異色ルールで激突する『ハースストーン』国際戦「ノズドルム杯」開催の経緯とは―チョコブランカ独占インタビュー | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

異色ルールで激突する『ハースストーン』国際戦「ノズドルム杯」開催の経緯とは―チョコブランカ独占インタビュー

Game*Sparkは、『ハースストーン』国際交流戦「5DragonsCup ノズドルム杯」を開催する「忍ism」のチョコブランカ氏にメールインタビューを実施。今大会が発足した経緯からこれまでの振り返り、次の展開まで伺いました。

ゲーム文化 eスポーツ
異色ルールで激突する『ハースストーン』国際戦「ノズドルム杯」開催の経緯とは―チョコブランカ独占インタビュー
  • 異色ルールで激突する『ハースストーン』国際戦「ノズドルム杯」開催の経緯とは―チョコブランカ独占インタビュー
  • 異色ルールで激突する『ハースストーン』国際戦「ノズドルム杯」開催の経緯とは―チョコブランカ独占インタビュー
  • 異色ルールで激突する『ハースストーン』国際戦「ノズドルム杯」開催の経緯とは―チョコブランカ独占インタビュー
  • 異色ルールで激突する『ハースストーン』国際戦「ノズドルム杯」開催の経緯とは―チョコブランカ独占インタビュー
  • 異色ルールで激突する『ハースストーン』国際戦「ノズドルム杯」開催の経緯とは―チョコブランカ独占インタビュー
  • 異色ルールで激突する『ハースストーン』国際戦「ノズドルム杯」開催の経緯とは―チョコブランカ独占インタビュー
  • 異色ルールで激突する『ハースストーン』国際戦「ノズドルム杯」開催の経緯とは―チョコブランカ独占インタビュー

株式会社「忍ism(シノビズム)」より発表された『ハースストーン』国際交流戦「HearthStone 5DragonsCup ノズドルム杯」。ゲーム内に登場する“ノズドルム”のカード効果を、ゲームプレイのルールに適用するという開催されるこのイベントでは、日本とフランス、台湾の有名プレイヤーが参戦し、「東京ゲームショウ 2017」を彩ります。

Game*Sparkは、そんな異色の競技イベントを開催する「忍ism」のチョコブランカ氏にメールインタビューを実施。今回のイベントが発足した経緯からこれまでの国際交流戦の振り返り、そして次なる展開について話を伺いました。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆


――忍ismではこれまでにも『ハースストーン』の国際交流戦を開催していましたが、今回行われる日本/フランス/台湾の3カ国による交流大会は、どのような意図で行われるのでしょうか。

チョコブランカ(以下、チョコ): それには、3つの理由があります。1つ目は「『ハースストーン』の持つ"ゲーム"としての楽しい側面を最大限に引き出したい」。2つめは「日本の選手を海外に知ってもらいたい」。そして、「日本のコミュニティと海外コミュニティの接点をつくりたい」というところです。

■「"ゲーム"としての楽しい側面を最大限に引き出したい」

チョコ: もともと『ハースストーン』のルールは1つだったのですが、ある時を境にスタンダード・ワイルドという2つのフォーマットに別れました。ここからは私の勝手な解釈なのですが、分かりやすさ、間口の広さ、健全さ、みたいなのを追求していくとゲーム本来の「尖った部分」がなくなっていきます。昨今の「e-Sports」を意識した世界的な流れの中で、格闘ゲームなんかもそうなりつつあるんですけど。『ストリートファイター4』よりもっと前には、しゃがみ弱キック1発入るとそこからピヨりまで持っていけたりですとか、ジャンプ攻撃が1回決まるとそれだけで勝敗がほぼ決する…みたいな勝負の世界があったと聞いたことがありますし、それに近い試合を過去の格闘ゲームの動画で私もみたことがあります。そういう尖った試合って、みている側は少なくとも「楽しい」し「エキサイティング」なんですよね。

ただ、そこに、スポーツみたいな側面があるかというと当時をその現場で見てきていない私には何も言えない部分ですし、プレイする側は昔はそこに50円100円を入れてやっていたわけですから、凄い負け方をしてしまった時というのはたまったもんじゃないと思うんです。理不尽な負け方が増えればそれはもう「こんなゲームやるか!」となって、プレイする人が減っていくかもしれないと思うのですが…でも昔の格ゲーというのはそれでも人がいて、それをコミュニティが支えていたんですよね。

忍ism開催の「第1回 日台交流 ハースストーン エキシビジョンマッチ」

そういう、昔は感じていた“尖った楽しさ”って、今のe-Sports化の流れには逆行するけど、なんか楽しくないですか?そこに現在の一線で活躍する強豪プレイヤーが付き合ってくれるとしたら、そりゃお祭り的に、一言で言えばフィギュアスケートのエキシビション的に楽しんでもらえる場が作れるんじゃないかと。

■日本の選手を海外に知ってもらいたい

チョコ: これは、各国との交流戦を行うたびに海外の『ハースストーン』選手の方々から言われるのですが「日本には良いプレイヤーが沢山いるんですね!」といった驚きの反応、日本の『ハースストーン』プレイヤーの選手層の厚さを認識してくれる、ということが凄く多いんです。ほぼ毎回「日本人強いな!やるな!」と言われている気がします。

裏を返せば、それだけ日本人の選手の海外へのアピール・発信が今まで足りていなかったということ。また、海外交流戦自体は行われていたものの、海外チームから直接声をかけてもらえるような、その接点となるような良質なコミュニティとの共同企画というのが少なかった、と言えるかもしれません。

ですから、日本の選手やコミュニティのことを海外の方々により広く知ってもらう場として、更にそれを「今までとは違ったアプローチ」でアピールする場として、スタンダードフォーマットの交流戦とは別に、ワイルドフォーマット&特殊ルールでの海外交流戦をやっていきたい、と考えています。

■日本のコミュニティと海外コミュニティの接点をつくりたい

チョコ: 『ハースストーン』プロシーンにおいて、アジア圏の話になるとどうしても韓国、台湾、中国といった強豪に続いて「日本」が挙がらないことがあります。Twitchで『ハースストーン』の視聴者を見てみると一目瞭然ですが、韓国や中国では明らかに多くのユーザーから「見られている」んです。一方、日本ではトッププレイヤーたちが実力の面で決して海外の選手に大きく差を付けられているようには思えないのに、さほど「見られていない」現状があります。


このほか、アジア諸国とも交流戦の話をしているのですが、国によっては数千人規模の『ハースストーン』コミュニティをFacebookグループで運用しているところもあるんですよね。そういうものがあることすら日本のコミュニティの人たちは知らないかもしれないですし、実際に我々の活動を通して日本のプレイヤーのTwitch配信に興味を持ってくれる海外コミュニティの『ハースストーン』ファンがいることも認識できました。ですから、我々にできることとして「5DragonsCup」を1つの旗印として、『ハースストーン』のメインストリームとはまた別のアウトサイドの部分で好き勝手に楽しいことをやりながら「日本と海外をワイルドフォーマットで繋ぐという事をやっていきたいと考えています。

――そもそも、なぜフランスと台湾のコミュニティと繋がることができたのでしょうか。

チョコ: もともと私自身、自分の活動を通して海外の方との交流は多かったので、そこからですね。なのでデジタルカードゲーム系の方々と直接というよりは、格闘ゲームや海外イベントで知り合った方々からご紹介頂いたり、その方々の中に現状の『ハースストーン』関連でアクティブに動かれている方がいらしたり、という感じです。あとは、普段からご支援いただいているTwitchさんや周囲のご協力もあり今回実現することが出来ました。

――これまでに行われた第1回の台湾交流戦、第2回のフランス交流戦からはどのような変化があるのでしょうか。

チョコ: 今回はエキシビジョンマッチということで、ワイルドフォーマット+特殊ルールで対戦してもらいます。これって純粋にスタンダードフォーマットで公式大会を闘っている各選手にとってはワイルドフォーマットを我々が採用することで負担が増すことになるんですね。それは我々も承知の上なんです。

「第2回 ハースストーン エキシビジョンマッチ 日仏交流戦」

ですが、そういう条件のもとで今回承諾してくださり、闘いの舞台に上がって頂ける事になった選手たちは「自分たちの負担が増えても構わない、それ以上に『ハースストーン』をプレイし、自分たちの試合を観て楽しんでもらえたら」という思いを持った方々なんです。そういった意味で、試合内容もワイルドフォーマットですから、普段は見かけないカードがみれるかもしれないですし、更にはノズドルム杯ということでスピーディーな展開が予想されます。

実は今回「東京ゲームショウ 2017」のステージという素敵な機会を頂いたこともあり「決められた時間内で出来る限り多くの選手と多くの試合をお見せしたい」というのが前提にありまして、ノズドルム杯のルールである「持ち時間15秒」もそこから来ているんです。尺に収めつつ、条件を満たすためにはこれしかない!と。なので実は「5DragonsCup」自体が「東京ゲームショウ」という場をTwitchさんから頂くことが出来ていなかったら生まれていなかった企画なんですよ(笑)。というわけで、今回の交流戦は今までとはまた一味違った感じで楽しんでいただけると思います。

――これまでの国際交流戦では、選手や視聴者からどのような反応があったのでしょうか。特に海外ユーザーからどのようなリアクションがあったのか聞かせていただきたいです。  

チョコ: 以前、フランスの方から「日本人って『ハースストーン』やってるの?」と聞かれたことがあります。それくらい日本は『ハースストーン』のシーンにおいて「注目されていない」国だったんです。ですが、国際交流戦をやるようになってから、「日本の選手もいい対戦をするね」などの声をいただきました。こういった小さな一歩がキッカケで日本の素晴らしいプレイヤーたちが海外スポンサーからも注目されるといいなぁと思っています。

――今後、中国や欧米など、他の強豪国とのエキシビジョンマッチは予定しているのでしょうか。

チョコ: 予定しています。国はまだ内緒ですけど、みなさんが思いつかないような遠くの国とも行う予定ですよ。

――「ノズドルムカップ」では持ち時間15秒制限の特殊ルールを採用していますが、他のエキシビジョンマッチではどのようなルールになるのでしょうか。  

チョコ: 先ほどもお話しした通りe-Sports的な側面でこの「5DragonsCup」を捉えた場合、位置付けとしては「フィギュアスケートのエキシビション」なんです。ですから基本はやりたい放題やっていくつもりです(笑)。ですが、あくまで我々は「プレイヤーとコミュニティと試合へのリスペクト」を忘れずにやるべきだと考えていますので、各大会のルールに関しては引き続き強豪プレイヤーの方々に意見を伺いつつ、また開催のタイミングや内容についても公式大会に極力影響のないようにしていくつもりです。


あと、マリゴス杯に関して、現段階でのネタバレを少しだけしますと、各プレイヤー必ずデッキに“マリゴス”を入れる+「呪文プラス効果」の付いているミニオンを◯枚以上デッキに入れる……という感じですね。実はイセラやデスウィングあたりの特殊ルール設定が非常に悩ましいところなのですが、だいたい固まっておりますので、次回以降のお知らせを楽しみにしていてください。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆


競技シーンのアウトサイドからプレイヤーコミュニティを盛り上げる『ハースストーン』国際交流戦「5DragonsCup」の第1回「ノズドルム杯」は、9月23日の東京ゲームショウ2017 Twitchブースにて開催予定。公式Webサイトでは概要のほか、参加選手のプロフィールも公開中です。
《Game*Spark》
【注目の記事】[PR]

特集

ゲーム文化 アクセスランキング

  1. eスポーツ大会で“選手にチートが付与される”騒動を受けアンチチートシステムが調査…「うちの脆弱性ではない」と結論

    eスポーツ大会で“選手にチートが付与される”騒動を受けアンチチートシステムが調査…「うちの脆弱性ではない」と結論

  2. ふと見つけた落書きまみれの高額ポケカ…!その犯人とは…海外ゲーマーも嘆く「子供のころの自分は馬鹿だった」

    ふと見つけた落書きまみれの高額ポケカ…!その犯人とは…海外ゲーマーも嘆く「子供のころの自分は馬鹿だった」

  3. 『Apex Legends』eスポーツ決勝戦で「選手にチートが付与される」ハッキング被害が発生…公平性が損なわれているとして大会は延期に

    『Apex Legends』eスポーツ決勝戦で「選手にチートが付与される」ハッキング被害が発生…公平性が損なわれているとして大会は延期に

  4. 『遊戯王 マスターデュエル』のガチャ画面、特許資料では“牛”や“カピバラ”が排出されていた…イメージ図もとことんシュール

  5. eスポーツ大会で「クロックス」を履いていた選手に罰金…原因はまさかの規約―見かねたクロックスは罰金を肩代わり、チームとスポンサー契約結ぶ

  6. 都市建設シム『Cities: Skylines II』近日Mod対応!新たな建物を追加するアセットパックも登場

  7. 終末が来てもゲーム機だけは絶対守る!Xbox Series Xを収納できる『Fallout』Vault風金庫がファン垂涎モノのクオリティ

  8. 友達から「なにやってるんだ」とツッコみを入れられた珍プレイ経験談たち―『モンハン』『ゴッド・オブ・ウォー』『サブノーティカ』などが話題に

  9. 米ソニー「頂点に立つPlayStationゲームは?」―しかし選択肢にない『Bloodborne』所望されすぎる

  10. フロム“月光剣”の系譜をリアルでその手に…お値段7万円。『ELDEN RING』の「暗月の大剣」1/1レプリカが海外サイトにて予約受付中―全長150センチの大迫力

アクセスランキングをもっと見る

page top