
ゲーマーの皆さん、ラーメンは好きですか? 筆者は大好きです。
では、ラーメンを作るのはいかがですか?
本作『Japanese Ramen Simulator』は、最大6人でラーメン屋を経営するシミュレーターゲーム。
新メニューを作り、内装にこだわり、ラッシュ時の忙しさにてんてこ舞いになりながらも、評論家を唸らせる至極の一杯を作る……良質でありながらギャグも抜かさない、傑作シミュレーターでした!

今回は、筆者の大学時代の後輩で、実際にラーメン屋で働いているO氏を含め、友人数人とともにプレイしてみました。
五重塔や富士山に囲まれたどことも知れぬ土地の一角で、ラーメン屋を始めるところからスタートします。まずは名前を決めて、看板をサクッと作ってしまいましょう。デザインはあとでも凝れるので、プリセットのものでもOK。

カウンターに調理器具、コンロや麺茹で機、洗い場など、最初から最低限のものは揃っております。チュートリアルに沿って寸胴鍋に豚骨スープを仕込み、かえし(醤油タレ)や茹でた麺を入れ、海苔などのトッピングを載せたら完成。現時点でもスープの中身をこだわることもできますが、とりあえず言われたとおりに仕込んでおきましょう。
あとは、準備中の札を営業中にするだけで開店できます。

最初のうちはそんなに難しくなく、トッピングの数や調理工程が少ないのでササッとラーメンができあがります。
そのうちにメンマやチャーシューなども登場し、それらを切ったり、保存したりする必要が出てきますし、餃子やビール、ライスといったサイドメニューも提供できるようになり、餃子焼き機やビールサーバーを設置しなければならなくなります。
当然ながら客の注文も細分化してくるので、その都度オーダーリストとにらめっこしながら、正確に調理せねばなりません。

これがなかなか面白い!
そもそも、客に一杯のラーメンを提供するだけでも、清潔な丼を手に取り、茹でた麺とスープを絡め、トッピングを載せ、注文票を見てテーブルまで持っていき、食べ終わった丼を回収して洗い、また元の位置に丼を戻す必要があります。
これらのオペレーションをスムーズに行うために、だんだんと機器の位置や、カウンターとの距離感など、内装にこだわっていくようになるのです。

「ここで洗い物をするから、レジがここで、するとテーブル席はこれくらい確保できて……」と、だんだん本当にラーメン屋を経営しているような気分になり、まさしくシミュレーターゲームらしい感動が得られるのです。
この機能美を優先したハウジング体験というのは、サバイバルクラフトやMMORPGとは一味違ったセンスであり、とても新鮮に感じられました。

また、O氏曰く、意外にも細かいところがラーメン屋らしくなっているところが良いとのこと。
朝の仕込みでは寸胴鍋を火にかけて、それぞれの持ち場を確認し、みんなで挨拶してから開店。
昼のラッシュ時には地獄のような忙しさになり、トッピングを間違えてお客さんに怒られたり、提供が遅すぎて帰られちゃったり。
閉店後はまかないメニューを食べながら、足りない食材を発注しつつ、新メニューの開発、そして店の裏手で一服……。
発注した品がドローンで1秒後に届くなど、ゲーム的な省略も多分にありますが、それはそれとして、ラーメン屋で働いている感覚を十二分に味わえるリアリティがありました。

一方で、ギャグ要素もちゃんと用意されています。
そのひとつとして、恐ろしいことに我々の店舗の隣に賭博場があり、レジの金を抜いて丁半博打に挑むことができます。
「これは、み、みんなで汗水垂らして稼いだ金……!」と、目を血走らせて、一か八かの賭けに出る瞬間は、他のゲームではなかなか味わえない得も言われぬ興奮を覚えました(友情が壊れない程度にしましょう)。

他にも、汚れた丼やコップをぶん投げてシンクに叩き込もうとして、眼の前にいた客の後頭部にぶち当てて怒らせちゃったり、定期的に泥棒がやってきて売上金を盗んでいこうとするので、手裏剣やクナイで撃退する必要があったりと、ほどほどに現実離れしており、笑ってしまいます。PSの名作『俺の料理』を彷彿とさせますね。
ボスとして出てくるグラサンをかけたハゲ頭のラーメン評論家も、なんかどこかで見たことあるような……。

ちゃんと伝票を管理しないとオーダーを間違えまくるであるとか、小学生が考えるような特盛トッピングのオリジナルメニューはピーク時に頼まれると後悔するとか、リアリティとギャグの部分でイイ感じにバランスを取った本作。
次々に解放される具材や内装品、アイテムのおかげで、止めどきがまったく見つからない良作シミュレーターでございました。
今日も元気に開店です! へい、らっしゃい! 9番さん、揚げ蟹もやしネギ豚骨カタメニンニクマシマシ一丁!

せっかくなので、ラーメン店に勤務しているO氏に3点ほどインタビューしてみました。
――『Japanese Ramen Simulator』を遊んでリアルだと感じた点はどこですか?
O氏:ゆで麺機や、てぼ(麺を茹でる取っ手のついたザル)、業務用の餃子焼き機といった調理設備は「あるあるだなぁ~」と思える現実的なものでしたね。
また、ラーメンのタレ(かえし)・スープ(出汁)・麺という構成要素が用意されている点もリアルでした。出汁を作る過程で、骨を多くしてみようとか、香味野菜を入れてみようとか、色々試せるのもリアリティがありました。試した結果、旨味や香りのステータスがわかりやすく変動しないあたりも現実的です(笑)。
スープだけ店で炊いて、タレは市販品、麺が製麺所から送られてきている風の見た目なのも、とてもその辺のラーメン屋という感じです。
営業中に「スープやります」とか「水出します」といったような声かけを自然とすることになるのも、ラーメン屋ではよく見る光景ですね。狭い厨房内で作業する時に連携が良くなりますし、お客さんからは活気があるように見えて良いんです。
お水を出すと、待っているお客さんの機嫌が治るのも実はリアルで「お待たせしてます」と声をかけるだけでも「あなたの注文、ちゃんと忘れてないよ」と伝わって、怒らず待ってくれるものだと教わるんです。

――ラーメン店で勤務するうえで楽しいことや大変なことはなんですか?
O氏:自分で作ったラーメンを美味しく食べてもらえると、こちらも満足します。
逆にスープのクオリティがブレていると、たとえお客さんが気付かずに満足していても、こっちは納得がいかないこともありますね。特に時間あたりのお客さんが多いほど、クオリティは下がりがちなので、それを維持するのが大変だったりします。
あとは、お店にも依りますが、開店から閉店まで通し営業していると、常にお客さんが店内に居て休む暇がなかったり、夜の営業に向けての準備作業があったりで、忙しい状況が続くので……大変です。

――ラーメン批評家がお店に来ることはありますか?
O氏:僕が働いている店はチェーン店なので、わざわざうちの店舗にくることはないですね。来るとしても覆面調査で来るでしょうし、批評家を名乗ってまでコンタクトを取るなら本社に行くと思うので、基本的には来ないものだと思います。
ただ、最近は食べログやGoogleの口コミであったり、各種SNSで連日どうだったと評価され且つ拡散されるので、お客さん=批評家みたいな感じではあります。全員を満足させるのもひとつの目標です。
『Japanese Ramen Simulator』はPC(Steam)にて早期アクセス配信中です。











