Funcomは、オープンワールドマルチプレイサバイバル『Dune: Awakening(デューン:アウェイクニング)』を、PC(Steam)向けに2025年6月10日をリリースしました。
本作は、1965年に発表された小説「砂の惑星」から始まり、ドラマや映画などのメディア展開を行っている「デューン」シリーズを原作としたゲーム。プレイヤーは貴重な資源を巡って争いが絶えない惑星「アラキス」へと送り込まれ、過酷な環境でサバイバルしなければなりません。
小説や映画の主人公である“ポール・アトレイデスが存在していない”IFの歴史が舞台の本作では、2つの勢力が争いあっています。プレイヤーは自由に探索やクラフト、戦闘などを行いながら、失踪した砂漠の民「フレメン」の失踪の謎を解き明かしていきます。

本稿では、いよいよ配信された『デューン:アウェイクニング』のプレイレポートをお届けしていきます!なお、序盤の基礎的な要素に関しては先行ビルドでも紹介しているので、こちらもよろしければご覧ください!
原作主人公・ポールのいない歴史
ゲーム内ではまずタイトル前のオープニングムービーで『デューン:アウェイクニング』の世界観が説明されます。先述の通り原作の主人公ポールが不在であるだけでなく、生まれたのが女児だったこと、そして、本来起こるべきだった歴史が起こらず、多くの原作キャラクターが存在しない世界であるようです。
この世界観の説明をしてくれるのが、なんとパラレルワールドの予知夢を見ているポール・アトレイデス自身というのも面白い部分。ゲーム本編は、囚人である主人公が諜報員としてアラキスに送り込まれるシーンから始まり、ここでキャラクター作成を行っていきます。



キャラクター作成はプリセットを基に各部位やタトゥーなどを設定していく方式。見た目を決めた後は、教母からの質問に答える形で自身の出自を設定していきます。ここの選択で、会話時のセリフやモーションのほか、戦闘で使用できるスキルなども決定します。




かくして主人公はアラキスへ送り込まれますが、いきなり謎の攻撃を受けて宇宙船が撃墜……なんとか生き延びた主人公ですが裸一貫の状態です。まずはチュートリアルとしてクラフトや水分の確保、戦闘、壁のよじ登りなどのサバイバルの基本を学んでいきます。
チュートリアルで出会った謎の人物「ザンタラ」は帝国のお尋ね者です。奇跡的に生き延びた主人公に対して生き残る知恵を与え、以後は通信を通じて序盤のプレイヤーを導く役目を担っています。こうして、過酷すぎる惑星でのサバイバル生活がスタートします。





過酷な砂の惑星で生き抜くために
『デューン:アウェイクニング』の舞台となる惑星アラキスは、世界のすべてが砂で覆われています。まともに植物も自生できない、あまりにも過酷な環境下ながら、この惑星では“スパイス”と呼ばれる超貴重な物質が採取できるため、それを求める人々や勢力が常に争っている場所です。
ゲーム内でも“スパイス”は重要な役割を担っていて、メインストーリーを進める上で各地にあるスパイスを入手する必要があります。
本作の基本的な流れは、過酷な世界を旅しながら、新たな地域や世界を目指すために、採集やクラフトを通じて己の強化や拠点の構築などを行っていくものです。




最も重要なのが「水」の確保でしょう。ゲーム序盤の貴重な水分リソースは、谷の間などにわずかにある花から露を摂取することですが、決して満足できる水分量にならず、摂りすぎると毒状態になってしまいます。しかも、花が生えている場所は限られているので、なるべく早く安定した水分摂取が急務です。
ところで、アラキスには「スカベンジャー」と呼ばれる蛮族が多く住んでいて、プレイヤーを見かけると襲ってきます。彼らを倒せば倒した装備やアイテムを入手できますが、それ以上に大切なのが血液を抜くことです。血液は拠点の浄化器で純粋な水分にできるので、非常にありがたい存在ですね!



また、映画でもおなじみの「保水スーツ」があれば、体から出る成分から定期的に水分を作り出してくれます。水が十分に摂れていればスタミナボーナスも得られるので、冒険時にはしっかりと水分を確保していくことが重要です。水や熱対策はシンプルながら深刻なもので、少しずつ改善していくことで「生きている!」と実感できる要素です。



砂嵐とサンドワームに要注意
アラキスの生活で注意すべきなのはスカベンジャーだけではありません。定期的に吹き荒れる砂嵐には、保護された拠点を用意しないとあっという間に飲み込まれてしまいますし、なによりもこの惑星に棲む巨大生物「サンドワーム」の脅威が待ち受けています。
サンドワームは常にマップ内に生息していて、プレイヤーが“周囲に岩などがない砂漠”を移動している際に、振動を検知しています。ゲーム内では危険なエリアでは警戒ゲージが表示されています。もしサンドワームが近くにいて、補足されたら襲われてしまうでしょう。



『デューン:アウェイクニング』では、戦闘で敵に倒されたらインベントリ内のアイテムをドロップしてしまいます。しかし、サンドワームに襲われた場合は手持ちの全てのアイテムが永久的に失われてしまうのです。貴重なアイテムや装備を持っている際は、細心の注意が必要です。
筆者は別エリアへの引っ越し作業中にサンドワームに食われ、移動用のバイクを含めて一切合切を失ってしまいました。幸い本作は基本的なクラフトや建築用のアイテムなどは比較的簡単に入手できるので立て直しは簡単なのですが、やはりすべてを失ったショックは大きいものでした。




世界を巡り惑星への理解を深めよ
本作はオンラインマルチプレイが特色の作品であり、プレイ時はサーバーに参加する必要があります。他プレイヤーとは協力したりギルドを結成することも可能で、ワールド内には他プレイヤーが建設した拠点もあちこちで見かけます。なお、一部の専用エリア以外ではPvP要素はありません。
オンライン要素があるゲームですが、メインシナリオは自分自身で進めていくことになります。また、交易所などのNPC達が集まる場所ではサイドクエストも受注可能で、お金や経験値といった報酬のほか、惑星内で争う2つの勢力と関係を深めていくこともできます。




『デューン:アウェイクニング』では「領主会議」と呼ばれるシステムが搭載されていて、各派閥から票を集めることでさまざまな報酬が獲得できます。大規模なNPC拠点では、領主会議で特定の条件を満たしたプレイヤーだけが利用できるショップなどもあるので、ひとつの大きな目標になりそうです。
過酷な環境でのサバイバルというだけでなく、帝国や支配階級による影響下でどう生きていくのか、というのも本作の醍醐味です。2つ目のエリアでアンロックされる要素として、新しい拠点を作る際に税金が課されるのもユニークな点でしょう。ストーリーを進めれば新たなレシピも解禁され、どんどんやるべきことも増えていきます。



特に最初のエリアはクエストでも“基地を放棄する”ことが組み込まれています。旅をしていくゲームシステムそのものを理解させる内容としても面白いのですが、一方で初期エリアに“残骸”が残ることを開発チームが危惧しているという話もあり、もう少し親切に説明できればな、と思う部分もありました。
『デューン:アウェイクニング』は、探検や戦闘で素材を集めてクラフトや建築を楽しめるクラフトサバイバル要素をしっかり楽しめます。その上で、血液や己の排出物、ときには遺体そのものまで利用して水を確保したり、砂嵐やサンドワームの脅威に怯えたりなど「デューン」シリーズの過酷な世界で生き抜くゲーム体験をたっぷり味わえます。もちろん原作未履修でもサバイバルは楽しめますよ!
オンラインプレイのゲームではありますが、クエストや冒険はソロプレイで問題なく遊べますし、PvP要素も決して必要なものではありません。色々なプレイヤーが建てた建築物を参考にしたり、明らかに“ショートカット”できるような建て方をしている家を利用したり、細かなところでオンラインの恩恵を受けられるのも嬉しいところです。


先行プレイレポートでも書いたのですが、本作は「バイク」を入手することで圧倒的にゲームが変化します。そこまでがチュートリアルといってもいいくらいなので、まずは色々と厳しい世界で苦労しながら楽しみつつ、段階的に快適になっていく、砂漠の惑星での生活を堪能してください!
『デューン:アウェイクニング』は、Steamにて配信中。PS5/Xbox Series S|X向けにも配信予定です。
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