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1人と1本の名コンビが闇の軍勢を迎え撃つ!『KINGDOM of the DEAD』【爆速プレイレポ】

ガトリングガンを使用する際には部屋を明るくしてモニターから十分離れてください。

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最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。

今回は、アメリカ東海岸メイン州に居を構えるDirigoGamesが開発、HOOKがパブリッシャーとなって2022年2月11日にSteamよりリリースされた『KINGDOM of the DEAD』について生の内容をお届けしたいと思います。

『KINGDOM of the DEAD』とは?

時は19世紀、舞台はアメリカ合衆国。長年続いた戦争は終わりを迎えるも、両陣営の戦死者の血に染まった大地は邪神「デス」の力を増大させてしまった。デスは手に入れた強大な力を用い各地に開いた「GATE(ゲート)」から死者の軍勢を地上へ送り込み、世界を征服せんと侵略を開始した。かくして闇の軍勢に攻め込まれつつある地上世界の命運は、かつての戦争で教授から将軍となり活躍し、現在は秘密組織「GATEKEEPER」のエージェントとしてメイン州で活動する主人公「チェンバレン」に託される……。

そのようなストーリーで幕を開ける本作は、90年代を彷彿とさせるオールドスクールなプレイフィールとレベルデザイン、そして印象的な手描きタッチのビジュアルを特徴とするホラーテーマFPSとなっています。本作は日本語にも対応していて、ときおり怪しい部分はありますが、必要十分のクオリティは確保されているので基本的にはストレス無くプレイが可能です。

さて、「19世紀アメリカ」「戦争」「メイン州」「教授から将軍」そして「チェンバレン」、ここまで揃えば勘の良い方はもうお分かりですね?そう!本作主人公のモデルとなっているのは、あのジョシュア・チェンバレン。南北戦争における天王山とも例えられるゲティスバーグの戦いその2日目において、劣勢状態からの巧みな銃剣突撃によって北軍最左翼リトルラウンドトップの防衛を完遂し、アポマトックス・コートハウスでの南軍降伏にもすぐ近くで立ち会い、戦後にリトルラウンドトップでの功績を認められ名誉勲章(メダル・オブ・オナー)を授けられたことでお馴染みの彼です。

……などと、筆者の趣味を全開にしてこのまま語り始めると、しまいにはクラーク博士も絡めた南北戦争早口語りのまま、ゲームの話をせずに終わってしまいます。意を決して本作の内容紹介へと進みましょう。

本作の設定画面。左側中段にある「色」は最も重要な設定項目です。

印象的だけどプレイ感が不安な手書き調、実際どうなの?

まず初めに触れるべきは目を引く独特な手書き調タッチでしょう。結論を先に述べてしまえば「長短が有り、一部はストレスフルであるものの、開発者はその点を十分理解した上で扱っているように思える」です。

本作の雰囲気を演出する上で非常に重要な要素である手描きタッチは、初見で抱いた印象よりはプレイを妨害していないように思えました。特に一部例外を除けば、敵は風景に紛れ込まないようになっている点が大きかったです。敵の肌は僅かな光でも少しオーバーに照り返して白く浮き上がるようになっていますし、かつ殆どの敵は目に光を帯びているので暗闇の中でも遠距離でも、そこに狙いをつければ的確にヘッドショットを浴びせることが可能でした。

そういった基本から製作者が故意に逸脱させゲーム内に配したのであろう例外として、空から急降下し襲いかかってくる怪鳥のエネミーと、ステージ1の屋内エリアにおけるライトアップが挙げられます。

僅かな光源によって敵が風景から浮き上がることは先述の通りで、怪鳥もその例からは漏れないのですが、この怪鳥は目に光を帯びておらず、更に地上に光源が存在しない場所では怪鳥の腹側は完全に闇に溶け込んでしまいます。そのような状況では、鳴き声で存在を把握できても姿が確認できずダメージを受けることがしばしば。鳴き声が聞こえたら直ちに屋根のある場所に隠れるか、あるいは怪鳥の耐久力は大きさの割に低めなので当てずっぽうでもショットガンを空にぶっ放しましょう。倒せずとも、少しでもダメージを与えれば攻撃モーションをキャンセルさせられます。

月明かりを浴びている背側と、影になっている腹側の極端な明暗差がよくわかります。

また闇の中では目立つ肌の照り返しや、的として機能する目の光は、明るい場所では光に飲み込まれて全く目立たなくなってしまいます。そして、明らかにその仕様を利用して作られたであろうライトアップ奇襲ポイントがいくつかあり、初見プレイでは苦戦しました。とはいえ限られた場所にだけ存在するシチュエーションなので「してやられた!」とは思えど、あまりストレスには感じませんでした。

この画像には6体の敵が映っています。闇の軍勢のくせに光を隠れ蓑にするなんて、恥を知れ恥を!

明確にストレスフルな本作のマイナス要素を挙げるとすれば、閉所でガトリングガンを連射すると、マズルフラッシュが耐え難い画面の点滅を引き起こしてしまう点です。そのせいで筆者は閉所ではガトリングガンを使わないプレイングを徹底することになりました。開けた場所でなら連射しても幾らかは平気なのですが、閉所で連射する場合は軽く目を背ける必要すらあります。

ガトリングガンのファイアレートはそこまで高くないものの、閉所での連射は目への負担があまりにも大きいため注意が必要です。

そういった問題が存在するが故に、本作をプレイする際にはゲーム開始直後まず設定画面の「色」の項目を開いて、自分にあったカラーパレットを探す所から始めるのを強く推奨します。

こちらが設定できるカラーパレットの一覧。ご覧の通り「1993」だけは絶対におすすめしません。

筆者が試した限りでは、明暗差がマイルドになる「SOFTER」、あるいはマズルフラッシュによる目への負担を大幅に軽減する「SEPIA」が特におすすめです。なお本稿におけるスクリーンショットのほぼ全てはデフォルト設定の「STANDARD」で撮影されています。

お前がいなけりゃこの戦いは始まらない!行くぜ相棒!!

ストアページ上の説明などでも全く触れられておらず、実際にプレイするまで分からなかった要素なのですが。キービジュアルなどで主人公が背負っている剣、喋ります。しかも結構いいキャラしているんですよね、こいつ。本作最大の推しポイントはこの剣の相棒であると筆者は断言します。

寝起きの相棒はかなり気だるい様子で喋ります。朝弱い低血圧型なのかな?
初めて乗る列車にワクワクする相棒、かわいい。

もちろんこの喋る剣……いや、相棒はただの賑やかしや説明セリフ要員ではなく、戦闘で活躍させることも出来ます。ミッション序盤においては銃弾節約のために役立ってくれますし、相棒で敵を倒す毎に貯まるゲージが満タンになった際には、派手なエフェクトの必殺攻撃を繰り出すことが出来ます。

直撃すればボス以外の敵はもれなく一撃死、さらに着弾点の周囲に燃焼ダメージをバラ撒く効果もある非常に強力な必殺攻撃。

とはいえ、厳しい弾薬管理が要求されるゲームではないので序盤以外ではそんなに出番は無く、お飾りとなってしまうのが正直なところです。ミッションが進む度に、武器としての相棒の存在感がどんどん小さくなっていったのは、プレイしていて非常に残念な点でした。

時には意見の相違から衝突することも。でも最後にはちゃんと互いのスタンスを理解して同じ方向を見据え語り合う、それこそが相棒ってものです。とてもよい。

奴らを地獄に追い返す方法?銃で頭をブチ抜くことさ!

秘密組織らしく指令書はドアの下から静かに差し出されます。
『ゴールデンアイ』直撃世代としてはなかなか感じる所のあるミッション選択画面。

本作はオールドスクールを標榜しているだけあって随所にその特徴が見受けられます。独立した各ミッションの選択から始まり、リロードの概念が無い銃たち、1キーの相棒から始まり7キーの19世紀ロケットランチャーまで大量の武器弾薬を持ち歩き、体力は自動回復ではなく回復アイテムを拾う方式、慣れてくれば常にスプリントジャンプしながら敵を撃ち抜くスピード感あるプレイが出来るなど、多く挙げることが出来ます。

ステージ内に暗闇は多々あれど、相棒を象ったマーカーに向かって灯りを辿れば迷わないよう順路が設計されており、アイテム箱は闇の中でも常に白く浮いて見えます。

各ステージは墓場や工場、時計塔や戦場跡など屋内屋外を問わぬ様々なロケーションが揃っています。そして夜中ステージばかりのゲームではありますが、プレイヤーが道に迷わないよう、うまいこと一本道で構成されています。細かい分かれ道や行き止まりはあれど、チェックポイントへのマーカーを目指して灯りを辿れば、道に迷って途方に暮れる状況には陥りませんでした。あと各ステージ開始前の相棒との掛け合いがいい、相棒かわいい

本作における敵との戦闘はヘッドショットで一撃死を狙うことを前提として作られています。そのためか精密射撃が可能なリボルバーとレバーアクションライフルはヘッドショットを決める度に銃をくるりんと回転させるアクションが入り、遠距離狙撃の際に射撃の成否を確認する手間が省ける仕様となっています。この仕様の何が嬉しいって、レバーアクションライフルではスピンコックのアクションをしてくれるのですよ。胴撃ちでザコを一撃死させられる威力があってもついつい頭を狙いたくなります。

銃を装備している場合は倒すと銃弾をドロップするゾンビたちが主なザコ敵として各ステージで大量に登場します。他にもゾンビ犬、怪鳥、魔術師、カコデーモン(19世紀アメリカのすがた)や、マンキュバス(19世紀アメリカのすがた)といった様々な強敵が、ゾンビと協力して襲いかかってきます。それらへの対処法は様々ですが、基本的にみな目が光っているのでそこを狙い銃弾を浴びせることになります。

分かったぜ相棒!でもお前のゲージ溜まってないからダイナマイト使うね!

序盤で何度も戦うことになるマスターワームは例外として、ステージごとに様々なボスがチェンバレンと相棒を待ち受けています。あまり凝ったギミックは用意されていませんが、ボスの約半数が一撃死持ちということもあってか、ルートや足場に注意し常に走り回りながら戦うシチュエーションの多さが良くも悪くも印象に残りました。

そしてボスを倒した後に、呪われた頭蓋骨を相棒を用いて破壊することによってゲートを閉じ、ミッションクリア!といった流れが各ステージの基本構造となります。

恐らくは不具合だと思うのですが、本来は相棒でしか破壊できないはずの呪われた頭蓋骨は、ライフルの銃剣でも破壊できてしまいます。ただでさえ武器としての印象が薄めの相棒なのに、ストーリー上での役割すら奪われてしまうなんて……。

おわりに

本作は独特の手書き調タッチが非常に印象的ですが、そのせいで生まれた長所短所は人によって評価が大きく分かれる点だと思われます。シューターとしての内容は値段相応にコンパクトに纏まっており、コンセプトからブレることなく設計されたレベルデザインも好感触と言えるでしょう。あえて惜しい所を挙げるとするならば、ストーリーのネタバレを避けながらでは喋る剣、相棒の魅力を語り尽くすことが不可能なところでしょうか。

目を焼くガトリングガンのマズルフラッシュが霞むほどに眩い存在感を放ち、その姿を我が瞳と心に焼き付けた魅力的なキャラクターである彼について、いつか誰かと存分に語り合える日が来るのを心待ちにしつつ。まずは銃剣でも呪われた頭蓋骨を破壊できてしまう件を報告して、ゲーム内における相棒の存在価値を揺るがす不具合が直ちに修正されるよう願うことにします。

タイトル:『KINGDOM of the DEAD』
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2022年2月11日
記事執筆時の著者プレイ時間:
5.5時間


《留原そうん》

ティータイムを堪能する為に生きています 留原そうん

フォーマルなお茶会にあまり良い思い出がない。メタフィクション的テーマのゲームによって定期的に心を砕かれています。

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