格闘ゲーム『Mortal Kombat(モータルコンバット)』の実写化映画「モータルコンバット/ネクストラウンド(原題:Mortal Kombat II)」が6月5日より全国公開されます。
本作は、2021年に公開された映画「モータルコンバット」の続編で、ついに人間界の存亡と魔界の更なる支配を懸けて最強の戦士が集う格闘大会「モータルコンバット」が開催。
真田広之演じる伝説の戦士スコーピオン/ハサシ・ハンゾウや、地球の守護者ライデン役の浅野忠信など前作のキャストが多く続投し、新たな主人公としてカール・アーバン演じるアクション俳優「ジョニー・ケイジ」がモータルコンバットに出場します。

魔界の皇帝シャオ・カンの従者「キタナ」役には、Netflixドラマ版「バイオハザード」のビリー・ウェスカー役で知られるアデライン・ルドルフが起用されています。また、キタナの親友でもある従者「ジェイド」を演じるのは、映画「アンチャーテッド」のジョー・ブラドック役や、Naughty Dogの開発中タイトル『Intergalactic: The Heretic Prophet』の主役でも知られるタティ・ガブリエルです。
ゲーマーに馴染みのあるタイトルに関わった俳優が新たに参加し、監督は前作に引き続き、サイモン・マッコイドが務めています。
今回、試写会に招待いただいたので、本記事ではそんな本作の試写会レポートをお届け。
人間界をかけた“手に汗握る”バトルに大興奮!
『モータルコンバット』は、その残酷すぎる描写からか近年日本では発売されておらず、「名前は聞いたことあるけど、やったことない」という方が多いのではないでしょうか。「モータルコンバット後進国」出身の筆者もプレイする機会がなく、前作の「モータルコンバット」しか観たことがありません。
ですが、本作は原作ゲーム未プレイの筆者でも楽しんで見られるだけでなく、前作からよりスケールアップし、より熱いドラマとアクションが繰り広げられ、より面白くなっています。
今年は「ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー」や、「ストリートファイター/ザ・ムービー」に「バイオハザード」など映画原作ゲームが目白押しですが、今のところ本作はその中で今年一番になるのでは、と思うほどの興奮と満足感を味わえました。
では、なぜ本作は“より”面白くなったと感じたのでしょうか。前作と比較しつつ、ネタバレは控え、本作の魅力を紐解いていきます。
まず、前作よりもアクションシーンが増え、バトルの密度も高まっており見応えは大きく向上。戦いの舞台も豊富で、見ていると「ここもゲームにあるのかな」と思わせてくれます。
さらに、今回はいよいよモータルコンバットが開催されるため、一度の敗北が両世界に大きく影響します。前作で登場人物が容赦なく命を落とすことを知っているぶん、「ピンチでもこの後誰かが助けてくれるだろう」という甘い期待は一切持てません。常に“生か死か”の戦いが繰り広げられ、ハラハラし続けながら鑑賞することに。
これほど緊張感を保ちながら見られるアクション映画、しかも続編で、というのは筆者にとって久々で、まさに“手に汗握る”体験です。
これは「モータルコンバット」の持つ残酷で容赦のない死の描写と、大会の設定が見事にマッチした事で生み出されたのではないでしょうか。

前作にも上記の要素はありましたし、非常に楽しんで鑑賞しましたが、印象としては「超人達によるゴア満載のアクションが見られる楽しい映画」でした。筆者が『モータルコンバット』をあまり知らなかったこともあり、登場人物たちは「はじめまして」の人達ばかり。なので、誰が勝っても負けても「この人はここで退場してしまうのか」と感じていました。
ですが、今回は前作で描かれたサブ・ゼロとスコーピオンの因縁、リュウ・カンとクン・ラオの友情、ストイックなソニアに面白そうな方につくカノウ――といった、人間界側のキャラクターの背景や関係性を把握した状態で鑑賞することになります。
そのため、モータルコンバットで人間側が負ければ魔界に支配されるという危機に、各キャラクターへの愛着が重なり、思わず前のめりで「人間界、負けるな……!」と応援しながら見てしまうのです。
以前はクン・ラオの山高帽フェイタリティのような残酷な演出を見て「うわ~なんてことを!」と思いつつも、ニコニコの笑顔で楽しんでいました。ところが本作では、「モータルコンバット」で気に入っていたはずの残虐な死に方を人間界側のキャラクターが迎えると、「悲しい」と登場人物達と同じ気持ちになっていたのです。まあ、それでもフェイタリティが炸裂する瞬間には「待ってました」と、思わず沸いてしまうのですが……。
もちろん、前作を見ないと話に乗ることが出来ない……という事はありません。今作が初めての人、また前作を見た人にもその思いを強く抱かせる描写として、新たな主人公の「ジョニー・ケイジ」や「キタナ」のバックストーリーが物語に厚みを持たせ、上手く盛り上げています。
また、『モータルコンバット』のテーマとして有名な「Techno Syndrome」のフレーズが“ここぞ”という所で流れ、見ているこちらも熱くなります。どこでそれがかかるかは、ぜひ劇場でお楽しみに。
キャラクターのバックボーンを活かしたドラマの“巧さ”
ここからは少し本作の内容について触れるため、気になる方はご注意を。展開についての致命的なネタバレはありません。
本作は主人公が「コール」から「ジョニー・ケイジ」と「キタナ」のダブル主人公に変わっています。その理由は映画を見れば分かると思いますが、ここが本作をより面白くしたポイントとして大きいのでは、と筆者は考えています。
アクション俳優として一度は栄光を浴びたが、その後は鳴かず飛ばずでくすぶっているジョニー・ケイジ。そしてシャオ・カンに仕えるキタナ。キタナの背景について詳細は伏せますが、この2人の共通点には敗北や挫折、停滞があります。つまり最初から不利な人間界と同じく「負け組」です。

ジョニー・ケイジに関しては巻き込まれた形ではありますが、そんな2人が「今」を変えようともう一度挑戦し戦うストーリーが、人間界の存続をかけた「モータルコンバット」という大会とリンクし、胸を熱くさせる効果を生み出しています。
もともと総合格闘技選手だった前作主人公のコールと比べると、アクション俳優のジョニー・ケイジは魔界に通用する強さを持っていません。そんな「弱い」ところから始まるのも、彼を応援したくなる理由としてうまく機能しています。
そして、ジョニー・ケイジが「役者」であることにも意味があります。「役者」を活かした一連のストーリーは胸を熱くさせ、彼を非常に魅力的なキャラクターとして印象づけてくれました。口の悪いカノウが抜け、真面目な面々が揃った人間界チームにジョニー・ケイジが加わることで生まれる新しいユーモアも、本作の大きな見どころのひとつです。
キタナの背景に加え、彼女の親友であり同業者でもある「ジェイド」もドラマにうまく絡んでおり、物語に“一筋縄ではいかない緊張感”をもたらしていました。
「まさかここまで面白くなるとは……!」と期待を超える熱い決闘を見せてくれた本作。ゴア描写に耐性がある方は、ぜひ大画面の劇場で「モータルコンバット」を楽しんではいかがでしょうか。
映画「モータル・コンバット/ネクストラウンド」は、6月5日(金)より全国公開です。

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配給:東和ピクチャーズ・東宝











