【特集】今さら聞けない『ファークライ』の軌跡……『6』に備えてシリーズのエッセンスを探る | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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【特集】今さら聞けない『ファークライ』の軌跡……『6』に備えてシリーズのエッセンスを探る

『5』までのナンバリング作品と『ブラッドドラゴン』『プライマル』『ニュードーン』を一挙ご紹介。

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【特集】今さら聞けない『ファークライ』の軌跡……『6』に備えてシリーズのエッセンスを探る
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2020年7月12日、ユービーアイソフトのオンラインショーケースイベント「Ubisoft Forward」にて、同社を代表するIPの一つ『ファークライ』のナンバリング最新作『ファークライ 6』が発表されました。本記事では、2004年から15年以上にわたって続く『ファークライ』シリーズの軌跡を紐解いていきます。また、『ファークライ 6』のトレイラー映像や公式サイトから読み取れる情報で、同作で体験できそうなゲームプレイを予想します。

『Far Cry』(2004年発売 PC)



■ストーリー


主人公Jack Carverは、南太平洋でボートの船長をしていた。そこへボートをチャーターし、海図にない島に連れて行くよう依頼する女性レポーターValerieが現れる。しかしValerieを島まで送り届けた直後、Jackは何者かの攻撃を受け、ボートは沈没。生還を求めて孤独な戦いが始まる。

■ゲームの概要



『Crysis』シリーズなどで知られるCrytekが開発した、広大な島国を舞台に繰り広げられるステージクリア型FPS。大自然の中でゲリラ戦術を駆使して孤軍奮闘する主人公、搭乗可能な乗り物(車やモーターボート、ハンググライダーなど)、多彩な目標達成方法といった『ファークライ』シリーズの基礎となる要素が詰め込まれています。

島の動物やヒトを異形のモンスター「Trigen」に変えてしまう生物兵器「Mutagen」を巡る戦いが繰り広げられる、というSFアクション映画のようなあらすじで、これらの設定は以降のシリーズ作品には引き継がれていません。使用エンジンはCryEngine(PC版『Crysis』で使用されたのはCryENGINE2)。なお時代設定は2025年となっており、本記事執筆時点でリリースされているナンバリングタイトルの中では、もっとも未来の物語です。

■特徴的なシステム

・様々な攻略ルートを含んだ、広大なマップ
・双眼鏡による敵のマーキング
・投げ石や伏せ姿勢を使用したステルス
・搭乗可能な乗り物


敵の配置が意地悪で初見さんお断りだったり、主人公がとても脆かったり(自動回復なしのヘルス制)、一部の敵が異常に強力だったりするので、以降の作品とは異なりトライアンドエラーを繰り返すようなプレイスタイルになりがちですが、ロードが速くリトライしやすいため、快適にプレイできます。



『ファークライ 2』(2008年発売 PC/PS3/Xbox 360)



■ストーリー


人はアフリカで野生に還る!
舞台となるのはとあるアフリカの発展途上国。そこは慢性的な政情不安で争いの絶えない混沌が支配する地域でもあるのです。プレイヤーはこの地で暗躍し、莫大な利益を上げているという謎の武器商人”ジャッカル”を暗殺すべくやってきた傭兵です。2つの対立する武装勢力から情報を集めるため、様々なミッションをこなしながら、時にはマラリアに苦しめられ、時にはアフリカの過酷な自然と立ち向かい、数々の危険にさらされながらも、サバイバルしていかねばなりません。果たして”ジャッカル”を追い詰めることができるのか!そして、“ジャッカル”の正体とその目的とは・・・


■ゲームの概要



Ubisoft Montrealが開発したナンバリング第2作。使用エンジンはDunia Engineです。好きなタイミングでメインミッション・サブミッションを進行できるオープンワールド制になり、野心的な新仕様が多数導入されました。またストーリーについても現実的なテーマに転換しています。

HUD表示を極限廃した没入感の高い画面構成や、銃器のジャムとクリアリング、救いのない陰鬱なエンディングなど、『ファークライ 2』は今なお独特な泥臭い魅力を放っています。

■特徴的なシステム

・好きなタイミングでミッション(メイン/サブ)を進行できるオープンワールド制
・複数プリセットから選択可能な主人公
・プレイヤーをサポートしてくれるバディNPC。ストーリーにも大きく関わる
・パーテーション付きの体力自動回復
・銃器の動作不良およびその解消
・昼夜のサイクル
・アンロック可能なセーフハウス
・武器や弾薬、アップグレード、装備の購入
・オープンワールド中に散らばった収集アイテム
・負傷した味方を遮蔽物の裏まで引きずったり、倒れてもなお応戦を試みたりする高度な敵AI
・風向きによる炎の挙動変化
・緻密な自然破壊表現
・搭乗/修理が可能な乗り物
・マルチエンディング制


リアリズムという観点ではシリーズ作品の中でもずば抜けており、グラフィックやアニメーションこそ古臭く感じてしまうものの、ビックリするほど細かい「作り込み」と「こだわり」は現代の作品でもなかなかお目にかかれないでしょう。実際、筆者が今回(Xbox 360版ぶりに)遊び直して最も印象深かった作品はこの『ファークライ 2』でした。ただし、フレームレートが高くなり過ぎることで不具合が発生したり、一部操作のマウス感度が異常に高くなっているなど、PC版に最適化されていない印象を受けます。



『ファークライ 3』(2012年発売 PC/PS3/Xbox 360)



■ストーリー


狂気の意味を教えてやるぜ
インド洋と太平洋の境目付近に浮かぶ、文明の手が遠く及ばない絶海の孤島「ルークアイランド」。バカンスのため地図にも載っていない南の島を訪れた主人公ジェイソンと、その友人たち。南国生活を満喫していた彼らが突如武装した集団に捕まってしまう。ジェイソンは、生き延びて友人たちと島を脱出するため、島の海賊たちに戦いを挑む。暴力こそが唯一絶対の手段となっている狂気の島で、隠された秘密が徐々に明らかになっていく……。生き残るためには、周囲の状況をうまく利用しなくてはならない。血も涙もなく、理性すら失ったこの島の海賊たちを相手にしなくてはいけないのだ…


■ゲームの概要



Ubisoft Montrealが開発したナンバリング第3作で、Dunia Engine 2を採用。物語の舞台は美麗な海に囲まれた「ルークアイランド」です。パッケージで圧倒的な存在感を放つヴィラン「バース」も非常に印象的で、以降のシリーズナンバリング作品(最新作『6』を含む)でも、ヴィランがパッケージを飾るようになりました。

ファストトラベルやレベル制、スキルツリー、クラフト機能などのRPG的な新要素が多々追加されましたが、一方で前作の「銃器の動作不良」「手動で出し入れしなければならないマップ」といった要素が撤廃されています。

■特徴的なシステム

・ファストトラベル
・敵の排除やクエスト完了でのXP入手/レベリング
・スキルポイントを使用したスキル取得
・野生動物の素材を使用したクラフトシステム
・オープンワールドの各地に点在する無線塔に登り、マップ情報をアンロックするシステム
・空中を自在に移動できる乗り物「ヘリコプター」が登場
・精神世界を描いた非現実的なシークエンスの導入
・敵基地を制圧してファストトラベルポイントをアンロック
・武器のアタッチメント購入/装着
・敵を偵察/マーキングできるカメラ
・石投げ(Tキー)
・ワンタッチでのテイクダウン(Fキー)
・敵やアイテムの位置を確認可能なミニマップ
・Co-opマルチプレイ機能
・ストーリーDLCの登場


『ファークライ』シリーズのテンプレートを形作ったのは、間違いなくこの『ファークライ 3』でしょう。テイクダウンという攻撃手段が加わったことで、戦闘がより快適に、そして暴力的に進化しました。2020年の現在においても、古臭さを感じない作品です。



『ファークライ 3 ブラッドドラゴン』(2013年発売 PC/PS3/Xbox 360)



■ストーリー


時は2007年、それは未来。
あなたはマーク4サイバーコマンドのレックス・コルト軍曹。地球は90年代に起こった核戦争によって荒廃していた。東と西の紛争は何世代にもわたり荒れ狂い、人類は悲惨な時代から立ち上がるためにあがき続けていた。平和への新しい道筋を見つけなければならず、USサイボーグ軍は解決策を見つけた。プレイヤーであるあなたの使命は、情報を集めこの悲惨な状況で何が起こっているかを解明することだ。


■ゲームの概要



Ubisoft Montrealが開発した『ファークライ 3』スピンオフ作品。基本的なゲームシステムは『3』を踏襲しつつも、ストーリーや世界観、ビジュアル、武器は完全オリジナルです。80年代のSF映画やミュージックビデオのような世界で、大暴れのアクションを体験できます。メタなジョークが満載なのも本作の特徴で、「戦闘ゲーのお約束として、サイドミッションをクリアするとアタッチメントを解除できます」「人を馬鹿にしたようなウィンドウを消すにはEnterを押す」など、ユーモアあふれる言い回しを堪能できます。

■特徴的なシステム

・2Dアニメーションを使用したストーリーテリング
・レベリング・スキルシステムの簡略化
・獰猛な生物「ブラッドドラゴン」をおびき寄せ、敵を襲わせる要素


ユニークなビジュアルですが、その反面オープンワールドの景観はどこも赤暗くイマイチ変わり映えせず、探索の楽しみは薄めに感じられるかもしれません。これならステージ制でよかったのではないかとも感じます。



『ファークライ 4』(2015年発売 PC/PS3/PS4/Xbox 360/Xbox One)



■ストーリー


ヒマラヤの小国、キラットへようこそ ここは狂気の最高峰
無数の山脈から構成される、巨大なヒマラヤ山脈。地球上で最も標高の高い地域である。
その奥地にある小国「キラット」は、文明から切り離され、豊かな自然がそのまま残されている場所だ。主人公エイジェイは母親の遺言の通り、故郷に遺灰を撒くためにこの地に赴くことになる。しかし、そこは独裁者パガン・ミンの狂気によって支配された地だった。エイジェイはキラットを解放するため、戦いを挑むことになる。


■ゲームの概要



Ubisoft Montrealが開発したナンバリング第4作。ヒマラヤ山脈奥地の小国「キラット」まで母親の遺灰を撒きに来た「エイジェイ・ゲール」が主人公です。エキセントリックな独裁者「パガン・ミン」(英語版:トロイ・ベイカー/日本語版:藤原啓治)率いる王立軍と、そのレジスタンス「ゴールデン・パス」の戦いに巻き込まれていく……というあらすじです。

ただし、生存のために敵対者との戦いを余儀なくされてきたシリーズ旧作の主人公とは異なり、エイジェイ自身が窮地に立たされているわけではありません。今作の主目的は「母親の遺灰を撒くこと」であって、舞台となるキラットの問題を解決することではないのです。

■特徴的なシステム

・オブジェクトを蹴る機能の追加
・テイクダウン後も敵の死体を移動させて隠すことができるように
・投擲物「エサ」で肉食動物をおびき寄せ、敵に差し向けることができるように
・乗り物に載っている最中に発砲できる機能やオートドライブ機能が追加
・敵の乗り物をハイジャックできるように
・アイテム「グラップリングフック」の追加
・選択次第で到達可能な平和的エンディング


ゲームシステムは主に『3』のものを引き継いでいますが、ストーリーテリングの方針が大きく異なっているため、新鮮な気持ちでプレイできるでしょう。アジア的な風景を楽しめるのもポイント。



『ファークライ プライマル』(2016年発売 PC/PS4/Xbox One)



■ストーリー


幻の狩場「オロス」の頂点を目指せ
紀元前1万年の中央ヨーロッパ そこは野生が渦巻く狂乱の世界。食料は乏しく、人類は非力であり、石と火と知恵を頼りに生き延びていた。主人公は「ウィンジャ族」の一員で、「タカール」と呼ばれる飢えた狩人。彼の部族は「オロス」と呼ばれる豊かな希望の大地を探し、全滅した。唯一生存し、困難の末オロスに辿り着いたタカールは、野生動物を服従させる能力「ビーストマスター」を獲得する。タカールはウィンジャ族のリーダーとして立ち上がり、獰猛な猛獣や非道な他部族と戦いぬくこと、そしてウィンジャを守り抜くことを決意する。


■ゲームの概要



紀元前1万年、ウィンジャ族の狩人「タカール」を主人公としたアクションアドベンチャー。開発はUbisoft Montrealで、使用エンジンは3~4作目と同じく、Dunia Engine 2です。槍や弓、棍棒などの装備をクラフトし、資材を集めて村を繁栄させ、フクロウや白狼などの動物を従える「ビーストマスター」として、猛獣や敵対部族と戦っていきます。

UIや操作感が『3』『4』から刷新され、この後の『5』『ニュードーン』では本作の影響が見て取れます。プロモーショントレイラーのうちひとつでは「今度は、銃(guns)ではなく根性(guts)が重要だ」と、『プライマル』の特徴を端的に表しています。また、人肉を食す敵対部族が存在する都合上、大きく欠損した人体などの惨烈なゴア表現も登場します。

■特徴的なシステム

・槍や棍棒、弓矢など、原始的な武器による本能的な戦闘
・フクロウを使った偵察
・猛獣を攻撃/移動/偵察のために従える「ビーストマスター」要素(撫でてあげることも可能)
・焚火や動物の脂を使用して、武器に火をつけられる
・村の人員を集めたり、資材を集めて設備をアップグレードしていく要素
・凶暴な猛獣が跋扈する夜


派手さこそ劣るものの、自然環境の描写は『5』『ニュードーン』よりも忠実な印象。フクロウの操作は2017年発売の『アサシンクリード オリジンズ』の鷹「セヌ」の操作に近いのですが、まだ十分に洗練されておらず、比べると使いづらいかもしれません。また、「銃を使ったゲリラ戦」というイメージがこれまでの『ファークライ』作品で染みついていたので、筆者としては若干の物足りなさも感じました。



『ファークライ 5』(2018年発売 PC/PS4/Xbox One)



■ストーリー


信じよ。崇めよ。服従せよ。
自由なる大地、勇者の故郷、そして人類の絶滅を信じる狂信的カルト「エデンズ・ゲート」の発祥の地であるモンタナ州ホープ郡へようこそ。リーダーのジョセフ・シードをはじめ、彼のファミリーや、信者たちに立ち向かい、レジスタンス勢力を刺激し、カルトに囲まれたコミュニティを解放しろ。


■ゲームの概要



Ubisoft Montreal開発。2018年のアメリカ・モンタナ州にある架空の郡「ホープカウンティ」を舞台にしたナンバリング第5作。『3』『4』では孤島の支配者や小国の独裁者を相手取りましたが、今作で相対するのはカルト「エデンズ・ゲート」のカリスマ的リーダー「ジョセフ・シード」と、その家族。主人公はホープカウンティを解放するため、レジスタンスたちと力を合わせて奮闘します。

『4』と同じく(比較的)平和なエンディングが搭載されている一方、順当にゲームを進めた場合の結末は相当後味の悪いものに。これは本作の17年後を描いたスピンオフ作品『ファークライ ニュードーン』に繋がっていきます。使用エンジンは『3』『4』『プライマル』と同じDunia Engine 2です。

■特徴的なシステム

・シリーズで初めて、実在する国家が舞台
・シリーズで初めて、名前を持たない主人公。ゲーム中は「副保安官(Deputy)」や「新人(Rookie)」などと呼ばれる。
・主人公の見た目や性別、服装をカスタマイズ可能
・無線塔によるマップ解放の廃止
・「釣り」アクティビティの追加
・スキルはレベルアップではなく、Perk Pointを取得して会得するように
・空中を自在に移動できる乗り物として固定翼機が複数登場
・近接武器を投擲することができるように
・リアルマネーでゲーム内通貨を購入可能に
・味方NPCを「Guns for Hire」として自由に付き添わせられるように。それぞれ固有のアビリティを持つ
・敵副官を任意の順番で排除できるように
・『ファークライ』シリーズのアセットを使用してマップを自在にエディットできる「ファークライアーケード」の追加


見た目こそゴージャスになりましたが、『2』や『3』登場時ほどの真新しさ、野心は感じられませんでした。筆者的には凡作といった印象です。



『ファークライ ニュードーン』(2019年発売 PC/PS4/Xbox One)



■ストーリー


新しい世界へ、ようこそ
核戦争による世界の崩壊から17年。変わり果てた世界で再び文明が息を吹き返そうとしている。アメリカモンタナ州、ホープカウンティでも、生き残った人々が複数のグループを形成。そしてそれぞれが生き残るために独自のルールのもと、組織を築き上げていた。中でも、気性の荒い双子の姉妹“ミッキー&ルー”によって率いられる「ハイウェイマン」と呼ばれる一団は、各地で人々から資源を略奪し悪名を馳せていた。


■ゲームの概要



Ubisoft Montreal開発。前作『5』のラストで描かれた核戦争から17年。『ニュードーン』の世界では、「ハイウェイマン」と呼ばれる一団が善良な人々から略奪し、ホープカウンティの平和を脅かしています。プレイヤーは警備部隊のキャプテン(The Security Captain)として、敵対組織からホープカウンティを守り通さなければなりません。

『ニュードーン』では敵がより頑強になり、『アサシンクリード』や『ディビジョン』といったユービーアイソフトの他IPのように、敵のライフゲージを削ってゼロにすることで無力化していきます。

スピンオフ作品とはいえ、他の人気フランチャイズに寄せる方向で大胆に舵を切った本作。リアルマネーを使って入手できる「Far Cryクレジット」でクラフト素材やPerkバンドルを購入出来るようになるなど、賛否の分かれるマイクロトランザクション機能も『5』から強化されています。使用エンジンは『3』『4』『プライマル』『5』に引き続きDunia Engine 2。

■特徴的なシステム

・『プライマル』ぶりに拠点のアップグレード機能が復活
・工具や機械部品を活用して作った間に合わせ(makeshift)武器の数々
・敵のライフゲージ表示
・ダメージの数値表示
・敵基地の攻略難易度が上昇する「エスカレーションシステム」
・ホープカウンティ外の様々なロケーションでミッションをこなす「探検」システム
・味方NPCの成長に伴い新たな「Guns for Hire」PERKを会得するように
・核戦争の影響によって変異した野生動物たち
・マイクロトランザクションでクラフト素材やPerkバンドルを購入可能


新要素を加えた独特のテイストではあるものの、筆者的には敵のHP制がしっくり来ず、戦闘を面白く感じることができませんでした。正直なところ、今回取り上げた中でも最も印象が薄い作品です。



『ファークライ 6』(2021年2月18発売予定 PC/PS4/XB1/PS5/XSX/Stadia)




■ストーリー


ヤーラへようこそ
砂塵の舞うゲリラ革命の世界に身を投じ、独裁者とその息子を倒してヤーラを解放せよ。


■ゲームの概要


自由への闘争に火を付けろ
暴君の支配から祖国を守るため立ち上がるヤーラ出身のダニー・ロハスとなり、広大な世界へ飛び込め。ダニーの性別を選び、機転の効くはみ出し者がゲリラ革命家となる旅をその目で確かめよう。 無情な元KGBスパイから素晴らしくキュートなダックスフントまで、ヤーラの豊かな世界を通して強烈な個性を持つキャラクターたちに出会おう。

引き裂かれしヤーラ
「ファークライ」シリーズ初となる広大な市街地、ヤーラの首都エスペランザを体験しよう。街中に身を隠し続けて戦ったり、総力を挙げてアントンの軍と銃撃戦を行い、彼を権力の座から引きずり落とせ。「ファークライ」シリーズ最大のマップを探索し、ジャングル、浜辺、そして街といった島国全体を巻き込んで革命に火をともせ。馬から戦車まで、好きな乗り物を選んで政権に立ち向かえ。あるいは、心の赴くままにヤーラを旅してもいいだろう。

ゲリラ兵となれ
革命の中心でゲリラ戦と混乱に飛び込み、人通りの多い道を離れ、隠れたゲリラ拠点から次の一手を画策しよう。武器でも数でも劣るなら、それぞれのゲリラ兵が大きな戦力となるしかない。時が止まった島では、手持ちの物を使って必要な物を作り、型破りな武器を使って強固な軍事政権に対抗することになる。ゲリラ兵は単独で行動すべきではない。どんな兵士でも無視できない愛らしいダックスフントのチョリソーなど、全く新しい動物の仲間を連れて行動しよう。


『ファークライ 6』ではどのような体験ができるのか……



7月12日のUbisoft Forwardにてワールドプレミアトレイラーが公開された『ファークライ』ナンバリング最新作『ファークライ 6』。同作ではどのようなゲームプレイが体験できるのでしょうか。本記事執筆時点で公式サイトにて公開されている情報やユービーアイソフトの発表、近年のトレンドを踏まえて予想していきます。

■ユービーアイソフトの方針転換


2019年10月25日、ユービーアイソフトのCEOを務めるイヴ・ギルモ氏は投資家向け資料(リンク先英語)の中で、『ゴーストリコン ブレイクポイント』の収益が予想を大きく下回ったことに言及していました。他タイトルとの差別化が十分でなかったことを認め、『ゴッズ アンド モンスターズ』『レインボーシックス クアランティン』『ウォッチドッグス レギオン』といったタイトルの開発期間を確保するため、それぞれ発売を大幅に延期しました。『ファークライ ニュードーン』についても、投資家向け資料では言及されてはいないものの、UKチャートによれば(ダウンロード販売を除く)初週売上数は『5』のわずか13%に過ぎなかったと海外メディアが報じていました。

『ファークライ』シリーズにも心機一転するような「喝」が入れられた可能性は高く、攻略の多様性、乗り物や環境を活用したゲリラ戦術、印象的な悪役キャラクターなど、シリーズ固有のエッセンスを改めて考え直していくのではないでしょうか。また、『5』のようにキャラクタークリエイトが採用されるのであれば、プレイヤーの性別や人種などにおける多様性が、更に広がるとも考えられます。『ゴーストリコン ブレイクポイント』で批判を集めた要素のひとつである過度なマイクロトランザクション(ゲーム内課金)についても、少なくともリリース直後までは鳴りを潜めるのではないでしょうか。

■『ファークライ 6』の時代背景はいつか


『ファークライ』のシリーズナンバリング作品では『1』を除く全タイトルのリリース時期とほぼ一致しているため、『ファークライ 6』の時代背景も恐らく2020~2022年の範囲に収まると思われます。ディエゴの模型の横に置かれたiPhone風のモバイル端末、白いミニマルなデザインのイヤホンからも、いま私たちが生きている時代からさほど遠くないことが読み取れます。「数十年前、ヤーラは豊かな楽園だった」「時が止まったかのような」といった公式サイトの文言から察するに、冷戦時代然とした路上の車や風景はゲーム内でも「時代遅れ」の象徴として見られているのでしょう。

■どんな武器が登場するか



ワールドプレミアトレイラーでは、M26型破片手榴弾やAKMのように見える軍用装備のほか、モロトフ・カクテル、警棒、ライオットシールドといった個人用武器が登場しました。また「ディスコス・ロコス」ディスクランチャーや「トスタドール」火炎放射器といった独創的な即席武器が明らかにされており、軍や警察組織で用いられるような銃器/投擲物だけでなく、限られた資源をやり繰りして作成したような武器も多く登場することが予想されます。タイトルシーケンストレイラーでは、M60E3機関銃やM4派生のカービン銃、T-55中戦車に似た兵器も確認できます。



数的に不利な状況をゲリラ戦略で打破する『ファークライ』シリーズは、ただの爽快感や演出重視のFPSではありません。暴力性を丁寧に描いてカタルシスを供給しつつ、その意味や招いた結果についてプレイヤーに問いかけてくるような、ちょっとビターなところもあるFPSシリーズです。『ファークライ 6』で語られる物語を味わう前に、本記事でピックアップした過去作品をプレイしてみてはいかがでしょうか。
《S. Eto》
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