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「ゲーム条例」香川はゲームを取り戻せるのか?「SXG -Sanuki X Game-」は依存を否定することもない予想以上にバランスの取れたイベントだった

香川県高松市の3つの商店街にて、さまざまなゲームを楽しめるイベント「SXG -Sanuki X Game-」(以下、さぬきゲーム)が7月10日に開催されました。

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「ゲーム条例」香川はゲームを取り戻せるのか?「SXG -Sanuki X Game-」は依存を否定することもない予想以上にバランスの取れたイベントだった
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香川県高松市の3つの商店街にて、さまざまなゲームを楽しめるイベント「SXG -Sanuki X Game-」(以下、さぬきゲーム)が7月10日に開催されました。

「香川が、ゲームを取り戻す」とキャッチコピーが銘打たれており、香川県で2020年4月に施行された「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」、いわゆる「ゲーム条例」をきっかけにした同イベント。

ゲームファンやクリエイターらがビデオゲームやe-Sports、AR/VRなどさまざまなゲームで交流し、ゲームの楽しさや創る喜びを、商店街を行き交う人々とともに発信するのが狙いです。そこで、「ゲーム条例」というきっかけの同イベントがどのような様子だったのか、その一端を参加者の視点でお伝えしたいと思います。


まずはゲーム条例について当初から積極的に報じていたKSB瀬戸内海放送のYouTube動画を紹介したいと思います。

参加する前はゲーム条例に対するカウンターという色合いが強いものに思えましたが、実際に参加すると、ゲームの魅力を伝えながらも家族を巻き込み、ビデオゲームの魅力だけでなく、持っているデメリットについても考えるバランスがとられたイベントになっていました。

イベントの開会式は高松アカデミー・ウインドアンサンブルによる演奏が披露され、地元のゆるキャラが登場。イルカのキャラクターは高松琴平電気鉄道(ことでん)のゆるキャラ「ことちゃん」。その隣にいるなんとなくだれかのとなりにいそうなキャラクターは……生足に目をとられすぎて名前をお聞きするのを忘れました。ご存じの方はぜひ教えてください。

イベントで目を引いたのはなんといっても、「59分59秒」以内に商店街のゲームなどをすべて遊びきる「SXG Real Time Attack」。これはゲーム条例に定められた子どものゲーム利用時間を60分以下に定めた「目安」に対するもので、ある意味でもっともアナーキーなイベントだったといえます。筆者も参加しましたが、1時間という制限時間で効率よく動くのは混雑具合もあって大変難しく、1日1時間でゲームをクリアするのがどれほど難しいかを痛感しました。

香川県には主に県民が参加する「讃岐GameN」というゲーム制作愛好会があります。そんな愛好会があるだけに、「さぬきゲーム」でも県民が制作したゲームが無数に展示されていました。

なかでも、特に人目を引いたのが『うどんで行列!妖怪昇天街』。うどんの湯切りをテーマにしたゲームで、コントローラーはうどんの湯切りに使う「うどんてぼ」。おなかがすいて暴れる妖怪にうどんを出すゲームです。

うまくスナップをきかせて下に振るとうどんが飛び出し、おなかがすいた妖怪が退散します。しかし、うまくスナップをきかせられないとなぜかハンバーガーが飛び出します。背景はイベントが行われた商店街となっており、ラストには巨大な顔が出てくるというなかなかシュールなゲームでした。

どこかで見たことがある怪獣も湯切りに挑戦していました。こちらの怪獣は普段香川県でマサキフィルム代表として映像を制作しているそうです。

このブースにはほかにも、内輪で風を送って操作するゲームも展示されていました。『うどんで行列!』も含めて両手を酷使するなかなかハードなゲームばかりでした。

フラットスクリーンのゲームともARやVRゲームとも違うゲームの展示も行われていました。それが「あつまれ!あの森の釣り堀」です。簡単にいうと網を使っていけすの魚を捕まえるゲーム。「あの森」の魚釣りのようなポーズで写真をとるブースもありました。

KSB瀬戸内海放送によると、このイベントは地元の漁業組合と協力して実現したそうです。商店街だけでなく、さまざまな団体が関わっていますね。

イベントでは、3つの座談会も行われました。筆者が参加できたのは「ゲーム業界最前線!ゲーム企業合同座談会」のみ。もっとも楽しみにしていたゲーム依存症についての当事者と医師を中心に語る「海野先生、ゲーム依存症って何ですか?」はトラブルにより参加できませんでした。ゲーム依存症についての講演はKSB瀬戸内海放送の記事で紹介されているので、興味があればそちらをご覧ください。

ゲーム企業合同座談会ではバンダイナムコ、ユニティ、ジーン香川スタジオから識者が登壇。ゲーム開発におけるさまざまな議題について語りました。

会場にはゲーム開発に興味がある学生や、今年からゲーム業界に入ったという新人ゲーム開発者も参加しており、ゲーム業界に入るには高専か大学か大学院のどれがいいかや、キャリアパスの構築、ゲーム開発に使うツールについてなどさまざまな質問が飛び交いました。


なかなか攻めた「香川が、ゲームを取り戻す」というキャッチコピーを見た時は、ゲーム依存症なんてぶっ飛ばせ!というイベントになるのかな?と感じていました。しかし実際に参加してみると、もっと中立的で、ゲーム依存症の存在も認めた上でゲームとどう向き合うべきかを考えさせるようなイベントでした。

ゲームの排斥に賛同するわけでもなく、かといって依存症がないとはいわない。図らずも日本でもっともゲームについて考える場となった香川からこういったイベントが現れたことは、いちゲームファンとしてうれしいことです。

《古嶋誉幸》
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