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雪山を生き残るF2Pバトルロイヤル『Ring of Elysium』プレイレポート…「カジュアルバトロワ」の位置をキープできるか

Tencentが開発・配信する、PC向けバトルロイヤル系シューター『Ring of Elysium』。雪山から脱出するのが目的の本作は、一体他のバトロワ系タイトルとはどこが異なるのか、そして今後の可能性やタイトルそのものの立ち位置も含め、お届けしていきます。

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雪山を生き残るF2Pバトルロイヤル『Ring of Elysium』プレイレポート…「カジュアルバトロワ」の位置をキープできるか
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Tencentが開発・配信する、PC向けバトルロイヤル系シューター『Ring of Elysium』。バトロワ系ジャンルのタイトルが多数リリースされる中、9月19日にリリースされた本作は、「雪山から脱出する」のが勝利条件となっています。いったい他のバトロワ系タイトルとはどこが異なるのか、そして今後の可能性やタイトルそのものの立ち位置も含め、お届けしていきます。

敵を全員倒すことが“勝利”ではない


いきなりバトロワ系には考えにくいポイントではありますが、本作の最大の特徴と言っても良いのが、「迎えに来たヘリに乗れば勝ち」というところ。ヘリは4人分のシートがあり、モードが異なっても乗り込める人数は同じです。

言い換えれば、Squadではそれぞれ別チームの「3人」と「1人」が勝者というのも可能ですし、Duoでそれぞれ全員が別チームということもありえます。つまり、残り人数が「4人」になったとしても、それぞれのプレイヤーが皆殺しを目的としていれば「マッチ終了、仲良く脱出!」という風にはいかないのが、本作の最も独自性がある要素です。

ヘリ搭乗を最後まで待てず撃たれてダウンするフレンドと、1on3を捌いて蘇生する筆者の図。この後きっちり2人で搭乗

本作のエリア収縮は、段階を踏んで一気に変更され、外側では「気温が低いためHPが減る」という設定になっています。他のタイトルに比べると、ヘリが来る最終段階でもそこまで痛くありません。一方、ヘリが到着して一定時間が経過すると「ミニマップにすべての敵の位置が表示される」という、キラーマシーン御用達のような仕様もあります。

しかし、ヘリは空中でホバリングしており、真下で一定時間待機すれば乗れるという仕様ではなく、「はしごを登って搭乗する」という形式なのがミソ。敵同士が派手にやりあっている最中に目を盗んで乗り込むプレイヤーもいますが、はしごを登っている最中の無防備な状態をキルしていくセオリーもあり、状況次第で脱出方法は大きく変わります。他のバトロワ系であれば「どうやって敵を倒すか」に注力するところで、ヘリ到着後の最終段階の数分で「どう乗り込むか」「どう倒して安全を確保するか」といった駆け引きが楽しめます。

プレイヤーの装備は3種類から選択可能


プレイヤーの装備は3種類のうちから1種類を選択してスタートすることができ、MobilityとCapacityが異なるそれぞれ特徴のある装備から選べます(合計値は同一)。Mobilityが最も高く空を飛べるGliding Pack、標準的でスノーボードでの移動が可能なSkiing Pack、Capacityが高く一部の山をピッケルを使って登れるClimbing Packの3種類から選択できます。


Gliding Packで飛んでいる間は目立ちますが、音が非常に小さいので、使いどころを間違えなければ思い切った大移動もできます。一方Skiing Packはスノーボードで山を滑り降りるだけでなく、ちょっとした坂も滑り降りることができるため、車を使わない移動にはもってこい。さらにClimbing Packはピッケルを使ったクライミングが特徴的ではありますが、マップに張り巡らされているジップラインを使用して、上り下りを問わず移動が可能です。

初期装備は装備セットに応じてハンドガンからダブルバレルまで用意されている

前述の装備それぞれには固定の初期装備の武器が揃っており、開始直後の武器ガチャ等は一切ありません。なお、マップはパラシュート降下的なものはなく、マップのグリッドを選択してそこからスタートという方式。仲間同士で同じグリッドを選択すれば同じ地点でスタートし、敵は同じグリッドを選択できず、隣のグリッドもそれなりに距離はあります。グリッドの選択は一定時間可能で、選択を時間内であれば変更することもできるため、他のプレイヤーがどこでスタートするかも見つつ、自分たちの有利なポイントを探すのも開始前の駆け引きの面白みです。


武器としてはアサルトライフルとしてM4A1やLVOA-C、AK-47、Grozaなどが、スナイパーライフルとしてG28やR700、Mosinが用意されています。サブマシンガンにはMP5とMPX-SD、Vectorなどもあり、実銃が多数登場。もちろん、使いやすい武器はほぼ決まってしまっているため、出番が無いものも一部ありますが……。筆者としてはLVOA-C(AR)とG28(SR)、R700(SR)が非常に好みです。

索敵しにくく、遭遇戦に近いところも


本作では開けた部分もあるものの、木に隠れて見にくかったり、交戦距離が遠くて敢えて当たらなくても良い、といったシチュエーションが多々あります。そのため、敵を探す際には銃声が重要となりやすい印象です。とはいえ、山間部などではスコープや地理的な問題で撃ち合いがしにくい場合があるだけでなく、次の安置エリアへの移動の時間や手段等も考えなければならないため、移動を優先して、必死に移動してきた敵を狩るという方法も十分に有効です。

街中での戦闘は、展開して敵の側面を取るなどの戦略的な方法も十分に使え、雪原での戦闘も楽しめます。カジュアルではあるものの、VCを活かした連携も効果的ですし、後半になるにつれて熾烈な争いになる緊張感も持ち合わせているため、物足りなさは感じませんでした。

筆者も岩に隠れているものの、案外目の前の山から頭を出してくる場合も多い

特に筆者が好ましいと思ったのは、「伏せ状態でのモーション」。『レインボーシックス シージ』をプレイされている方はわかりやすいと思いますが、伏せた状態で後ろを向くと仰向けになるモーションが、本作にも実装されています。伏せ=うつ伏せとは限らず、滑らかに体を動かすという点も素晴らしいと思いますし、岩に体を隠す際にも体勢次第で露出量が変わってくるため、細かな点ではあるものの非常に面白く感じています。また、リーンは能動的に行うことができず、リーンを行わないか、障害物でADSをすると自動リーンをするかの2択になります。

SS撮影用に意味のない場所で伏せたものの、滑らかに動くのは爽快

バトロワ系シューターとしての立ち位置は?


筆者は現在も『PUBG』の競技シーンをメインとしてプレイしていますが、システム面から比較しても本作はあくまでも「カジュアルに楽しめるバトロワシューター」の立ち位置をキープし続けることができると思います。

一方で、やはり「ヘリに乗って脱出」というシステムが根本にあり、1位が複数枠ある以上、競技シーン的な利用は非常に難しいかもしれません。また、他タイトルと比較して安全地帯外のダメージの低さ、ヘリ搭乗までの「無防備状態」といった要素もありますし、「カジュアル」の域を抜けられる要素はないと感じました。

さもヘリの4席を求めての殺し合いがなかったかのように報道する地元紙

ドn…でもビクr…でもなく1位

それを踏まえた上で、軽めの武器のリコイルやアイテム類のシンプルさだけでなく、アタッチメント類の自動装着、さらにUIの情報が整理されているといった点では、カジュアル層を取り込むには非常に効果的だと思っています。

正直、プレイ前はスクリーンショットの見栄えからも『STEEP』と『PUBG』のいいとこ取り、あるいは『Call of Duty: Black Ops 4』の“Blackout”には劣るものと個人的に思っていたのですが、実際にプレイしてみると本質は全くの別物。「バトロワ派生タイトル」というくくりで収めてしまうのはもったいないとも感じています。


また、Tencent Games開発とのことで、プレイヤー層が偏るであろう一部地域のチーターに関しても疑問が残っていました。実際のところは、チーターに遭遇することは多少あれど、Steamのフォーラムでは既に強硬な姿勢を見せていたりもして、BAN済みのプレイヤー名も記載するなど、かなり強めの当たり方。昨今のバトロワのチーターブームに辟易している筆者も、「やるなTencent」と言わざるを得ない対応です。

早期アクセス配信のため、まだ荒削りな部分もありますが、少なくとも現時点では基本プレイ無料で楽しめるので、「ちょっとやってみるか」程度の気軽さで試せるのも、まさに「カジュアル」といったところではないでしょうか。

『Ring of Elysium』は、現在基本プレイ無料で配信中です。
《kuma》

kuma

作詞家/作編曲家/元Esports競技勢。FPS、アクションRPG、シミュレーター系が主食。ハードウェア・ソフトウェアレビュー、インタビューなどをやっています。

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