創成のノワールアドベンチャー『Genesis Noir』は宇宙が包む愛憎のビッグバン【爆速プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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創成のノワールアドベンチャー『Genesis Noir』は宇宙が包む愛憎のビッグバン【爆速プレイレポ】

本作は宇宙的愛憎劇のビッグバンから始まるノワールアドベンチャー。意味が分からないと思ったらまずはプレイしてみましょう(高い啓蒙値)

連載・特集 プレイレポート
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最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。

今回はFeral Cat Denが開発を、Fellow Travellerがパブリッシャーを担い、2021年03月26日、PC/Mac向けにSteam/Epic Gamesストア/GOG.com/Humble Bundle、また家庭用機向けにニンテンドースイッチ/Xbox Series X|S/Xbox Oneにてリリースした、宇宙ノワールアドベンチャー『Genesis Noir』について生の内容をお届けします。

『Genesis Noir』とは?

本作は、男女三人の愛憎劇が宇宙規模で繰り広げられるノワールアドベンチャー。操作はポイント&クリック(一部キーボード)で進み、全体を通して、SF作品に触れているかのような感覚を得ることが出来ます。

個人的に、その感覚について具体例を挙げるなら、円城塔さんが書いたSF小説『Self-Reference ENGINE』を読んでいる時とほぼ同じでした。床下をあらためたら大量のフロイト先生が現れた……というような、言語化の極めて難しい概念が納得できる形となって目の前を流れていく……と申しましょうか。

本編開始

タイトル画面で“開始”を選択するとムービーが始まり、人々が行き交う夜の街並みと、ノワール系作品ではお馴染みの服装の男が映し出されます。

この男こそ我らが主人公「ノー・マン」で、この後発生する宇宙規模の歴史を紐解く案内人。プレイヤーが操作していくキャラクターですね。

本作は、視覚情報以外を極力削ったデザインのゲームであるため、ポイント&クリックの操作感と相まって、状況を飲み込んで解決に至るまでは試行錯誤を要します。そのためこの画像においても筆者はよくわからないまま操作し、よくわからないまま通行人を呼び止め、「時計を掴んでどうするんだ……?」と、よくわからないまま時計を売りつける奇行を繰り返します。結果的にはそれが正解でしたが……。

また登場人物の背景や設定についても、Steamストアの紹介ページを読んでおくと状況を把握しやすいです。また追加DLCには、本編の過去を描いたインタラクティブ・デジタルコミックもあるので、こちらも合わせて確認すると、多少は理解の助けになるかもしれません。

時計を買っていく客のなかには、持ち逃げをするような悪い輩もいます。画像は金の代わりに脱ぎたての下着を寄こしてきたあほうを追いかけている主人公。ここでの操作は2種類あり、キーボード、またはマウスによるポイント&クリックで移動が可能です。こっちは時計で糊口を凌いでいるんです。捕まえた暁にはふんじばって、むしろそっちが素寒貧になるまでむしゃぶりつくしてやりますよ。

……と、息巻いたかどうかは不明ですが、代わりに顔面から派手にすっころぶ主人公。もう踏んだり蹴ったり。今夜はとっとと自宅に戻ることにしましょう。

ダイナミックに動くギミックと演出


主人公の家は時計台の裏側にあり、部屋の中には雑多な私物が転がっています。

これらのうち、カーソル変化するものは、それぞれ手に取って詳しく確認することが可能。

また一部オブジェクトは、物語を先に進めるためのギミックになっているため、マウスクリックやドラッグで動作を確認しつつ仕掛けを動かすと良いでしょう。


有名なジャズバンドの歌手「ミス・マス」……本作におけるヒロインポジションである彼女からは、電話番号をもらっていました。

さみしい夜を紛らわそうと彼女の声を聞くべく電話をかけるも、受話器の向こうから流れてくる音にはただならぬ気配が。

倒けつ転びつで自宅を飛び出し、彼女のもとへ向かう主人公。


部屋の前にたどり着くと中で諍いのような音が!ドアを蹴破って押し入ると……、

ベッドで半裸のミス・マスが目に飛び込みます。彼女が伸ばす手の先に視線を向けると……、

ピストルがまさに火を噴いたところでした。




ここだけ切り出しても、魅力をすべてお伝えすることが難しいのですが、この一連の流れにおいて、プレイヤーの操作がシームレスにムービーへ繋がるため大変ドラマティックな演出で盛り上がります。


ともあれ、こうしてプロローグ部分が終わる頃には、我々プレイヤーはある程度操作に慣れ、かつ「本作はこういうスタイルのゲームなんだ」と理解できます。

宇宙的演出

きらめく星座がお前を呼んでいる……とは少々毛色が違いますが、本作も宇宙(そら)がテーマの中枢にあります。プロローグの時点でどこか概念的に脳を刺激する演出の数々に圧倒されましたが、スケールが大きすぎて何が起こっているのか掴みきれないかもしれません。そこで再度Steamストアの紹介を見てみましょう。

……なるほど、どうやらこの登場人物たち自体が宇宙的存在のようです。オーケー、やっぱりサッパリわからないことがわかった。これは個人的な解釈ですが、彼らは我々には簡単に知覚できない高次存在で、彼らの織り成すドラマが、この宇宙すべてに関わるものなのでしょう(啓蒙値:99)。

さて、ミス・マスへの思い募るあまり嫉妬に狂った(?)男「ゴールデン・ボーイ」が放つ凶弾が、彼女に届かんというまさにその瞬間、すべての時間が引き延ばされ、主人公ノー・マンはその始まりから終りの流れに宇宙創成の歴史を見ました。

これ以降は、この画像のように、このアングルが各章(チャプター)に移動する基本画面となります。


ミス・マスとゴールデン・ボーイの間に流れる射線には無数の銀河が存在しており、ノー・マンはそれぞれの世界にアクセスして、ここに至るまでをビッグバンまで遡り、手掛かりを集めていきます。


集めた手掛かりはこちらの鏡台周りに並ぶので、進行状況はここで確認すると良いでしょう。

インタラクティブなギミックが不思議なプレイ体験を演出

主人公はあちこち探索し、ギミックを駆使しては手掛かりを得ていきます。記事冒頭で少し触れましたように、情報が限定的なゲームデザインであるため、なかには操作に手間取る部分もあります。


しかしながらそのもどかしさ含めて、この手掛かりを探す謎解きの部分は独特なテンポで進むため、気が付くとグイグイと引き込まれてプレイしてしまう不思議な魅力になっています。

またその謎解きへのアプローチも、時計の行商人という設定から「時」を絡めたものが多く、個人的に感動したものは、画像のように星空を回して時間を進める演出。星が流れて線になるあの映像は良かったですね。

おわりに



話を進めるごとに男女の、単純には割り切ることのできない複雑な感情が色を変えていく様子が、宇宙という概念によって丁寧に描写されている本作。ゲームというよりはインタラクティブな映像作品という側面が強いので、人を選ぶかもしれませんが、興味のある方は是非プレイされてみてはいかがでしょうか。

タイトル:『Genesis Noir』
対応機種:PC(Windows/Mac)、ニンテンドースイッチ、Xbox Series X|S、Xbox One
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2021年03月26日
記事執筆時の著者プレイ時間:2時間
価格:通常価格 1,520円、セール価格 1,216円(21年04月03日まで)
《麦秋》

お空の人。 麦秋

仕事であちこち渡り歩いては飛んでます。自分が提供するものが誰かのお役に立てれば幸い。編集部および他ライターさん達のこくまろなキャラに並べるよう頑張ります。

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