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記野直子の『最新北米市場分析』2015年6月号―『バットマン』でワーナー絶好調

ちょっと遅くなってしまいましたが、6月のNPDによる北米市場データ速報が発表されましたので報告しますね!先月に引き続きPlayStation 4が首位をキープしました。これは『Batman: Arkham Knight』のバンドル版がかなり寄与したと思われます。

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記野直子の『最新北米市場分析』2015年6月号―『バットマン』でワーナー絶好調
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こんにちは。アメリカでは先月のE3を皮切りにAnimeExpo、Comic-Conとイベントのラッシュです。業界としては7月末には上海で行われるChina Joy、8月中旬のドイツケルンのgamescomと9月の東京ゲームショウまでの長いイベントシーズンが続きます。年末商戦のゲーム業界の訴求合戦が始まったのです。

さて、ちょっと遅くなってしまいましたが、6月のNPDによる北米市場データ速報が発表されましたので報告しますね!

■市場全体動向: 好調続く北米ゲーム市場!

6月16日~18日にE3が開催され、ハードメーカーやソフトメーカーが年末に向けて行う戦略やラインナップなどが発表されました。

ハードウェア売上は前年2億9,110万ドルから8%アップの3億1,310万ドル(約385億円)。E3で年末までのラインナップが発表になったらからなのか、5月の約2倍の市場規模までに膨らみました。NPDによると特に今世代ハードだけに目を向けると前年比15%アップとのこと、足を引っ張っているのが前世代機と携帯ゲーム機ということです。

ソフトに目を向ければ前年比19%アップの市場。『Batman: Arkham Knight』が大きく寄与した形ですが、この作品、6月23日に発売されたのに6月度のダントツ1位と言われるとどのくらいの勢いかがわかりますね。

アクセサリー(周辺機器)は前年2億9,780万ドルから34%アップの3億5,410万ドル(約435億円)。とても好調なのですが、amiibo、『Skylanders』などのインタラクティブトイが前年比44%アップで市場を引っ張っています。

また、NPDによるとネット専用のプリペイドカードも好調で過去最高の6月を迎えているとのこと、怒涛のソフトラインアップが発表されたE3がユーザーに与えた影響も大きいのかもしれませんね。

■ハード動向:『Batman: Arkham Knight』がPS4本体セールスに貢献


先月に引き続きPlayStation 4が首位をキープしました。これは『Batman: Arkham Knight』のバンドル版がかなり寄与したと思われます。NPDによると、2014年6月度でのバンドル版ハード売上の割合は全体ハード売上の35%足らずだったのですが、今年6月に関してはなんと82%がバンドル版の売上だった、とのこと。

ちなみに通常のPS4のバンドル版は安価感を醸し出す399ドルなのですが、今回の『Batman: Arkham Knight』版は449ドルだったようです。ソフトに引っ張られてハードが売れる話を良くしていましたが、ソフトがくっついたハードを買う時代になりましたね! ソニーが頑張ってハードを売ったというのもその通りですが、『Batman: Arkham Knight』のおかげで売れた、というのもまた真なりかもしれません。

また、マイクロソフトからは「Xbox Oneは前年比51%アップの売上です! 全世界のXbox Liveのアクティブユーザーは22%アップしました!」という発表がありました。前年比から憶測するに30万台弱を1ヶ月で売り上げたようですね。

マイクロソフトは、E3で発表した「Xbox OneにおけるXbox 360後方互換」がユーザーの期待を高めていると同時に、Xbox Oneの1TBモデルが発売されると7月になってから発表しました。新デザインのコントローラー付きでKinectは付いていません。『Halo: The Master Chief Collection』が同梱されて399ドルで販売される予定です。

このほかにも『Forza Motorsport 6 Limited Edition』や『Gears of War: Ultimate Edition』とのバンドル版も予定されているようで、こちらも年末に向けてアツいハード戦争がはじまりますね。

任天堂からは「2015年上半期を終え、Wii Uと3DSを合わせて前年比20%アップを達成しました。これは2月に発売されたNew Nintendo 3DS XLが大きく貢献したのです。3DS ハードの売上だけで前年に比べて40%以上のアップが見られるとの発表があり、3DSだけの発表で良かったのでは?と思ってしまいますね。2つのハードを組み合わせて発表しなければならないところなど…Wii Uは苦しいかもしれません。とはいえ、ソニーもPS Vitaはどうしたんでしょうかね?とツッコみたいところですが。

■ソフト動向: Warner Bros.の勢い衰えず!4タイトルがTOP10入り

2015年5月度のソフトウェアランキングです。

    1. Batman: Arkham Knight (PS4/XBO/PC) - Warner Bros. Interactive
    2. The Elder Scrolls Online: Tamriel Unlimited (PS4/XBO/PC) - Bethesda Softworks
    3. LEGO: Jurassic World (PS3/PS4/X360/X1/Wii U/3DS/PSV) - Warner Bros. Interactive
    4. The Witcher 3: Wild Hunt (PS4/XBO/PC) - Warner Bros. Interactive
    5. Splatoon (Wii U) - Nintendo
    6. Minecraft (PS3/PS4/X360/X1) - Microsoft/ Sony Computer Entertainment
    7. Grand Theft Auto V (PS3/PS4/X360/X1/PC) - Take 2/Rockstar
    8. Mortal Kombat X (PS4/XBO) - Warner Bros. Interactive
    9. NBA 2K15 (PS3/PS4/X360/X1/PC) - Take 2/2K Games
    10. Call of Duty: Advanced Warfare (PS3/PS4/X360/X1/PC) - Activision Blizzard

『Batman: Arkham Knight』は北米で6月23日に発売されたのにもかかわらずダントツ首位。また、PS4バンドル版を含めれば、『Batman: Arkham Knight』は2015年で最も売れたソフトウェアになったということですから、どのくらいの勢いかがわかりますね。

NPDによると、本作『Batman: Arkham Knight』は2011年10月に発売された前作『Batman: Arkham City』をも既に上回る売上を達成しているとのこと。当時のハードのインストールベースを考えると驚異的であると言えます。その当時は既にXbox 360やPS3がかなり出回っていたはず。ハード普及進行中の現在よりもポテンシャルは高かったはずですから。

『Batman: Arkham Knight』のPS4版はSKUで考えるとNPDが調査を始めて以来『Batman』IPのシリーズ最多の売上をマークしたとのことです。


前月トップの『The Witcher 3: Wild Hunt』や『Mortal Kombat X』、新たに『LEGO: Jurassic World』もランクインしています。すべてWarner Bros.のタイトルです。Warner Bros.は今年度上半期(1月~6月)で北米売上ナンバーワンブリッシャー確定です。前年比217%売上アップとのこと、ランキングを見れば一目瞭然。Top10圏内に4つも入っていますからね。

メガヒットRPGエルダースクロールズシリーズのMMO『The Elder Scrolls Online: Tamriel Unlimited』はコンソール展開が予定より1年遅れたものの、無事Xbox OneとPS4で発売され好評を博していますが、Bethesda はE3で『Fallout 4』を発表していますし、Warner Bros.と並んで北米の台風の目になるでしょうね。

先月に引き続き5位を維持している任天堂の『Splatoon』。6月単体だけで29万本売り上げ、トータルで45万5,000本を達成したとの発表がありました。

■E3 2015のお話

6月中旬に行われたE3 2015が終わりました。ぼーっとしている間に記事を書き損ねてしまったのですが、言わずと知れたゲーム業界最大の見本市です。

E3は一般ユーザー向けではないので、東京ゲームショウやgamescomとは比べられないのですが、E3事務局のESA(Entertainment Software Association)発表によると世界109カ国から52,000 人超の業界関係者の参加があったとのこと。出展社は約300社、1,600を超える商品の展示があったそうで、特に目立ったのはVirtual Reality(VR)とモバイルゲームだったと締めくくっています。来年(E3 2016)の開催は2016年6月14日~16日、今年同様カリフォルニア州ロサンゼルス市LACC(Los Angeles Convention Center)で行われます。

それから、この場をお借りして、7月11日に亡くなられた任天堂の岩田聡社長のご冥福をお祈り申し上げます。業界に与えた岩田社長の功績は大きく、私ごときが語れることではないのですが、国内外のゲーム関係者が悲しみに包まれたニュースでした。

さて、梅雨が明け暑い日が続きますが、暑さというよりは湿気にやられてしまっている感じの私です。水分補給をしながらハンカチを持って乗り切りましょう!それではまた来月!

    ■著者紹介
    記野直子
    カイオス株式会社 代表取締役
    青山学院大学文学部卒業。日産自動車株式会社を経て、ゲーム好きが高じゲーム業界へ転身。コナミ株式会社、株式会社バンダイ、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントにてゲームソフトの海外展開、ゲームソフト発キャラクター展開などに従事。2007年よりカイオス株式会社代表。
《記野直子》

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