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日本統治時代の台湾抗日義賊が主人公!爽快カンフーACT『添丁の伝説』【中華ゲーム見聞録】

「中華ゲーム見聞録」第93回目は、日本統治時代の台湾を舞台に、義賊・廖添丁が活躍する横スクロールアクションゲーム『添丁の伝説』をお届けします。

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中華ゲーム見聞録」第93回目は、日本統治時代の台湾を舞台に、義賊・廖添丁が活躍する横スクロールアクションゲーム『添丁の伝説』(中国名『廖添丁:絶代凶賊之末日』、英語名『The Legend of Tianding』)をお届けします。

本作はCreative Games Computer Graphics Corporation(創遊遊戯股份有限公司)が開発し、Neon Doctrineによって2021年11月2日にPC(Steam、Epic Gamesストア)/ニンテンドースイッチで配信されました。主人公である廖添丁は実在の人物で、台湾の新北市には彼を祭った「廖添丁廟(漢民廟)」もあります。ゲームではポニーテールのような髪型ですが、廟にある像は辮髪になっていますね。

廖添丁は清代の光緒9年(1883年)に台中で生まれ、8歳の頃に父親を亡くしました。母親は他の男に嫁いだため、廖添丁はおばに育てられます。1894年には日本と清朝の間で戦争(日清戦争)があり、日本が勝利。翌年に講和条約として「馬関条約(下関条約)」が結ばれ、台湾が日本に割譲されました(ちなみに「下関条約」の名称は日本の戦後に定着したもので、中国は今でも「馬関条約」と呼んでいます)。これにより、日本による台湾統治が始まります。

廖添丁が初めて犯罪に手を染めたのが18歳の頃。窃盗罪で捕まり、禁固刑を言い渡されています。当時の台湾総督は児玉源太郎で、抗日運動を鎮圧していた時期とも重なりますね。以後、廖添丁は窃盗罪で何度か捕まっており、警官相手に大立ち回りをしたという話も残されています。

廖添丁は、一般的には鼠小僧のような「貧乏な人にお金を配り、弱きを助け強きをくじく義賊」というイメージがありますが、実際の所は後世に作られた伝説が大部分と考えられています。犯罪者として知名度が高く、日本の警官相手に大立ち回りをしていたことに背びれ尾びれが付き、「抗日義賊」として祭り上げられるまでになったのでしょう。最後は友人に殺され、27歳の若さでこの世を去ったと言われています。

本作の内容ですが、中国拳法も取り入れた、スピード感あふれる横スクロール格闘アクションゲームとのこと。ノスタルジックなコミックスタイルを取り入れたグラフィックにより独特な世界観を醸し出していますが、一体どんなゲームなのか。早速プレイしていきましょう。

懐かしさとワクワク感のあるグラフィック

タイトル画面でスタートボタンを押すと、本が開かれてメニュー画面になります。左下の奥付など、懐かしい感じですね。今回、Steam版をプレイしていますが、日本語サポートはきちんとされています。

設定画面には、登場人物紹介がありますね。昔の漫画の最初のページも、こんな感じの人物紹介がありました。廖添丁廟にある墓石は「松本」という日本人警官が建てたと言われていますが、それらしき名前の人物もいます。ルビがしっかり付いているあたり、日本語ローカライズに力を入れているのが伺えますね。

開始前にセーブデータのスロットを決定します。ゲームの舞台は1909年の大稲埕。現在の台北市大同区の辺りですね。茶葉貿易で発展し、経済の中心ともされていました。1920年には台北市が設立され、大稲埕は吸収されて廃区となっています。

現在でも大稲埕の辺りは商業区として栄えており、多くの店が軒を連ねています。筆者もたまに遊びに行きます。カフェとか飲食店も多いですね。迪化街の辺りは昔の風格の建物も多いので、台北へ来た時にはぜひ観光してみてください(MRT北門駅で降りて、ずっと北へ進んでいくのが散歩コースとしてはオススメです)。

ゲームの難易度選択。イージーモード(多分)である「心優しき泥棒」と、ハードモードの「指名手配犯」が用意されています。アクションゲームで難易度設定ができるのは助かりますね。最初は「心優しき泥棒」からいきましょう。

ゲームに挿入されるムービーは、コミックスタイルで展開されます。日清戦争後、下関条約で台湾が割譲され、日本の統治が始まります。台湾の人々は異国の支配者に対抗するため、義勇軍を結成。そんな中、廖添丁は不正に蓄財した者から富を奪い、貧しい人に分け与える義賊として名を馳せていました。ちなみにナレーションは台湾語ですね。

廖添丁の伝説を人々に伝えている語り部のウーさん。本作では、会話中の人物名はカタカナ表記になっていますね。統一するために、以下、廖添丁は「リャオ(廖)」で表記します。

ウーさんがリャオの話をしている所へ、いかにもな悪役のワン登場。茶葉会社の社長を務めており、日本人に媚びを売りつつ、質の悪い茶を売って大儲けをしている悪徳商人です。市場にいる乞食を相手に「賃料を払えないなら出ていけ!」と言い、助けに入った青年をも常で殴り付けました。

人々は「リャオにやっつけられるぞ!」と言うものの、ワンは意にも介さない様子。そこへ颯爽と現れたのは、我らがリャオです。絵柄や物語展開が昔のジャンプ漫画のようで、ノスタルジックな雰囲気が良く表れていますね。

スピーディーなカンフーアクション

騒ぎを聞きつけ、日本人の警官達がやってきました。ワンは警官達にこの場を任せ、さっさと逃げていってしまいます。ここからリャオと警官達のバトル開始!

攻撃スキルはゲーム進行とともに増えていきますが、現在はXボタンでの通常攻撃のみ。敵の攻撃はRB回避できます。ジャンプAボタンで、2段ジャンプも可能。空中でも回避可能で、障害物をすり抜けられます。

戦闘の後に、ちょっとした操作チュートリアルが入ります。本作にはワイヤーアクションもあり、引っ掛けられる対象があれば、LBを押すことで蜘蛛縄が射出されます。連続で縄を引っ掛けなければならないステージも多いので、操作に慣れておきましょう。

攻撃した敵に対して、Yボタンを押すことで、腰布で動きを拘束できます。武器を持っている敵は、HPが低ければ武器をドロップすることも。またコンボ攻撃での追撃も可能です。使いこなせると、戦闘がかなり有利になるでしょう。

各地にあるお茶の置かれた箱は、セーブポイントになっています。ここではHP回復と、さらには回復アイテムである「グアバオ(割包)」(十字キーの上で使用)が最大値まで追加。グアバオは、肉まんの皮に具を挟んだ台湾式ハンバーガーですね。夜市などでよく売っています。

先程の乞食は、ワンにお守りを奪われてしまいました。ワンを懲らしめるため、リャオはワンの茶葉会社へ乗り込もうとします。背景は平面ではなくポリゴンになっており、移動すると角度が変わりますね。店の看板や通行人など細かい所まで描き込まれており、見ていてワクワクします。

夜、ワンの茶葉会社に忍び込もうとするリャオ。そこへ立ち塞がるのは、リャオの武術師匠であるゼンです。ゼン師匠はリャオに山籠りをするよう言い渡していましたが、リャオは「山は退屈」という理由で下山してしまいました。

ゼン師匠はリャオに、「昇竜蹴り」の書を授けます。上+Bボタンで敵を蹴り上げる技で、空中コンボの始動に使えますね。またジャンプと組み合わせることにより、高い場所へ上ることもできます。

他にも3つの技の書を地下道に隠したので、それを集めてくるようゼン師匠に言われます。地下道には銃を使ってくる警官もいて、なかなか厄介。銃弾を短剣で弾き返したり、銃を奪って使うことも可能です(弾数制限有り)。

跳び蹴り」の書を見つけ、マスターしました。左/右+Bボタンで水平方向に蹴りを放ちます。ジャンプの飛距離を伸ばすこともできるので、幅のある場所を跳び越すのに使えます。コンボ攻撃として、跳び蹴りから昇竜蹴りにつなげることもできますね。

地下道をさらに探索し、「寸拳」の書もゲット。Bボタンで、敵を画面端まで吹き飛ばす強力な攻撃を仕掛けられます。方向キーを入れると跳び蹴りに化けてしまうので注意。通常攻撃と組み合わせて使うと良いでしょう。

最後の書は、空中から真下の敵を攻撃する「蹔地」。ジャンプ中に下とBボタンで発動します。敵を攻撃するだけでなく、足元の薄い板を割って下へ降りる時にも使用可能。当たり判定が小さめなので、敵に当てるのがちょっと難しいですね。

ワンとの対決!

すべての武術書を集め、ワンの元にたどり着いたリャオ。ワンは室内でも人力車に乗っていますね。ワンの悪事を咎めるリャオに対し、ワンは「お前はここで終わりだ」と自信満々で言い放ちます。ここでボス戦ですね。

どんな攻撃をしてくるかと思えば、人力車による高速突撃です。これはワンと言うよりも、人力車を引いている人がすごいような……。ワン自身は杖による殴り攻撃をしてきます。

空中に跳んで突進をかわし、腰布での拘束で銃をドロップさせました。拾って遠くから撃ち、体力を削っていきます。

しばらくすると、左右の壁から銃が出てきて、リャオを狙い撃ってきます。さらには背景かと思っていた金の像までもが銃を乱射してきました。結構攻撃がキツイ。HPを回復する隙がありません。

なんとかワンを撃破。乞食から奪ったお守りを取り返します。ワンの命は助けてやりましたが、会社の建物は仲間の助けを借りて容赦なく爆破。派手にやりましたね。

警官が駆け付けてきました。件の松本がいますね。警部のようで、リャオは「ヒゲ警部」と呼んでいます。どういう因縁があるかはわかりませんが、何となくルパンと銭形警部を思い出してしまいました。この後、リャオは抗日義勇軍の助けで包囲から脱出します。

リャオを取り逃がしたことで、警察署長から大目玉を食らう松本。そこへ現れたのは、新任の警察署長である島田です。エリートである高等警察課の出身のようで、ラスボス感があります。

一方のリャオは、売られて芸妓になった幼馴染のアグアイの様子を見に行きます。リャオにとっては、唯一の家族のような存在。あと3カ月でお金が貯まり、自由の身になれるとのことです。リャオは「お金なら自分が出す」と言いますが、「盗んだお金は貧しい人のために使って」と受け取りません。

ゼン師匠に会うリャオ。師匠がリャオを山籠りさせたのは、リャオの命運が今年尽きててしまうからとのこと。しかしリャオは、「山にいたら退屈して死んじまいますよ」と意に介さない様子。ゲームの1909年はリャオが亡くなった年ですし、中国のゲームタイトルは『廖添丁:絶代凶賊之末日』なので、これはつまり……。一体どんなストーリーが展開していくのか、続きはぜひ自身の手でプレイしてみてください。

スタイリッシュなカンフーアクションゲーム

本作の売りは、やはりスタイリッシュなカンフーアクションでしょう。吹き飛ばした敵を腰布でつかんでさらに追撃を加えたり、敵の武器を利用して攻撃したりなど、多彩なアクションを繰り出すことができます。

また乞食にお金を恵むことでアイテムがもらえますが、台湾の歴史と関係のある物ばかりで、見ていて楽しいですね。リャオの能力アップにもつながりますので、積極的に集めていくのが良いでしょう。

それとゲーム内ゲームとして、「四色牌」を遊ぶことができます。これは同じ文字と色のカードを、先に5ペア集めた人の勝ちというルールで、一度遊べばすぐに理解できるかと。台湾色の強い作品になっているので、台湾好きな方やカンフーアクションが好きな方は、ぜひ本作をプレイしてみてください。

UPDATE(2021/11/07 13:32):本文中の誤りを修正しました。

製品情報

『添丁の伝説』
開発・販売:Creative Games Computer Graphics Corporation、Neon Doctrine
通常価格:2,050円
サポート言語:日本語、中国語(簡体字、繁体字)、英語など6カ国語
ストアページ:SteamEpic Gamesストアニンテンドースイッチ
※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限により、簡体字・繁体字を日本の漢字に置き換えています。

■筆者紹介:渡辺仙州 主に中国ものを書いている作家。母は台湾人。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。著者Twitter「マイナーゲーム.com」Twitter

《渡辺仙州》

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