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FacebookのOculus Rift買収に関し両社が言及。まず最初にゲーミング、さらには「プラットフォーム化」へ

Oculus Riftへと興味を示していたデベロッパー達から徐々に反応が出始める中、ゲーム業界メディアGamasutraのインタビューをFacebookの若きCEOであるMark Zuckebreg氏が受け、今回の買収劇について語りました。

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Oculus VR開発チームの面々

Facebookが20億ドルにてVRヘッドセッドのOculus Rift社を買収するという電撃ニュースが駆け巡った本日早朝。Oculus Riftへと興味を示していたデベロッパー達から徐々に反応が出始める中、ゲーム業界メディアGamasutraのインタビューをFacebookの若きCEOであるMark Zuckebreg氏が受け、今回の買収劇について語りました。

■まずゲーミング、次にプラットフォーム化

Zuckberg氏はまず始めに「没入型ゲーミングはまず最初の巨大なチャンスだ、そしてOculusはこれに関して巨大なプランを有しておりそれが変更されることは無い」と約束。またOculusはFacebook下のインデペンデントな企業として継続し、あくまでFacebookからのアクションは財政面の援助に留まることを付け加えています。

FacebookがOculusを買収した目的については、VRが「次なる主要なコンピューター関連プラットフォームであり後にモバイルへも来る」分野だと語り、今回の買収は「コンピューターの未来における長期的なベット(賭け)」だとZuckberg氏。「没入型バーチャルやARは人類全員の生活の一部となる。歴史的に見れば、さらなるプラットフォームが登場し、誰もがこれらを構築して定義していくだろう」と続け、さらに「ゲームの後、我々はOculusをプラットフォームにするだろう」と明言しています。

「今までの人生における体験とは全く異なり、完全に新しい種類の体験が可能になる」と語るZuckberg氏。スマートフォンがPCのエコシステム上に登場してこなかった全く新しいアプリケーションを生み出してきたことになぞらえ、過去に例を見なかったような興味深い分野が真に広がり始めていると締めくくっています。

■Oculus「全ての人々にVRを届ける方法」

一方Oculusの共同設立者Palmer Luckey氏は海外フォーラムRedditにて、当初はFacebookとのパートナーシップに懐疑的であったものの、現在では「バーチャルリアリティを全ての人々へ届けるための明快で明らかな方法」だったと今回の買収劇を振り返っています。また「これはゲーム業界における特別な節目だ。Oculusの予測できない未来は一点の曇もなく明確になった。バーチャルリアリティはやってくる、そしてゲームをプレイする手段は永久に変わるだろう」と続けました。

またOculusのCEOであるBrendan Iribe氏は「我々は世界最高のバーチャリリアリティプラットフォームを作り上げるため共に働いていくことを楽しみにしている」とコメント。Oculusの目標は「途方もなく、手頃な価格で、そして至る所に存在するバーチャル・リアリティを世界中で実現可能にすること」だと語り、Facebookとのパートナーシップ締結は将来への投資であると説明しています。

Oculusの今後に関してIribe氏は、Oculusが明らかにゲーミングから始まったハードウェアであるとした上で、「我々は没入型ゲーミングを可能にし、長期的には、エンターテイメントにも及ぶというビジョンを持っていた」とコメント。またOculusプロジェクトがゲーミングとして始動していく内に自身らも予期せぬ事態が起こり、世界のソーシャル体験を変化させる多大なポテンシャルが明確になったと伝えました。

この見解に加えFacebookのCFOであるDavid Ebersman氏は、FacebookがOculusに対し「ゲームを含めた上で越えていく」ことに興味を持っていると述べ、両社ともにゲーミングだけでなくエンターテイメント分野にもOculus Riftを進出させていく意向を明確にしています。

■Facebookが見据えるビジネスモデル

FacebookのCEO Zuckerberg氏はソニーが先日GDC 2014にて発表したPlayStation 4対応VRヘッドセット「Project Morpheus」に対し、Facebookの目標は「伝統的なコンソールの機会を超えること。偏在するコンピューティングプラットフォームを超えるものを作り出すこと」であるとし、「Project Morpheus」とは互いにライバルには成り得ないとの見解を示しました。

またZuckerberg氏はインタビュー中、「Facebookは明らかにハードウェア企業では無い」とコメントし、またOculusと共にFacebookが「長期的なハードウェア利益を追求するつもりは無い」と発言。協議が非常に早期の段階であると注意した上で、Facebookのビジネスモデルではバーチャルグッズや広告収入といったOculusテクノロジーのためのソフトウェアとサービスを見据えていると続けています。一方でFacebookが皆が利用可能で安価かつどこにでもある製品を作るべきであるという「異なるレバー」を押して行くことも約束しました。


まず目下のゲーミング分野におけるOculus Riftを推進し、後にプラットフォーム化を目指すことを明確化している両社。海外では『Minecraft』で知られるMarkus"Notch"Persson氏が今回の買収劇に強い不快感を示しましたが、ゲームを含む様々な分野でのプラットフォームとして道を歩みだしたOculus Riftに対し、今後ゲーミングのデベロッパーやコミュニティがどのような反応を示し、そして対応していくのかは興味深いところです。
《ishigenn》
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