唐突ですが筆者は北アフリカのモロッコに住んでいます。2022年FIFAワールドカップ4位となったモロッコです。アフリカといってもスペインに近くフランスの植民地だったこともあり、ヨーロッパ文化を色濃く受け、日本より便利とはいかずともわりと普通に暮らせているのですが、困り事がないわけではありません。
具体的にはスイッチのジョイコンのボタンが折れた時などです。
年末にやってしまいました。ニンテンドースイッチをモロッコの住居の定番である石の床に落とし、ZLボタンがポッキリ折れました。後悔しても遅いのですが、一度こうなってしまうと後は困りごとの山です。まず、ニンテンドースイッチが全くといっていいほど普及していないモロッコにジョイコンだけ売っているのか？そして売っていたとしても、ゲーム機が通常日本の1.5倍の価格もする中、円安も相まりジョイコンはいったいいくらで購入できるのか検討もつかないためです。
微妙になくてもなんとかなりそうなZLボタン…。このまま日本へ一時帰国するまでやり過ごそうかとも考えましたが、とりあえずモロッコのショップへ見に行ってみることにしました。このとき、まさか筆者は母ならぬジョイコンを探して一千里もの距離を旅することになろうとは思いもよらなかったのですが。
ちなみに、筆者のニンテンドースイッチは日本で購入。モロッコでもWifiにつないで、なんの問題もなく使用できています。
モロッコでジョイコン発見
モロッコのお店に行くと意外なことに色とりどりのジョイコンが売られているではありませんか！お値段1,190ディラハム。日本円にすると約15,300円です。My Nintendo Storeで購入すれば8,228円。価格は1.86倍です。すぐさま買う気が失せ、片方だけは売ってないかと半分あきらめながらみていたら、あるではありませんか（この日、二度目の驚き）！
約半額の599ディラハム。日本円約7,700円。日本だったら片方で4,114円なので、7,700円だと、ほぼ両方購入できる価格で決して安くはないのですが、15,300円を見せられたあとだと、なんだか買ってもいい気がしてくるから不思議です。早速買ってしまおう！と決断したものの、右しか見当たりません。お店の人に確認したところ、在庫にもないとのことです。左のみのジョイコンの需要は定かでないでしょうから、入荷も期待できないようです。15,300円を購入するか否か…。日本から送ってもらうという手もありますが、送料が高く、結局同じくらいか、逆に高くついてしまうくらいでしょう。
しかし、ここで数日後スイスに行くことを思い出し、スイスでも探してみればいいんじゃん!?ということで、スイスで探して見ることにしました。行きは良い乗継ぎの飛行機がなく、モロッコーポルトガルーイギリスと経由。片道約一千里の距離を移動しスイスに到着しました。ちなみに、ポルトガルのリスボン空港、イギリスのヒースロー空港の免税店にジョイコンがないか一縷の望みをもって探して見ましたが、やはりありませんでした。
スイスの首都・ベルンにはあるのか?
ここはスイスの首都ベルン。旧市街は1983年にユネスコの世界遺産にも登録されています。
スイスだし首都だしゲーム機とか最先端なお店があるのでは？と期待したものの、世界遺産らしい風情のある町並みが広がるのみ。
しかしありましたよ！フランスやドイツ、イタリアなどでも展開されているビデオゲーム専門店GameStopが。
店内にはズラリとゲームや周辺機器が並んでいます。『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェアII』PS5/Xbox版が89.90スイス・フラン（約12,900円/日本販売価格9,680円）、『ゴッサム・ナイツ』PS5/Xbox版が84.90スイス・フラン（約12,900円/日本販売価格8,580円）、『グランド・セフト・オート：トリロジー：決定版』Xbox版39.90スイス・フラン（約5,730円/日本販売価格7,700円）、『ダイイングライト2』PS5版49.90スイス・フラン（約7,160円/日本販売価格8,778円）。タイトルによって、日本の方が安いものもあれば、高いものもあります。
そして、ニンテンドースイッチのコーナーもありました。期待が高まりますが残念ながらジョイコンのみの販売はなし。ベルンの他の場所も探してみましたが、お店は見つからずベルンでの購入は諦めることにしました。
世界的な経済の中心地チューリッヒへ移動
次に向かうは金融関連で世界的な中心地であるチューリッヒ。ベルンより都会感があります。しかし、グーグル・マップで探してみてもレゴやぬいぐるみ、木製のおもちゃが売られているおもちゃ屋はわりと簡単に見つかるのですが、ビデオゲームを販売しているお店がなかなか見つかりません。
そこに一軒のビデオゲーム販売店SOFTRIDGEがありました。スイスで展開しているお店のようです。ツイッターによればチューリッヒのこちらのお店は9月3日にオープンしたばかりのよう（原稿を書いているときに知ったのですが）。ベルンのGameStopより品揃え豊富です。Nintendo Switch有機ELモデルは349.90スイス・フラン（約50,050円/日本販売価格37,890円）と日本価格の約1.3倍ですが、『ELDEN RING』59.90スイス・フラン（約8,600円/日本販売価格9,240円）、『Pokémon LEGENDS アルセウス』59.90スイス・フラン（約8,600円/日本販売価格6,578円）、『あつまれどうぶつの森』』59.90スイス・フラン（約8,600円/日本販売価格6,578円）とソフトについては、こちらのお店でも日本より安かったり高かったりしています。『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェアII』PS5版は74.90スイス・フラン（約10,713円/日本販売価格9,680円）となっており、ベルンのGameStopより安く、お店によってもゲームソフトの価格は異なるようです。
ついにジョイコン発見
ジョイコンのみの販売があるかと聞くと、「ある」とのこと。しかし、片方だけは売っていないと言います。両方のジョイコンの価格は77.90スイス・フラン。日本円で約11,600円です。モロッコの価格を見たあとなので、なんだかすごく安く感じるー！実際は日本より3,372円も高いのですが、モロッコより3,700円も安いためとても得をした気になり、せっかくだからこれを買って4人でマリオカートとかすればいいんじゃない？などと、モロッコに友人がひとりもいないのに想像を膨らませ購入決定。色は、モロッコより選択肢が少なく左が青、右が赤のものと、左が紫、右がオレンジのもののみということで、青・赤を選択しました。左右とも赤とかできるしね！
海外のジョイコンは日本で購入したスイッチで使えるのか？
さて買ってはみたものの、日本で買ったスイッチに海外で購入したジョイコンをつけて問題なく作動するのか？という問題があります。あえて言うなら「グローバルなスイッチ」略してグローバルスイッチの構築ですね。
一応、購入前にざっとGoogleで検索したところ、問題なく動くようだ、ということは確認していましたが、いざ購入してしまうと不安がふつふつと湧いてきます。あえて印刷してあるEURマークも不安を煽ってきます。ちなみに、モロッコのジョイコンにもEURマークがついていました。
はめてみると…。
おお！あっさり認識し「登録しました」の表示が！
あまりにあっさり認識して画面を撮影できなかったので、公式サイトから画像をお借りします。
久しぶりに『あつまれどうぶつの森』をやってみましたが、問題なく着替えもゴキブリ退治もできました。『あつもり』では、スマホを開くのにZLボタンが必要となりますが、スマホも問題なく使えます。『マインクラフト』ではZLを使ってブロックを置くこともできました。
グローバルスイッチ、無事、成功です！
スイスでの家庭用ゲーム機は…
ところで、食品や移動費などのスイスにおける物価はとても高く感じました。ファンタ500mlが210円、パン屋のドーナツが1個370円。スーパーで購入したにぎり4つと海苔巻4つのパックが1,700円、駅構内のうどんが2,860円と、日本と比較して全般的に1.5倍～3倍といったところでしょうか。そういった食料品などの価格を考えると、ゲーム機やソフトについては手が出しやすい価格のように思いました。GameStopも人が入っていましたし、SOFTRIDGEにも小学生くらいのこどもがひとりで訪ねてきていたりと、スイスでは家庭用ゲーム機が日本と同じように生活に浸透しているようです。
※あくまでも個人の体験談であり、すべての動作を保証するものではありません。
※為替価格は2023年1月7日時点です。
￥8,228
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
