パリで吉田修平氏を直撃、PS4タイトルとPSVR戦略は一体どうなるのか | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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パリで吉田修平氏を直撃、PS4タイトルとPSVR戦略は一体どうなるのか

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パリで吉田修平氏を直撃、PS4タイトルとPSVR戦略は一体どうなるのか
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生誕20周年を迎え、PS4、PlayStation VR(以下、PSVR)など国内外で注目を集めているプレイステーション。Game*SparkではParis Games Week 2015のため渡仏していたSCEワールドワイドスタジオプレジデント吉田修平氏にインタビューを実施。PS4の2016年度のタイトル戦略から、来年発売となるPSVRのことまで様々な事柄について聞いてみました。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆


――先ずはプレイステーション生誕20周年おめでとうございます。吉田さん個人としてはいつ頃からこのプレイステーションと言う事業に携われているのでしょうか?

吉田修平氏(以下吉田氏): ありがとうございます。私自身がプレイステーションに携わるようになったのは1993年からですね。ですから今年で22年、もうすぐ23年になるでしょうか。

――プレイステーション全体の歴史である20年よりも長く携わってらっしゃることになりますね?

吉田氏: その通りです。22年間もの間プレイステーションと言う一つのプロジェクト・商品に携われたということは会社人としてこんな運のいいことはないと思っています。私自身、入社はソニーなんですが、ソニーで数年開発に携わった後で、久多良木さん(久夛良木健氏)が立ち上げたチームに入るチャンスがあって、それが93年の2月でしたでしょうか。

――その2年後にプレイステーションが発売されると言うことですね。

吉田氏: そうです。もうそれからずっとプレイステーションですね。

――その時はもうソニー発のゲーム機として開発がなされていたのでしょうか?

吉田氏: 私が参加した時点で既にソニー独自のゲーム機を作ろうというプロジェクトになっていました。そして発売されて、それが今年で20周年を迎えたというわけです。これからもプレイステーションプラットフォームを盛り立てていければと思っています。

――また吉田さんと言えばツイッターなどでも有名で、インターネット界ではカリスマ、ミームと言いますか常にその言動が注目されているプレイステーションのシンボリックなキャラクターともなりつつありますが、その状況はどのように捉えていらっしゃいますか?

吉田氏: そうですね、(インターネットを通じて)ユーザーさんと直接話しが出来るというのはもの凄く良いことだと思ってます。毎朝起きると、例えばPSNのサーバーが落ちただとか、発売されたゲームのここがおかしいぞとか、直接私のところに送ってくれるんですよ。だからプレイステーション全体の状況を先ず最初にキャッチするのが会社の中で私が一番早いんです(笑)それでこれは何か問題だぞと思ったら関係部署に即メールやツイートなりで連絡する、そんな状況はとても便利だし、いい環境にいると思っています。私自身もたまに発信しますけど、どちらかと言うとアンテナと言うかユーザーさんから来る情報をキャッチして、それを会社内に伝達していく役割なんじゃないかと思ってます。

――吉田さんのツイッターのフォロワー数は今どの位いらっしゃるのですか?

吉田氏: 私をフォローしてくれているユーザーさんは今全世界で20万人を超えて、増える一方の状況です。

――一般的な企業人としてはかなりの数ですね。

吉田氏: そうですね。これからもこのコミュニティーを維持していければいいですね。

――PS4の10月からの値下げに対しての反応はいかがでしょうか?

吉田氏: そうですね、売上のレベルで言うと一段また上がったという感じです。『MGS V: TPP(メタルギアソリッドV ファントムペイン)』が出た時に同梱ハード(PlayStation 4 METAL GEAR SOLID V LIMITED PACK THE PHANTOM PAIN EDITION)も出してそれも大分効果があったんですけど、その後に値下げを行い好調を維持してるところでしょうか。それまでの週販ペースに比べてレベルアップした感じですね。

――それではフランスを含むEU地域での販売状況はどうでしょう?

吉田氏: はい、昔からヨーロッパはプレイステーションファンの多い地域なんです。マイクロソフトさんがアメリカの企業と言うこともあって、アメリカでは今PS4とXbox Oneがいい勝負をしているところではあるんですが、(ヨーロッパではその伝統もあって)PS4が圧倒的に売れている状況ですね。そして何より家庭用ゲーム機そのものが、アメリカと同じく非常に盛り上がってきています。これまであまり家庭用ゲーム機で遊ばれてなかったような方、例えばドイツなんかは凄くPCのゲーム市場が盛んだったりするんですが、今回初めて家庭用ゲーム機を、PS4を買いました、なんて言うユーザーさんも増えてますね。それから、中近東の方々もプレイステーションファンの多い地域なんですが、PS4になってさらに売上を伸ばしてきています。

――PCユーザーがPS4に移ってきたと言うことでしょうか?

吉田氏: ドイツとかロシアではその傾向が見られますね。中近東とかでは家庭用ゲーム機のファンというもの自体が増えてきている感じです。

――2015年もホリデーシーズンを目前に控えていますがPS4のタイトル戦略を教えていただけますか?

吉田氏: はい。今年の年末はまずActivisionさんの『コール オブ デューティ ブラックオプスIII』ですとか、EAさんの『STAR WARS バトルフロント』、Ubisoftさんの『アサシン クリード シンジケート』、そしてBethesdaさんの『Fallout 4』といったビッグタイトルが目白押しです。その上で我々の推しています『アンチャーテッド コレクション』だとか『Bloodborne』の大型エキスパンションである『The Old Hunters』も出ますし、それを本編とパッケージした『Bloodborne The Old Hunters Edition』や『GRAVITY DAZE』のPS4版なんかも発売するというラインアップでお送りしたいと思います。

――なかなか選ぶのに困るラインアップですね。

吉田氏: そうなんですよ。まだ『MGS V: TPP』も出たばかりで売れ続けていますし、これだけタイトルが多いと(ゲームを遊ぶのに)時間がかかっちゃうんですよね。まあ嬉しいことなんですけどね(笑)ですから全部遊びたくても遊べないみたいな。

――2016年のタイトル戦略としてはどのように考えてらっしゃいますか?

吉田氏:Paris Games WeekのSCEカンファレンスで発表したものは殆ど2016年に発売が予定されているものを揃えたのですが、ご覧頂いたように非常にバラエティーに富んだ、そして一つ一つが非常に作り込まれているゲームが、(2016年の)1年を通じて沢山出てくると考えています。それに加えてPSVRの発売も来年にあるということで、この両方を合わせますともう凄いラインアップになるんじゃないかと。かつてない程のラインアップになるんじゃないかと。昨日のカンファレンスをご覧になった記者の方の記事とかを今朝も読んでたんですけど、「来年のプレイステーションのラインアップが凄い!」と言う評価を頂いて、私自身も楽しみにしている感じです。


――来年2016年と言えばいよいよPSVRも発売ですね

吉田氏: 今回(のカンファレンス)は、まあE3でもそうだったんですけど、新しいVRのゲームをよりお見せしたいと言うことで新作タイトルを沢山用意しました。例えば『Until Dawn』の世界の中でジェットコースターに乗ってホラー体験をする『Until Dawn: Rush of Blood』がありますね。あとCrytekさんからVRで恐竜世界を体験する『Robinson: The Journey』を発表頂きました。それから『グランツーリスモ(Gran Turismo Sports)』もVR対応しますよって発表もありましたし、あと原田さん(バンダイナムコエンターテインメント原田勝弘氏)が『鉄拳7』をVR対応します、と言って頂いたりとか、兎に角バラエティーに富んだ新しいVR向けの情報が出せたかなと思ってます。

――例えばの話ですが、過去に発売されたタイトルをVRに対応させるという試みなどはありますか?

吉田氏: ありますね。まあ過去って訳ではないですが、例えば『DRIVECLUB』。昨日は発表はしていなかったんですけども、技術デモと言う形で『DRIVECLUB』のVR版をメディア限定で公開しています。これ(『DRIVECLUB』のVR体験版)は非常に自然なものに仕上がってますよ。山内さん(ポリフォニー・デジタル山内一典氏)も言っておられましたけども。あとはインディーディベロッパーのMike Bithellが『VOLUME』ってゲームを発売しましたけど、来年にはそのVRバージョンっていうのを発売したいと言ってくれてます。色々と考えてはいるのですが、あくまでジャンルによりけりですね。例えばシューター系の『Futuridium』ってタイトルがあるんですがそれも今VRバージョンを作ってて、E3でもデモ版を展示してました。そういう感じで、今後も(過去発売済みのタイトルのVR対応は)出てくるんじゃないかなと考えてます。

――発売済みの作品のVR対応もあり得るということですね。

吉田氏: そうですね。ただ向いてるもの向いてないものがあるかと思います。例えば(従来の)FPSやアクションアドベンチャーはどちらかと言えば向いてないですね。そのままですと移動スピードが速すぎたりと。例えばVRの中に入って、従来のFPSなんかでも移動のスピードが早いものになると酔っちゃったりするんですよ。そこはもう内部から作り直さないといけないところですね。

――そう言ったジャンルの過去のタイトルはVR対応するのは難しいということでしょうか?

吉田氏: 向き不向きで言うとそうですね。例えば対応が一番簡単なのはレースゲームですね。元々レースゲームってのものはマシンの中に座っていて、基本的に前方へ進むってものじゃないですか。ですから非常にVRに向いてますね。レースゲーム以外の従来のタイトルをVR対応させるとなりますと、かなり根本の部分から手を入れないといけません。或いは『Until Dawn: Rush of Blood』みたいに、例えば世界観やグラフィックのアセットは流用するけど、ゲームとしては全く新しいものを作るとか、そう言うパターンになると思いますね。

――PSVRを体験させて頂いて、非常に自然な体験と言うか、ヘッドトラッキングと視界の映像にラグがないと言うことに驚きました。

吉田氏: VRの一つの壁として、レイテンシーが20msec以下でないと違和感が出るという研究結果があるのですが、我々もそこの突破を目指して開発を続けてきました。今展示しているバージョンではレイテンシーが18msecを切ったものになっています。現在はさらにレイテンシーを抑えるべく開発を続けています。PSVR自体は去年発表したんですけど、今年にならないとそこまで行かないということがわかってたんで、やっとまあ一つのレベルに達したものが出来たかなと言う状況です。

――最後にPSVRですが、開発の完成度としてはどの程度なんでしょう?

吉田氏: ハードはもうほぼ開発完了しており、今は開発環境とシステムソフトウェアの完成度を高めている状況です。既に来年上半期の発売をアナウンスしておりますので、それを目指して頑張ってる最中です。

――では来年の夏休みにはPSVRの世界でどっぷり遊べるということですね。発売楽しみにしています。本日はどうもありがとうございました。
《パムジー》

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