2023年5月17日の参院本会議にて、権利者との連絡が取れず利用できなかった著作物について、一元的な手続きで公式にその二次利用を可能とするなどの内容を含む改正著作権法が成立しました。
これは、分野を横断して著作権の所有者や管理組織へと連絡を取る窓口組織を新設することで行われ、利用者の照会に対し、権利者が明らかである場合、窓口組織が各権利者らへの取次を行います。しかし、窓口組織でも権利者が判明しなかった場合には、著作権使用料に相当する補償金と手数料を国へと納めることでその二次利用が公的に可能となります。以前から同様の仕組みはありましたが、それを大きく簡素に一元化するものです。
ここで気になるのは「ゲームはどうなるのか」というところ。先日行われた「ゲームアーカイブ推進連絡協議会カンファレンス」の際、弊誌は「ゲームを復刻したいけど、誰に許可を取ったらいいかわからない」という状況を解決しやすくなる法整備についての公演を行った松田真氏に取材を行いましたが、その際には
(1月時点で議論されていた)新制度において必要な、“利用の可否や条件等が明示されている著作物か?”という条件にゲームが適合し難い
利用期間終了後の処理についてどうするべきか
などの強い懸念点が存在しているとされていました。
実際に成立した改正著作権法においてはこの点がどのように変わったのか、もしくは変わらなかったのかについて注目が集まるところです。