今回は2人の能力・パークがどのように活用できるのか、研究を兼ねたPTBサーバー版プレイレポートをお届けします。
※本記事でご紹介するのは、筆者がPTB版をプレイしたうえで感じた、立ち回り(戦術的な要素)になります。既に本実装されている「Darkness Among Us」は、PTB版に比べて「深手」の効果音などを始めとする内容が調整されていますが、これらを踏まえた上でPTB版を基に考証し、執筆した記事を掲載しています。
◆リージョン
複数人で構成された“リージョン”という殺人鬼。カスタマイズで構成員の誰かを選ぶことができ、事実上初めて「性別を選択できる」キラーとして登場しました。
●能力:愚連の狂奔
一定時間走る速度が上昇、パレットの乗り越えも可能、攻撃に「深手」の効果を付与する状態に移行するという能力。これらのチェイスの性能がアップする効果の代わりに、足跡が見えなくなること、通常よりも多い回数の攻撃を当てる必要が出てしまうというデメリットも存在します。
とはいえ、脅威範囲内かつ深手状態ではないサバイバーの場所を把握することができるため、索敵に効果を発揮するでしょう。その場合は脅威範囲を広げるパーク(トラッパーのティーチャブルパーク「興奮」など)で範囲を広げることができますが、狂奔状態でないリージョンは移動速度が遅いため、狂奔状態のオン/オフの見極めが肝心です。
チャージタイムはそこまで長くないため、使用回数に関しては問題ありません。しかし、アドオンも使用しない状態ではパワーゲージが短いので、やはりここぞというときに使うことが求められます。(例. 索敵を行う場合、サバイバーを追い詰めるとき、サバイバーがパレットを倒したときなど)
深手状態はタイマーによって瀕死の状態になる効果。この状態は自己治療ができるものの、「負傷」からの回復を治療に加えて「深手」から回復するための治療が必要になり、通常よりも1回分の治療時間が伸びます。そのため、うまく全員に付与できた場合には発電機の修理を遅延することが可能です。ただし、瀕死状態にするまで必要な攻撃回数が増えてしまうため、1人を追い込むのに時間を要し、全滅には向かない能力だと言えるでしょう。
足跡が見えなくなってしまうという欠点は、レイスのティーチャブルパーク「血の追跡者」で補うことができます。また、チェイス中は深手状態のタイマーが進行しないことについても、1度チェイスを終了させ、足跡を追跡する形であればカバーできますが、難易度の高いテクニックです。
●パーク
・不協和音
2人以上の生存者が同時に同じ発電機を修理している発電機のオーラが8/10/12秒間、黄色くハイライトされる。
複数人で発電機を修理させるのを阻害することができるパーク。主に索敵、長い目で見れば発電機修理の遅延に貢献します。2人以上で発電機を修理するという条件があるうえ、サバイバー側に勘付かれた際には対策をとられやすいのが欠点。儀式の序盤では存分に効果を発揮するはずですが、中盤以降は機能しないことも視野に入れてパークを構成するべきでしょう。
相性のいいパーク例:「オーバーチャージ」、「消えゆく灯」
発電機の修理がある程度進行してしまうことを考えると、牽制および阻害目的で発電機を蹴るのは重要。「オーバーチャージ」はスキルチェックの難易度が上昇、失敗すれば通知が発生する上に進行度も後退するので、発電機を蹴ることに大きな意味を持たせることができます。また、協力作業速度のデメリットが付く「消えゆく灯」のデメリット打ち消しの運用も考えられるでしょう。
・狂気の根性
生存者を運んでいる間、攻撃に失敗すると再攻撃待機時間がなくなる。攻撃に成功すると、運んでいる生存者のもがきゲージが2/3/4秒中断する。
サバイバーを運んでいる間、他のサバイバーの妨害を受けることがままあるかと思われます。その完全な対策にあたるパークですが、条件が厳しいだけにパークの枠を1つ埋めると考えると汎用性は低いパークとなっています。妨害された場合にはサバイバーをフックに吊るせる確率が上がるので、組み合わせに困ったときは「バーベキュー&チリ」や「呪術:女狩人の子守唄」といったフックに吊るすことで効果を発揮するパークを検討するといいかもしれません。
・鉄の処女
ロッカーを開ける速度が30/40/50%速くなる。
生存者がロッカーから出ると、12秒間無防備状態のステータス効果を受け、その位置が3秒間可視状態となる。
「素早く静かに」などのパークを利用してロッカーに隠れられた場合、キラー側としては発見するのが困難になりますが、このパークがあれば「出てきたとき」に通知が発生し、その上に無防備状態を付与できるので、完璧なロッカー対策と言えるでしょう。ただし、ロッカーを使用して外に出た生存者は「鉄の処女」があることを知られてしまうため、チャンスが1度きりであることに注意。
●総評
「愚連の狂奔」は、操作自体は行いやすいものの、非常にクセが強い能力です。前述の通り、2回以上攻撃しなければならないなどのデメリットが大きく、生存者を全滅させることには不向き。メリットとデメリットに向き合い、自在にオン/オフを切り替えていくことが大切です。また、ティーチャブルを含めて相性のいいパークの組み合わせを考えると「(血痕表示系を含む)索敵補助」、「発電機修理の遅延」などに枠を割かなければならないため、“遊び”がありません。逆に言えば、やることを決めて迅速に行動をすれば深手などで相手に焦りを与えられ、こちらを有利に傾けることもできるので、使用する場合には「処刑に対する迷い」を捨てるべきキラーであると感じました。
次ページでは、新サバイバー“ジェフ・ヨハンセン”を紹介します!