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『クライシスコア FF7 リユニオン』神羅カンパニーの厳しさもにじみ出る。ラザード統括からの訓示を読んでみよう【ゲームで英語漬け#109】

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『クライシスコア FF7 リユニオン』神羅カンパニーの厳しさもにじみ出る。ラザード統括からの訓示を読んでみよう【ゲームで英語漬け#109】
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ザックスの所属する神羅カンパニーは魔晄エネルギーを支配している大企業ですが、巨大組織の様々な軋轢や、裏工作で統制を進めるブラックな側面もあり、ファンクラブができる企業戦士といえども上からの圧力には逆らえないのが悲しいところ。『FF7R』では平社員の世知辛さも描写されていて、ちょっと同情した人もいるのではないでしょうか。

『クライシスコア FF7 リユニオン』では社員であるザックスの携帯電話に社内メールが届き、社内報や同僚からのメッセージが回ってきます。その中にはソルジャーの上司に当たるラザード統括の訓示もあり、ミッションの合間にソルジャーの心構えを説いています。今回はそんなラザーロ統括のビジネスライクなメールを英語で読んでいきましょう。

Reading/Mails from Lazard

日本語版
・ソルジャーの責任とは
ソルジャーの皆さん、日々の任務ご苦労様です。
先日、多くの仲間が突然、会社を去ったことは周知のとおりです。
社内ではソルジャー部門の戦力低下が問題視され風当たりが強まっています。
しかし視点を変えれば、この危機的状況は少数で成果が出せる高パフォーマンス集団としての重要性をアピールする好機でもあります。
そのためにも、まずはウータイ戦争の早期終結に全力を尽くしてください。

英語版
・SOLDIER responsibilities
SOLDIER members, I thank you for your daily hard work.
As you all well know, a great number of our comrades have left the company.
There is now some concern within the company whether this lead to a decline in SOLDIER’s combat abilities.
However, we can also take this pressure as a chance to prove how indispensable we are to the company by proving our strength as a small but elite group.
I hope you take advantage of this mission, where will be bringing an end to the war with Wutai, to do your best and prove yourselves.

  • Comrade:同僚、同士

  • Decline:減衰する、辞退する

  • Indispensable:不可欠な

日本語訳
(前略)
現在社内にソルジャーの戦闘能力の低下に繋がるのではという懸念が出ています。
しかしこの重圧は、我々の少数精鋭としての力を会社に示し、会社にとって如何に欠かせないかを示す好機と捉えることもできます。
ウータイ戦争に終結をもたらすこのミッションを機に、是非とも全力を尽くして成果を発揮してください。

日英を比較してみると企業文化の違いによって目的の部分が変わっています。日本語版は会社全体の方針である「ウータイ戦争終結」を締めに置いているのに対し、英語では戦争終結を活躍の場として、個人の力を発揮することを求めています。集団主義と個人主義、どちらの働き方が良いかは人それぞれですが、出世争いが苛烈な神羅カンパニーでは他人を蹴落とす度胸がなければ生き残っていけません。

ここで注目したいのは「Indispensable」の表現。不可欠であることを示す機会、ということは、ソルジャーといえども「替えが利く」存在になり得るという認識があるのです。ラザード統括はそういう社内政治にも気を回していたのでしょうか。

日本語版
・今後の方針について
ソルジャーの皆さん、日々の任務ご苦労様です。
最近、とある痛ましい事件の報告を受け、親との絆について考えています。
血のつながらない幸せな親子が存在する一方血のつながった不幸な親子が存在します。
この差は『尊敬と感謝の念』の有無です。
これがないと、そこには『恨み』が生じます。
この『恨み』は悲惨な結果につながりがちで、任務の背景に『恨み』があることも多いです。
迅速な任務遂行はソルジャーとして当然ですが、今後はリスクの予防にも力を入れていく方針です。

英語版
・Our new direction
SOLDIER members, I thank you for your daily hard work.
Upon receiving a report on an unspeakably tragic incident, I find myself thinking about parental bonds.
Just as happiness can be found in non-biological ties, parent and child can be unhappy even if tied by blood.
The difference is whether or not there are feelings of respect and appreciation. Without them, ill blood is born.
Ill blood is prone to lead to tragedy, and ill blood sometimes affect our missions.
While SOLDIER must always execute our missions quickly, we must also focus on risk prevention in the future.

  • Unspeakably:言葉に表せない

  • Parental:親の~

  • Appreciation:感謝する気持ち、評価すること

こちらは日英でほぼ変わってはいませんが、ニュアンスのある表現があります。まず“I find myself ~ing”は「自分が~していることに気がつく」、つまり無意識にやってしまう、やめられなくなっている状態を表します。ラザード統括の場合、頭から離れないような悩みを抱えている感じで、偉い立場であっても何か思うところがあるようです。

もうひとつは「Blood」の文脈です。英語では『恨み』にあたるところを『Ill blood』と訳しました。「Cold blood」「Bad blood」というように、身体を巡る血には感情が流れているとされ、憂鬱憎しみなどの悪い感情は悪い血からという古来の考えです。そのため、中世では瀉血をして改善すると信じられていました。この文では血縁と語を重ねているので、親子の確執や近親憎悪のイメージがあるようです。

普通部下を励ますための訓示で「恨み」とは穏やかではないですね。彼が気にしている『Blood』とは一体何なのでしょうか……?


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