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英・大手ビデオゲーム販売店「GAME」新入社員含む多くのスタッフを“ゼロ時間契約”雇用へ移行―2024年1月には下取り中止と中古ゲーム販売終了発表

新入社員ですらゼロ時間契約となっているようです。

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C)Getty Images (Photo by Peter Dazeley / 寄稿者)
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C)Getty Images (Photo by Peter Dazeley / 寄稿者)

英国の大手ビデオゲーム販売店「GAME」が、ほとんどの非管理職スタッフと新入社員を「ゼロ時間契約」での雇用に移行し始めており、人員削減が予想されると海外メディアEuroGamerが報じています。

「ゼロ時間契約」とは決まった労働時間がなく、雇用者からの求めに応じて働き時給で支払われる契約のこと。ただ、雇用者側には仕事を提供する義務がなく、労働者側も自己都合で仕事を断る権利もあるとはいえ、実際には非常に不安定で自律性の乏しい働き方とみられています。

Eurogamerの取材に匿名を条件に応じた複数のスタッフは、この契約変更を認めると同時に、全社的なゼロ時間契約への動きは「予想外のことではなかった」と答えています。また、今後起きるであろうレイオフについてはスタッフ個別に電話かメールで連絡がいく予定ですが、具体的な人数については不明です。

「GAME」が人員削減の準備をしている報道は急に沸いた話ではなく、これまでも複数のメディアが同社に起きている“兆候”を報じてきました。

PlayStation NowやXbox Games Passなどのサブスクリプションサービスが始まり、ユーザーに浸透していった2015年~2017年以降、英国のパッケージゲーム市場は売上が20%減少しており、さらにコロナ禍でロックダウンが実施された結果、ユーザーはゲームのDL購入を選択する時代に。物理パッケージ販売のために広大な面積の小売店舗を展開するGAMEは“合理的な店舗統合”を理由に、2020年1月に英国全土で40店舗の閉鎖予定をアナウンスしました。

パンデミック以降、パッケージゲームの小売販売には厳しい環境に

2023年には、小売業界における大ベテランであり「GAME」CEOのNick Arran氏が「GamesIndustry.biz」のインタビューに「ゲームは当社の中核事業であり、物理的なビデオゲームを販売する最後の一人になるでしょう」と述べ、コレクターズエディションや限定予約特典といった販売元との提携に力を入れ、今では数少ない深夜のゲームリリースイベントを行い「ゲームからリアルイベントを生み出す」「消費者が多くのゲームやおもちゃで遊び続けられるよう私たちはパッケージゲームを支持し、中古ゲームの下取りを促進し、入手しやすい価格で消費者に提供していく」と語っています。

しかし「パンデミック以前は45%だったダウンロード販売が、市場の75%を占めている」現実を前に同社は2024年1月、パッケージゲームの下取りの段階的中止と中古ゲームの販売終了を発表。ゲーム専門メディアだけでなく英BBCなどもこのニュースを報じました。
先述のゼロ時間契約への移行が「予想外ではなかった」という匿名スタッフの発言は、こういったパンデミック以降のゲーム小売業を取り巻く、厳しい環境を経てのものだと考えられます。

Arran氏が述べた「物理的なパッケージゲームに居場所があることを証明することこそ当社の存在意義」というのは、レイオフ予想の報道を見る限り難しいようです。


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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)


《稲川ゆき》

プレイのお供は柿の種派 稲川ゆき

ゲームの楽しさに目覚めたのは25歳過ぎてからの超遅咲き。人やら都市やら、何でも育て上げるシミュレーション系をこよなく愛する、のんびりゲーマーです。

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