「ループジャンル」の新たな代表作となれば嬉しい―新作アクションADV『DEATHLOOP』プレビューイベントレポ | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

「ループジャンル」の新たな代表作となれば嬉しい―新作アクションADV『DEATHLOOP』プレビューイベントレポ

システムや武器、スキルなど新たな情報も公開!

連載・特集 イベントレポート
「ループジャンル」の新たな代表作となれば嬉しい―新作アクションADV『DEATHLOOP』プレビューイベントレポ
  • 「ループジャンル」の新たな代表作となれば嬉しい―新作アクションADV『DEATHLOOP』プレビューイベントレポ
  • 「ループジャンル」の新たな代表作となれば嬉しい―新作アクションADV『DEATHLOOP』プレビューイベントレポ
  • 「ループジャンル」の新たな代表作となれば嬉しい―新作アクションADV『DEATHLOOP』プレビューイベントレポ
  • 「ループジャンル」の新たな代表作となれば嬉しい―新作アクションADV『DEATHLOOP』プレビューイベントレポ
  • 「ループジャンル」の新たな代表作となれば嬉しい―新作アクションADV『DEATHLOOP』プレビューイベントレポ
  • 「ループジャンル」の新たな代表作となれば嬉しい―新作アクションADV『DEATHLOOP』プレビューイベントレポ
  • 「ループジャンル」の新たな代表作となれば嬉しい―新作アクションADV『DEATHLOOP』プレビューイベントレポ
  • 「ループジャンル」の新たな代表作となれば嬉しい―新作アクションADV『DEATHLOOP』プレビューイベントレポ

ベセスダ・ソフトワークスより、2021年9月14日リリース予定のPC/PS5向けアクションアドベンチャー『DEATHLOOP』。1日を繰り返し続ける謎の島「ブラックリーフ」を舞台に、主人公の暗殺者「コルト」が24時間以内に8人の「ヴィジョナリー」を暗殺してループを断ち切るのが目的です。

「ビジョナリー」はそれぞれ行動も活動場所も異なるため、何も考えず暗殺を行っていては24時間以内の全員暗殺は不可能。プレイヤーは殺される・時間切れで発生するループを繰り返し島で情報を集め、いかに「目標を効率よく集めて暗殺するか」を考えなくてはいけません。

また、プレイヤー自身が「ヴィジョナリー」ジュリアナとなり、他のプレイヤーのゲームに乱入することも可能。この要素はゲーム内でON/OFF可能です(オフラインではAIのジュリアナが登場)。ループする世界と「暗殺者を狙う暗殺者」が、ゲーム内に緊張感と異なる展開を与えます。

本稿では、そんな同作について、2021年5月11日に国内外のメディア関係者向けに行われた「DEATHLOOP Digital Media Preview」で判明した新たな情報などを紹介。また、同イベントで行われた開発スタジオArkane Studiosスタッフによる合同インタビューの内容をお伝えしていきます。

ミッションは地区選択式!ループで手がかりを見つけ出せ!

イベントでは、ゲームティレクターDinga Bakaba氏による解説付きでゲーム序盤のプレイ動画が披露。記憶を失った主人公コルトが海岸で目覚める冒頭の導入部分、最初のループとそれによって得られる手がかり、ゲーム内のミッション選択や武器・スキルなど多くの要素が説明されました。

本作のミッションは、朝から夜までの時間ごとにブラックリーフに存在する4つの「地区」を選ぶ方式。時間ごとにその地区で開いている施設や得られる情報、登場するヴィジョナリーが異なります。選択した地区をプレイヤー自身が移動しない限り時間帯は進まないため、プレイヤーのペースで探索する事が可能です。なお、地区移動時にはセーブすることができます。

また、主人公コルトは序盤に「リプライズ」と呼ばれる能力を身につけます。リプライズは「死んだ瞬間から時間を巻き戻せる能力」で、そのループ中であれば2回まで死亡してもチェックポイントからやり直すことができます。3回死んでしまうと冒頭の海岸まで戻され、武器などをすべて失った状態(例外あり・後述)で再びループのはじめからプレイ再開となります。

ブラックリーフには目的となるヴィジョナリーだけでなく、彼らに心酔する「エターナリスト」と呼ばれるNPCも存在。彼らはジュリアナの指示により、コルトを見つけたら即座に攻撃してくるため注意が必要です。また、エターナリスト同士の会話からターゲット暗殺のための手がかりを得られることもあります。

8人の目標を24時間以内に暗殺する本作。そのためには各時間帯の地区をすみずみまで探索し、多くの手がかりを見つけることが重要です。入手した情報がその回では使用できなくても、次のループで決定的なヒントになり得ることもあるのです。

暗殺方法は自由自在!豊富な武器・スキルを活用!

コルトはゲーム内でさまざまな武器や特殊能力「スラブ」を使用可能。目標となるヴィジョナリーはもちろん、島中にいるエターナリストと戦うためにも自身の装備を強化していく必要があるのです。

武器は「マチェット」「ショットガン」「マシンガン」「スナイパーライフル」「サイレンサー付きネイルガン」などの武器があり、「ハンドガン」「サブマシンガン」など一部武器は両手持ちもできるようです。なお、本作では通貨の概念がなく、武器の弾薬は島においてある自動販売機で補充可能です。

また、コルトが使用できるツールには、ロックされた扉の開閉や電子機器へのハッキングする万能ツール「ハッカマジグ」が存在。ハッカマジグでタレットをハッキングすることでエターナリストを攻撃する、撹乱するなどの運用も可能です。また、センサー爆弾やトリップマインにもなるグレネード「サッパーチャージ」なども、コルトの戦いを助ける頼りになる装備です。

特殊能力「スラブ」に関しては、過去の映像等では短距離テレポート「シフト」などが公開されてきました。今回のイベントでは、そのほかのスラブの詳細も披露。ステルス能力「エーテル」、敵の攻撃を吸収・反撃する「ハヴォック」、敵を自由に投げ飛ばす「カーネシス」、敵同士のダメージなどをリンクする「ネクサス」が使用できることが明らかになりました。

なお、コルトはゲーム内で「トリンケット」を拾うことで、武器・スラブ・コルト自身を強化可能。武器の強化では「ショックアブソーバー(武器のリコイル減少)」「落雷(武器の最大ダメージ距離延長)」、コルトの強化では「ダブルジャンプ」「忍び寄る死(移動中の音を減少)」などの効果を得ることができます。トリンケットにはレアリティが存在し、レアなものほどより効果が高くなるようです。

また、ストーリーをある程度進めると「レジドゥム」と呼ばれる不思議なリソースが登場。レジドゥムを武器やトリンケットに注入することで、次回ループ時にも失わずに保持したままゲームをプレイ可能です。コルトが3回殺されてループした場合、死亡した場所を訪れることでレジドゥムを回収することもできます。

ループの方式や状況、使用できる武器や能力など多くの新情報が公開された本イベント。次項では、メディア向けに行われた開発者による合同インタビューの内容をお伝えしていきます。

気になるあの要素の詳細は?合同インタビュー

インタビューで回答してくれたのは、本作のゲームディレクターDinga Bakaba氏とアートディレクターSebastien Mitton氏。回答部分は、海外・日本合同で寄せられた質問に対する両氏のコメントを通訳し、まとめたものを使用しています。

――マルチプレイで登場する「ジュリアナ」はどのような行動をするのか。また、勝つことに意味はあるのでしょうか。

ストーリーの登場人物としての「ジュリアナ」は暗殺目標のため、倒す意味はあります。しかし、マルチプレイで登場するジュリアナを倒すことに大きな意味はありません。

AIで行動する「ジュリアナ」や「エターナリスト」などは、ヴィジョナリーからのコルトの目撃情報など共有し、それを基に行動を起こします。また、プレイヤーとして「ジュリアナ」を使用している場合にもヴィジョナリーからの情報を共有できるようになる予定です。

――本作のクリア方法は複数存在するのでしょうか。

「最終的にヴィジョナリーを24時間以内に倒す」という目的の正解を目指すための道に関してはいくつも存在しています。パズルゲームのように考えてみてほしいのですが、ゴールは1つで、そこまでの選択肢などはプレイヤー次第です。例えば人をあまり殺さないなどのプレイももちろん可能です。

例えるならば「ドミノ倒し」みたいなゲームだと思います。ドミノを並べる順番や置き方はプレイヤーの自由ですが、ドミノを倒すという行為に関してはすべてのプレイで共通なんです。

――ゲームの世界観を作る際の影響を受けた作品は?

アートスタイルはコミックやカートゥーンを意識しています。舞台となるブラックリーフ島の設定や街並みは、実在の島の美しい街並みにレトロ系の要素をくわえています。

ゲームの設定としては、1960年代映画にSci-Fiを足したような雰囲気。インスパイアされた作品は1967年の映画「殺しの分け前/ポイント・ブランク」で、その映画に似たような世界観を出したかったです。そして1960年代、人類がまだ宇宙(月)に行く前に人々が何を参考にしていたか、その世界の街並みはどうだったかなどをリサーチして設定しています。

そのほかにもマーベル作品など影響を受けた作品はたくさんあります。それが『DEATHLOOP』という作品につながっているのです。

――ゲームに関して、スキルの使用回数などの形式はどのようなものでしょうか。

スキルはゲージを消費して使用する形式。ゲージはクールダウン式で時間とともに回復します。

――死ななくても『DEATHLOOP』をクリアすることは可能でしょうか。

ストーリー内の展開としてコルトが死ぬシーンがあるため、厳密な意味での「完全に死なない」は不可能です。しかし、プレイヤーが操作する部分でのプレイスタイルとしては不可能ではありません。

――「タイムループするゲーム」ではどのような作品にインスパイアされたでしょうか。

「ループ」という題材は、これまでもさまざまなゲームで取り上げられてきたもので、どのゲームが一番好きかと言われると悩んでしまいます。例えば『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』『Returnal』などの作品もループをストーリーなどの要素として組み込んであり、どれも遊んでいて楽しいものです。

『DEATHLOOP』もそのような作品に並ぶ「新しいループジャンルの作品」となれれば嬉しいです。ゲームのループ要素がどのようなものかというのを説明するのかは難しい部分で、ゲームプレイ映像で伝えるのにも苦労した部分です。

本作はループすることでストーリーを繰り返す作品です。ループするごとにその内容を深く理解できる仕組みで作っているので、ぜひストーリーを楽しんでください。

――『DEATHLOOP』ではいろいろな人種のキャラが出ていていますが、ダイバーシティ要素は意識してるのでしょうか?

ダイバーシティ要素に関して制作側は特に意識していません。ストーリーを作っていくうちに、今のキャラクターたちが完成していました。例えば「ジュリアナ」は最初もう少し違うキャラだったのですが、作り込んでいくうちに今の見た目やキャラクターになっていきました。

本作を初めてE3で公開した時、他の人々の指摘で初めてメイン主人公のコルトとジュリアナがともに黒人だったのに気づいたんです。ジュリアナはフランス名なので自然とそうなったかも知れませんし、さまざまな映画やコミックを見てきた印象かも知れませんが、意識していません。

こういう質問が出るということ自体が、人種差別がまだ世界で続いている、ということでもあります。こういう質問が出なくて済む世の中になればいいと思いますね。

――本作を次世代機(PS5)でリリースするメリットはどのようなものでしょうか?

次世代機でリリースすることで『Dishonored』などの過去作よりもマップを大きく、スピーディーな作品を作り出すことができるようになります。

また、多くの人々から「なぜ(コンソールは)PS5だけなのか」と聞かれることがあります。開発スタジオとしては、ひとつのコンソールに集中して開発すること作り込みや世界観の広がりなどにフォーカスできるメリットがあります。

本作は60FPSでプレイできるため、これまでのArkane Studios作品よりもかなりレベルアップしてるのがわかると思います。

――ゲームをプレイする際に、ステージ開始時などのプレイ制限はどのようなものがありますか。

もちろん、初回プレイ時はストーリーを進めるための制限があります。しかし、ある程度進めてからは、4つの地区と時間帯を選んで自由にターゲットを狙うことができるようになります。

地区では手がかりやターゲットを探すだけでなく、コルトを強化するために敵を倒す必要もあるでしょう。また、時間帯によってはターゲットが一切いない場合も。ただし、そういう場所にも手がかりだけでなくちょっとした寄り道などが用意されていることもあるのです。例えば「とある場所で自殺するとアイテムがもらえる」なんてイベントもあります。

ブラックリーフのマップは非常に広いので、いろいろな場所を探検して色々な会話なども楽しんでほしいです。ゲーム内に大きな制限はないので、収集や次回ループ用に何を残すかなど、色々考えながら遊んでほしいと思います。

――お金がない世界観だと映像で紹介されました。ループ保持用の「レジドゥム」以外だと、ゲーム内にどのような収集要素がありますか?

特殊能力の「スラブ」や強化リソース「トリンケット」、あとはさまざまな「武器」があります。本作では武器に3段階のレア度があるため、どのようなレベルの武器を見つけるのか、どのように強化していくのかを考えていく必要があります。

――本作は『Dishonored』とのつながりはあるのでしょうか。

『DEATHLOOP』は、これまでとまったく新しい世界観を作りたいというテーマで制作しています。そのため、世界観など『Dishonored』との繋がりは存在しません。

しかし、ストーリーやループの概念の説明に関していろいろな作品を参考にしてきました。本作はFPSなので、銃を使用した作品であることを意識して制作しています。ただ、能力を使用する戦闘に関して、過去のArkane Studios作品を参考にして作っている部分もあります。

そのため、遊んでいるうちにどこか「あの作品に似ている」と思わせるような、ノスタルジックな要素も残しています。

――『DEATHLOOP』だからこそできた要素は?

Sebastien Mitton先程も言いましたが、ゲーム内に1960年代の要素を取り入れられたのがとても嬉しいです。その時代の音楽や車、歴史などがとても好きなので「まるで過去の世界にタイムループした」と思うような感覚を楽しんでもらえればいいなと思います。

Dinga Bakaba『DEATHLOOP』は非常にユニークなシステムのゲームです。有名監督なら別ですが、AAAゲームを作るスタジオでも、ここまで新しいシステムを取り入れるチャレンジは珍しいんじゃないかなと思います。この世界観を壊さないように本作を作るというチャレンジができたことが嬉しいし、開発スタジオ全体で一致団結できたんじゃないかと思います。

キャラクターデザインだけでなく、その話し方なども「どれだけリアルに、そしていかにクレイジーにするか」にこだわりました。演出など、デヴィット・リンチなどのオマージュもたくさん入っています。AAAタイトルですが、他のゲームに比べるとちょっと変わったゲームだと記憶に残って欲しいですね。


『DEATHLOOP』は、PC(Steam/Bethesda.net)/PS5向けに2021年9月14日リリース予定。スキンや武器、トリンケットなどが付属する「デラックスエディション」も用意されています。

《Mr.Katoh》

酒と雑学をこよなく愛するゲーマー Mr.Katoh

サイドクエストに手を染めて本編がなかなか進まない系。ゲーマー幼少時から親の蔵書の影響でオカルト・都市伝説系に強い興味を持つほか、大学で民俗学を学ぶ。ライター活動以前にはリカーショップ店長経験があり、酒にも詳しい。好きなゲームジャンルはサバイバル、経営シミュレーション、育成シミュレーション、野球ゲームなど。日々のニュース記事だけでなく、ゲームのレビューや趣味や経歴を活かした特集記事なども掲載中。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top