがでしたか。
南氏:アリアナは主人公ということもありワード数が一番多いキャラクターだったので、収録は時間がかかるのではと心配していたのですが、全くの杞憂でした。非常にスムーズに進み、予定よりずっと早く終わりました。
越沼氏:キャラクター作りまでしっかりしてきてくださって、心配はなかったですね。
南氏:ええ、まるで本職の声優さんのようでした。

――本作はとても遊びやすいと私も感じているので、アクションゲームに慣れていない周央サンゴさんのファンでも楽しめそうですね。
南氏:はい。体験会に来てくださるファンの方々には「アクションゲームで遊ぶのはあまり……」という方も多いです。そういった方も遊びやすいよう、難易度は図書館でいつでも「ライト」「ノーマル」「ハード」に切り替えられるようにしています。遊んでみて難しければ難易度を下げられますし、物足りなければ上げることも可能です。
横スクロールのアクションゲームに初めて触れる方でも、スムーズにシナリオを楽しんでいただけるかなと思います。RPGらしさもぜひ楽しんでほしいですね。周央サンゴさんの起用を発表した際には、ファンの方々がとても暖かく迎えてくださって、本当に助かりました。
越沼氏:アクションゲームが苦手な方でもクリアできるよう、遊びやすさを重視して調整を重ねました。一方で、豊富な魔法の組み合わせによる奥深いバトルも用意しているので、幅広い方に楽しんでいただける作品になったと思います。ぜひ、アリアナの冒険にご期待ください。
――本日はありがとうございました!

キャラクターが気になって、周央サンゴさんが好きで、2Dアクションは見逃せないから……など、どんなファンもプレイ開始してすぐに“本の世界”へ入り込んでしまいそうな『魔法司書アリアナ ~七英傑の書~』は、ニンテンドースイッチ/PS5/PS4向けに8月21日発売予定です。
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