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最高のシングルFPSを作りたい−『Wolfenstein: The New Order』プレイデモ&インタビュー

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『Wolfenstein』シリーズは『Quake』シリーズでなど有名なid softwareのフランチャイズで、1992年に発売された『Wolfenstein 3D』はFPSの開祖とされています。ゲームは第二次世界大戦下のヨーロッパで、ナチスに占拠された古城Wolfenstein城を米軍兵士B.J.Blazkowiczとなって探索。ナチスをバリバリ倒していくという内容は、メカやオカルトといった要素が存在する、ファンタジーWW2的な世界観もあいまって、ユーザーに強力な印象を与えました。

その後も2009年にアクティビジョンから発売された『Wolfenstein』をはじめとして、数々のリメイク作・派生作が登場。PC/PS3/Xbox 360/次世代機向けの最新作『Wolfenstein: The New Order』の誕生へと繋がりました。開発はスターブリーズスタジオでFPS『ザ・ダークネス』などを手がけたスタッフが中心となり、2009年に起業したスウェーデンのディベロッパー、MachineGamesです。




本作の世界観はぐっと下がって1960年代。「ナチスが第二次世界大戦に勝利していたら」というifワールドで展開されます。主人公はおなじみB.J.Blazkowicz で、レジスタンスの女性アーニャなどの支援を受けつつ、ナチスと対峙。ガードロボットや軍用ロボット犬といったヘンテコハイテク技術が登場するのも本作ならではです。ゲームはシングルプレイ専用のFPSで、全16ステージ構成。会場では「列車ステージ(ステージ3)」「ロンドンステージ(ステージ6)」という2ステージのプレイデモが披露され、そのうちロンドンステージを実際に体験できました。

列車ステージではナチスの兵士に変装したB.J.Blazkowiczが、偽の書類でナチスの専用列車に乗り込み、ベルリンまで向かう途中、コーヒーをアーニャに届けるシーンが披露されました。車内で『007ロシアより愛をこめて』に登場したローザ・クレッブ風の女将校にネチネチといたぶられ、二枚のタロットカードのうちキーワードに即した内容のものを選ぶように命令されるB.J.Blazkowicz。選択次第ではその場で射殺されると脅されながらも、一転して「うそぴょ?ん、けっけっけ(超意訳)」と言われるなど、「悪の中間管理職」といった雰囲気がうまく演出されていました。




続くロンドンステージでは、宇宙開発や軍用機の研究開発などが行われている研究センター風の建物に潜入していきます。ステージ冒頭で自動車に乗って建物に向かう B.J.Blazkowicz。運転手の自爆テロで周囲が混乱する中、最上階の研究施設に向かって、バリバリとマシンガンや熱戦銃、ブラスターガンなどを撃ちまくりながら、突き進んでいきます。対するナチス側もガードロボットや軍用ロボット犬などで応戦。冒頭からタイミング良く走ってスライディングしなければ障害物をクリアできず、軍用ロボット犬にかみ殺されてしまうといったシーンが登場し、かなり難易度の高いデモとなっていました。

建物内に潜入したB.J.Blazkowiczは換気ダクトやエレベーターシャフトを伝いながら進み、宇宙開発紹介コーナー(この世界ではナチスが月面に到達しています!)などをくぐり抜けながら、首尾良く最上階に到着。そこでは新型ロケットエンジンとおぼしきものをナチスが研究開発していたことが明らかになりました。レジスタンス組織と無線で連絡を取ったB.J.Blazkowiczは脱出をはかり、開発中の新型ヘリコプターが収められた格納庫に向かいますが、そこで強力なガードロボットの襲撃に遭い、銃弾が雨あられと飛び交うガチンコバトルと展開……。というところでデモプレイは終了。全編にわたって打ちまくり・倒しまくり、壊しまくりという、激しい展開が特徴的でした。



最大のポイントは、前述の通り「シングルプレイオンリーのFPS」という点です。基本的には一本道のルートとなっており、要所にパズル的な仕掛けが散りばめられ、これらを解かなければ先に進めない仕掛けになっているようです。物陰に隠れていると体力が回復するといった今風の仕様はなく、ヘルスとアーマーアイテムが存在する往年のFPS仕様。とはいえ、壁から身を乗り出したり、障害物から銃だけを出して銃撃するといったカバーアクションも存在します。もっとも、実際にプレイしたところ、ヘタレゲーマーである筆者にはとても難しく感じられ、30分のプレイ時間ではほとんど先に進めませんでした。

このように「古き良きシングルFPSが最新グラフィックで現代に復活!」といったキャッチコピーが似合いそうな本作は、どのようなデザインコンセプトで作られたのか。デモプレイ終了後、同社クリエイティブ・ディレクターのJENS MATTHIES氏を囲んで、グループインタビューが行われました。



◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

チーム全体が『Wolfenstein 3D』とid softwareの大ファンだった

―――全編にわたって、どこか懐かしい印象でした。いまヘルスとアーマーがあるFPSを作ることは非常に勇気が必要だったのではないでしょうか?

『Wolfenstein』の伝統に敬意をはらいつつ、モダンFPSの良い要素も取り込んだ結果です。昔のFPSには良い要素もたくさんあったと思うのです。

―――昔のFPSの良いところってなんですか?

たとえばステージをクリアしたときの達成感ですね。モダンFPSではさまざまな「体験」が得られます。一方で何かをクリアしたときの喜びが減っているのではないかと思うのです。我々としては達成感と多彩な体験の両立をめざしています。

MachineGamesクリエイティブ・ディレクターのJENS MATTHIES氏

―――新作のモチーフに『Wolfenstein』を使った理由は?

なにより自分たちがゲーマーで、『Wolfenstein 3D』の大ファンだったことです。FPSというジャンルを切り開いた記念碑的なゲームですからね。一方でid softwareのファンでもあったので、このプロジェクトに参加できて光栄に思います。

―――プロジェクトはどのように始まりましたか?

それは長い話になりますね。もともと弊社はスターブリーズ・スタジオから枝分かれして2009年に起業したのですが、立ち上げの過程でさまざまな誤りを犯しました。そこで、まず何をしなくてはいけないかリストを作ったのです。それこそ、どんなチーム編成にするか、どこにスタジオをおくか、どんなパブリッシャーと仕事をしたいか、とかね。ゼニマックスと仕事をしたいという希望は以前からあり、幸いにも実現できました。一方で、すでに同社はid softwareを買収していました。そこで『Wolfenstein』の続編製作に誰も手を付けていないことを知り、企画書を提出して、賛同してもらったのです。

―――アクションがかなり難しかったです。

ステージの難易度はこれから調整しますし、難易度を何段階かに変更することもできます。今より難しいモードも、簡単なモードも入れますよ。またモダンFPSだと体力が自動回復することが多いですよね。カバーアクションが中心で、身を乗り出しながらヘッドショットを狙うようなプレイスタイルに慣れている人も多いと思います。本作はそれとは違い、ステージ上でいろいろなルートを動き回りながら、プレイしていくスタイルをとっています。そのため最初は勝手が違うと感じるかもしれませんが、慣れると楽にプレイできるようになりますよ。

―――適切なルートを探しながらプレイしていく感じを受けました。頭を使わないと先に進めない気がします。

レベルデザインについても見直している最中です。プレイテストを重ねて、あまりプレイヤーが迷うようなら調整します。ただし、隠しアイテムやルートを見つけたときの達成感は大事にしています。

―――ロンドンステージの後半、カットシーンで主人公が無線で連絡を取っていた女性は誰ですか?

彼女はキャロライン・ベッカといって、ドイツに実在したレジスタンス組織「kreisau circle」のメンバーという設定です。

―――列車シーンで登場したナチスの女将校は倒せますか? またドイツでの発売は予定されていますか?

前者の質問はネタばれになるので答えられないですね(笑)。後者についても、ドイツではハーケンクロイツのマークをはじめ、いろいろな規制が存在しますが、法律がゆるす限りにおいて、できるだけ近い形で出したいと思います。

―――改めてマルチプレイを削除して、シングルプレイのみにした理由を教えてください。

シングルFPSに対する情熱です。自分たちはベストなシングルプレイFPSを作りたかったのです。

―――ナラティブ(ストーリー体験)とゲームプレイの関係について教えてください。達成感を重視しすぎると、多くのゲーマーが途中で脱落し、ストーリーを楽しめなくなる恐れがあります。

ストーリーは非常に重要だと思っていて、自分でシナリオのほとんどを書いています。ただし、ストーリーだけが重要というわけではなく、グラフィックやオーディオ、ゲームの部分など、他の要素と並列で、互いが複雑に関係しています。ご指摘の通りで達成感を重視させると、途中で脱落者が出るのは避けられません。いつもチームでもめてますよ。最終的には難易度設定をすることで、カジュアルゲーマーでも楽にクリアできるようにしたいと考えています。


―――過去のシリーズとの整合性はどのようにとっていますか?

ストーリーとしては本作で完結していますが、過去のシリーズと矛盾するようにはしていません。遊んでもらうと過去のシリーズとの関連性が感じられると思います。はじめに自分たちでストーリー概要や設定をid softwareに提出し、承認を得てから、作り始めました。自分たちとしてもid softwareが気に入らないようなものは作りたくないのです。

―――ちなみに、過去のシリーズで最も気に入っているものは何ですか?

やはり『Wolfenstein 3D』ですね。本シリーズにはメカとオカルトの要素がありますが、よりメカを重視していたと思います。

―――ナチスの表現に関して、かなりブラックジョークを感じましたが、これはスウェーデン風ですか?

ははは、どうでしょうか? 自分たちが面白いと思った物を入れただけですよ。一つ本作がおもしろいのは、ナチスが第二次世界大戦に勝利した1960年代の地球という世界観にしていることです。そのため月面着陸にナチスが成功しているなど、現実の歴史的事象がナチス視点で描かれているのです。

―――ちなみに日本はどうなっているのでしょう?

アフリカの南側をのぞいてナチスが全世界を征服しているという設定です。次第にナチスの勢力圏がアフリカ大陸を南下しているのです。日本も例外ではなく、同盟も破棄されてしまったのでしょう。一方でヨーロッパでレジスタンス運動が発生しています。

―――ガードロボットに近づくと説明書きが表示されるなど、デモプレイを通して、かなり丁寧な作りになっている印象を受けました。

ゲームは序盤ステージがチュートリアルになっているなど、だんだんと複雑になるような設定にしています。ただし今回は短いプレイデモという性質から、そのように説明を増やしました。

―――最後に日本のファンにひとことお願いします。

すごく良いゲームだから、『Wolfenstein』シリーズが好きなら、ぜひよろしくお願いします。

―――ありがとうございました。

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Wolfenstein®: The New Order™© 2013 ZeniMax Media Inc. Developed in association with MachineGames. MachineGames, Bethesda, Bethesda Softworks, ZeniMax and related logos are registered trademarks or trademarks of ZeniMax Media Inc. in the U.S. and/or other countries. Wolfenstein, the W (stylized) and related logos are registered trademarks or trademarks of id Software LLC in the U.S. and/or other countries. All other trademarks or trade names are the property of their respective owners. All Rights Reserved.

Wolfenstein®: The New Order™は1960年代の仮想世界に基づくフィクションです。各名称、登場人物、団体、場所、事象は架空のもの、またはフィクションに基づく描写によるものです。本作品のストーリーとコンテンツはナチス政権の信念、イデオロギー、事象、行動、党員、行為を解釈、称賛、是認を意図するものではなく、またナチス政権による戦争犯罪や虐殺、その他人権に反する犯罪を矮小化する事を容認するものではありません。

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