【今から遊ぶ不朽のRPG】第15回『聖剣伝説2』(1993) | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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【今から遊ぶ不朽のRPG】第15回『聖剣伝説2』(1993)

今回紹介するのは、1993年にスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売された『聖剣伝説2』です。同社はこれまでに数多くのアクションRPGをリリースしていますが、当時はまだ珍しく、「スクウェアのARPG=聖剣シリーズ」といったイメージもあったほど。

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今回紹介するのは、1993年にスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売された『聖剣伝説2』です。同社はこれまでに数多くのアクションRPGをリリースしていますが、当時はまだ珍しく、「スクウェアのARPG=聖剣シリーズ」といったイメージもあったほど。

『ファイナルファンタジー』(以下、FF)シリーズが一大ヒットを記録し、またゲームボーイで登場した『Sa・Ga』3部作も独特な切り口で好評を博すなど、RPG関連で大きな成功を収めてきました。そんなスクウェアが新たに展開させたアクションRPGシリーズの第二弾は、様々な面で注目を集め、またその期待に応えました。まずは、リリースされた当時の背景からご紹介します。



◆「スクウェアのアクションRPG」の代表格
スクウェアは、黎明期から様々なジャンルのゲームを手がけており、シューティングやレースゲームなども展開。ですが多くの少年少女にとっては、やはり『FF』シリーズをはじめとした、RPG作品のイメージが強いメーカーでした。『FF』シリーズのみならず、『ディープダンジョン』シリーズや『スクウェアのトム・ソーヤ』、シミュレーション要素も交えた『半熟英雄』などの存在も、その印象に拍車をかけました。

そういったイメージの打破に貢献したのが、ゲームボーイソフト『聖剣伝説 ~ファイナルファンタジー外伝~』です。サブタイトルに『FF』の名を冠しており、「ケアル」「ファイア」といったお馴染みの魔法なども登場。しかしゲーム内容は、多彩な武器を使いこなして敵を打ち倒すアクションRPGになっており、スクウェアが提案する新たな可能性を多くのプレイヤーが体験しました。

ですが同社は、1991年に『聖剣伝説 ~ファイナルファンタジー外伝~』をリリースした直後に『ファイナルファンタジーIV』を発売。また翌年には『ロマンシング サ・ガ』、『ファイナルファンタジーV』とRPG作品を連発し、いずれも高い人気を博す形に。再び、RPGラッシュが続くのか──そう感じた矢先に登場したのが、待望の続編となる『聖剣伝説2』でした。

◆『聖剣伝説2』は“アクションするターン制RPG”

約2年ぶりに登場した、スクウェアの新たなアクションRPG。しかも『聖剣伝説』の続編なので、ユーザーの注目度はかなり大きいものでしたが、本作『聖剣伝説2』はその期待に見事応えます。

まず大きな変化は、プレイヤーキャラクターの拡大。前作は、共に旅をする仲間が折々で登場するものの、操作できるのは主人公だけ。しかし『聖剣伝説2』では、パーティメンバーが3人に増え、任意で切り替え可能。しかもマルチプレイにも対応しており、最大3人で冒険を楽しむことができました。当時のアクションRPGで協力プレイができるものは珍しく、それだけに刺激的な体験でした。


また、無闇に攻撃するのではなく、的確な攻撃と敵の動きを見極める判断力が求められるゲーム性も魅力のひとつ。本作には「パワーカウンター」と呼ばれるゲージがあり、時間と共に溜まるこの数字が100%に近づくほど、大きなダメージが与えられます。逆を言えば、パワーカウンターを溜めずに武器を連打しても大したダメージは与えられません。

大ダメージを与えるには溜めておきたいパワーカウンターは、空振りでも消費してしまうので、攻撃は確実に決めたいところ。また、ゲージが溜まるまでは敵の攻撃を食らわないような立ち回りも重要です。そのため「ただ敵を殴ればいいだけ」というゲームではなく、攻守のタイミングがはっきり分かれるターン制の判断力と、それを実行するアクション性が融合した、駆け引きと手応え溢れる戦闘を表現することに成功しました。

しかも成長するに伴い、更にパワーカウンターを溜めて繰り出す「必殺技」の使用も可能となり、駆け引きの幅が更に広がります。また、武器も8種類用意されており、射程や使い勝手にそれぞれ長所が。どういった組み合わせで戦うかを考えるのも、ポイントのひとつです。


このほかにも、記憶に残るBGMの数々や、UIをアイコンで表現した「リングコマンド」など、本作の魅力は多岐に渡りますが、とりわけ外せないのがグラフィック。前作はゲームボーイなので必然的に画面はモノクロでしたが、『聖剣伝説2』はスーパーファミコンソフト。カラーになるのはもちろん、どれだけ美麗なグラフィックになるのか、当時のユーザーは期待というハードルを上げていましたが、本作は期待を裏切らず、そして想像を超えるビジュアルを実現しました。

ゲーム内のグラフィックも力作ですが、特に印象深いのは、やはりタイトル画面でしょう。そびえ立つマナの木と、大樹を見上げる主人公たち。そこを横切る鮮やかな鳥の群れ……良質なBGMと相まって、非常に印象的な、そして美しいタイトル画面です。店頭展示のTV画面に釘付けになった人も多かったのではないでしょうか。筆者もそのひとりでした。


期待度も高く、またプレイした満足度も大きかった『聖剣伝説2』。その魅力や勢いは、後に続くシリーズ展開を決定づける一因ともなりました。今回の記事のために改めてプレイしてみましたが、操作感も良く、クラシカルなゲームにありがちなテンポの悪さなどはありません。今プレイしても充分な楽しさが得られると、実感できる一作です。

◆ポップな見た目に反して、意外と重い主人公たちの立場

『聖剣伝説2』のビジュアルは、カラフルでポップな印象を与えます。キャラクターもデフォルメされており、特徴的かつ可愛らしいデザイン。ですが、主人公のランディは、村に移り住んだ直後に母親がいなくなり、村長に引き取られたものの、よそ者という色眼鏡で見られることも。また、とある事件をきっかけに村を追い出されてしまいますが、その時の対応も風当たりが強く、厳しい境遇を感じさせます。

最初に仲間となるプリムは、行動派で勝ち気な少女。無理矢理進められた縁談に怒って飛び出し、そのままランディと共に旅へ出ます。これだけならば「活発な少女」ですみますが、プリムにはディラックという恋人がおり、彼は半ば押しつけられた「魔女討伐」に向かっている──といった背景も。さらに、三人目の仲間・ポポイは、妖精族の生き残りとして帝国軍に狙われる身。頼れる者もいないその状況は、例えるならば世界から取り残されたような感覚なのかもしれません。


三者三様の立場ですが、いずれも何らかの排斥や圧力を受けており、そんな彼らが世界を救うというのは、一プレイヤーとして色々と考えさせられるものがあります。ちなみに前作に当たる『聖剣伝説』の主人公も、剣闘奴隷という立場からのスタート。主人公の背景にある種の「重さ」があるのは、シリーズが持つ特徴のひとつと言えるでしょう。

もちろん物語そのものは、いたずらに重苦しいわけではなく、またランディたちは明るく前向きなので、プレイするために身構える必要などはありません。気軽に楽しめるので、その点はご心配なく。

◆今から遊ぶなら…
「当時と同じ環境で遊びたい!」という方には、スーパーファミコン本体とカセット版『聖剣伝説2』がお勧め。いずれも新品で購入するのは難しいので、本体は中古品か互換機で、またソフト自体も中古ショップなどで手に入れるのが一般的です。大手ゲームショップでは扱っていない場合もあるので、ゲームも取り扱う総合リサイクルショップなども視野に入れてみましょう。


WiiもしくはWii Uを持っていれば、配信されているバーチャルコンソール版がお手軽です。価格はいずれも823円なので、費用が抑えられるのも嬉しい点のひとつ。また、iOS/Android版もリリースされているので、場所を選ばずに遊びたい人ならばスマホ版も魅力的です。

そして今年の6月に、シリーズ作の『1』~『3』を収録した、ニンテンドースイッチソフト『聖剣伝説コレクション』が発売され、『聖剣伝説2』を遊ぶ新たな選択肢が増えました。最新ハードで『聖剣伝説2』を楽しみたい方は、購入を一考してみてはいかがでしょうか。

YouTube 動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=60tMD5TDQog

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