
第一報でお伝えした通り、中世を舞台とするハードコアなグランドストラテジーゲーム『Crusader Kings III』のPC版が、大型DLC「All Under Heaven」のリリースと同時に日本語を公式サポートすることが判明しました。
「All Under Heaven」は2025年10月~12月に発売が予定されている大型DLCです。これまでヨーロッパを中心に描かれていた本作に、日本や中国を含む東アジアおよび東南アジア地域のコンテンツと専用メカニズムが追加されます。

今回「東京ゲームショウ2025」の開催を機に、日本語を公式サポートした『Crusader Kings III』と、DLC「All Under Heaven」を特別に試遊する機会に恵まれましたので、簡単なプレイレポートをお届けします。プレイしたのは開発中のバージョンで、日本語訳の品質はリリースまでに改善される予定とのことです。
なお、本作は「東京ゲームショウ2025」の会場では試遊できないのでご注意ください。同開発元の新作『Europa Universalis V』および『Stellaris』の新DLC「Shadows of the Shroud」は試遊可能です。

徹底した調査ぶりは健在
今回の試遊時間は30分と短かったため、理解に時間のかかるメカニズムには深く踏み込まず、日本に関するコンテンツを中心にDLCの充実度をチェックしました。
日本にフォーカスしたブックマーク(年代)は2種類用意されています。藤原道長の時代から約半世紀後の1066年を扱う「欠けない月」と、源平合戦直前の1178年を扱う「武士の誕生」です。

前者にはお勧めキャラクターとして藤原道長の子・藤原頼通の名前が、後者には源頼朝や平清盛と並んで源義仲(木曽義仲)や藤原秀衡の名前が見えます。なお、本作ではお勧めキャラクターを選択せずに任意の領主を選んでプレイを開始することも可能です。

1178年のブックマークを選んでゲームを開始すると、直後に源平合戦の専用イベントが発生しました。選択肢によって、その後も連続イベントが発生するようです。

歴史上の人物は、ゲーム開始時に故人となっている人物も含めて膨大な数が収録されています。しかし、現在の開発バージョンでは不自然な翻訳となっている名前も目立ちました。鎌倉幕府初代将軍(鎌倉殿)源頼朝が「頼友」、その弟・源義経が「吉恒」といった具合です。

名前が漢字ではなくカタカナで表記されている日本人も少なくありませんでした。おそらく、英語から日本語に翻訳する過程で間違いが起きてしまったのでしょう。
しかし、収録されているデータ自体はかなり本格的なものです。それぞれの人物はかなり昔の祖先までたどることが可能で、翻訳が改善された暁には家系図を見ているだけでも楽しめる作品になるという印象を受けました。

日本に関するこの徹底した調査ぶりは他の要素にもしっかり反映されていました。マップは律令国(旧国名)を基準に区切られ、文化や宗教も日本固有のものが用意されています。



今回は時間の都合で詳しく紹介できませんでしたが、DLC「All Under Heaven」ではヨーロッパの封建制に代わる日本専用の政府形態として、新たに律令制や惣領制のシステムが導入され、摂関政治の時代から武士の台頭までが描かれます。
こうした固有メカニズムは日本だけでなく中国や朝鮮、東南アジアにも導入される予定で、これまでの『Crusader Kings III』では体験したことのないプレイが楽しめるでしょう。
DLC「All Under Heaven」は2025年10月~12月発売予定です。












