■制作の最終ステップ―機体のスミ入れとデカール貼り付け
あらかじめスミ入れとUPEOのデカールを貼り付けた垂直尾翼を取り付けると、いよいよ航空機らしいフォルムに近づきます。また着陸装置以外のハードポイントのランチャーを取り付ける前にスミ入れを行いました。
これは、ハードポイントがデカールに干渉しないようにするためです。デカールはプレイヤー機であるEC 010の“NEMO”を選択(ちなみに、フィオナ機がEC 071、エリック機がEC 072、レナ機がEC 012)。大量の“NO STEP”など極小デカールも含めてすべて貼ります。
デカールを全て貼り終えたらミサイルや増槽の取り付けです。ミサイルは付属しているMETEOR(ミーティア)を4発とASRAAM(アスラーム)を2発、1/72 「エアクラフト ウエポン V アメリカミサイル & ランチャーセット」からAIM-9L/Mサイドワインダーを2発選び搭載しました(『エースコンバット』シリーズに登場するタイフーンは、標準ミサイルとしてサイドワインダーを搭載しているため)。搭載自体は簡単ですが、接着には塗料が溶けない「ハイグレード模型用」を使用しています。全て装着し終えて1/72「ユーロファイタータイフーン 単座型 “エースコンバット ユーピオ”」完成となります。
■UPEOタイフーン全景―キットとしての出来は十分でも塗装と塗料の調合は初心者に難しさも
「ユーロファイタータイフーン 単座型 “エースコンバット ユーピオ”」は、キット自体が2012年に発売されたものなので、微妙にモールドが消えそうな部分があること以外は問題なく組み立てられました。塗装を前提としたスケールモデルの制作に馴染みがあるユーザーには、おすすめできるプラモデルです。また価格も3,800円(税別)であるため、元キットとそれほど価格差がない部分も大きなポイント。大きさも手のひらより少し大きいぐらいなので、場所を占有することなく設置できるも魅力です。
しかしながらこのキットは前述の通り、1/72 「ユーロファイター タイフーン 単座型」をベースに専用デカールと組み立て説明書を加えたものです。色プラ化もされていなければ、シールで全て再現できるものでもありません。いわゆる一般的なミリタリースケールモデルです。そのため、塗装に馴染みの無いユーザーには二の足を踏んでしまうのも無理ありません。
プラモデルの制作でハードルを感じる大部分は塗装です。なぜならキットの価格に加えて、各種塗料を揃えなければならないことや、場合によってはエアブラシなど専用の塗装ツールが必要なため、初めから揃えると結果的に多大な費用がかかってしまうことです(道具や塗料が揃わないことで制作開始まで時間がかかってしまうことも)。さらに、塗料の調合率や塗り方など技術が必要になってしまいます。
今回だけでも水性アクリジョンで11色、Mr.カラーで4色、空き瓶を2つ使いました。これだけでも本体の値段近くまでかかってしまい、「色を塗る」ことも加えると作業が多くなったことで完成ポイントが遠くなり、心理的ハードルが一気に高まってしまいます(もちろん綺麗に作る難しさもある)。
このハードルを少しでも下げるのが缶スプレーや「Mr.カラー特色」の存在なのですが、残念ながらUPEOカラーは販売されていません(なお、『エースコンバットINF』に登場したリッジバックス隊カラーを再現する「震電II」向け特色セットならクレオスから販売されている)。そういった意味では、このUPEOカラーのタイフーンは、初心者にとって気合を高めて挑まなくてはならない(ツール/塗料調達も含めて)、ハードルの高い難しいキットであることは避けられないでしょう。