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e-Sportsの法規制における現状の課題と経過、そしてビジネス活用法とは?「eSPORTS TRINITY」講演レポ

e-Sportsのビジネスフォーラムと企業対抗戦を組み合わせた異業種交流会「eSPORTS TRINITY」が10月23日に開催。第1部「eSPORTSビジネスセミナー」の模様をレポートします。

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「eスポーツの広告的価値のビジネスチャンス」


続いて登壇したのは、e-Sports業界アナリストとして記事執筆やコンサルティング、プロデュースといった分野で活躍する但木一真(ただき かずま)氏。「eスポーツの広告的価値のビジネスチャンス」と題し、e-Sportsを通じてマーケティングやプロモーションを行いたい企業へ提言を行いました。

但木一真氏

マーケティングにおいて重要なのは、自分たちの製品を顧客に届けることであり、その要素として一般的に4P(Product=製品、Price=価格、Place=流通、Promotion=プロモーション)が挙げられます。

しかし、マーケティングにおけるe-Sportsの活用はプロモーションだけではありません。e-Sportsにまつわる製品を作ったり、e-Sportsイベントに来場した人に割引を適用したり、イベント会場にブースを置いて製品を案内・提供したりと、活用方法はさまざま。但木氏は、単純にスポンサードするだけではなく、e-Sportsをどのように使うか検討してほしいと話します。


プロモーション戦略において考慮すべきことは、顧客、コンテンツ、手段、システム、予算、組織の6つ。e-Sportsのスポンサーシップには、これらすべてが関わってきます。中でも組織は重要です。e-Sports業界にはさまざまな人が関わっており、若い人も多い。彼らといかに相対するのか、自社の組織を見直す必要があります。

このように、e-Sportsと関わりたいと考えたときに、自社のマーケティングやプロモーション戦略がどうなっているのか、本当に親和性があるのかを改めて考える必要があります。但木氏は「デジタルマーケティングへの理解なしにスポンサーシップしても、ほとんど意味がない」と警鐘を鳴らしています。


スポンサーシップとなると、企業はお金を支払って自社の宣伝をしてほしいと「投げっぱなし」になりがちではりますが、そもそもスポンサーシップは「相互交換」です。スポンサー企業にとってイメージの向上やビジネス関係の構築といったメリットがありますが、e-Sportsコンテンツ提供者(チーム、ゲームメーカーなど)にも求めるものがあります。どちらにとってもメリットが存在するWin-Winの状態が「相互交換」です。


その上で、スポンサーシップを行った際には、企業にとって「短期的効果」「長期的効果」があります。短期的効果とは、広告枠を獲得して多くの人に露出すること。長期的効果とは、ブランドを長期的に強化していくことです。

スポンサーシップの短期的効果


e-Sportsの広告枠には、動画配信はもちろん、SNSの写真やブログ、ユニフォームなどがあります。企業にとっては、どのようにスポンサードして、どんな広告枠を選べるのか、そして費用対効果を測定するためのKPIを理解することが重要です。

e-Sportsへの出資を含むデジタルマーケティングへの広告費を投入する利点は、細やかな分析データを取得し、PDCAのサイクルを回せること。インターネットコンテンツはデータアナリティクスが充実しており、そのデータを反映したネクストアクションを決めることができます。逆に、「PDCAを回せないならやめたほうがいい」(但木氏)とも。きちんとコンテンツ提供者側にレポーティングしてもらう、あるいは生データをもらう必要があるのです。


スポンサーシップの長期的効果


e-Sportsへの出資は、先進性、デザイン、イノベーション、地域性といった面でブランドに寄与されると但木氏は説明します。地域性とは、プロ野球チームの広島東洋カープのように、土地に基づくチームがあると、その土地の人が愛するということ。e-Sportsに出資することで、地域性もブランドに結びつけることができます。


但木氏は、ゲームやe-Sportsは企業にとって「固い」場所だと表現します。現在は10代・20代の約30%がテレビを視聴していません。代わりに彼らは、インターネット上のさまざまな場所に点在しています。その中でゲームやe-Sportsは、30%のうち一定数が確実に存在する場所なのです。同氏はこれまでのやり方でリーチできない層にリーチするために、喫緊の課題として取り組むべきだと話します。


ではどうすれば成功するのでしょうか? 参考になるのはニンテンドースイッチのCMです。CMではゲーム画面を見せない代わりに、ニンテンドースイッチをプレイしている人と場所、時間を映しています。すなわち、ニンテンドースイッチがある生活はどんなものか、どう人生が豊かになるのか、そのブランドイメージを伝えているのです。


e-Sportsに出資しようとしている企業は、どうすればe-Sportsファンが喜ぶのか、自分たちの製品を使うイメージをふくらませ、それを反映したコンテンツを作ってほしいと但木氏は訴えます。例えば保険会社なら、発展途上のe-Sportsという分野において、プレイヤーは将来にまだ確証と言えるものを持っていません。そんなプレイヤーの親に、保険会社が応援できることとして製品を提示する。プレイヤーやプロ選手になりたい子の親に寄り添い、裏から支えることができるのです。

「理想的なスポンサーシップの形」として、但木氏は一枚の写真を挙げました。こちらはRed Bullがスポンサードするボンちゃん選手をメインに写した写真です。


但木氏が理想的だとする点は3点。ひとつは「利用シーンの明確化」です。Red Bullの缶がコントローラーの横に置いてあり、ゲームプレイや晴れの舞台で飲むものとして訴求されています。

もう1点が「参加という深いエンゲージメントへの誘導」。やはり配信を見ているだけではなく、現場に行ったほうが熱狂度は高いもの。大会に参加・観戦し、そこにRed Bullがあれば、その記憶は薄れにくくなります。この写真では参加者がきちんと写されており、華やかな世界とそこにあるRed Bullを結びつけています。

3点目は「コミュニティへの配慮」。e-Sportsのファンとは、あるゲームをずっとプレイしている人や、チームのファンなど、小さなコミュニティの集合体です。そこにきちんと配慮している点が、とても洗練されたブランドイメージであると但木氏は語ります。


最後に但木氏は、スポンサーシップに入る前に必ずさまざまな面で下調べをし、Win-Winの関係を築き、短期的だけでなく長期的効果を得るためにスポンサーシップを行うべく戦略を立て、e-Sportsに取り組んでほしいと語り、講演を締めくくりました。
《ばかいぬ》

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