最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
tinyBuild及びデベロッパーCradle Gamesは『Hellpoint』を、PC(Steam/Epic Games ストア/GOG.com)/海外PS4/Xbox One向けに2020年7月31日に発売しました。本作は2017年にKickstarterキャンペーンを成功させ、当時は2018年2月にリリース予定でしたが、その後2年間の延期を経て正式リリースとなりました。
『Hellpoint』とは

本作は、宇宙都市「イリド・ノヴォ」を舞台に、3Dプリンターで造られた人間種「スポーン」を操り、邪悪な神々を殲滅していくソウルライクACTです。イリド・ノヴォ最後の生存者「オーサー」により造られたスポーンは、都市で起きた「マージ」と呼ばれる出来事の謎を調査するよう命じられ、邪悪な神々の巣窟となった宇宙都市をくまなく探索していきます。


本作の特徴は「Quanticシステム」で、 時間の経過で様々なダイナミックイベントが発生します。また、シングルプレイの他”オンライン”と”ローカル”でのマルチプレイにも対応。画面を分割しての協力プレイもできます。PCでもゲームパッドとキーボード・マウスを使用した2人プレイが可能です。本稿執筆時点ではバグのため、現在は”ローカルプレイのみ”がプレイ可能となっており、オンラインでの協力プレイは今後修正が入る予定です。
『Hellpoint』の実内容に迫る!

本作は謎の声と共にプレイヤーが造られるところから始まります。スポーンは無機質な感じで、細身のため弱そうな印象です。


声に従い先へ進むと「治癒注射」を入手。指示通りに装備し、使用すると、奥の部屋へ通じる扉が開きます。先へ進み、壁のスイッチを押すと窓のブラインダー解放され、ブラックホールとクジラの様な生物を見ることができます。

先ほどのスイッチで、下への道が解放され、降りてみると宙に浮く白いイナズマの様なものを発見。近づいて調べると裂け目が開きます。


この裂け目が本作のセーブ、身体強化やファストトラベルなどの役割を果たします。裂け目を後にし、となりの白く光る立方体を拾うと、斧のような「パイプ」という武器を入手し装備します。



奥にある階段を降りて進むと初の敵に遭遇!といっても相手はしゃがんで何かを物色しているので、こちらには気づいていません。背後から近づいて「致命の一撃」を繰り出したくなったものの、通常攻撃が発動。つい背を向けている敵を見かけると致命の一撃をしたくなってしまいますが、本作ではその要素とパリィはありません。

気を取り直して、スタミナに気を付けながら、しゃがんでいた敵を連続攻撃で撃破。すると敵から、経験値となる白光の粒子「アクシオン」を吸収します。


部屋にある大きな溝を渡って先へ進むと、先ほどと同様の敵が迫ってきます。 強攻撃の一撃を当て、敵の攻撃をバックステップで回避!......と思いきや足を踏み外し溝の底へ。死ぬことはなかったものの、体力の8割を失う大ダメージを受けてしまいました。


奥へ進むと、照明が回転しながら周囲を照らすいかにも怪しそうな部屋を見つけたため、入口で左右を確認。案の定、明らかに当たったら痛そうな武器を所持した敵が2体登場。ヒット&アウェイで攻撃し撃破しました。プレイヤーの攻撃モーションは回避アクションを使うとキャンセルできるため、強敵が現れても距離を置いて戦えば、ある程度は対処できます。


先へ進むとロビーの様な広い部屋に到着。複数体の雑魚敵が見えます。中央奥にある扉を目指し、物陰に隠れながら扉の前へ。扉のスイッチを押すといきなりの警告音に驚いてしまい、挙動不審な行動をしたプレイヤーに敵が気づき、一斉攻撃に遭います。次の瞬間「スポーンは死亡した」の一言がスクリーンに浮かびあがりました。


直前に触れた裂け目から再スタート。これまで集めた経験値「アクシオン」は失ってしまいましたが、敵がドロップした「アクシオンの結晶」を手に入れていたので、その結晶を消費しステータスのレベルを上げます。ステータスは体力、スタミナなど8項目あり、レベルに応じて必要なアクシオンが増加していきます。


前回落ちてしまった溝をジャンプで越え、階段を上がって先へ進むと、先ほどの広いホールへ出ます。ただし今回は上のルートからなので、部屋が一望できます。ちょうどその時、画面左上のUIが嵐の中に入ったことを赤い光で知らせます。するとホール中央から新たな敵が出現。大柄で明らかに強敵の様です。

逃げることなく立ち向かい、敵の攻撃を回避しながら戦っていると、プレイヤーによく似た緑色のオーラを放つ敵が乱入......他のプレイヤーが入ってきたのかと思いました。後々分かったことですが、実は「幽霊」という存在で、時々死んだ場所の付近に現れてプレイヤーを襲ってきます。

強敵と自分の幽霊に挟み撃ちされ、死亡し、再出発を余儀なくされます。その後も幾度となく倒されては、レベルを上げを繰り返しますが、思うように進みません。レベル上げに勤しんでいると、それまで気づいていなかった「ヒント」を発見。これは緑に光る手形で至る所にあり、調べるとゲームの操作方法、ヒントやメッセージが書かれているマークのことです。


見つけたヒントに載っていた打開策は、走りながら盾を構えて、敵に体当たりすることで発動する「バックラッシュ」です。このバックラッシュは、雑魚敵からボスまで有効で、ダメージこそ与えられないものの、敵の体勢を崩すことができます。敵の動作をキャンセルさせられるため、その後はバックラッシュで突入し、ヒット&アウェイの戦法が必勝法に。バックラッシュ戦法を取得し、最初のボスを倒すことができました。


ダイナミックイベントが特徴のQuanticシステムとは

本作の特徴のであるQuanticシステムは、ブラックホールがダンジョンマスターの役割を担っており、ゲームに深く関わってきます。宇宙都市イリド・ノヴォはブラックホールを中心に周回軌道しており、一部の軌道上で地獄のような嵐が発生しています。その中を通過する度に都市のエネルギーを再充電していますが、同時に不可解な現象が発生してしまうのです。

このシステムを例えると、昼と夜、そして天候の概念により、様々なダイナミックイベントが発生します。同じエリアでもレアな強敵の出現や雑魚敵の強化、シークレットポータルが開いたり、NPCのイベントが発生するなど、プレイする度に変化していくのが特徴です。


このゲームの最大の特徴にして残念な点は、ゲーム中にあまりシステムについての詳しい説明がないことです。数カ所で物語的にメッセージが残っているもののUIの説明がないため、UIが変化しても何を意味しているのか分かりません。
仮にはじめて踏み入れるエリアで、遭遇する敵がレアな強敵かどうか、判断できないこともあります。敵が赤いオーラに包まれるなど視覚的に反映されればランダムイベントの発生などが分かりやすいのですが、その様なことがないため、Quanticシステムの影響がどの様にエリアに反映されているのか実感しにくいです。


画面左上のUIがブラックホールの周回軌道を表し、2時~4時と8時~10時の位置に針が来ると、嵐の中にいることを示し赤く光ります。都市全体も揺れますし、窓から見る景色も変わるので、嵐の中を進んでいるのを感じられます。UIの表示は他の要素もあるようですが、Steamから確認できるマニュアルを見ても詳しい内容は載っていませんでした。もしかしたら、ストーリーが進むにつれて開示される可能性もあります。

その他にも武具やアイテムを強化したり、素材を集めて新しい武具を作成するといった要素もあります。ただし、武具が必要とする能力値が比較的高いため、レベル上げをする際にはポイントの振り分けに気を付けないと、なかなか装備を変えられない状態になるので注意が必要です。

ここまで紹介してきた『Hellpoint』ですが、いくつかのバグがあるようです。攻撃がヒットしているはずなのにダメージが減らない現象や、Quanticタイムで出現した強敵が体力を半分削った辺りで何処か遠くへワープしてしまう現象に2度遭遇しました。

今後はオンラインプレイの面も含めて改善していくとのこと。本作の根幹となるQuanticシステムの説明があまりないなど不満点はありますが、ダイナミックイベントの導入といった挑戦的な試みは新たな発見を生んでくれるだろうと感じました。気になった方はまずはデモ版で、時の流れの中で新たな脅威や挑戦が生まれる『Hellpoint』に挑んでみてはいかがでしょうか。



タイトル:Hellpoint
対応機種:PC(Steam/Epic Games ストア/GOG.com)/海外PS4/Xbox One
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日: 2020年7月31日
記事執筆時の著者プレイ時間:4時間
価格:3,600円