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【特集】日本のe-Sportsシーンと『LoL』の向かう先―ライアットゲームズ齋藤Dインタビュー

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【特集】日本のe-Sportsシーンと『LoL』の向かう先―ライアットゲームズ齋藤Dインタビュー
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去る4月1日、東京ビッグサイトで大々的に開かれた『リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends、以下LoL)』日本公式リーグ決勝戦「LJL 2017 Spring Split Final」。国内での正式サービスに移行した『LoL』にとって大きな意味を持つこの大会が開かれている中で、Game*Sparkはライアットゲームズのディレクター齋藤亮介氏にインタビューを実施。日本リーグ「LJL」が抱える課題、1年の間歩んできた『LoL』国内向けベータテストの振り返り、そしてこれからの『LoL』が向かう道筋について、徹底的に語ってもらいました。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆


■ライアット齋藤Dが考える「LJL」3つの課題

――ライアットゲームズが正式に運営して以来、着々と規模を拡大してきた「LJL」ですが、齋藤さんにとって今の「LJL」はどのように映りますか。

齋藤亮介ディレクター(以下、齋藤D): 昨年と比べると、選手のレベルはすごく上がりましたし、チームのプレイング自体も我々の運営も着実に改善を重ねられていると思っています。今年からはスタジオでの配信も始まり、選手の「見られている意識」やチームワークも確実に上がってきています。しかし、まだまだこれからな部分もありますね。

――具体的にはどのような課題が残っているのでしょうか。

齋藤D: 大きく分けると、「LJL」には3つの課題があります。ひとつは「世界的に見たプレイングのレベル」。2月中旬にプレイヤートレーニングセッションを開催したのですが、3月にはそれを振り返るフォローアップを各チームに行ったんですよね。そこで今シーズンの上位2チーム、DetonatioN FocusMeとRampageに「世界に通用すると思いますか」と聞いたら「まだ通用しません」とのことだったんです。

――自己申告で「今はまだ不可能」と認めたということですね。

齋藤D: ええ。この認識自体もひとつの進歩だと思います。2つ目の課題は「注目度」。スポーツシーンで注目を集めるのは「選手」や「監督」だと思うんですよね。選手で言えば「一生懸命頑張っても敗北してしまったり、努力を重ねた結果に栄光を手にする」といったポイントで注目を集めます。監督やコーチ的ポジションでは、野球で言うと“原監督”や“落合監督”みたいな方がいらっしゃいますよね。そういった「社会人を含めた視聴者・観客の心に響く」ような方が、まだ登場していないのが課題かなと。

――なるほど。選手ではなく、チームを導くポジションにいながら脚光を浴びる存在ですね。

齋藤D: 「スポーツは筋書きのないドラマ」と言いますが、いわゆる普通のゲームとの違いがそこにあります。「ゲーム」には「クリア」という達成がある。スポーツにおいては、「優勝」という目標もあるにはあるのですが、そこに辿り着けないチームもいますし、「優勝」を逃したチームのファンだっていらっしゃいます。そういった方々を楽しませる「ドラマ性」というのが、「監督」のみならず「選手」からも出てくるといいと思いますし、それを伝えていくことがコンテンツを作る側でまだ十分できていない。これは我々にとっての3つ目の課題ですね。

■日本リーグに求められる「真のトレーニング」とは

――これまで、「LJL」所属選手のSNSを巡る問題やゲーム中の暴言などが報告されていましたが、ライアットゲームズとしてはこうした問題に対して今後どのように取り組んでいくのでしょうか。

齋藤D: ある種の不祥事というか、ルール違反が発生したこと自体は非常に残念だと思っています。そういったところで他のe-Sports先進国の担当者の話を聞いたり相談してみると、「ウチでもあったなぁ」「数年前を思い出すなぁ」なんて言われたりしました。

――たしかに、不祥事やルール違反は海外プレイヤーの間でも見られていましたね。

齋藤D: そんなこともあり、ルールブックに何が書かれているかを十分に理解して、「何をしてはいけないのか」「どこまではやってもいいのか」というのを今一度再確認してもらう必要があると思っています。SNSに関しても、セルフブランディングについて教授するといったようなサポートをしていきたいと思っています。

――なるほど。先ほど挙げられた3つ目の課題である「ドラマ」に至る前の、「選手のパーソナリティー」を押し出す準備段階というところですね。ちなみに、プレイヤートレーニングセッションの次回開催予定はありますか。

齋藤D: 次回のトレーニングセッションについては現在検討中ですが、前回は「チームの一体感を作ってどう勝っていくか」というところに焦点を当てていたんですよね。その結果、「上位チームが更に強化され、下位チームには上位チームほどの影響が見られなかった」ということになってしまったんです。「上位チームを更に強化していく」だけではなく、「下位チームの基礎的な部分を押し上げていく」という軸についても考える必要があります。

■国内『LoL』正式サービス1年目、シーンはこれからどう盛り上がる?

――2016年3月1日から1年を迎えて正式サービスへと移行した『LoL』日本展開ですが、ベータ始動時と比べてどのような変化を感じますか。プレイヤー数やファンコミュニティーの盛り上がりなど。

齋藤D: 日本人の『LoL』プレイヤーが増えましたね。コミュニティーの熱量としては、大学サークルの影響が強いです。学生支援プログラム「LeagueU」を作ったのは大きいことで、各大学でコミュニティーが生まれたり、今回の会場でも学生のボランティアの方がいらっしゃいましたし、配信の視聴者数も伸びています。

――引き続きコミュニティーについてですが、『LoL』の物語(ロア)やチャンピオンの解説などは、昨今とても充実しているように思えます。こういったポイントは「日本のファン」に響いていると思いますか。

齋藤D: その点については、まだ日本では「一次着火」の段階にあります。現在はコアな実況解説やファンがロアを調べてじっくり楽しんでいるところで、「二次着火」でそこから更に広がっていき、「三次着火」で周知されるレベルになると考えています。「LJL CS」のキャスターであるkatsudionさんがよく解説してらっしゃいますね。

――日本サーバー独自イベントとして「花見 ON THE RIFT」が開催されていましたが、国内外の反響はいかがでしたか。今後も独自イベントは開催されるのでしょうか。

齋藤D: 「花見 ON THE RIFT」に関しては、想定を上回る参加者が集まったかなと。海外からも「面白いことやってるね!」と言われたり、ライアットのデザイナーも「花見って日本の行事でしょ?分かる分かる!」って言って独自アイコンを作ってくれたり。今後ですが、グローバルのイベントと日程的に被らないようにしたり、独自性を出すためにもいろいろ考えなければならないところがありますね。「スターガーディアン」の時のように、イベントではない日本オリジナルの展開も見据えていくことになると思います。

――ちなみに、「スターガーディアン」関連コンテンツとして公開された日本オリジナル楽曲について、海外からはどのような反響がありましたか。

齋藤D: あれも日本発でグローバルに配信することになったのですが、海外の方でああいった日本のカルチャーに興味を持つ方も多かったので、いわゆる「逆輸出」することができました。

LJL 2017 Spring Split Final会場でファンと交流する選手たち

――ライアットゲームズ主催によるオフラインイベントは考えていますか。大会などではなく、いちプレイヤーが集まるファンイベントのような。

齋藤D: そういったイベントは、やはりコミュニティー自体にお任せするというのが第一だと思います。バックから盛り上げるために、イベント支援プログラム「イベントファインダー」 を出しています。こちらとしては、あくまでプラットフォームを作ることが重要と考えています。我々が先頭を切ると他の方がやりにくくなるところもあると思いますし、学生支援プログラムについても、あくまで「学生主体」であるところに主軸を置いています。

――最後に、『LoL』日本展開の正式サービス1年目に向けた意気込みをお聞かせください。

齋藤D: 正式サービスになって、当初プレイヤーの方からも懸念されていた「不適切な発言/チャットでの問題」への対応や、我々ライアットゲームズの運営方針など、そういった部分の体制は整ってきていますので、これからは皆様が安心して『LoL』をプレイできる環境になっていくと思います。日本のe-Sports選手が世界で活躍して、「あの選手みたいになりたい!」と言って『LoL』を始めてくれる人が増えてくれたら良いなと考えております。

――本日はありがとうございました。


(C) 2017 Riot Games. All Rights Reserved.
《Game*Spark》

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