映画『スターウォーズ』の世界を舞台に、ゲームオリジナルの物語が描かれるシリーズ第2弾『STAR WARS ジェダイ:サバイバー』。
Game*Spark編集部は、3月末に米ハリウッドにて開催された世界中のメディアを招いた本作のメディア向けイベントにて、発売が迫る本作の開発者にインタビューを実施。シニア・プロダクション・ディレクターを務めるKasumi Shishido氏とデザイン・ディレクターのJason De Heras氏に本作の開発について話を伺いました。
――『STAR WARS ジェダイ:サバイバー』にはディズニーやルーカスフィルムが関わっているということで開発が難しそうなイメージがありますが、実際はどうだったのでしょうか。
Kasumi Shishido氏(以下、Shishido氏):いいえ、そんなことはありません。1作目の『ジェダイ:フォールン・オーダー』では、Respawnとルーカスフィルムとの協力関係を学ぶ必要がありましたが、彼らとは非常に強い関係を築くことができました。『STAR WARS ジェダイ:サバイバー』に着手したとき、私たちは多くの信頼を寄せていましたし、彼らは私たちがクリエイティブにゲーム作りをすることを信頼していました。とても協力的な関係性でした。
――本作は前作からどのようにゲーム体験を変化させているのでしょうか。
Jason De Heras氏(以下、Heras氏):プレイヤーにもっと探検してもらいたいと考え、そのためのシステムを作りました。また、前作ではデュアルセーバー(二刀流)の要素を時間切れでカットしてしまったので、今回、最初に取り掛かった要素のひとつで、そこからさらにいくつかの武器の要素を用意したいと思いました。また、久しぶりに登場したカルを成長させ、より手応えを感じられるようにしたかったです。それが、ゲームプレイの観点からの大きな目標でした。
――本作の開発にも前作同様「Unreal Engine4」が使われているのでしょうか。同じ「スターウォーズ」フランチャイズの映像作品『マンダロリアン』のバーチャル制作でもUnreal Engineが使われ、より「スター・ウォーズ」と密接に関わるようになったと感じています。前作の開発から、Unreal Engineを使ったゲーム開発の環境は変わりましたか?
Heras氏:『ジェダイ:フォールン・オーダー』の開発で使っていたものから新しいバージョンに切り替えたことが、最も大きな変化でした。レイトレーシングのサポートや、PS5のハプティックフィードバックのサポートなど、ゲーム体験の没入感を高めるために必要な技術に注力する必要もありました。エンジン側の問題はあまりありませんでしたね。私たちにはそれなりの規模のプログラミングチームがあり、このゲームの開発には幅広い用途でUnreal Engineを使用していますし、エンジンに組み込まれた独自の技術も使用しています。
――本作ではなぜUnreal Engine5に乗り換えなかったのでしょうか。
Shishido氏:Unreal Engine4から5へのコンバートの際には、必ず何らかの作業が発生します。エンジンの移植にはコストがかかるので、今回はエンジニアリングのリソースを本作のゲームの制作に集中したいと早い段階で決定しました。そのため、Unreal Engine4の新しいバージョンへの移行は費用対効果に優れた判断でした。コンバージョンにこだわると、ゲーム全体の開発から何かが取りこぼされる可能性がありますからね。もちろん、私たちも技術が成熟したらUnreal Engine5を使いたいとは考えています。
――フランチャイズ2作目だからこそ開発でスムーズにいったと思う点はありますか。
Heras氏:ゲーム性やメカニックの土台がすでにあり、それを捨てることなく、さらに発展させてより良いものにしていくプロセスだったため、開発は非常にやりやすかったです。ただ、前作から持っているものでも、アニメーションなどは一から作り直す必要があり、試行錯誤している部分もあります。敵など、前作から引き継いだものはアップデートして続編のビジョンに合わせることができましたが、ゲーム全体を作る場合は1つの部分にとらわれがちなので、時間的なバランスが必要なものがたくさんありました。しかし、ゲーム開発において簡単なことは何もありません。アップデートした設計にすべてを合わせなければなりませんし、何を改善し、サポートし、同じ状態を維持するかを管理するためにはどうやってもコストがかかるのです。
――本作には「スター・ウォーズ」は好きだけど、アクションゲームは苦手、というユーザーに適した遊び方はあるのでしょうか?
Heras氏:難易度の低いモード、特に「パダワンモード」は、基本的にストーリーを楽しむためのモードになります。素早い反応やタイミングを取るのが苦手なプレイヤーでも戦闘が楽しめるように設計されています。ゲームスピードを遅くしたり、落下ダメージの切り替えたりなどできるアクセシビリティのオプションも用意されています。また、ストーリーモードは、プレイヤーが純粋に物語に集中できるように設計されています。常に戦わなければならないわけではなく、ある面では戦いをやり過ごすことも可能です。パズル要素は、ソフトタッチの手法で、プレイヤーにわかりやすい答えを与え過ぎず、しかし十分な情報を与えるようにしています。非常にソフトなヒントシステムで、プレイヤーは解答にたどり着き、満足感を得ることができるでしょう。
――発売日にSteam Deckでは遊べるのでしょうか。
Shishido氏:Steam Deckをサポートすると公式に言っていませんし、現在はSteam Deck用の専用リソースはない状況です。
――本作を楽しみにしている日本のゲーマーに一言お願いします。
Heras氏:私たちがこのゲームとカルの旅に費やしたすべての作業を、皆さんが本当に気に入ってくださることを願っています。
Shishido氏:私自身、日本に帰国してなくてずっとアメリカで過ごしてるのですが、やはり日本でも私たちのゲームを遊んでくださってる人たちがいるのがもうそれだけで感激なんです。アメリカで楽しみにしている人くらい日本のファンの方も楽しみにしてくださってるのは本当に嬉しいです。開発に一生懸命力取り組んだので、皆さん楽しんでいただければと本当に思ってます。
――本日はありがとうございました。
『Star Wars ジェダイ:サバイバー』は、PS5/ Xbox Series X|S/ PC(EA app/ Steam/ Epic Gamesストア)を対象に4月28日発売予定、スタンダードエディションの価格は9,700円、装飾パックが付属したデラックスエディションの価格は12,000円です。
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