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中華ゲーム見聞録:『RimWorld』リスペクトな仙人育成シミュ『了不起的修仙模擬器』ー奥が深いサンドボックス型ローグライクサバイバル

「中華ゲーム見聞録」第35回目は、仙人になるための修行場を建設し、襲い来る外敵や天災から生き延びるサンドボックス型ローグライクシミュレーション『了不起的修仙模擬器(Amazing Cultivation Simulator)』をお届けします。

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「中華ゲーム見聞録」第35回目は、仙人になるための修行場を建設し、襲い来る外敵や天災から生き延びるサンドボックス型ローグライクシミュレーション『了不起的修仙模擬器(Amazing Cultivation Simulator)』をお届けします。

本作はGSQ Games(吉艾斯球工作室)が開発し、Gamera Gameによって1月11日に早期アクセス版が配信されました。GSQ Gamesはメンバー3人のインディーデベロッパーで、『Dwarf Fortress』や『RimWorld』などの影響を受けて本作を開発したとのこと。プレイヤーはキャラクターたちの住居や修行場を建設し、武器や仙薬などを作り、場合によっては襲いくる外敵と戦わなければなりません。


本作はローグライクということもあり、プレイするたびに違うマップで遊ぶことができます。プレイヤーは仙道を極めたり、天下をめぐり歩いて宝集めをしたり、最強の神器法宝や仙薬を作り出したりなど、自由にゲーム世界を楽しむことができるようです。さっそくプレイしていきましょう。

コミカルに動き回るキャラクターたち


基礎教学ステージの開幕


最初は基礎を知るために、「基礎教学」から始めます。ゲームを開始すると、どこかの大きな道観(道教寺院)が出てきます。道観の中にはたくさんのキャラクターがいて、訓練をしたり、食事をしたり、資材を取りに行ったりと、それぞれ自由に行動しています。動きがコミカルで、見ていて楽しいです。倉庫にはアイテムもたくさん並べられていますね。

このゲームの世界観ですが、「武侠」ならぬ「仙侠」と呼ばれるものです。「中華ゲーム見聞録」第7回目の『牧剣:化神書』でも解説しましたが、仙術や道術が飛び交い、空飛ぶ剣が敵を攻撃し……といった超能力的な世界観です。「封神演義」もこの世界観ですね。ちなみに上の画像の右下、剣に乗って空を飛んでいるキャラがいます。


道観には畑や食堂もあります。一応修行中の人間なので、食事は必要です。本作では、プレイヤーは特定のキャラを操作するのではなく、道観全体をマネジメントしていきます。個々のキャラに指令を与えたり、建設をしたり、敵と戦ったりといった判断をしなければなりません。


何やら弟子たちが世間話をしていますね。しかもフルボイスです。中国産アドベンチャーゲームでフルボイスは今や珍しくなくなってきていますが、シミュレーション系でボイス付きというのも近年は増えてきているようです。


個々のキャラには細かいパラメータが存在します。またキャラの機嫌を総合した「情緒」という指標があります。画像では「地面で寝た -15」「生ものを食べた -15」「適切な温度 +8」「風水良好 +8」など様々な要素があり、これらの総合でキャラの情緒が決まります。このあたりは『The Sims』シリーズっぽいですね。

敵の来襲!



突然、画面右から複数の敵がやってきました!多くの門派が覇を競って戦い合うというのが武侠や仙侠の世界観です。おそらく現れたのもこの道観の敵対門派でしょう。剣や宝貝(パオペイ)を飛ばして攻撃を仕掛けてきます。それに対してこちらも武器や術を飛ばして反撃。うわっ、かっこいい!このゲーム、ストアページのスクリーンショットは地味に見えますが、動いているところを見ると結構派手で、ゲームに対するイメージがかなり変わります。


敵に対抗するため、「長生輪回経」の突破(上位の能力を得ること)を試みなければなりません。五行風水を「水属性」にする必要があるとのことですが、それには「寒晶鼎」という鼎を作らなくてはなりません。

寒晶鼎の作製~敵を撃退


寒晶鼎の材料である「寒晶鉱」のそばは極寒で、近づくことのできるキャラがいません。本作には気候や気温の概念もあり、キャラの快適性もそれによって決まってきます。ここでは寒さを防ぐことのできる呪符「太陽符」を装備させ、寒晶鉱へ向かってもらいましょう。キャラを選択し、太陽符を取りに行かせます。


防寒対策ができたので、ツルハシを使って寒晶鉱の採掘を始めます。通常速度だと時間がかかるので、倍速に。


原石のままでは使うことができませんので、炉で精製して寒晶錠(インゴット)にします。そこから「寒晶鼎」に加工。建物を作るときの材料にすることもでき、それによって建物の五行属性(木・火・土・金・水)が決まったり、周囲へ影響を与えたりします。


寒晶錠を使って「寒晶鼎」を作成。その後、ここで金丹を練って突破を行い、外敵に対抗する力を手に入れます。


寒晶鼎で金丹が完成しました。超必殺技(?)「太虚神剣」を外敵に対して放つと、あっという間に殲滅してしまいました。凄まじい破壊力です。「基礎教学」はここまでのようなので、本編へ進みましょう。

異世界転生した遊戯閃光



ゲームモードには、用意されたキャラとマップでプレイする「新人模式」と、自分でオリジナルキャラが作成できる「経典模式」があります。自分でキャラを作りたいので、ここは「経典模式」で。難易度やマップの広さを決めてスタートします。ローグライクなのでランダムマップです。


どうやら本編は、先ほどの戦いの後の話のようです。外敵を倒したものの、追撃時にリーダーが敵の罠に嵌ってしまい、結局門派「太一門」は滅亡します(なんてこった!)。生き残った数名の弟子たちが山から逃げ延び……といったところからのスタートですね。


キャラメイキング画面。デフォルトで用意されているキャラもありますが、自作キャラの「遊戯閃光」を使います。名前を入力するだけで自動的にスキルやステータスが決まる(ランダムではない)のが面白いですね。ちなみに自作キャラの特性は「輪回者」。異世界からの転生だそうです。

遊戯閃光のステータスですが、潜在能力と魅力が高く、あとは微妙といったところ。「やれば出来る子」みたいな感じでしょうか。年齢は19歳ながら、「処世術」のスキルポイントは最大値ですね。それと「太一門」に入門する前の修行経歴などもあり、しかも門派の種類がかなり多いです。この細かさは「中華ゲーム見聞録」第一回で紹介した『太吾絵巻』を思い起こします。遊戯閃光は「七殺剣」の伝承者だとか。なんだか世紀末臭を感じます。あと「太一門の弟子である立場を利用し、下山して遊び回ってた」とのこと。うーん……。


オリジナルキャラを作った場合、ゲーム開始時に仲間はいないようです。初プレイ時は2~4人いた方がいいと忠告されますが、オリジナルキャラが使いたいのでそのままプレイ。ランダムマップが生成されてゲームスタートすると、太一門リーダーの知人を名乗る「神秘修行者」が登場します。「わからないことがあったら聞いてくれ」とのことです。

生活基盤を作る


木の伐採~住居建設


さっそく何をしていいのかわからないので質問したところ、「とりあえず木を伐採して篝火(キャンプファイヤー)を作っとけ」と言われました。斧が落ちているので、それを取って木を伐採すると原木に。サバイバルゲームをしている感じですね。ちなみに工具がなくても、時間はかかりますがパンチで木を倒すこともできます。このあたりもサバイバルゲームっぽいです。


次にクラフトメニューから篝火を選んで適当な場所に設置。これで料理を作ったり、暖を取ったりすることができるようになりました。ちなみに今の季節は春、気温は0度と結構寒いです。


次に壁で囲いを作って住居を作るよう神秘修行者に言われます。壁には木材が必要なので、原木を木材に加工する場所をまず作りましょう。


住居の適切な大きさがわからないので、落ちているアイテムを囲う感じで適当に。すると遊戯閃光は、修行をしたり眠ったりといったこともしながら、壁作りを始めました。夜になると気温がマイナスになるので、早いところ住居が欲しいですね。


3日目に完成。囲いができると、自動的に家っぽい形になりますね。室内の温度は7度前後ですが、外にいるよりかはましです。とりあえず落ち着ける場所ができました。

自給自足の生活



快適な睡眠が取れるよう、ベッドを設置。さらに家の外に井戸を掘り、室内に水ガメを置き、水不足にならないようにしました。だいぶ生活っぽさが出てきましたね。それと娯楽としてマルバツゲームを設置したのですが、対戦相手がいないので利用できないようです。ぼっちプレイの問題点ですね。


食料を手に入れなくてはならないので、周囲の探索を始めます。マップの未探索場所(黒い部分)に旗を置くことでキャラが移動し、その周辺の視界を取ってくれます。ただ、精力を消費してしまうため、一日に探索できる範囲は限られます。精力は寝ると回復します。


ウサギがいたのさっそく攻撃。倒すと皮と生肉になりました。生肉は腐るのが速いので、焼いて干し肉にして保存しましょう。


畑とアイテム置き場を設置。畑では小麦や薬草、キノコ、梨、銀杏など12種類もの植物を育てることができます。今は食料が大切なので小麦を選択。それと仲間になりたいという女性修行者が来てくれたので、許可しました。やっとボッチから脱出です。


家に床板を張れることに気づき、さっそくリフォームを始めます。ついでに倉庫も壁で囲って室内にしておきました。だいぶ住居らしくなってきましたね。いずれ敵の来襲もあるので、武器や罠などを作って備えておきたいと思います。果たして滅びた太一門の再興は成るのか。遊戯閃光の戦いはこれからです。

奥の深い建設サバイバル


本作は地味なゲーム画面とは裏腹に、実際にプレイしてみるとキャラが自分の意思を持ってコミカルに動き回り、作業の合間に剣術の訓練を始めたりなど、動きを見ているだけでも楽しい作りになっています。またキャラは様々な要素で機嫌が悪くなったりするので、快適な生活のできる環境を整えてやらなくてはなりません。遊んでいくにつれ、だんだんとキャラたちに愛着が沸いてくるでしょう。

住居の拡張を続ける遊戯閃光。仲間もさらに2人増え、合計4人に

キャラのパラメータやステータスもかなり細かく、武器や装備、呪符、アイテム、丹薬、料理、門派の種類も多く、『太吾絵巻』並みのデータ量があるかと思います。それにキャラには寿命や交友関係もあり、恋人や友人、両親、宿敵など、遊べば遊ぶほど人間関係は複雑になってきます。現在はまだ早期アクセスですが、人間関係によって発生するイベントは、最終的には数千種類にも及ぶとのことです。すでに結構ボリュームのあるゲームですが、今後もさらにパワーアップしていきそうですね。

言語については今のところ中国語しかありませんが、遊びやすいし中毒性のあるゲームなので、今後英語や日本語がサポートされることを期待したいと思います(ちなみに中国でもゲーム依存症が問題になっているからなのか、4時間連続でプレイすると、ゲーム中で「遊びすぎ」を注意されます)。

製品情報


    『了不起的修仙模擬器(Amazing Cultivation Simulator)』


    開発・販売:GSQ Games、Gamera Game
    対象OS:Windows
    通常価格:1,950円
    サポート言語:中国語(簡体字)
    Steamストアページ:https://store.steampowered.com/app/955900/_/

※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限により、簡体字を日本の漢字に置き換えています。
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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