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武器作成からCo-opプレイまで新要素も注目のサバイバルホラー『Dead Space 3』プレイレポ

海外にて 2月5日 に発売された、VisceralとEAが手掛けるサバイバルホラーシリーズ最新作『 Dead Space 3 』。人体の部位欠損描写をゲーム性に取り込むなど、全編を通して押し出された過激なグロテスク表現から前2作は国内未発売なものの、それらを上回る根強い人気を誇

PC Windows
Dead Space 3

海外にて2月5日に発売された、Visceral GamesとElectronic Artsが手掛けるサバイバルホラーシリーズ最新作『Dead Space 3』。人体の部位欠損描写をゲーム性に取り込むなど、全編を通して押し出された過激なグロテスク表現から前2作は国内未発売なものの、それらを上回る根強い人気を誇るシリーズです。なお、ナンバリングタイトルとしては初めて、本作『3』からWindows PC版のみ国内でも発売されています(※ただし言語は英語のみ)。

Co-opプレイ搭載や武器を自在にカスタマイズできる武器クラフティングシステムなど、多くの新要素が追加されたことでも注目の本作を、シリーズを通してプレイしてきた筆者が発売からじっくり遊んでみました。なお、プレイしたのはXbox 360 アジア版 Limited Editionです。



前作から3年後の2514年、月面植民地にて鬱屈とした日々を過ごしていた主人公アイザック・クラークの元に、2人の軍人ロバート・ノートンとジョン・カーヴァーが訪れます。彼らが率いる地球政府軍はマーカー狂信集団Unitologistたちの暴動により壊滅状態となっており、最後の望みはマーカーの謎を解く手掛かりを探して連絡が途絶えたエリーだけ。アイザックを脅威と見なすUnitologistのリーダー、ジェイコブ・ダニクの執拗な追跡から逃れつつ、マーカーの本質と根源に迫る戦いが始まります。

Dead Space 3珍しくアイザックの日常が垣間見れる冒頭。かなり荒んだ生活をしていた様子。

Dead Space 3月面植民地の路地に輝くアジア風のネオンは映画『ブレードランナー』を彷彿とさせる。

『1』のUSG Ishimura、『2』のTitan Stationと、生活の名残りを感じさせる最先端の施設を舞台にしてきた本シリーズですが、本作『3』で大きく異なるのは、物語の大半が200年前から放置された古びた廃墟のような場所で進行すること。そのため武器の改造を施すベンチも旧式で、前作のようなNodesやクレジットを用いた手軽なアップグレードが施せず、素材を集めてゼロから製作する武器クラフティングが必要となってきます。

Dead Space 3前半の主な舞台となる、200年前に遺棄されたままのCMS Roanoke周辺宙域。

後半の主な舞台となる氷の惑星Tau Volantisでは、周囲も良く見渡せないような吹雪の中雪原を移動するなど、屋外でのシチュエーションが大幅に増加。ピカピカの船内がほとんど登場しないことに少し不満を抱きつつも、植民地の路地裏から遺棄された宇宙船、雪深い山道や地下遺跡など、目まぐるしく移り変わる舞台は3作目に相応しいダイナミックなストーリーを彩っています。

Dead Space 3屋外のシークエンスも多いTau Volantis。スーツが壊れ、早く暖をとらないと凍死する、などというシチュエーションも。焦ります。

Dead Space 3後半に登場する謎の巨大遺跡。未知のギミックと圧倒的な景観が待ち受ける。



キャンペーンでは一本道だったルートに少し自由度が加わり、特定の場所でOptional Missionが発生します。Optional Missionの数はCo-op専用も含め10個ほどで、それぞれ30分〜1時間程度でクリアできる内容。資源やアイテムを探すミッションが中心となるものの、各地のログには物語性のあるものが残され、ストーリーに深みを加えています。

Dead Space 3Co-op専用のOptional MissionではCo-opならではの演出を見ることができる。

全体のボリュームも大幅に増え、全てのOptional Missionをクリアして20時間程度と、過去作から倍近く増加。その分Optional Missionではマップの使い回しが目立つなど多少冗長な面も見られますが、シリーズが好きなプレイヤーにとっては長く楽しめるのはやはり嬉しいことなのではないでしょうか。

本作からチャプターを選んで再開できるようになったため、Optional Missionをやり残してしまっても容易にリトライが可能です。また、各チャプターごとにOptional Missionや収集物のコンプリート率が詳細に確認できるようになったのも非常に便利だと感じました。

Dead Space 3コンプリート率はポーズメニューからいつでも確認可能。取り忘れたアイテムもチャプターごとに回収できるのはありがたい。



本作の目玉とも言える武器クラフティングでは、両手武器か片手武器かを決める“Frame”に、“Tool”と“Tip”を組み合わせることで様々な武器が作成可能。“Tool”と“Tip”はそれぞれUpperとLowerがあり、Upperがプライマリファイア、Lowerがセカンダリファイアとなるため、簡単に言えば好みの武器2種類を合体させられるようなイメージです(Lowerは付けなくても可)。更にアタッチメントが2つまで追加でき、スコープやダメージ増加などの一般的なもの、回復アイテム使用時にパートナーも回復させるなどCo-opサポート的なものに加え、Acid(酸)やElectric(電撃)など属性効果を付加することができ、組み合わせ次第でより威力を高めることができます。

Dead Space 3武器クラフティング画面。Frame、Upper Tool、Upper Tip、Lower Tool、Lower Tip、アタッチメント×2、アップグレードサーキットと、変更できる箇所は8箇所もあり、組み合わせのバリエーションは膨大な数に及ぶ。

自由度が高く組み合わせによってはかなり強力な武器がつくれてしまう武器クラフティングは反面、一度使いやすい武器を作成してしまうとそれだけで最後までプレイできてしまい、前作までのようにシチュエーションごとに武器を厳選し運用するような必然性がなくなってしまったのは残念。特に1周目では思うより素材が集まらず、気軽に作成に踏み切りにくい点も。また、自由度が高すぎてとっつきにくい側面もあり、人によっては面倒に感じてしまうかもしれません。

Dead Space 3筆者が個人的に愛用していたのは、Upperにカービン、Lowerにフォースガンというとても普通な組み合わせ。Lowerはリッパーやフレームスロワーと気分によって付け替えていました。

Dead Space 3こちらはリベットガンにExplosiveモジュールとAcidアタッチメントを組み合わせ、セカンダリでAcid効果つきの爆破ができるようにしたもの。Full Zoom Scopeでズームも可能に。



Co-opプレイではアイザックのパートナーとしてジョン・カーヴァーを操作することができます。Co-op中は会話の追加やカットシーンの変化、Co-op専用Optional Missionがプレイ可能なほか、ギミックの解き方もソロとは異なるなど独自の要素がふんだんに用意され、ソロでクリアした後でも新鮮な気持ちでプレイを楽しむことができます。また、ソロでは見ることのできなかったカーヴァーの内面を描くシークエンスは必見で、Co-opならではの恐怖を見事に表現しています。

Dead Space 3ジョン・カーヴァーはノートン率いる地球政府軍の軍曹で、ノートンの部下。

フレンドとお互いの自作武器を駆使したサバイバルは想像以上に面白く、『Dead Space』の新しい楽しみ方が広がったという印象。ソロではカーヴァーは同行しないため、過去作同様の孤独感はしっかり健在しているので安心です。ただし、戦闘面ではラッシュの増加などCo-opに合わせた調整が目立ち、それに対して敵の出現数が変わらないため、結果的にソロとCo-opで難易度が大幅に異なる点は、バランス調整の甘さを感じてしまい少し残念なところ。

Dead Space 3ギミックは2人で協力しないと解除できない。1周クリアした後でも解き方に戸惑うこともあり、新鮮に楽しめる。



武器クラフティングやCo-opプレイなど新たな要素が加わり遊びの幅が広がった引き換えに、前作までの細部まで洗練されたゲームデザインに比べると若干大味な出来である印象は拭えない本作。しかしソロプレイとCo-opの見事な切り分けにより、“Dead Spaceらしさ”は見た目以上に健在で、息の詰まるような恐怖感こそ少なくなってしまったものの、常時緊張感のあるプレイを楽しむことができました。

『1』の正統派ホラー、『2』のハリウッド映画的ダイナミックな演出をふんだんに採用したスケールアップ、そして本作『3』で新境地を切り開いたDead Spaceの挑戦は、全てが丁寧にお膳立てされ洗練された完成度と引き換えに、プレイヤーへ遊び方の大きな自由度を提供するものでした。全てが計算づくのもてなしを受けるようなゲームプレイと、自ら選択できる幅が用意されたゲームプレイ、どちらを好むのか、それによって本作の評価は大きく分かれてしまうのかもしれません。


それでは最後に、Game*Sparkスタッフによる『Dead Space 3』(PS3版)のゲームプレイ動画をお届けします。




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《ひよKing》
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