Game*Sparkレビュー:『紅の錬金術士と白の守護者 ~レスレリアーナのアトリエ~』ターン制バトルや調合、全てが“王道”に回帰したシリーズ完全新作!遊びたかった内容が詰まっている | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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Game*Sparkレビュー:『紅の錬金術士と白の守護者 ~レスレリアーナのアトリエ~』ターン制バトルや調合、全てが“王道”に回帰したシリーズ完全新作!遊びたかった内容が詰まっている

シリーズ新作『紅白レスレリ』は、JRPG好きが求めていたゲームでした。

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2025年9月26日にコーエーテクモゲームスがPS5/PS4/ニンテンドースイッチ/PC(Steam)向けに発売するRPG『紅の錬金術士と白の守護者 ~レスレリアーナのアトリエ~(以下、紅白レスレリ)』は、2023年9月よりスマホ/PC(Steam)にて配信中の『レスレリアーナのアトリエ(以下、レスレリ)』と世界観を共有する「アトリエ」シリーズ最新作です。

筆者は「アトリエ」シリーズ好きですが、基本プレイ無料タイトルが受け付けないという特異なゲーマーのため『レスレリ』は未プレイ。そのため『紅白レスレリ』についても、いくら最新情報をキャッチしようとも「スマホゲームが買い切り版になって、少しストーリーやシステムが変化してボリュームが増加した程度では?」と思っていました。

しかし、それは大きな間違いだったのです。だって、ターン制バトル&すぐマスターできる調合システム&キャラクターそれぞれが活躍するストーリーと、遊んでみたかった“王道”「アトリエ」がそこにはあったのですから!

筆者的にも運命を感じた1本。

今回は先行プレイの機会に恵まれたため、本稿ではクリアまでガッツリ遊んだ上でのネタバレ一切なし、とにかく「アトリエ」好きも初心者も「買いのゲームである」と伝える数字付きレビューをお届けします。

◆歴代主役級キャラクター同士の絡みは違和感ナシ!出番も多くキャラ立ちしている

『紅白レスレリ』のストーリーは、獣耳が可愛らしく明るく快活な錬金術士「リアス・アイトライゼ」と、戦闘も家事スキルも高い好青年「スレイ・クロスリッター」のW主人公で送られます。ゲームプレイ開始当初、どちらの主人公から始めるかも選択でき、選んだ主人公によって一部ストーリーが変化するという仕組みです。フィールドでは2人のどちらかを操作します。

ちなみに、これだけは絶対言っておかねばと……。リアス&スレイのやり取りが、筆者にとって大変に好みなものでした。最高!!

そして歴代「アトリエ」シリーズのキャラクターが多数登場する『レスレリ』と世界観を共通しているだけあり、パーティメンバーとして「ロゼ」「ウィルベル」「トトリ」「ソフィー」も参加。プレイアブルではないものの『レスレリ』主人公の「レスナ」「ヴァレリア」をはじめ、「ライザ」「クラウディア」「アーシャ」「ロジー」「ヴェイン」など、多くのキャラクターが出演しています。

新米錬金術士なリアスと、まだまだ悩みも抱える発展途上なスレイ、歴代キャラクターたちはそんな2人を先輩として支えるような立ち位置です。2人が悩めば、先輩たちが的確なアドバイスを持って問題解決に導いてくれます。

ネタバレになるため詳細は話せませんが、「あんな新米だった◯◯が、こんな先輩として立派に……!」と少し親心のような感情まで覚えてしまうかも。

そして筆者が感心したのは、ゲーム1本でこんなに多くの主役級キャラクターたちを抱えていながらも、その誰もが埋もれずにキャラ立ちしていること。どのキャラクターも定期的に登場し違和感なく自然にリアス&スレイに関与するため、影が濃いのです。

このあたりは『レスレリ』はもちろん、同じく“お祭りゲー”である『ネルケと伝説の錬金術士たち ~新たな大地のアトリエ~』も送り出した「アトリエ」シリーズの手腕を感じました。

本作にはメインストーリーのほかにも膨大な数のサブエピソードがキャラクター毎に用意されており、そちらでは異世界に来た彼・彼女らが何を考えているかや、原作での活躍っぷりを詳しくうかがえます。

なお、メインストーリーの大きな目的は「ハルフェン」という廃れた町をリアス&スレイが発展させていくこと。そして発展のために2人がお店を経営し、調合したアイテムを販売し成果に応じて町が発展していきます。この発展に至るまでの経緯は、「アトリエ」らしさが詰まっているような流れです。

◆複雑なルールを覚える必要はなし!すぐマスターできるシンプル×奥深い「ギフトカラー調合」

そして『紅白レスレリ』では、「ギフトカラー調合」というシンプルなのに奥深い調合システムが採用されています。

調合に必要になる各素材には赤や黄色など「ギフトカラー」が設定されており、そのカラーリングを繋げて投入するだけで、“素材の特性”が完成品に受け継がるというもの。つまり、必要な素材とそのギフトカラーを見るだけで、良いアイテムを生み出せるのです。

またレシピとは関係ない素材を最大3つまで投入して完成品をさらに強化することもでき、特定の素材を入れた場合は「レシピ変化」が起こって違うアイテムが誕生。必要な素材とそのギフトカラーを視覚的に見ておくだけで、どんどん調合を繰り返せます。

「アトリエ」シリーズといえば錬金術で新たなアイテムを生み出すことが醍醐味のひとつですが、正直なところ、筆者は例えば『ライザのアトリエ』では調合システムを覚えることは一苦労でした。

その点、本作は上述した内容を踏まえるだけで次々錬金できるので、悩まずともゲームを開始してすぐに調合をマスターできたことが時短になりありがたかったです。

物語が進むと、どんどんできることも増えていきます。スレイの持つ「ガイストコア」によるさらなるアイテムの強化や、仲間たちがさらに特性を付与してくれる「タレント」システムなど、シンプルでありながら奥深いシステムなので、時間を忘れて調合に没頭できてしまいます!

◆これがやりたかったんだ……テンポの良いターン制バトルがRPG好きを喜ばせる

また筆者が、本作を「アトリエ」シリーズの中でも特に面白い1本だと感じた理由のひとつがバトルシステム。そう、久々に『ソフィーのアトリエ2 ~不思議な夢の錬金術士~』のようなターン制バトルを楽しめるのです!

筆者はリアルタイムアクションが大の苦手、じっくり考えられるコマンド入力式ターン制バトルが大好物のため、このシステムになったことは本当に嬉しく思いました。

ただポチポチコマンドを入力してターンが入れ替わっていくのではなく、敵と味方は画面に表示されたタイムライン上の順番で動きます。タイムラインにはそのとき行動するキャラクターに掛かるバフorデバフも表示されており、有利に立ち回れるよう前衛と後衛に3人ずつ配したキャラクターを入れ替えたり、逆に手番に割り込んだりと戦略性も良し。

バトル自体も最大で3倍速まで設定できるのでテンポが良く、またフィールドには細かくファストトラベルポイントが設定されているため、素材集めのために何度も同じ敵を倒すこともあまり苦になりません。相変わらず戦闘BGMが良いので、なおのことですね。

そして本作の目玉として、フィールドだけでなく入るたびに構造が変わる階層型ダンジョン「亜空の道」があります。気合いの入った要素であることはわかりつつも、筆者的には「ちょっと面倒だな」と感じてしまうものでもありました。

元々ランダムダンジョンがあまり好きではないというのもありますが、その名の通り“亜空”すぎる風景が単調なことや、後半になればなるほどダンジョンは複雑化し収集できるアイテムも増えるのに、すぐに手持ち(ダンジョン内でアイテムを一時保管する「カゴ」の容量、最大500個まで)が満杯になってしまうことは不便でした。そんなときはダンジョンを駆け抜けるしかないですね……!

火山のようなエリアも「亜空の道」にはあります。

お祭りゲーでありながら、その中身は王道RPGだった『紅白レスレリ』。歴代シリーズ履修者向けかと思いきや、むしろ新規プレイヤーを「アトリエ」の虜にしてしまうポテンシャルをも秘めていました。

なお物語は新キャラクターであるリアスとスレイを中心に進んでいくため、仮に本作がシリーズ初プレイであったとしても何も問題はありません。むしろ初心者にこそ『紅白レスレリ』は入門作としておすすめ! 遊びやすく王道に回帰した「アトリエ」を、ぜひその手で遊んでみてください。

シリーズ最新作『紅の錬金術士と白の守護者 ~レスレリアーナのアトリエ~』は、PS5/PS4/ニンテンドースイッチ/PC(Steam)向けに9月26日より発売予定です。

Game*Spark レビュー『紅の錬金術士と白の守護者~レスレリアーナのアトリエ~』PS5/PS4/ニンテンドースイッチ/PC(Steam)2025年9月26日

これぞ遊びたかった王道RPGな「アトリエ」だ!

GOOD

  • ターン制コマンドバトルがRPG本来の面白さを思い出させてくれる
  • お祭りゲーなのに埋もれない主役級キャラクターたち
  • シンプル調合システムが覚えやすく遊びやすい

BAD

  • ランダムダンジョンが単調かつ手持ちアイテムがいっぱいになりやすく、探索が飽きやすい


ライター/編集:八羽汰わちは

ライター/多趣味オタク 八羽汰わちは

はちわたわちは(回文)Game*Spark編集部員、デスク担当。特技はヒトカラ12時間。

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