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米女性ゲーム評論家へ殺害予告、ゲーム表現には多様化が必要か?

北米のゲーム評論家として有名なAnita Sarkeesian氏が、8月27日、ネット上で殺害予告を受けて避難を余儀なくされる事態となったとTwitterで公表し、ワシントン・ポストを始め、アメリカの様々なメディアがこの事件を報じています。

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米女性ゲーム評論家へ殺害予告、ゲーム表現には多様化が必要か?
  • 米女性ゲーム評論家へ殺害予告、ゲーム表現には多様化が必要か?

北米のゲーム評論家として有名なAnita Sarkeesian氏が、8月27日、ネット上で殺害予告を受けて避難を余儀なくされる事態となったとTwitterで公表し、ワシントン・ポストを始め、アメリカの様々なメディアがこの事件を報じています。

2012年5月、Sarkeesian氏がゲームの中の女性差別を題材にした短編ビデオシリーズ作成のために立ち上げたKickstarterプロジェクトは、24時間で目標の6000ドルを達成するなど、大きな話題となりました。この活動が様々な関係者の目に留まり、2012年6月にはゲーム開発会社のBungieに女性キャラクターのあり方についてのアドバイスを行い、同年12月に開催された「TEDxWomen」ではスピーカーとして壇上に上がるなど、精力的に活動してきました。また、2014年のGDCでは女性として初めて、ゲームをよりよいものにするために貢献した人物に贈られるアンバサダー賞を受賞しました。

同氏はKickstarterでの支援を元に、自身が出演するビデオゲームにおける女性のあり方について問いかけるビデオブログを発表し続けています。このビデオブログは、殺害予告の少し前の8月25日に最新作が発表されたところでした。同氏の『Tropes vs. Women in Video Games』(ゲームにおける比喩対女性)というビデオブログの中では、Rockstar Gamesの『GTAシリーズ』における女性への暴力表現や、任天堂作品の「白馬の王子様的存在の男性がさらわれたお姫様を救う」というストーリーテリング等、様々な表現について疑問を投げかけています。同氏はこれらの表現を「男性プレイヤーがゲームをプレイするためのモチベーションとして使われている」と指摘しました。

またビデオブログの新シリーズ、『Women as Background Decoration』(背景装飾としての女性)では、ゲームの中に性的に配置されるノンプレイアブルキャラクターに疑問を呈しています。同氏はビデオブログを通して、ゲーム内の女性の地位向上だけを訴えているのではなく、「これからのビデオゲームのストーリーテリングにおいて、もっと多様化した表現方法が必要になるのではないか」との提言をしています。

この活動には、賞賛とともに激しい批判が巻き起こりました。これまでも同氏には嫌がらせが相次いでいたようですが、今回、一部の心ない人物から殺害予告が送られて避難を余儀なくされるという、残念かつ行き過ぎた事態が発生してしまいました。

現在、アメリカのゲーマーのほぼ半分にあたる48%が女性で、ビデオゲームのプレイヤー人口に占める女性の割合が高くなってきています。今年6月、『Assassin’s Creed: Unity』の女性プレイヤーキャラの廃止について論議が巻き起こった背景にも、この女性ゲーマー増加があるようです。

ゲームにおける女性のあり方については、昨日のソニーの国内向けカンファレンスで発表された「Project Morpheus」のデモについて、海外向けに音声通訳付きで行ったこともあり、問題視する声が一部の海外メディアで上がっています。米Engadgetは「『サマーレッスン』は鉄拳チームによる問題のあるタイトルだ」との見出しで、「当然のように決まりの悪い気分になりながらTGSで体験することになるだろうが、なぜこのような誤解されやすいものを目立つ「Project Morpheus」の初期段階のデモとして取り上げたのか、開発者の意図を理解することを望んでいる」報じています。また、オーストラリアのBusiness Insiderも、Twitter上でこのデモについて、好意的な意見はあるものの、多くのネガティブな意見が見られたとし、「Sarkeesian氏の事件の直後にこのデモが世界向けに発表されたことに対し、疑問視する姿勢を示しているように見受けられます。

時代の移り変わりによって、人々の価値観が変容するなか、グローバル展開しているゲーム開発会社は、さまざまな社会の価値観に合わせたもの作りの必要性が出てきているようです。Sarkeesian氏の活動や見解には、様々な意見があると思いますが、その様々な意見のひとつひとつに耳を傾け、時代やニーズに合わせてクリアしていくことが必要なのかもしれません。

《Daisuke Sato》
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