協力型パズルADV『We Were Here Forever』―2人の協力が実を結んだ時には、とても良い気分であると同時に、互いに感謝の気持ちも生まれる【開発者インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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協力型パズルADV『We Were Here Forever』―2人の協力が実を結んだ時には、とても良い気分であると同時に、互いに感謝の気持ちも生まれる【開発者インタビュー】

筆者も一緒に遊べる友達さえいれば…

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協力型パズルADV『We Were Here Forever』―2人の協力が実を結んだ時には、とても良い気分であると同時に、互いに感謝の気持ちも生まれる【開発者インタビュー】
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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Total Mayhem Games開発、PC向けに5月10日にリリースされた協力型パズルアドベンチャー『We Were Here Forever』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、オンラインプレイ専用の2人協力型謎解きアドベンチャー。ゲーム内のトランシーバーを使って互いの情報を報告しあい、不気味なキャッスルロック城の地下牢からの脱出を目指します。脱出するためには、密接な連携やコミュニケーションが不可欠で、プレイにはプレイヤー両者が互換性のあるマイクとインターネット接続を有している必要があります。墓地やチャペル、人形工房などのエリアを探検し、様々なパズルを解いていき、自身に危機が迫った時もパートナーに報告して共に乗り越えていきます。日本語にも対応済み。

『We Were Here Forever』は、1,840円で配信中


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?

Lucia de Visser氏(以下Lucia)皆さん、こんにちは!Total Mayhem Gamesのマネジング・ディレクターであり、共同設立者の1人でもあるLucia de Visserです。本作においては、ストーリーとクリエイティブディレクションを担当しました。一番好きなゲームですか?間違いなく『BioShock』ですね。この作品ほどあらゆる面で素晴らしいゲームは、他に知りません。『BioShock 4』を今でも待っていますよ。

――本作の開発はなぜ始まったのですか?

Luciaすべてが始まったのは私たちがまだ学生で、ロッテルダム応用科学大学で「ゲームデザイン&開発」と呼ばれる副専攻を学んでいた時です。私たちは15人のグループで同じプロジェクトに取り組んでいた時に、そこで知り合いました。この時の課題は、個性的な3Dゲーム体験を作り出すと言うもので、マルチプレイヤー機能を上手く搭載することでボーナスポイントの一つがもらえたのです。

このプロジェクトにおいて、私たちは無料プレイの協力プレイアドベンチャーパズルである『We Were Here』を完成させ、今でも人気のこのシリーズを作り上げたのです。これはとても成功したゲームとなり、他に2つのゲームを作れるほどの資金を得ることもできました(これが2018年の『We Were Here Too』と2019年の『We Were Here Together』です)。

開発チームの中に、それぞれのプレイヤーが助け合わないといけない協力ゲームが好きな人が数人いました。例えば、『Keep Talking and Nobody Explodes』みたいなゲームです。この非対称で、互いに助け合わないといけないと言うアイデアが私たちはとても気に入りました。そうして私たちはこのゲームプレイを採用し、「ここから一緒に脱出する」と言うたった一つの目標のプロトタイプに取りかかり始めたのです。

このプロトタイプを実際に自分たちで遊んでみて、面白いことがわかり、一緒にプレイしている人との相性を知ることができるということがわかると、次に南極に実際にある場所を元ネタとし、私たちは極寒の地域にある不気味なお城のストーリーを作り始めました。これらがすべて驚くほどピッタリと合わさり、シリーズ最初の作品『We Were Here』ができあがったのです。このシリーズを開発している間に開発スタジオも一気に成長しました。3年半の間に12人の新しい人が加わり、パートナーたちとのコラボレーションも多く行われたのです。新しく入った人たちも、アート、テクニカル、ゲームデザイン、マネジメント、マーケティングと、様々な分野のエキスパートです。

――本作の特徴を教えてください。

Lucia上でも述べたように、本シリーズのメインとなるのは、協力パズルアドベンチャーです。私たちはプレイヤーたちを互いに結びつける方法、と言うのを考えていました。多くの人が、友達や愛する人と繋がる方法を求めています。そしてゲームを遊ぶと言うのは、一緒にリラックスできるとてもいい方法でもあります。

しかし多くの人気マルチプレイヤーゲームは、その多くが競争性の高いもので、友人と一緒に遊ぶ達成感というものを得にくい場合もあります。1人の友人と、2人だけで冒険に行きたいという時もあるでしょう。

開発者として、これはとても面白い考え方だと思っています。なぜなら、私たちはただ2人のヒーローがそれぞれ個別に何かをするゲームを作っているのではありません。本作の開発には、ただ一緒に遊べるゲームを作るという以上の挑戦があるのです。困難を突破するため、相手がとても必要だと思う感覚を皆さんに感じ取って欲しいのです。それぞれのプレイヤーには役割があり、2人の協力が実を結んだ時には、とても良い気分であると同時に、互いに感謝の気持ちも生まれることでしょう。

――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?

Lucia友達やカップルを一番のターゲットとしていますが、これはプレイヤーベースを根拠としているというのもあります。私たちは常に、本作を一番楽しんでいただけるのは、良い関係性を持っている人と一緒にプレイすることだと言っています。良い関係を持っている人とは、その2人にしかわからないような言葉やコミュニケーションをしていることが多いので、最も楽しい体験となることでしょう。年齢はそれほど重要ではありませんが、18歳~35歳の方に多く遊んでいただいているようです。また、協力ゲームやマルチプレイヤーゲーム、パズルゲーム、アドベンチャーゲームが好きな人にも本作を遊んでいただきたいとずっと思っています。

――本作が影響を受けた作品はありますか?

Luciaあります!あらゆるところからインスピレーションを受けていますよ。私たちがまだ学生だった頃、『Myst(パズル)』『Portal 2(協力プレイ)』『Amnesia: The Dark Descend(不気味な雰囲気と無防備な感覚)』『Keep Talking and Nobody Explodes(非対称ゲームプレイ)』などと言ったゲームに興味を持っていました。ゲーム以外ですと、私たちはジム・ヘンソン監督の「ダーククリスタル」の大ファンですので、ここからもインスピレーションを得ましたね。

――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?

Luciaロックダウンは多少影響がありました。ロックダウンの数ヶ月間、私たちの90%以上は自宅から仕事をしていたのですが、その後私たちはスタジオに多くの変化があったことに気がついたのです。新しいコミュニケーションの形を見つけなくてはいけませんでしたし、開発の進捗をしっかりと把握しなくてはいけませんでした。それ以外ですと、メンバーのうち数人は一人暮らしをしているので、孤独と向き合わなくてはいけないという試練もありました。私たちは(精神的に)健康を保つため、全力で開発を行いました。幸いにも誰1人病気になることはありませんでした。

――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?

Luciaもちろんです!本作を遊ぶ配信者の姿は見てみたいです。収益化もまったく問題ありません。素晴らしいコンテンツを作り続けるためには、生活費も稼がなくてはいけませんよね!他にもたくさんの素晴らしいゲームがある中、多くの人に私たちのゲームを選んでいただきとても嬉しいです。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

Lucia日本のファンの皆さんのことは大好きです!もっと多くの日本人プレイヤーの方に、私たちのゲームを配信していただけると嬉しいですね。私たちのスタジオの開発状況にもぜひご注目ください!ありがとうございました!

――ありがとうございました。

◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後インディーデベロッパーメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。


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