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Steamで遊べる中国産濃厚ローグライク『太吾絵巻(The Scroll Of Taiwu)』をプレイ!古代中国の武侠人生を満喫

古代中国・神話がモチーフのローグライクとして、Steamで50万本以上を売り上げた中国デベロッパーのヒット作『太吾絵巻』のプレイレポートをお届け。

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Steamで遊べる中国産濃厚ローグライク『太吾絵巻(The Scroll Of Taiwu)』をプレイ!古代中国の武侠人生を満喫
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近ごろSteamの「プレイヤー数が多いゲーム」ランキングで存在感を増している中国発のインディーゲーム。しかしながら、その中には日本語はおろか英語非対応のものも少なくはなく、一部のゲーマーは歯がゆい思いをしているのではないでしょうか。

本稿では、そんな中国産Steamゲームの中でも人気を伸ばしつつある、自由度の高いローグライク作品『太吾絵巻(The Scroll Of Taiwu)』のプレイレポートをお届けします。

本作は、古代中国や神話をモチーフとした架空世界を舞台に、武侠者としての人生を楽しむことのできるローグライクゲームです。クラフト要素やサバイバル要素もあり自由度が高く、登場する何千というNPCたちすべてに年齢や経歴、人間関係などがあります。それらは老いや病で亡くなったり、子孫を残したりとリアルに動き、それぞれがそれぞれの人生を歩みます。


もちろん主人公もそのうちの一人です。江湖(アウトローの世界)に生きる者たちの人生シミュレータと言っていいかもしれません。

本作の開発元は中国の螺舟工作室(ConchShip Games)。9月21日にSteamでアーリーアクセス版が配信されたのち、またたくまにSteamゲームの中でも注目作となり、Steam & ゲーム データ上位への仲間入りを果たしました。ゲームは中国語(簡体字)しかサポートしていないため、ランキングやSteamDBを見て「なにこのゲーム?」と思った方も多いのではないかと思います。

また、9月29日にはオンライン上でのプレイ人数がSteamで6位となり、10月3日には公式アナウンスでSteamでの売り上げが50万本を超えたという(中国以外では)隠れたヒット作となっています。今でも中国ではネットや口コミで人気が広がっています。

ゲームとは直接関係ないのですが、武侠ドラマ「射雕英雄伝 レジェンド・オブ・ヒーロー」トレイラー。
設定、世界観の参考にどうぞ

「武侠もの」は日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、中国では映画やドラマ、ゲーム、人形劇など数多くあり、一大ジャンルになっています。カンフー映画を進化させたようなもので、江湖の武芸者たちがワイヤーアクションで空を飛び回ったり(「軽功」と言います)、投げた剣を超能力のように操ったり、手から炎や雷を飛ばしたりと、もはや武術なのか魔術なのかわからないようなものも……。

また、そのような超人的な武芸者たちの門派同士の争いも、武侠ものの醍醐味と言えます。もちろん、本作においても武芸の門派が数多く登場します。

まずは玄人もニヤリな奥深いキャラクター作成から!



ゲームをスタートするとまず主人公を作成することに。このゲームのキャラクターは豊富なパラメータや特性を持っており、ハードコアゲーマーにはたまらないつくりになっています。昔あった『ソーサリアン』というゲームで、キャラクターの職業一覧を見ながらニヤニヤしていた人が大喜びしそうな要素がたくさん散りばめられています(と言っても、伝わる人がどれだけいるか気になりますが)。

この場面では名前と属性を決めます。属性は5種類あり、「中庸」がいわゆる中立で、「剛正」「仁善」が善、「唯我」「叛逆」が悪といったところでしょうか。行動やNPCの反応に関わる要素です。


キャラクターの外見ですが、目、鼻、口、髪型、服装などを細かく設定できます。また「男生女相(男で外見は女)」「女生男相(女で外見は男)」のようなキャラクターを作ることも可能。外見によって魅力が変化し、NPCとの初対面時の好感度が変わってきます。

年齢は16歳から30歳の間で選べます。このゲームには時間の概念があり、キャラクターは年を取り、やがて死にゆきます。年齢によって能力が変化したり、未成年が年上に勝ったばあい戦闘後にボーナスがもらえるなどの要素もあります。生まれについては、小寒、大寒、立春などの二十四節期から選びますが、こちらもキャラクターの能力に関わってきます。ゲームには季節があり、それに応じたイベントも発生します。


この画面では主人公の特質(特性)を、ポイントが許す限り選んでいきます。これによって初期の膂力(筋力)、霊敏(敏捷性)、定力(精神力)などの能力パラメータ、お金や持ち物、スキルに対する資質が決定されます。数字を振り分ける必要はなく、物語の登場人物をつくるように「主人公は素早くて、医術の資質もあって、馬を飼っていて」と好きな特質を選ぶだけなのでライト層も安心です。

複雑なゲームは数多く存在します。『太吾絵巻』はその中でも屈指のパラメータ量を誇っていますが、それでいてプレイヤーの負担をなくして物語に没頭させる、ということの両立に成功しています。この間口の広さがこのゲームの魅力、そしてプレイヤーの多さの理由でもあります。



技芸(スキル)は音律(音楽)や仏学、厨芸(料理)など16種類。また功法(武芸)は指法や暗器、内功など14種類あります。しかもそれぞれに対応したさまざまな書物があり、手に入れて学ぶことで新たな技を身に付けられます。それぞれの資質は、選んだ特質やゲーム開始後の選択によって決定されます。


出身地を選びます。地域を選択し、どんな場所(平原、山岳、森林など)で育ったかを決めます。中庸の士が多く住む場所など、地域によって特徴があるので、自分の属性を考えて選ぶのがいいかもしれません。また武芸の門派の拠点があるので、自分の属したい門派のある場所を選ぶのもいいでしょう。最後に、寿命の長さやゲーム難易度などを決めてスタートです。

さあ、武侠の世界で人生をはじめよう!



ゲームはテキストベースで進んでいきます。主人公は孤児で、物語の始まりでは養ってくれた義父との会話があり、選択肢がいくつも出てきます。さっそく自分の行動を決めていきましょう。これによって武芸の資質も決まります。


いくつかの選択が終わったのちに、このゲームのメイン画面ともいうべき全体マップへ。キャラクターは拠点となる自宅(竹盧)からスタートします。拠点では取ってきたアイテムを倉庫に預けたり、道具の作成などが可能。このゲームでは行動力の許すかぎり、移動したり、材料を収集したり、訓練をしたりできます。行動力がなくなれば次のターンに進み、日数が経過します。


現在地から、さらにその地域に入ることができます。自宅(竹盧)の位置から地域マップに入ったところです。中央にある竹盧が自宅で、ここでは訓練、倉庫からの出し入れ、クラフトができます。


クラフト画面では、クラフトにつかう工具(左)とその材料(右)を決めます。中央では投入する消費材の数を決めます。この数によって作製されるアイテムが変化します。またタブ切り替えによって壊れたアイテムの修理もできます。

ちなみに、倉庫で壊れた「独輪車」を直すクエストがあるのですが、今回は材料の木材が足りないのであとで採集に行くことに。


修行の研読(読書)では、手持ちアイテムの書(本)を使って技などを学びます。画面は「少林六合棍」の書です。書には1~10までの章があり、そのうち欠損している章もあり、そこから学ぶことはできません。


武芸の修行には制限があり、ある程度までいくと「突破」を行ってさらなる力を身につけることになります。「起」から「終」までたどり着くというミニゲームです。


倉庫に馬があったので、それを装備(つまり馬に乗る)しました。全体マップにもどって、隣の地形に移動します。馬に乗ると移動で消費する行動力が少なくなります。移動先では負傷した猿と出会いました。どうするかの選択を迫られます。

武侠者たるもの、戦いは避けられない!



さらに進むと戦闘が発生。画像は戦闘前画面で、機略ポイントを消費することで戦闘を有利に進めることができます。ここでは「笑里蔵刀」を使って、敵の防御値を半分にしてから戦闘に突入。


戦闘に入ると、自動的に攻撃が始まってしまいます。スペースバーを押して時間を止めましょう。画面左が自分のキャラクター、右が敵です。

このゲームの戦闘システムはちょっと特殊で、自分の武器の間合い(キャラクターのシルエットの下にある数値)を考え、相手との距離をどうするかを決めます。たとえば相手の武器が「3.0~5.0」の場合、「6.0」の距離なら反撃を受けずに攻撃できます。技を覚えていれば、条件が揃ったときに必殺技を放つことも可能です。

動き出す主人公の物語



先ほど一旦スルーしていた「独輪車」を直すため、木材を採集します。食材や薬材、綿花、金石などの採集もできます。地域には採集できる量に限度があります。各地を転々としながら木材集めを繰り返します。


義父にコオロギを探すよう頼まれていたので、コオロギがいる地形へ行ってみると、すごろくのような画面に。ルーレットをまわして進んでいきます。ゴールまで到着しましたが、コオロギ捕獲は失敗。


時が経ち、自宅に戻ると義父がいません。そこには置き手紙が残され、「この谷を去り、太吾村まで来て私をさがせ。そして谷を去ったとき、太吾の姓を名乗るがよい」と書いてありました。主人公は何がなんだか訳がわからない様子。太吾とはいったい?なぜその姓を名乗る必要があるのか。そして太吾村とは……?



太吾村を、そして義父を探すため、長らく暮らしてきた谷を出て広い世界へ飛び出します。『太吾絵巻』はここからが本番。姓もいつの間にか「太吾」に。さあ、広大な江湖への、冒険の旅へ。

江湖に生きる仲間たちとの出会い、そして――




旅の途中で加わる新たな仲間たち。NPCも主人公と同じように細かいステータスや武芸・スキルの熟練度、人間関係が設定されています。仲間になった下図の人は結婚していて子持ちです。ゲーム内で時間が進むと、世界中でNPCたちが動いているのを感じられるでしょう。


NPCには好感度もあります。好意的に接したり、侮辱したり、武術を学んだり、贈り物をしたり、愛情を伝えたり(同性も可)と、さまざまなアクションをとることができます。親友を作ったり、もちろん恋人との結婚も。もし彼らの大切な人を傷つければ、きっとあなたは恨まれます。人びとの織り成す愛憎劇もまた「武侠もの」の醍醐味です。

長時間プレイすれども底の見えないゲーム性


ミステリアスなシナリオ、交易や建築、伴侶や武芸の門派、闘蟋(コオロギを戦わせる競技)など、まだまだ要素が盛りだくさんで、発生するイベントも多く、とても紹介しきれるものではありません。全要素を紹介して楽しみを奪うのもどうかと思うので、これ以降は自分の目で確かめてみてください。

遊ぶ度に新たな人生が始まるこのゲーム……Steamでのプレイヤー数が着々と増え、好調にセールスを伸ばしているのも納得の出来です。中国語以外の言語をサポートすれば、その勢いはさらに増していくのではないかと思います。筆者としても出来る限り多くの人に本作を遊んでいただきたいので、今後のアップデートで日本語や英語が追加されることを期待しています。

製品情報



※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限があるため、簡体字を日本の漢字に置き換えています。
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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