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宇宙空間でラーメン食材を回収!?マレーシア発インディーが今年も濃い―TGS2026「マレーシアパビリオン」を歩く

先日開催された東京ゲーム2026。このイベントに毎年通い続けていると、毎年9月の幕張メッセに「常連ブース」が存在することが見えてきます。

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宇宙空間でラーメン食材を回収!?マレーシア発インディーが今年も濃い―TGS2026「マレーシアパビリオン」を歩く
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先日開催された東京ゲーム2026。このイベントに毎年通い続けていると、毎年9月の幕張メッセに「常連ブース」が存在することが見えてきます。

マレーシアパビリオンは、まさにTGSの常連と言えます。同国は2017年から毎年パビリオンスペースを設け、斬新なインディー作品を送り続けています。マレーシア貿易開発公社、マレーシア・デジタル経済公社の共催という形を取っているこのパビリオンに、多少のインドネシア語ができる筆者が足を運びました。

宇宙の只中のラーメン屋!?

インドネシア語を身に着けると、インドネシア語だけでなくシンガポールやマレーシアでも難なく現地の人々と交流することができます。

なぜなら、インドネシア語は元々はマレー語で、今でも共通する単語が多いため。「能力的に可能」を意味する単語はマレー語では「boleh」、インドネシア語では「bisa」、トイレはマレー語では「tandas」、インドネシア語では「kamar kecil」、空港はマレー語では英語と同じ「airport」、インドネシア語では「bandara」という具合の違いはあります。ですが、8割方の単語は共通していて、文法も全く一緒。外国語を勉強して本当に良かった!

「マレーシアで日本食と言えば、昔は寿司や天ぷらというイメージだったんですが、ここ数年でラーメンが知られるようになりました」

パビリオンのスタッフの説明をマレー語で聞きながら、筆者はSteamでページが公開されている『Totally Normal Ramen』(METROPOLICE)というゲームをプレイ。現時点の邦題は『完全なる普通のラーメン』という、ド直球の直訳。

ここは宇宙。ラーメン屋台型宇宙船には、遥か彼方からお客さんがやって来ます。そのお客さんのオーダーに素早く応じるワンオペ飲食店シム……という、文字にすればなかなかどうしてクレイジーな内容。

これがねぇ……ベラボーに難しいんです! お客さんのオーダーはイラスト表示されるからいいんですが、玉の数とかチャーシューの枚数とか海苔とか卵とかスープの種類とかを指定するもんだから、それを覚えて正確に出さないといけません。残念ながら、筆者の脳は生まれつきワーキングメモリが少なく、プレイにかなり難儀しました……。

そしてこの『Totally Normal Ramen』、筏漂流ゲーム『Raft』を匂わせる要素も。どういう意味かというと、広大な宇宙空間に漂うラーメンの材料をマニピュレーターでつかみ取っていく必要があるというわけ。いやー、誰が考えたんだこのゲーム!?(←誉め言葉です)

次にプレイしたのは、弾幕シューティングゲーム『Blue Star Engine』(Vmagery studio)。これはキャラクタートレーディングカードの要素を加えつつ、ステージ毎に難易度とプレイキャラの能力が上がっていく内容に仕上がっています。

こうしたイラストタッチのシューティングゲームは特段珍しいものではありませんが、実際にプレイしてみると「段階的に難易度が上がる」という設定のおかげで、弾幕シューティングゲームが苦手な人でも遊びやすいようになっています。多少の日本語表記も実装されていて、この作品が日本でのセールスを念頭に置いていることが伝わります。

今の時点ではまだSteam等の配信プラットフォームにページは公開されていないようで、そのあたりを含めて今後に期待……というところでしょうか。こうした「まだ見ぬ大器」に触れることができる点も、各国パビリオン見学の醍醐味でもあります。

ASEANの中の工業発展国・マレーシア

マレーシアは、ASEAN諸国の中でも工業が発展している国としても知られています。

製鋼から自動車、電池、半導体など、現代文明に必要不可欠の製品を作る工場を数多く抱え、またそれがゲーム産業発展の土台にもなっています。「マレーシアはシンガポールより遥かに貧しい国」というのはSNSやYouTubeの解説動画でたまに言われていることですが、それは大きな偏見に過ぎません。

80年代、マハティール・ビン・モハマド氏が首相に就任すると、工業の発展に関しては旧宗主国のイギリスではなく戦後の高度経済成長を実現した日本から学ぶ「ルックイースト政策」が実施されました。このあたりから、日本とマレーシアの経済界は強固なつながりを持つようになり、日本の各分野の技術がマレーシアにもたらされるようになりました。コンピューターゲームがハード機器の存在を前提にしている以上、ゲーム産業の発展にはこうした背景が必ず求められます。そうした意味で、マレーシアはゲーム産業が発展しやすい国と言えるのです。

ここまでの国際事情を念頭に置きながらTGSのマレーシアパビリオンを眺めると、また違った色合いが見えてくるようです。

マレーシアパビリオンから見たTGS

ASEANとEUが大きく異なるのは、前者は統一通貨や統一規格を共有しているというわけではなく、緩やかにつながりながらも経済的な競争に臨んでいるという点です。

マレーシアと同じ系統の言語を公用語にするインドネシアは、TGSではようやくナショナルパビリオンを作ったばかりの「新興国」。コンピューターゲーム開発の歴史的基盤も、現時点ではマレーシアのほうが何枚か上手と言わざるを得ない状況です。これはマレーシアから見れば、ASEAN諸国の新興国に追いつかれないよう、「東南アジアの製品生産ハブ」としての地位を保つために相当な労力と費用を注いでいるという意味でもあります。

そうした国際的なパワーバランスを垣間見ることができるのも、TGSという巨大イベントの特徴と言えるのではないでしょうか。

《ライター:澤田 真一,編集:みお》

ライター/ゲーム×社会情勢研究家です。 澤田 真一

「ゲームから見る現代」をテーマに記事を執筆します。

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編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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