【注意】
本記事の内容には『Pineapple on pizza』のネタバレが含まれます。
展開をご自分で楽しみたい方は、閲覧にご注意ください。
今回は、Majorariattoが手掛けるPC向けソフト『Pineapple on pizza』をプレイ！本作は……えーと、これってどういうゲーム？
ストアページに掲載されている動画を見ても、大勢の人たちが腰ミノ姿で踊っているだけだし、説明文も英語で読めませんでした。
『Pineapple on pizza（ピザの上のパイナップル）』というタイトルから考えると「ピザのトッピングにパイナップルはアリかナシか」を問うゲームなのでしょうか。
ピザや酢豚にパイナップルが入っているのを嫌う人も多いですが、僕は普通にアリ派です！
◆ピザにパイナップルはアリ？ナシ？
ストーリーが語られることなく、いきなりゲームがスタートした。って、ここはどこだ？
後ろを振り向くと、軽快なBGMとともに一糸乱れぬ動きで踊っている人たちがいた。何してるの……？
他の場所でも同じように踊っている。髪型やタトゥーの違いはあれど、皆同じニコニコ顔だ。
島民と一緒に踊るゲームなのかなと思ったけど、残念ながら踊りのアクションはないようだ。
映画では殺人事件が起きがちなとうもろこし畑を発見したので「もしや！？」と期待したが何も起きず……。
島をグルリと一周したけど、イベントが起きそうなスポットは見つからなかった。
てっきりパイナップル入りのピザを布教するゲームだと思っていたんだけど、どうやらそうではないらしい。何が目的のゲームなんだろうか。謎は深まるばかりだ。
◆マグマに包まれた島はやがて……
まさか踊っている島民を眺めるだけのゲームなのか？いや、本作はSteamで一万件近くの圧倒的好評を得ているんだし、何かしらのギミックは隠されてそうだ。
島民をよく観察してみると、赤ん坊をあやしている女性や、鳥にエサをあげている男性など、踊っていない人たちを見つけた
が、それらを見つけたことの実績が解除されただけで、なんのイベントも発生しなかった。
先程は海に沿って島を一周したので、次は内側を探索していたら火山へと続く道を発見した！
火口にはマグマが溜まっており、足を滑らせたら確実に死ぬだろうな。だが、イベントが起きそうな場所はここしかない。決死の覚悟でマグマにダイブする。
あれ、まさかのノーダメージ。死ぬことすら出来ないのかと絶望したその時、マグマが徐々にせり上がってきた。
マグマは火口から溢れ出し、下界に向かって流れ始めた。島民たち、逃げてー！
楽しく踊っていた島民をマグマが飲み込んでいく。草も木も人も燃え、あちらこちらから悲鳴が聞こえてくる。
確かにイベントフラグは欲しかったけど、こんな惨劇は予想していなかった。
島民たちは、マグマに飲み込まれる直前まで何も気づかずに踊っている。陽気なBGMとのギャップが心を抉るわ……。頼む、早く逃げてくれ！マジで！
海沿いに居た島民たちは、幸いにも船に乗り込んで島から脱出できたようだ。僕も一緒に乗せてもらおう。
島に取り残されている人のことを考えると申し訳なくなるが、少しでも助かった人がいるなら……って、飛んできた火山弾が船に直撃し、島民たちもろとも海の藻屑になった。
プレイヤーの僕だけ、火山弾が落下した反動で空高く吹き飛ばされる。
マグマが溢れ出す火山を見下ろし……
さらに上昇し、惨劇の起こった島を俯瞰で眺める。
って、え？
マグマに覆われた島が、パイナップルの乗ったピザへと変貌し、スタッフロールが流れ始めた。え～……これで終わり？
このゲームは、ピザにパイナップルを乗せることの罪深さを表しているのだろうか。それともパイナップルピザの歴史は多くの犠牲の上に成り立っているとか……いや、ただのネタゲーかもしれない。
初回プレイは10分ほどでクリア出来ました。なんとかして島民を助けられないかと試行錯誤してみましたが、結局誰も救えず……。
そういえば赤ん坊を抱いた女性はどうなったのかと、マグマが溢れたタイミングで観察していたら、岩の上に取り残された女性が他の人に赤ん坊を身を挺して放り投げる感動のシーンが目撃出来ました。結局赤ん坊もマグマに飲まれたわけですが。
その他にも、人間の梯子を作って避難する人たちの姿や、とうもろこし畑がマグマに飲まれてポップコーンが弾け飛ぶといったところまで、かなり細かく作り込まれていました。探せばもっと色々なシーンが見つかりそうです。
全実績の解除も20分くらいでサクッと終わる短編ゲームでしたが、僕の心に得も言われぬ爪痕を残していきました。
無料で配信されているので、ピザパイナップルがアリな人もナシな人も関係なくプレイしてもらいたいタイトルです。
『Pineapple on pizza』はPC（Steam）向けに無料でリリース中。オリジナルサウンドトラックは120円で販売されています。
