『鉄拳』シリーズを長らくリードしてきた原田氏。 VRについては2011年から(「鉄拳プロジェクト」の予算をこっそり使い)研究をスタートしたそうです。その最大の目的は「キャラクターをもっと好きになってもらう手段」の模索で、ライブチャットや『鉄拳』のVR版、キャラクターの表示デモなどの実験を経て、2013年からPSVR向けの『サマーレッスン』に着手します。
原田氏は、「テレビだと画面の中のキャラクターがこっちを意識しているとはどうしても感じられません。でもVRの世界に入って一緒の空間に入ることで関係性が生まれるんです。目を逸らせば"何?"と言われるだろうし、変な動きをすれば向こうも感じるはずです。相手が本物の人間かは関係なく、関係性ができちゃって、それが圧倒的に面白いんです」とコメント。
「VRコンテンツだと臨場感は嫌でも得られるんです。乗り物を作れば絶対素晴らしいものになります。勝手に素晴らしくなっちゃうんです。だから、そうでないポイント、キャラクターや仮想のものとの関係性というのを自分としてはテーマに考えています」こういう背景から『サマーレッスン』は作られているようです。
一方でVR開発の難しさについては、「臨場感を出そうとすると意外と細部まで作りこまなくてはいけなくて、部屋を作って机だけだと違和感があるし、コンセントを付ければ何かを差したくなるし、エアコンもあった方がいいし、それならエアダクトがないといけないし。現実世界で、人は何を認知して、どう感じるのかをよく知る必要があります」とのこと。
また、従来のゲームではカメラを使ってゲーム的に無理に視線誘導をするような事が出来たのですが、VRでは別の手段考える必要があり、日常生活で他に視線を移すのはどういうタイミングなのか、というのをじっくり考えなくてはならなかった、としました。
一方、バンダイナムコでは「VR Zone」と呼ばれる世界初のコインオペレーションのVRアミューズメント施設を期間限定でオープン。6つのコンテンツが用意されています。原田氏は本施設について「『サマーレッスン』は明確なゲームユーザーへのアプローチ、大して『VR Zone』は一般の人を呼び込むというアプローチです」と説明。詳細は説明できないものの、客単価は高く、予約も先まで埋まっていて、「想定より全然いい」とのこと。
小さな実験プロジェクトから始まり、商業的な活用も始まってきたバンダイナムコのVRプロジェクト。今後の展開も注目されます。
「VRに臨場感はあって当たり前、追求するのは関係性」バンダイナムコ原田氏
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