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e-Sportsの法規制における現状の課題と経過、そしてビジネス活用法とは?「eSPORTS TRINITY」講演レポ

e-Sportsのビジネスフォーラムと企業対抗戦を組み合わせた異業種交流会「eSPORTS TRINITY」が10月23日に開催。第1部「eSPORTSビジネスセミナー」の模様をレポートします。

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電通、サイバー・コミュニケーションズ、凸版印刷が主催する、e-Sportsのビジネスフォーラムと参加企業による企業対抗戦を組み合わせた異業種交流会「eSPORTS TRINITY」が、10月23日に東京・小石川テラスにて開催されました。本稿では第1部「eSPORTSビジネスセミナー」の模様をレポートします。

「eスポーツとは何か? 世界の潮流・日本の現状」


まず壇上に立ったのは、日本eスポーツ連合(以下、JeSU)事務局長を務める大谷剛久(おおたに たかひさ)氏。「eスポーツとは何か? 世界の潮流・日本の現状」と題し、e-Sportsの国内市場動向とJeSUの役割を説明しました。


大谷剛久氏

世界のe-Sports市場動向を見てみると、2018年の市場規模は8.65億ドル(約934億円)と推定され、4年後にはその倍になると見込まれています。参考ではあるものの、リアルスポーツの市場規模として近いのはゴルフとのこと。


一方、日本国内では、2018年の市場規模は48.3億円と推定、4年後には99.4億円までのぼるとされています。世界規模に比べると見劣りはするものの、伸び率は大きく、発展が見込まれている市場です。

「e-Sports」という言葉の認知度も上昇しています。

e-Sportsは国からも注目されており、閣議決定された文章の中にも「eスポーツ」の文字が。特に「知的財産推進計画2019」では、「健全な発展のため適切な環境整備に必要に応じて取り組む」と文言化されており、環境整備を後押しする動きが始まっています。


JeSU設立の背景


そのような状況下において、JeSUが担う役割とはどのようなものなのでしょうか。大谷氏は、公式の国際大会へ日本代表選手を派遣すること、法的に安心安全な賞金付き大会を開催できるようにすることとしました。

JeSUの成り立ちは、リアルスポーツにおける「アジア競技大会」の2022年中国大会で、e-Sportsが正式競技になるのでは、と報道されたことに始まります。ここに選手が参加するためには日本オリンピック委員会(JOC)を通じて派遣される必要があり、e-Sportsの団体がJOCに加盟しないといけません。

そしてJOCに加盟するためには、国内唯一の統括団体である必要があります。そのため、当時3つ存在していたe-Sportsの団体が統括され、JeSUが生まれました。


プロライセンス制度の目的とメリット

JeSUが設けているプロライセンス制度の目的は、ゲームメーカーが賞金付き大会を主催する際にも違法性がなく、安心安全に開催するためです。JeSUでは公認タイトル規約、公認大会規約、公認プロライセンス規約という3つの“ものさし”を定めており、これによって透明性の高い大会が開けるように規定しているのです。


このプロライセンス制度のメリットは、大会主催者だけでなく選手側にも存在します。ひとつは、公認大会で安心して賞金を受け取り、職業として成立すること。もうひとつが、メディアやスポンサーから見て誰がプロの選手か把握しやすくなり、興味関心をもってもらったり、支援を受けたりするチャンスが広がることです。

プロライセンスは139名・8チームに発行されています。

国際大会への代表選手の派遣

設立の背景からもわかるとおり、JeSUが重要視している事業が、国際大会への日本代表選手の派遣です。

2018年にジャカルタで開かれたアジア競技大会では、e-Sportsのデモンストレーション競技として6種目が採用され、各タイトルに日本代表選手が派遣されています。そのうちのひとつが「ウイニングイレブン」です。

同作を含む2タイトルで3選手が本戦に出場し、「ウイニングイレブン」では2人(1チーム)の日本人選手が金メダルを獲得しました。この大会にはJOCを通じてe-Sports日本代表選手が派遣され、彼らはリアルスポーツの選手と一緒に選手村に入り、本大会の日程をこなしたとのこと。大谷氏はこれを「大きな一歩」と表現しました。


今後もさまざまな国際大会への代表選手の派遣が予定されており、その選考会も実施されます。大谷氏は、国際大会への選手派遣はやるべきことであり、JeSUだからできることと表現。選手に意欲をもってもらい、競技力の向上につなげたいと話しました。


大都市部以外でのe-Sports

今年、「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI」が、茨城国体の文化プログラムにて開催。国体史上初の47都道府県による対抗戦が実施され、小学生の部、高校生の部、一般の部など幅広い年齢の選手が参加しました。


その中で生まれた課題は、学校関係者への理解促進だと大谷氏は話します。大会は土日での開催でしたが、土曜に授業がある学校があり、公休にしてもらう必要がありました。JeSUから派遣依頼書を発行し、統括団体を通じて学校から許可をもらう取り組みも行いましたが、e-Sportsに馴染みがない学校では、書類があっても公休にならないというケースも。こうしたところへの理解は裾野を広げるにあたって欠かすことはできないため、選手が胸を張って参加できるように環境整備と理解に取り組むと大谷氏は話します。

一方で地方支部の整備も進んでおり、現在は10支部が稼働しているほか、29県37団体から応募がきているとのこと。練習施設の整備、部活動の推進なども進め、日本全国にe-Sportsを普及していきたいと話しました。


国内における最新の活動状況

現在JeSUでは、経済産業省からの受託を受け、国内e-Sportsの市場規模の試算、海外主要国のe-Sportsの発展の経緯等に関する調査分析などを9月から開始。また、e-Sportsの社会的意義について現状や課題、今後の展望などを踏まえた整理・検討を行っています。


これについて大谷氏は、周辺領域に経済的な波及効果が広がると話しています。例えば、障害のあるなしに関わらず競えるe-Sportsの分野で、障害者対応製品が出ること。また、引きこもりがちな高齢者がコミュニティ参加する呼び水になるようe-Sportsを活用し、ヘルスケア領域に広がる、といったケースです。こうしたさまざまな社会的意義をしっかりと見定め、日本の中でいかに必要とされうるのかを議論していきます。

第2回検討会が10月29日に開催。傍聴希望者の登録も受付中です。


オンラインでの
JeSU公認大会開催が可能になります。

法規制への取り組みに関する経過報告

昨今、話題にもなっていた、景品表示法下での大会における高額賞金提供に関する課題、刑法下での大会参加料の徴収と賞金提供に関する課題についても説明がなされました。

景品表示法への取り組みについてJeSUは、何も指針がない中でいかに法的に安全な形で賞金提供ができるのか、線引きをするためにプロライセンス制度を導入しました。ただそれにとらわれず、景品表示法の規制がどのように適応されるのか、より「ホワイトなところ」(大谷氏)を広げていくため、消費者庁にノーアクションレターを提出しました。


ノーアクションレターでは、「賞金の提供先をプロライセンス選手に限定する大会」「賞金の提供先をプロライセンス選手に限定しないが、一定の方法により参加者が限定されている大会」の類型について問い合わせ、いずれも「仕事の報酬」と認められているとのこと。ただし、ゲーム会社が開催する大会がすべてクリアされたわけではなく、一定の方法で参加者を限定しないといけないと大谷氏は説明しています。


また、大会参加者から参加料を徴収し、その総額の一部を賞金として提供した場合、賭博行為に該当する可能性がある点については、賞金が第三者から提供され、参加料が運営費にのみ充当されているとしっかり説明されれば、参加料を徴収してもよいとJeSUで判断したといいます。

大谷氏は、スポンサーからの協力だけでは経済活動として大会をペイさせていくことが難しいため、参加料を徴収して実証していくことは統括団体として重要な取り組みだと話しました。


その他、ゲーム依存症への対策としてJeSUを含む4団体から外部有識者による研究会に取りまとめを委託しているとのこと。また、e-Sportsがオリンピックの公式競技となるための研究会が発足され、2019年12月に提言を取りまとめてIOCに提出する予定です。


e-Sportsを発展させるためには、いかに社会的意義を見出すかが重要です。年齢、性別、障害の有無を問わず、同じ土俵で競い合える競技はe-Sportsだけであり、5Gなど通信環境の発展により、距離を超えることも可能。大谷氏は、ボーダーレスなスポーツである可能性を追求し、その価値を訴求していくとともに、より多くの人々に社会的意義を感じてもらい、裾野を拡大していきたいと語り、講演を終えました。


《ばかいぬ》

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