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『サイバーパンク2077』エンディングは作り手とプレイヤーの対話でできている―CD PROJEKT RED開発者パネルセッションレポ【GDC2025】

ゲームのエンディングに関するセッションですが、ネタバレ無しの構成でお送りします。

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『サイバーパンク2077』エンディングは作り手とプレイヤーの対話でできている―CD PROJEKT RED開発者パネルセッションレポ【GDC2025】
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※ゲームのエンディングに関するセッションですが、ネタバレ無しの構成でお送りします。

米サンフランシスコで開催されているゲーム開発者向けイベント「GDC 2025」。現地時間の3月21日、『サイバーパンク2077』のエンディングをどのように考えながら作られたのかをCD PROJEKT REDの開発者が語るパネルセッション「Designing Endings and Balancing Player Expectations : Illustrated by the Epilogue of 'Cyberpunk 2077: Phantom Liberty'」が開催されました。

マルチエンディングの本作でプレイヤーにどのような感情を抱かせるかについて理解がすすむ本セッションの内容をゲームのネタバレ無しの仕様でお届けます。

エンディングは厄介なもの

登壇したのは、CD PROJEKT REDで『サイバーパンク2077』のシネマティックデザインを担当したパウエル オホツキ氏。5年前に発売された本作は、CD PROJEKT RED初一人称視点のゲームであったため開発者にとっても特別なものだったと述べました。

オホツキ氏曰く、ゲームの物語のエンディングというのは、それ自体が構造上厄介なものであり、物議を醸しだしやすいとしています。 エンディングを作る上で注意することは、すべてのプレイヤーに憎まれることがなくゲームを終わらせる必要があるとしています。

『サイバーパンク2077』のようなマルチエンディングの難しさとは、ゲームの中にある物語すべてに関わるのものでありながら、エンディングを単独で見ても意味をなさないためとしています。それは、ゲームにおけるエンディングは、プレイヤーの長い旅を最も反映するものだからです。

本作のエンディングについての考え方は次の流れで構成しています。まず、物語のプロットがあって、その上にキャラクターがいて、次にテーマがあって、そして感情に行きつく。例えば、とあるエンディングでは、テーマを「不滅の怒り」と「夢の街」とし、そこに湧き起こらせる感情としては「勝利の憂鬱」を盛り込んでいました。

本作におけるストーリーテリングについては、作家主導のストーリーテリングではなく、プレイヤーと関わりながら構築されるものだと説明。作家(開発者)が物語の会話を導入すると、プレイヤーの会話が弾みだし、作家が質問をするとプレイヤーが返答をしていきながら物語が折り重なっていきます。ゲームの中で作家がガイドになるとプレイヤーは体験から適応していき、考え方も発展していくのだそうです。

エンディングはプレイヤーとの最後の会話

本作のゲームにおいて、エンディングは作家とプレイヤーの最後の会話なのだとオホツキ氏は語ります。ゲームの中では、プレイヤーが俳優のようなものなので、プレイヤーの体験がエンディングの体験に結びついていくのですが、そこに行き着く物語の「感情」がプレイヤーにとっても重要となってくるのです。

そして以下が本作のエンディングを作る上で重要なポイントだったと説明しています。

  • プレイヤーは解決することだけでなくそこに意味を求める。

  • 制約ではなく、燃料としてプレイヤーの期待を活用する。

  • 迷ったら基本に立ち返れ!プロット→キャラクター→テーマ→感情。

  • すべての人を幸せにしようとしてはいけない。その代わりに公平であれ。

ゲームは対話であり、一人芝居ではないと強調するオホツキ氏。作家である「私」とプレイヤーである「あなた」との対話のような語りで進むのが印象的セッションでした。

ライター:蟹江西部

ライター/十脚目短尾下目 蟹江西部

Game*Spark編集部。ゾンビゲームと蟹が好物です。以前は鉄騎コントローラー2台が部屋を圧迫していましたが、今は自分のボディが部屋を圧迫しています。

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