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PCゲームの危機にNOを叫ぶ!『Steam』 Gabe Newell氏が語るPCの可能性

ユーザー数はついに1500万人を突破、今やPCゲームの今後すら占う存在に成長した配信サービスの[b]Steam[/b]。その誕生以来、ずっと海外ゲームカルチャーの中心的存在だったPCゲームに、近頃はしばしば危機が伝えられる今、Valve Softwareは社内で、カンファレンスを

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最初にテストが始まったのは2002年のこと、以来足掛け6年でアカウント数は実に1500万人を突破、今年のGDCでは開発から販売まで含めた、トータルな開発プラットフォームとなる[url=http://www.steampowered.com/steamworks/index.php]Steamworks[/url]を発表するなど、今や一体的なプレイ環境からコミュニティー機能まで備える、PCゲームの今後さえ占う存在に成長した、配信サービスの[url=http://www.steampowered.com/v/index.php]Steam[/url]。

その誕生以来、ずっと海外ゲームカルチャーの中心的存在だったPCゲームに、近頃はしばしば危機が伝えられる今、Valve Softwareはワシントン州にある社内で、ささやかなプレス向けカンファレンスを催して、Steam Cloudと呼ばれる新たなシステムを発表。同社のボスGabe Newell(ゲイブ・ニューウェル)氏らが、PCゲームの可能性とSteamの今後について、またも熱弁をふるってくれたようです。



* * * * * * * * *






「PCゲームに危機が迫っていますか?」


自らそう尋ねて、Newell氏は話を切り出します。


「ほら、『オレのゲームを海賊版が潰した』とか、『コンソールの数は莫大だ』だの、『リビングでPCゲームを遊ぼうとは思わないよ』……。こうしたお話は、何度も何度も言われていますが、我々の見方はそれと全く正反対なのです」

「PCにはあらゆることが出来、全ての楽しみがあるところです。それらは認識の問題に過ぎません」








Newell氏の示すデータによると、ワールドワイドなPCゲームの売り上げが、2001年頃から比較的フラットなのに対し、オンラインのセールスは成長し続けています。しかし、これまで広く受け入れられた調査では、伝統的にこうした部分の売り上げがカウントされることはありません。彼らはValve自身の製品が、向こう3ヶ月の間には、もはや小売店での売り上げを上回ると予測しています。


「結局、PCのプラットフォームには、それをまとめるような強力なチャンピオンの存在がありませんでした。これまでそうしたメッセージを出してきたMicrosoftやIntel、あるいはAppleにしても、さまざまな理由はあれ、家庭用のコンソールと同じようにはいきません」

「PCには、確かにこうした分散型の管理による問題があります」


そうして現在も彼らは、PCに対してその役割を一人で支えることは望んでいないようです。プラットフォームの管理における、Valveの役割について尋ねられこう答えます。


「それはもう、ほら1981年からこの方、ほとんどそうでした。だから、僕たちはそれを訴えようとしてこうしたことをしているんです。これまで伝統的なリーダーシップを握っていたところから、もっと話を聞けるといいのですが。僕らは僕らができることをしています。我々は、その一部にすぎません」






Steamと呼ばれる、急速に発展するデジタルダウンロードサービスを正式に立ち上げた2003年以降、Activison、Rockstar、Sega、id Software、Epic……サードパーティのパブリッシャーやデベロッパーらはゆっくりと、しかし確実にSteamへのリリースを増やしてきました。前年比192%の成長を遂げ、世界中から21の言語で利用できるSteamは、今日1500万人の登録ユーザーを数え、125万人の同時アクセス数を誇ります。




またガートナーグループの統計によれば、昨年1年間に2億5500万台の新しいPCが売られ、世界中で2億6000万人以上のユーザーがPCでゲームをしているといいます。どれもPCのプラットフォームには、まだ開拓されていない膨大な潜在力があることを示します。




「毎年1年分だけでもPCには本来、最も成功したコンソールのライフサイクル全体より、ずっと大きな市場規模があるのです」




彼らはそうしたPCのプラットフォームが、競合するさまざまな企業により途切れることなく変化し続ける、技術開発や新しいイノベーションを生み出す土台になっているとします。





「もしIntelが躓きを見せるなら、その間はAMDがやってきて当初の問題をなんとかしてくれます。Nvidiaがもたついた時には、ATIがその代わりに座ることでしょう。オープンなPCのプラットフォームこそが、基本的なメディアやデータ形式のスタンダードを育て、やがてコンソールにも組み込まれることになるような、ネットワークやグラフィック、コンピューティング要素の水準をますます発展させていることがわかります」

「実際、こうした大きな市場での資本競争の結果、コンソールはPCの継子になっています」



もちろん購入されたPCがどれも、Crysisのようなハイエンドのゲームを良い条件で動かせるわけではありません。しかしValveによれば、それはもはやPCゲームが問題にすることではないのです。むしろグラフィック的なパワーから離れ、ユーザー同士を結ぶ、より使いやすく、手にとって貰いやすい方向へ動き出しているといいます。


「ハードウェアの組み合せに限って対象を決めていては、そうした可能性をみすみす失うことになります。それでは、一部の家庭用コンソールのやることと、そう変わりません」

「グラフィックは確かに有効でしょう。ですが、これからユーザー同士をどうやって結びつけ、いかに社会的なコミュニティを生み出していくかを考えようとしなければ……。それが、Will Wright氏とも多くの話をしたことです。ユーザー同士を結びつけることの価値について、彼は素晴らしい成果を示してくれていると思います」







ValveではこれまでSteamを通して購入されたゲームが、プレイヤーの環境により実際にどれだけ動いているか蓄積することにより、ユーザーが事前に問題なく遊べるか簡単に知ることができる機能も付け加える計画です。



今回のカンファレンスと質疑応答のセッションを通じ、Newell氏はこれからのゲーム開発にとって、ハードウェアの能力から、ゲーム一本一本の売り上げ、そしてプレイヤーの進行状況まで、リアルタイムにデータが集まることの重要性を、繰り返し強調します。


「モデルのポリゴン数がどうとか、画面のフィルレートが云々よりも、ゲーム毎にプレイヤーの様子がリアルタイムでわかるデータがあるということは、ゲームデザイナーとして的確な判断を下していくのに、とてつもなく大きなことなのです」




詳細は今後明らかにされますが、ユーザーはおおよそのフレームレートから、システムのボトルネックまでわかるようになるといいます。Valveによる興味深い機能は、最終的にSteamでハードウェアのドライバもチェックして、全てのアップデートが正しくなるようにしてくれたり、ユーザーが動画やスクリーンショットを共有して、それぞれのゲームに関係したコミュニティのポータルをSteam上で備えるようになるのです。





無秩序だったユーザーベースを集約し、コミュニティの一体感をさらに促進するアップデートの数々によって、Valveはまさしく全世界のPCマーケットにも思いを巡らせます。



「ゲームビジネスは、今大きな変化の中にいます。光学メディアの入った箱をお店に流通させるために、たくさんのTVCMを打って売り上げを伸ばそうとすることから、もっと自分たちのサービスが行える、より継続的なエンターテインメントが行えるような、自分たちのコミュニティでビジネスをしていく変化の中に」


[size=x-small](ソース: [url="http://www.gamasutra.com/php-bin/news_index.php?story=18843"]Gamesutra: "Valve: PC Has 'Perception Problem'"[/url], [url="http://pc.ign.com/articles/878/878144p1.html"]IGN: "Valve Steps Up, Defends PC Gaming"[/url])[/size] [size=x-small](イメージ: [url="http://www.flickr.com/groups/319862@N24/pool/"]Flickr[/url])[/size]

 
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