今年5月に正式発表され世の30代FPSゲーマーの中でも特に非常にコアな層を喜ばせたと思われる新生『Shadow Warrior』。開発は『Hard Reset』で知られるFlying Wild Hog、販売はこの手のコアなゲームを取り扱うDevolver Digitalが担当。E3 2013では会場外にある駐車場に位置したキャビンバス内にてそのプレイアブルデモが展示されていたので、早速プレイしに行ってみました。
『Shadow Warrior』とは『Duke Nukem』シリーズなどで有名な開発スタジオ3D Realmsが1997年にリリースしたFPSタイトル。ニンジャLo Wangが自身の勤務する巨大企業Zillaの社長Master Zillaの野望を阻止するといった内容の作品で、どう見ても中国な日本の舞台や、ニンジャ(漢字の忍者では無い)な設定など一部のカルト的な要素がその手の好事家たちに愛されていました。
一方でプレイアブルデモを見た限りでは、新生『Shadow Warrior』はオリジナルの荒唐無稽なテイストを順守しているという訳では無い模様。原作のお馬鹿なテイストや中国風日本はやや残っていますが、むしろよりバイオレンスでスタイリッシュな撃ちまくり系ニンジャFPSへとリブートされているようです。
今作の主人公は原作と同じく若きコーポレートアサシンLo Wang。オープニングデモで見る限りは、Stan BushのThe Touchを熱唱しながら車を上機嫌に運転する調子の良いアンちゃんといった雰囲気の人物で、敵と戦闘中には戦況に合わせ臭い決め台詞を吐くこともあり、『Duke Nukem』のデュークや『Serious Sam』のサムのようなタイプの人物です。今作の物語は彼が伝説の宝刀であるNobitsura Kageを集めるように、企業Zilla Enterprisesの創設者Orochi Zillaから命令されるところから始まります。
ゲームプレイは多数の敵を日本刀やボウガンといった多種多様な武器にてスタイリッシュかつバイオレンスにバッサバッサと薙ぎ倒していくという撃ちまくりFPS。プレイアブルデモを見ている際にはFlying Wild Hogのメンバー達がPeople Can Fly在籍時に開発していた『Painkiller』の名が飛び出しましたが、見た目やプレイ感覚はまさにその通りだと感じました。
戦闘時には殺害時の攻撃手段とポイントが表示されるアーケードシューター的な要素も。このポイントを利用して主人公Lo Wangのスキルを伸ばしていくことが可能となるそう。スキル成長画面はLo Wangが正座するというもので、『The Witcher』シリーズの霊薬メニュー画面そのままな上に、表示されている項目も辞書で調べたという怪しげな漢字で表示されていました。各所にオリジナル版の荒唐無稽さが垣間見えるところ
ただしここまでの説明で「なんだただのニンジャ風『Painkiller』か……」と肩を落としては欲しくないところ。本作最大の魅力はその多種多様な武器システムにあります。まず主役武器となる日本刀は通常攻撃に加え斬撃を飛ばしたり、あるいは回転斬りや強力な溜め突きを行うことが可能で、さらに他の武器を装備している際にも座頭市のようなモーションで抜刀攻撃することが可能となっているのです。
これに加えリボルバーやマシンガンといった各種武器にも独自のサブアクションが用意。例えばリボルバーは西部劇俳優ジョン・ウェインのようなウェスタンスタイルで早撃ちが行えたり、サブマシンガンはオリジナル版と同様に両手持ちでぶっ放すことが可能となっています。この他にもクロスボウでは通常矢に加えサブ攻撃として右クリックで爆破できる爆薬矢も存在しており、新生『Shadow Warrior』では大量の敵が押し寄せてくる中、その場その場に合わせて多彩な武器アクションを次々と繰り広げていけるのが最大の魅力であると伺えました。
また今回のプレイアブルデモでは正式アナウンス時にも伝えられていた“魔法(Magic)”、いわゆる忍術のディテールも明らかに。これはLo Wangが左手にて戦況に様々な影響をもたらす忍術を操れるというもので、例えば自身の体力を回復したり、敵を浮かび上がらせることが出来ます。なんとこの忍術システムはマナやクールダウンといった制限が存在しないそうで、好きな時にいつでも使いまくることが出来るようでした。
新生『Shadow Warrior』は2013年秋にPC向けにリリースされ、さらにその後に次世代機での発売も予定されています。
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