
7月18日から20日の期間、「BitSummit the 13th(以下、BitSummit)」が開催されました。みやこめっせで毎年行われるゲームの祭典には、今年も多くのゲームが並びました。
本稿ではその中のひとつ、JOFSOFTが手掛ける“クッキングシューター”『ピザ・バンディット』のプレイレポ&インタビューをお届けしていきます。
料理下手な傭兵となってクリーチャーから調理場を守れ!「トッピング足りないよ!」と叫びたくなるパーティ感

『ピザ・バンディット』はTPSシューターとクッキングシミュレーターが合わさったかのようなゲームシステム……とは言っても、ピンとは来ないでしょう。正直に言って、筆者もプレイするまでは「どういうゲームなの!?」と思っていました。

わかりやすく言うと、ピザ(や様々な料理)を作る拠点が……クリーチャーが襲い来る戦場の真っただ中にあって、SF的な重火器やピザカッターなどを駆使して“キッチンを防衛”しつつ、「○○がトッピングされたピザとコーラと弾薬をお願い」というお客様のオーダーに沿うように、弾薬や料理を射出ポッドでお送りするCo-opメインのシューターです。
主人公は元傭兵の料理人。激シブなダンディガイで、傭兵家業のかたわらシェフになることを夢見ていたそう。脱サラならぬ脱傭兵をして念願の店を開いたのですが、肝心の料理の腕はまるで無く、実の母親ですら嫌がるレベルだそう。

そんなに不味けりゃ当然店は傾くし、主人公は詐欺にも引っかかってしまったとのこと。そこで副業(?)として「戦場で料理を作る」という形で、お店を立て直していきます。店の運用資金を傭兵家業で賄うのですね。理想とスキルがかみ合っていなくて世知辛い……!


さて、拠点(経営が傾いている愛店)で、装備を整えてタイムマシンで戦場に赴くのが『ピザ・バンディット』の主な流れ。装備やコスチュームの数は試遊版の段階でも多く、Co-opシューターとしての飾り立てや、トンチキな武器もかなり楽しめます。正統派でSFチックな武器から、ピザカッターでの近接戦闘まで楽しめるわけです。筆者のプレイフィールで言うなら、本作は基本的に陣地を防衛するタイプの協力型シューターですね。しかし拠点防衛とはいっても、そこは“クッキングシミュレーターの側面すらある調理場”であるため、守るべきエリアが広い!

プレイしたマップは二階建てのダイナーのような場所です。上階が調理場であるために基本的にはふたつある階段を守っていくのですが、嫌らしいことに(少数ながら)飲み物が下の階に設置されていたりもします。役割分担は重要です。「ビール運ばなきゃだからクリーチャーどかして!」とか「ピザ窯の前にクリーチャーが来たぞ!」という、「何言ってんだお前」みたいなことを言いたくなるプレイ感が面白い。


クリーチャーは時間経過とともに増えていくので、防衛しながらピザを作り上げるのは中々忙しくなってきます。戦闘担当のシェフ、調理担当のシェフと役割を分けると効率が良いのかなと感じました。調理担当シェフが被害に遭ったら戦闘担当シェフが代りに厨房に入って……戦闘担当シェフってなんだ。そして時間が来たら、急いでタイムマシンまで撤退します。店に帰ると、新しい装備などが解放され、また次の戦場に赴くというわけです。


総評としては、「気の合う友人と遊べば絶対盛り上がる!」と思わせられました。もちろんオンラインで、シビアに役割分担をして高難易度に挑戦するのも楽しいでしょうが、題材が「戦場でピザを作る!」というぶっ飛んだテーマですので「トッピング足りないよ!何やってんの!」とシュールな言い合いをしながらプレイしたい一作でした。
続いては、JOFSOFTのAron Koh氏へのインタビューをお届けしていきます。
クッキングシミュレーターとシューターのバランス取りに注力した“クッキングシューター”『ピザ・バンディット』

――まずは『ピザ・バンディット』のゲーム概要についてお教えください。
Aron Koh氏(以下、「Koh」):『ピザ・バンディット』はこのシェフである主人公の成長物語となっています。彼は傭兵で、人を殺すために銃を扱うような戦闘技術には優れているものの、料理の才能は全くありません。ちなみに、母親すら手料理に嫌な顔をするほどの腕前です。
ですが彼にはどうしてもシェフになりたいという夢があった。そこで軍人として稼いだお金を、レストランに全て投資して店を開いたのです。しかしレストラン経営は上手く行きません。詐欺に騙されてしまって、店の経営資金が無くなった状況からゲームが開始されます。軍人として培った技術を駆使し化け物を倒しつつ、料理を作りながら店の復興を目指す物語ですね。
現在の戦場のみならずタイムマシンで未来などに向かい、現地の食材で調理をしますので、その中にはマグロピザといったヘンテコな料理も出てきます。クッキングシミュレーターとシューターが融合した作品として、本作はジャンルとして「クッキングシューター」と呼称しています!
――『ピザ・バンディット』で特にこだわった点についてお教えください。
Koh:本作は「料理」と「シューティング」という二つの要素を組み合わせたゲームであるため、そのバランス調整に最も多くの時間を費やして、試行錯誤しました。
特にシューティング部分は、近接戦を仕掛けてくるモンスターに対してローリングで回避しつつ素早く撃ち返すという、非常にスピーディーで緊張感のある戦闘が特徴です。その中に「料理」という行動も入ってくるため、最初はプレイヤーにとって非常に難しいゲームだと感じられるでしょう。

ですので、ゲーム体験がオーバーウェルミング(圧倒的)になりすぎず、かといって退屈にもならないように、バランスを取ることが非常に重要でした。
料理の過程はどの程度深く、細かくするべきか、シューティングの難易度やテンポはどうあるべきかなど、たくさんのテストと検証を行いました。
クッキングシミュレーターとシューターという二つの異なるジャンルをミックスしたゲームであるため、このバランス調整には最も力を注ぎましたね。今現在も、世界各国でテストやプレイ体験を通じて、細かい調整を続けています。
――どのようなゲーマーに遊んでもらいたいでしょうか。
Koh:開発当初は、シューター好きのユーザーをメインターゲットにしていました。 スピーディーでダイナミックな戦闘をこなしつつ、戦闘の合間にも考えることをやめないというゲームを目指していたのです。

しかし、「料理」というテーマを取り入れたことで、シューターにあまり興味のなかった方々、特に女性プレイヤーの方からも関心を持っていただけるようになりました。 戦闘自体も戦略的というよりはライトで直感的な操作性となっているので、幅広い層に楽しんでいただけると思います。
今では、性別や年齢に関係なく、気軽にフレンドと一緒に遊んでもらえるカジュアルなCo-opシューターになってほしいと願っています!
――今回、BitSummitに出展された感想についてお聞かせください。
Koh:BitSummitは、私がこれまで参加したインディーゲームイベントの中で最も印象深いものでした。 「インディーゲームショウ」という名に相応しく個性豊かな作品がたくさんありましたし、運営スタッフ、協賛企業、そしてもちろんBitSummitを愛する来場者の皆さんのおかげで、とても楽しく参加することができました。こんな素晴らしい場所で自分たちのゲームを展示する機会をいただけたことについて、本当に感謝しています。
正直に言うと日本のユーザーの皆さんが私たちのゲームを好きになってくれるか不安もありましたが、3日間を通して大きな希望と勇気を頂けました。どうすればもっと良くなるかというフィードバックもたくさん頂けて、ありがたかったですね。
私は日本語が話せないためリアルタイムで会話することは難しかったのですが、遊んでくださった皆さんがとても親切に接してくださり「ここが面白かった」「こんな要素があったらもっといい」といったご意見を丁寧に伝えてくださったことに心から感謝しています。来年もぜひBitSummitに参加したいと思っています!
また、私たちは6人の開発チームなのですが、Discordサーバーに常駐しています。改善点やご意見ご質問があればそちらでお答えできますので、ぜひそちらの方もあわせてよろしくお願いします!
――今回は、ありがとうございました!
“クッキングシューター”『ピザ・バンディット』は2025年8月26日PC(Steam)向けにリリース予定です。











