
初登場から約20年を迎える、Xbox 360発のTPSの金字塔『Gears of War』シリーズ。最新作『Gears of War: E-Day』(以下、『GoW:E-Day』)では初代『Gears of War』の14年前、マーカスとドムが未知の脅威に直面する直前から描かれています。
本作は「Unreal Engine 5」を採用。シリーズの原点となる戦いを、どのようなグラフィックで見せてくれるのかも気になるところです。今回は製品版相当のキーを提供いただきましたので、GeForce RTX 5090を搭載したPCを用いて、『GoW:E-Day』のパフォーマンスを探っていきます。
細かいところまで手が届くグラフィック設定

Steamストアに掲載されている推奨GPUは、GeForce RTX 5060/RTX 3060 Ti、Radeon RX 6700 XT/RX 9060 XTで、メモリは16GBです。また、最低要件でもハードウェアレイトレーシング対応GPUとSSDが必要とされています。ただし、ストアの要件欄では、これらのGPUに対応する目標解像度やフレームレートは明記されていませんが、本記事ではいつものRTX 5090搭載PCを用いてベンチマークを行います。

検証には、GeForce Game Readyドライバー617.14を使用しており、ベンチマークに使うPCスペックは下記の通りです。
CPU:AMD Ryzen 9 9950X
メモリ:Micron DDR5-5600 128GB(32GB×4枚)※1
マザーボード:ASUS TUF Gaming B850-PLUS WIFI
ディスプレイ:ROG Strix XG32UQ(4K UHD/3840×2160/160Hz)※2
GPU:NVIDIA GeForce RTX 5090 32GB
※1 メモリはDDR5-5600より低い動作周波数で使用しています。
※2 ディスプレイのオーバークロックは使用せず、144Hzに固定してG-SYNCを有効にしています。

今回は内蔵ベンチマーク機能を使用し、8KからフルHDまで、解像度や設定を切り替えて計測しました。以下のプリセットとDLSSの比較では、フレーム生成を無効にしています。なお、時間の都合により、一部の解像度では比較する設定を絞っています。
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今回は、可変レートシェーディングとRTXメガジオメトリを上記画像の設定にそろえてベンチマークを行っています。それぞれを切り替えた比較結果は、後ほど紹介します。
可変レートシェーディングは、画面の領域などに応じて陰影計算の頻度を調整し、描画負荷を抑える機能です。今回は設定間の比較のため、原則としてオフにし専用の比較ではオンに切り替えています。
なお、本記事の結果は筆者の環境における実測値です。PC構成やドライバー、ゲーム内の状況によって結果は異なるため、設定調整の参考としてご覧ください。
設定を下げても美しさを保つ安定した描画
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最初に、プリセットの変更でどれくらい差が出るのかを見ていきましょう。プリセットの比較ではDLAAを使用し、フレーム生成を無効にして計測しています。ベンチマーク画面からグラフィック設定を細かく調整し、高速で柔軟に検証できるのがありがたい仕様になっており、今回はかなり詳細に内容を詰めることができました。


さすがに8Kは厳しい結果ですが、4K/DLAAの「滑稽」設定では平均42.9fpsと、RTX 5090でも相当な負荷がかかっています。「滑稽」から「ウルトラ」へ下げると平均fpsは約37.2%、「高」では約54.4%向上しました。一方、「高」から「中」への変化は66.3fpsから69.2fpsと小さく、1% Lowの記録値の平均はともに44.0fpsです。今回のログ全区間の集計では、「滑稽」から設定を下げたときの差が大きく出ています。

GPU使用率は後ほどまとめていますが、今回のRTX 5090環境では、1440pの「高」設定はDLAAでも平均60fpsを上回っています。

DLSSの品質設定を下げても、今回の条件ではフレームレートの伸びは限定的でした。画質差が大きくないのであれば、fpsを重視する場合でもクオリティから大きく設定を下げる必要性は薄そうです。一方、後述するPC遅延には一定の改善が見られました。

また、「高」設定で1440pからフルHDへ解像度を下げると、GPU使用率は49.2%から39.8%へ下がる一方、平均fpsの増加は約0.3%にとどまります。今回の軽い描画条件では、解像度を下げてGPU負荷には余裕が生まれたものの、それがそのままフレームレート向上にはつながっていません。

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可変レートシェーディングとRTXメガジオメトリによる違いも見ていきましょう。

RTXメガジオメトリと可変レートシェーディングを、それぞれ切り替えて比較しました。可変レートシェーディングがオフの場合、メガジオメトリを有効にすると平均fpsは44.80fpsから42.93fpsへ低下しました。可変レートシェーディングがオンの場合も、46.90fpsから43.54fpsへ低下しています。可変レートシェーディングによる平均fpsの改善も見られますが、メガジオメトリ有効時の伸びは小さめでした。
RTXメガジオメトリの説明の前に、本作でも使われているNanite(ナナイト)にも触れておきましょう。これは、視点や画面上での大きさに応じて必要な形状の細かさを自動的に調整し、高精細な3Dモデルを効率よく描画するUnreal Engineの技術です。単にテクスチャを高解像度にするのではなく、物体の形状そのものを細かく扱える点が特徴です。
NVIDIAの資料では有効時にはナナイトのフル品質の形状をレイトレーシングにも使用しています。小石や破片などの影がより正確に描かれるほか、反射に映り込む物体の細部も忠実に表現されます。ナナイトが実現する精細な形状を、影や映り込みにも反映させる技術と捉えると分かりやすいでしょう。

ただし、本作でRTXメガジオメトリを有効にするには、VRAMを12GB以上搭載したGeForce RTX GPUが必要です。リストにはRTX 3060やRTX 3080の12GBモデルも含まれますが、使用条件を満たすことと、十分な動作性能を得られることは別です。
RTXメガジオメトリで影はどこまで変わる?

結論から言ってしまうと、これは別次元です。
自転車のスポークだけでなく、路肩の植栽、さらには画面上部の落ち葉まで細かな影が描かれているのが確認できます。
以前の別のベンチマーク記事でパストレーシングを比較した際にも技術の進歩に思わずうなり声を上げてしまったのですが、今回のメガジオメトリも比較作業を行ったときに思わず手を叩いてしまいました。使用できる環境があるのであれば試す価値があります。


ここでプリセットごとの差も見ていきましょう……と言いたいところなのですが、今回撮影した場面ではパっと並べても差がほとんどわかりません。プリセットを下げても景観の大枠は保たれる一方、陰影や路面の細部には違いが見られる程度で、ここまで差がわからないと比較していても正直困るレベルです。
その分なのかどうしてもPC遅延が気になる
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TPSとして気になるのは操作への応答性です。ここからは、NVIDIA Reflexを「オン+ブースト」に設定した状態で記録した各設定のPC遅延を見ていきましょう。
ここで扱うPC遅延は、PC内で入力を処理し、描画したフレームを表示側へ引き渡すまでに生じる遅延です。マウスやモニターの遅延を含む総入力遅延とは測定範囲が異なります。遅延の単位はミリ秒(ms)です。今回は各ログの開始から50~90秒の区間に記録されたPC遅延を平均しました。
まず4K/DLAAの結果を見ると、最高の「滑稽」設定では平均68.6msだったPC遅延が、「ウルトラ」では48.2ms、「高」では40.6msまで短縮しています。「低」では32.8msとなり、最高設定から約52%改善しました。画質設定を下げることは、フレームレートだけでなく操作への応答性にも効果があると言えます。
ただし、設定を軽くするほど同じように改善し続けるわけではありません。「高」から「中」への差は約2msでした。また、「高」設定で解像度を下げた場合は、4Kの40.6msに対して1440pで35.0ms、1080pで33.3msとなっています。1440pから1080pへ下げた際の短縮は約1.7msにとどまり、今回の計測では約33msが最も低い水準となりました。
DLSSについては、先ほどのfps比較とは少し違った評価ができます。4Kの「滑稽」設定のPC遅延は、クオリティで53.4ms、パフォーマンスで47.5ms、ウルトラパフォーマンスで44.4msでした。DLAAに対して最大約35%短縮しており、fpsの伸びが限定的でも、応答性を改善する効果は確認できます。
一方、「高」設定の1080pではGPU使用率が平均約48%まで下がっているにもかかわらず、PC遅延は33.3msでした。GPUに余裕ができても、PC遅延の改善が小さくなる傾向が見られます。ただし、この結果だけでCPUや特定の描画処理が原因とまでは判断できません。
今回の結果をまとめると、画質設定やDLSSの変更によって遅延を減らせる一方、Reflexを「オン+ブースト」に設定したRTX 5090環境でも、軽い条件で約33msのPC遅延が残りました。素早い照準操作を重視するTPSとして、もう一段の低遅延化を望みたい結果でした。
フレーム生成で持ちあがるウィークポイント
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最後に、ゲーム内で利用できるフレーム生成を加えた結果を見ていきましょう。
フレーム生成はスムーズに動作しているように見えるのが素晴らしい技術だと思いますが、今年に入ってからのベンチマーク記事全てに言えることですが、問題は遅延です。
先ほど触れたように結構な遅延が気になる状態でフレーム生成を使用した場合にReflexを使用していても6倍では90msの遅延が発生し、Reflexを切った場合には100msを超えてきます。本作のグラフィック周りの設定の多様さや最適化には全く問題はないのですが、どうしてもこの遅延だけは最後の最後まで筆者的には気にかかる部分となってしまいました。
美麗な戦場と、気になる操作への応答性

今回の検証ではPC遅延が最後まで気になった一方、プリセットを下げても戦場の雰囲気を保ちやすい点と、RTXメガジオメトリによって細かな陰影まで変化する点が印象に残りました。 最高設定だけを目指すのではなく、「高」や「ウルトラ」を起点に、自分のPCに合う画質と動作のバランスを探れる選択肢の広さは魅力です。
せっかくなら、迫るローカストだけでなく、戦場の空気や仲間の表情まで味わいたいところ。ご自身のPCで無理のない設定を見つけて、『E-Day』の戦いに臨みましょう。
『Gears of War: E-Day』は、PC(Steam, Microsoft Store)/XBOX Series X|S向けに2026年10月7日発売予定です。また、サブスクリプションサービス「Game Pass」にも対応します。





















