塔そのものがボス!? 全60階が難関すぎてゲームセンターにユーザーコミュニティが生まれた『ドルアーガの塔』 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

塔そのものがボス!? 全60階が難関すぎてゲームセンターにユーザーコミュニティが生まれた『ドルアーガの塔』

ドルアーガの塔が60階建てである理由は、当時建設されたばかりだったサンシャイン60にちなんでのことだとか。遠い未来、あのビルが廃墟になったらそのままドルアーガの塔になりそうですね。

ゲーム文化 レトロゲーム
塔そのものがボス!? 全60階が難関すぎてゲームセンターにユーザーコミュニティが生まれた『ドルアーガの塔』
  • 塔そのものがボス!? 全60階が難関すぎてゲームセンターにユーザーコミュニティが生まれた『ドルアーガの塔』
  • 塔そのものがボス!? 全60階が難関すぎてゲームセンターにユーザーコミュニティが生まれた『ドルアーガの塔』
  • 塔そのものがボス!? 全60階が難関すぎてゲームセンターにユーザーコミュニティが生まれた『ドルアーガの塔』
ファミコン版『ドルアーガの塔』が収録されるスイッチソフト『ナムコット コレクション』より
さまざまなゲームに登場するボスキャラの魅力をあらためて掘り下げる連載「僕らのボスキャラ列伝」。第31回は『ドルアーガの塔』のラスボス・ドルアーガを紹介します。

◆全60階の塔がプレイヤーを待ち受ける!

1984年にアーケードゲームが稼動したナムコ(現 バンダイナムコエンターテインメント)のアクションRPG『ドルアーガの塔』。今回紹介するドルアーガはそのラスボスで、8本の腕と4本の足を持つ緑色の悪魔です。

本作を手がけた遠藤雅伸氏によると、ドルアーガのルックスや名前はインド神話における戦いの女神ドゥルガーが元ネタなのだそうです。ドゥルガーは『真・女神転生』シリーズや『ペルソナ』シリーズなどで、ちょくちょく名前を見かける神様ですね。

さて、そんなドルアーガが待つ全60階層の塔に挑むバビリム王国の王子・ギルの目的は3つあり、「国の平和の象徴であるブルークリスタルロッドを奪還すること」、「ドルアーガに囚われ、塔に幽閉されている恋人のカイを救出すること」、そして「ドルアーガを倒すこと」です。

塔の59階で待ち受けるドルアーガは、強力な魔法を放ち、壁をすり抜けながら移動するというまさに悪魔と呼ぶにふさわしい強さでしたが、本作においてそれ以上の障壁となるのが、そこに至るまでの塔の道のりでした。

◆宝箱の出現条件が難しすぎる!

各フロアにはギルの助けとなる便利なアイテムが隠されており、フロアごとに定められた特定の条件を満たせば宝箱が出現するのですが、中には「到底の座標を上から下へと通過する」という発見するのが極めて難しい条件もありました。

当時はインターネットがまだ普及していないのはもちろん、アーケードゲームの攻略本というものもほぼなかったため(攻略情報をまとめた同人誌などはゲームによっては存在したようです)、ゲームセンターで本作を遊ぶ多くのプレイヤーたちは本作の謎にノーヒントで挑む手探りの毎日でした。

ファミコン版『ドルアーガの塔』が収録されるスイッチソフト『ナムコット コレクション』より

また、当時のゲームセンターは客が自由にメッセージやイラストを書いていいコミュニケーション用のノートが設置されている店舗が多かったため、いつしかそのノートは本作の「攻略情報共有の場」としても機能するようになりました。大勢の知恵や知識を結集させなければ、この塔はとても踏破できません。

しかし、お得な情報があればそれを秘匿したくなるのも人の性(さが)。プレイヤーの中には、苦労して見つけた攻略法を人に知られぬよう、筐体にお手製のスクリーン(囲い)などを乗せて画面を隠しながらプレイする人もいたそうです。

見せてくれてもいいのに…とつい思ってしまいそうですが、かといってマナー違反などと非難するのもちょっと違うような気がします。ともあれ、今日とは大きく異なる独特の雰囲気が伝わってくるエピソードですね。

◆ビデオゲームに続き、高難度ゲームブックが登場!

そんな本作も翌85年にファミコン版が発売され、それを受けて全フロアの宝箱出現条件が掲載された攻略本が登場すると、ようやくクリアを狙いやすいゲームに。しかし、そのさらに1年後となる1986年に発売された創土社による『ドルアーガの塔』ゲームブックシリーズがかなりの高難度で、再び全国のギルを悶絶させました。

全3巻で各巻20階層ずつという大ボリュームに加え、フロアを上がっていくと人が生活している階層があったり、塔の探索をともにする仲間との出会いがあったり、時には立体交差のような構造をしたフロアがあったりなどというオリジナル深堀り描写てんこ盛り&歯ごたえ満点の内容で、当時小学校低学年だった筆者はもちろん、3歳年上だった筆者の兄もそろってクリアできず撃沈しました。なんともニガい思い出です。

しかし、このゲームブックは2023年1月現在Kindle版が配信されており、気軽に遊べるようになっています。それはとてもいいことですが、筆者は「今ならクリアできるだろうか…いや、もし今でもクリアできなかったら恥の上塗りではないだろうか…」と、この悪魔の塔に翻弄され続けています。

Kindle版 幻想迷宮ゲームブック「ドルアーガの塔3 魔界の滅亡」

ナムコットコレクション -Switch
¥2,708
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《蚩尤》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

ゲーム文化 アクセスランキング

  1. 東京都主催の『スト6』ゲーム大会、女性キャラの水着コスチュームが使用禁止に―“良い子”たちに配慮か

    東京都主催の『スト6』ゲーム大会、女性キャラの水着コスチュームが使用禁止に―“良い子”たちに配慮か

  2. オープンワールドキャンプ冒険ゲーム『The Gold River Project』2026年1月に早期アクセス開始決定!

    オープンワールドキャンプ冒険ゲーム『The Gold River Project』2026年1月に早期アクセス開始決定!

  3. 『空の軌跡 the 1st』が「2025年プレイすべきJRPG10選」の1位に!「日本のRPGの中でも最高傑作の一つ」と米ニュースメディア大絶賛

    『空の軌跡 the 1st』が「2025年プレイすべきJRPG10選」の1位に!「日本のRPGの中でも最高傑作の一つ」と米ニュースメディア大絶賛

  4. 上半身だけのパートナーと接合した状態で旅を進める!ポストサイバーパンク・サバイバルホラーRPG『GRAFT』

  5. 爪の鋭い新NPCも登場する『エスケープ フロム ダッコフ』無料アップデート配信!

  6. eスポーツ大会でまさかの不正行為も、所属チームは普通に敗北…。当該選手はチームからも除名へ

  7. ゆるいマルチ&分岐システムも!ダンジョン探索×マッピングの放置系RPG『UNDERDEEP』Steamページ公開

  8. 2026年の『テイルズ オブ』リマスタープロジェクトは“さらに過去の名作”が対象に。シリーズ完全新作についても語られた「30周年記念動画」

  9. 【PC版無料配信】異変に対処しつつ退勤を目指すホラー『異ノ故リ-Isolated Hours-』Steamで配信

  10. 『月姫』アルクェイドのモデルとされる人物、詳細23年越しに明らかに―海外ファンの調査、実を結ぶ

アクセスランキングをもっと見る

page top