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原作を愛するチームが蘇らせた新生『ストライダー飛竜』 ― アンドリュー・サマンスキー氏インタビュー

80年代に登場した名作シリーズの再構築作として現代に蘇った『ストライダー飛竜』について、カプコンのプロデューサー アンドリュー・サマンスキー氏にインタビューを行い、たっぷり話を聞くことができました。

家庭用ゲーム PS4
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次世代機PS4のローンチタイトルにも名を連ねて、マルチプラットフォームで2月22日より順次発売となるカプコンの新作アクションゲーム『ストライダー飛竜』。80年代に登場した名作シリーズの再構築作として現代に蘇った本作について、カプコンのプロデューサー アンドリュー・サマンスキー氏にインタビューを行い、たっぷり話を聞くことができました。


――それでは、ゲームの話に入る前に、アンドリューさんの自己紹介を簡単にお願いします。

アンドリュー:
『ストライダー飛竜』のプロデューサーをしているアンドリューと申します。カプコンには約4年前に入社しました。昨年は『ロスト プラネット 3』というタイトルをリリースしまして、今年は『ストライダー飛竜』をお届けします。私自身、非常にアクションゲームが好きなので、『飛竜』のような昔ながらの硬派なアクションを作れることをうれしく思っています。

――『ストライダー飛竜』の開発チームについて、米国のDouble Helix Gamesと日本のカプコンの共同開発だと聞いていますが、具体的にはどのように協力、役割分担されているのでしょうか?

アンドリュー:
“基本コンセプトやゲームデザイン等の設計部分は「魔界村」シリーズ等を作って
きた小田晃嗣がディレクションを、アート面は『ストライダー飛竜2』敵デザインも
担当した酒井奨が各種キャラクターデザインとディレクションを行う等、日本のカプコンスタッフが密に関わっています。

――Double Helix Gamesは『ストライダー飛竜』以外にも次世代機タイトルの開発を手がけています(Xbox Oneの『Killer Instinct』)。彼らはそうした次世代機のノウハウを持っていると考えていいのでしょうか。

アンドリュー:
実は、『ストライダー飛竜』の方が開発に着手した時期が先なので、『飛竜』から次世代機に初挑戦ということになります。開発は約2年前にスタートしました。技術力やエンジンという部分で力を持っています。何より、Double Helix Gamesのチームの面々は、我々と同じように昔原作を遊んで、『ストライダー飛竜』というシリーズを愛しているので、一緒に仕事していて面白いことも多いですしやりやすかったです。

――ところで、なぜ今になって『ストライダー飛竜』を作ることになったのでしょうか。前作からも長い年月が流れています。

アンドリュー:
『ストライダー飛竜2』は1999年にアーケード、翌年の2000年にPS1版が発売されて、今作は15年ぶりの新作となります。さらに遡ると、初代『ストライダー飛竜』が発売されたのは1989年、そこから続編が出るまでに10年が経過しています。とにかくスパンの長いシリーズです。なぜ今かと言うと、もともと私自身も『ストライダー飛竜』が大好きで、キャラクター自体も今でも大変人気があります。単独のシリーズだけでなく、『MARVELvs.CAPCOM 』シリーズなどの対戦格闘ゲームにも登場しました。横スクロールアクションゲームというジャンルで何か面白いことができないか?そして、長く愛されている飛竜にもそろそろ主演作があってもいいのでは?と考えたのです。

『ストライダー飛竜』はもともとアーケード用のアクションゲームであり、コインを入れて進めていく仕様です。通しでクリアしたら30分程度の長さです。それを家庭用ゲーム機向けにボリュームのある内容にするにはどうしたらいいかを考え、『飛竜』ならではのハイスピードな戦闘、移動アクション、体術に加えて、パワーアップなどを見つけて徐々に強くなり、行ける範囲が広がっていく探索型アクションとの親和性が高いと感じました。そこで原案を書いてカプコンの開発チームに見せたところ、これは面白い、という話になったのです。

――ではアンドリューさんが今作の原案を書かれたと。

アンドリュー:
はい、草案はそうですね。

――少し脱線しますが、アンドリューさんが一番最初に『ストライダー飛竜』を遊んだのはいつですか?

アンドリュー:
米国での学生時代、メガドライブの移植版をはじめてプレイしました。その時は、とにかく「スゴイな」と思った。奇抜な世界観もそうですし、当時の横スクロールにはなかった概念、例えばつかまって移動するとか、急斜面を駆け下りながら戦うとか、そういう要素がいろいろあって、ものすごく印象に残っていたのです。私はカプコン入社後もずっと『飛竜』が好きで、せっかくカプコンに入ったのだから、やりたい!と思って。

――なるほど。余談ですが、私が『ストライダー飛竜』にはじめて出会ったのは、ゲームセンターでした。まだ小学生の高学年くらいで、当時おこづかいもあまり持っておらず、大人がプレイしているのを後ろで見ているだけでした。メガドライブも持っていなくて、友人の家で見せてもらったりと、高嶺の花でしたよ。

アンドリュー:
そうなのですね。(笑) 初代の『ストライダー飛竜』は、メガドライブだけでなくPCエンジンやX68000など色々な機種に移植されています。そういう意味で、私のように業務用だけでなく移植版で知った人も多いと思います。

――『ストライダー飛竜』シリーズを知らない新規ユーザーや若いゲーマーに向けて、飛竜の魅力や原点をアンドリューさんから教えていただけますか。

アンドリュー:
飛竜はストライダーという名のエージェントです。何と言っても見た目がかっこいい、デザインだけでなく動き一つとってもかっこいい。あとはやはり忍者的な存在感。口数が少なくて、ひたすら任務を遂行するのみというところがかっこいい。サイファーという特徴的な武器の魅力もひとつです。


――それでは反対に、『ストライダー飛竜』の原作をよく知っている当時のファンが注目するような部分はどこですか?

アンドリュー:
いっぱいありますよ! 基本的に作っている我々自身も『飛竜』のファンですので、原作へのこだわりやオマージュ、インスピレーションがたくさんあります。例えば、パッケージデザインにも描かれているバウンティハンター“ソロ”や“東風三姉妹”など、前2作で出てきた有名キャラクターが新しいデザインで再登場します。今作のコンセプトは再構築(リビルド)です。こうしたキャラクターだけでなく、色々な要素が引き継がれていて、かつ全く新しい要素と融合しているのです。本当にファンの立場で、これが入っていたらうれしい、というものを入れつつ、原作を知らないファンを置き去りにしないような今のゲームらしい表現も入れています。

――横スクロールという作りについて、原作に従ったので当然なのかもしれませんが、改めてそれを選択した理由は? 横スクロールを採用しないというアイデアはなかったのでしょうか。

アンドリュー:
まず基本コンセプトとして、今の時代だからこそ横スクロールがあっていいのでは、と思ったのです。海外のインディーゲームでは今でもたくさん横スクロールのゲームが作られています。今の時代にふさわしい横スクロールの『飛竜』を作ったら素晴らしい、という考えがあったのです。

――ではその新しい横スクロールを作るにあたってどのような挑戦をしましたか?

アンドリュー:
映像表現をポリゴンにすることでカメラは自由に使うことができました。広いマップを探索する時ならカメラがズームアウトして全体を見渡せたり、ズームインして迫力あるボス戦を格闘ゲームのように体験できたりという風にです。それによってプレイ感覚もまったく変わってきます。飛竜の能力自体もゲームを進めることでパワーアップしていき、二段ジャンプや光剣サイファーの属性変更、オプションの召喚など出来ることが増えていくのです。とはいえ、基本の触り心地としての飛竜のレスポンスの良さという部分にはいちばん注力していて、それは本作の「ハイスピード探索アクション」というジャンル名にも反映させています。。

――今作は現行機(PS3/Xbox 360)と次世代機(PS4/Xbox One)、それにPCというマルチプラットフォームで発売されます。どのバージョンを買おうか迷っているユーザーもいらっしゃると思います。各機種ごとの特徴や何かアンドリューさんからアドバイスをいただけますか。

アンドリュー:
PS4版はマシンパワーを活用していて、やはりグラフィックに大きな違いがあります。PS4版のフレームレートは60fps、対してPS3版は30fpsです。解像度はPS3が720p、PS4はネイティブで1080pのフルHD対応です。PS4版にはパーティクルなどの各種エフェクトも含まれていますが、PS3版で何か見えないものがあるということではありません。PS3版は過去2作(ゲームアーカイブス版)のダウンロードコードを同梱していて、シリーズ3作品が遊べます。価格は色々特典も入ってPS3版が3,990円(税込み)、『ストライダー飛竜』単体のPS4版とXbox 360版が2,000円(税込み)です。どのバージョンもオススメなのですが、「今自分が最も稼働させている(若しくはメインで使う予定の)ハードを選ぶ」と、より『飛竜』で遊んでもらう機会が増えて良いと思います。

――単体では2,000円という価格設定ですが、ゲームのボリュームが気になります。

アンドリュー:
ボリューム的には、フルコンプせずに1回目のプレイで8時間前後、達成率100%のフルコンプ目指したら10~12時間弱になり、価格に対して十分なボリュームだと我々は思っています。ボス戦もいっぱい入っています。安いからボリュームが少ないだろう、というのは間違いです!

――PC版について教えてください。

アンドリュー:
まだ国内発売日が決まっていませんが、Steamでの配信になります。PC版は当然、お使いになっているハード構成によっては次世代コンソール版に匹敵する内容になるはずです。PC版の詳細は今後お伝えしていきますので。

――今作は探索型アクションということで、繰り返し遊べるような作りになっていますか?

アンドリュー:
1回のプレイでは見つからないようなサブルートがあって、昔のカプコン作品にもあった“POW”を探してギャラリーのコンテンツをアンロックする収集要素があります。実は本編以外のゲームモードも用意されています。一つは“サバイバルモード”といい、部屋の中で次々と押し寄せる敵をいかに早く倒せるかをフレンドとランキングで競いあうことができます。もう一つの“ファーストランナー”は、本編の特定の地点を切り取って、A地点からB地点までとにかく早く移動するというものです。敵の配置が違っていて、たくさんマップも用意されているので、単なるおまけ以上のモードになっています。

――PS4版ならシェア機能でタイムアタックを自慢したり披露できそうですね。

アンドリュー:
はい。ぜひシェアしてほしいです。

――それでは最後にGame*Sparkとインサイド読者にメッセージをお願いします。

アンドリュー:
PlayStation 4とPlayStation 3でいよいよ2月22日に発売となる『ストライダー飛竜』。現代基準のグラフィックで新たに製作された王道の横スクロールアクションは、80年代から長年アクションゲームが大好きな方にはなつかしく、『モンスターハンター』のような現代のアクションゲームが好きな方にはきっと新鮮に感じてもらえるはずです。PS4のローンチタイトルでもあるので、プレイするゲームを探している方なら、まずは体験版をダウンロードして試してほしいです。特にシリーズのファンの方に向けてですが、本当に『飛竜』を大好きなスタッフが愛情をこめて作っているので、是非プレイして確かめてください。

――分かりました。本日はありがとうございました!

《Rio Tani》
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