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中華ゲーム見聞録:中国のリアル都市生活シミュ『B画少説』深セン市を模した大都市「深城」で働き、生計を成り立たせよう

「中華ゲーム見聞録」第29回目は、中国の深セン市をモデルにしたかのような大都市「深城」での生活をリアルに再現したシミュレーションゲーム『B画少説』をお届けします。

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中華ゲーム見聞録:中国のリアル都市生活シミュ『B画少説』深セン市を模した大都市「深城」で働き、生計を成り立たせよう
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「中華ゲーム見聞録」第29回目は、中国の深セン市をモデルにしたかのような大都市「深城」での生活をリアルに再現したシミュレーションゲーム『B画少説』をお届けします。

本作はPioGameが開発し、FatFaceCatによってSteamで2月15日に早期アクセス版が配信されました。タイトルの「B画」はおそらく「B話」のことで、「B」は中国語の発音的にはあまりよろしくない意味になります(英語の「F」から始まるような)。「少説」は「黙っていろ」みたいな意味もあるので、「くだらないことを言うな」や「黙れ」みたいな意味になるのでないかと思います。ちなみに本作の主人公は「大B」と呼ばれていて、イラストを描くのが趣味のようです。中国語で絵を描くことは「画」と言うので、「B話」と「B画」を掛けているのかもしれません。


本作は大Bが故郷から大都市「深城」へ向かい、そこで生計を立てながら暮らしていく生活シミュレーションゲームです。深城は発音からして「深セン」がモデルなのかもしれません。深城は「外部の人たちは入りたがり、内部の人たちは出たがる。住宅費や生活費も高く、仕事のストレスも大きい」というような都市だとか。どの国も大都市はこんな感じかもしれませんが、深城はいったいどんなところなのか。さっそくプレイしていきましょう。

飛行機に乗って大都市「深城」へ!



ゲームが始まると、「このゲームに登場する会社、人物、場所、事件はすべてフィクションです。もし一致するところがあったとしても、それは偶然です」との注意書きがあります。ストアページには「実際の地区や人物、事件を改編しています」のことが書かれているので、つまりはそういうことなのだと思います。ちなみに本作の休日・祝日は、実際の中国のものに即しているとのことです。


注意書きが終わると、主人公の「大B」が飛行機で深城へ向かうところから始まります。昔、中国では鉄道が主な交通手段でしたが、近年は飛行機の利用もだいぶ増えてきました。それとともに、飛行機に乗り慣れたことからか、マナーの悪い乗客もほとんど見なくなりました。ただ国内便は今でも遅延が多くて、筆者も空港で待たされることがよくあります。

主人公の大Bはイラストを描くのが好きで、それが深城でインディーゲーム開発をしている友人の目に留まり、「うちで働かないか」と誘われます。大Bは遠くへ旅したことがこれまでにないため、喜んで行くことにしました。最近はましになりましたが、以前まで中国では国内移動が厳しく制限されていて、「故郷以外の場所へ行ったことがない」という人は案外多かったです。戸籍移動は今も制限されていますので(特に都市部への移動)、就職の際に「都市部の戸籍でなければ採用されない」などといった戸籍差別もあります。


18時40分、深城の空港に到着。友人の「海猫」からケータイに電話がかかってきます。「今渋滞に巻きこまれてる。もうすぐ空港に着くので、出入り口でしばらく待っていてくれ」とのこと。時間が時間ですし、大都市ですから渋滞は仕方ないですね。言われた通りに待ちましょう。


出入り口の付近で友人の海猫と出会いました。海猫が言うには、「着いたばかりで大変だろうから、仕事は来週から」とのこと。今日はどこかの旅館に泊まり、それから部屋探しというスケジュールのようです。

ちなみに会社は「蘭山区」というところです。会社に近ければ通勤時間は短くなり、遠ければ家賃は安くなるとのこと。急にリアリティのある話になってきました。通勤時間の短さを取るか、家賃の安さを取るか。都市生活者の悩みの一つですね。さて、どうしましょうか。

深城での家探し



海猫に車でホテルまで送ってもらい、一泊した翌日。2015年7月1日とはっきりとした日付が出ていますね。2015年のこの時期の出来事がシミュレートされているのかもしれません。カレンダーを見ると、来週の月曜日は7月6日。その日までに部屋探しを終わらせなければなりません。ここから本格的にゲームが始まります。


画面を見ると、空腹や渇き、健康など、いろいろなパラメータがあります。画面下にはアイコンが並んでいて、結構いろいろなことが出来そうですね。大Bのプロフィールを見てみると、本名は「張海風」で24歳、体重は50kgのようです。とりあえずマップを見てみましょう。


地区名は違いますが、完全に深センのマップですね。地区名も「宝安区」が「宝新区」になっていたりと、微妙に違うだけです。会社があるのは「蘭山区」(深センでは「南山区」)。部屋探しをしなければならないので、とりあえず蘭山区の不動産屋を訪ねてみましょう。会社に近い方がいいですしね。


蘭山区に今ある物件は3つ。「地下鉄、スーパー、エレベータ、公園」があるかどうかで値段が変わります。また日によって物件も変わるようですね。ちなみに「押1付1」は、「保証金と前払い金が家賃ひと月分」という意味です。実質2か月分の家賃を先に払わなければなりません。今は2万元あるので特に問題なさそうですが、いったん保留にします。

夜は深城をエンジョイ!



保留してホテルに戻ったら、もう午後6時になってしまいました。空腹と渇きががっつり減っているので、どこかへ食事に行きましょう。「亀速」という回転寿司店があるので、ここにしてみます。


サーモンやマグロ、鰻、コーン、それにプリンもあります。中国では冷たいものや生ものはあまり好まれず、ひと昔前まで刺身は「気持ち悪い」とまで言われていました。近年では、沿岸部の人は食べるようになってきてますね。ちなみに中国で「寿司」というと、一般的にはキュウリやニンジン、肉そぼろなどを巻いた海苔巻きを指します。こちらは生ものは入っていないので人気があります。

とりあえずサーモンを食べてみますが、ほとんど空腹メーターが上がりません。海外では「日本食は腹持ちが悪い」とよく言われますが、それの再現でしょうか。コストパフォーマンスが悪いので、牛肉ラーメンを食べに行きました。


まだ時間があるので、スーパーやゲームセンターへ行って深城生活をエンジョイします。ちなみに中国のゲームセンターで「コインが出てくる系」のゲームは、景品と交換可能な店も多く存在します。その景品も、バイクやらニンテンドースイッチやらの高価な物もあるため、真剣にやっている客も(実際はグレーゾーンみたいですが)。

ゲームセンターでは、子供にコインをせがまれました。渡すかどうかの選択肢が出ましたが、「一枚ぐらいなら」と渡そうとしたところ、持っているコインを全部奪われてしまいました。ゲーム中だったのでその場から動くこともできず、仕方ないのでまたコインを買いに行くハメに。


ついでにカラオケにも行ってみました。本作は何か行動すると、ニコニコ動画(中国的には「ビリビリ動画」)のように弾幕が飛んできます。カラオケボックスは、値段は安かったのですが、空気が悪かったようで喉を痛めてしまいました。建康のパラメータがダウン。先ほどからろくなことがありませんね。


カラオケから戻ってきたら、もう午前2時49分!さすがにエンジョイしすぎました。今日のところはおとなしく寝ましょう。明日からまた部屋探しです。

部屋を決める



朝8時起床。どうやら目覚ましがデフォルトで8時にセットされていたようです。睡眠時間が短いと健康にも影響が出てきます。それと昨晩満腹まで食べたのに、起きたときには空腹と渇きのパラメータが0になっていました。とりあえず食事に行きましょう。入った店は丼ものメニューばかりで、朝食にしては重いですね。まあ、適当に食べて腹を満たしておきます。それにしても値段がやけにリアルです。現実の値段に即しているみたいですね。


朝食後、蘭山区の不動産屋にもう一度行ってみます。昨日と物件が変わっていますね。2500元の部屋はなかなか良さそうなので、もうこれに決めてしまいましょう。家族もいませんし、郊外に住む必要はなさそうですしね。ちなみに彼女とデートしたりもできるようですが、今そのアイコンをクリックすると「クリックするな。おまえに彼女はいないだろ」と弾幕で煽られます。


2500元の部屋を借りました。保証金と合わせて5000元のマイナスです。やっとのことで自分の部屋を持つことができたのに喜ぶ反面、保証金が高いと文句を言っています。保証金は部屋を引き払うときに戻ってくるようなので、給料次第では引っ越しも考えたほうがよさそうです。


仕事が始まるまでまだ日数があります。この日はたっぷりと睡眠を取り、翌日は深城湾公園へ行ってみました。モデルになっているのは深セン湾公園ですね。各地区に実際の深センにある観光地や遊園地などが用意されているので、観光案内になっていたりもします。

仕事始め



そして7月6日の出社の日。タスクがいろいろありますが、引き受けるとお金が減ってしまうものもあります。お金が減るものはスキルを上げるための勉強ですね。先にスキルを身に着けたほうがよさそうなので、「UI設計基礎」を選択。適当に昼食を挟みつつ、勉強を続けていきます。今日中に終わらせるのは無理なので、残りは翌日に。


翌日に出社して、UI設計基礎を学び終えました。ステータスを見ると、スキルにUI設計が追加されています。次は会社サイトのUI設計の仕事を引き受けてみます。こなせば2000元の収入が手に入ります。


仕事が終わらず、土曜日になってしまいました。会社は土日は休みで、仕事がしたくもできません。せっかくなので水族館「海洋世界」へ行きましょう。実際の深センにも同名の水族館があります。


そして翌週の水曜にやっとUI設計の仕事終了。初めての給料である2000元をもらいました。家賃が2500元ですし、生活費なども考えると月6000元は稼ぎたいですね。スキルも磨きながら、この調子で頑張っていきましょう。

都市生活は健康管理が重要!


知らない土地で新生活を始め、仕事をしていくという雰囲気が良く出ている本作。実際の深センをモデルにしているだけあって、観光や食事のできる場所が豊富に用意されています。また2015年当時に起こった事件などもイベントとして取り入れているとか。その時期の大きな事件と言えば、12月に残土の土砂崩れによって工業団地が巻きこまれ、100人近くの死傷者が出た大事件がありました(本作にその事件があるかはわかりませんが)。

スポーツジムに通って健康管理。プロテインを飲むことを勧められます

本作は健康管理がかなり重要です。特に睡眠時間が少ない場合にはいろいろと問題が起こります。逆にたっぷり眠れば精神も体力も大きく回復するのは、睡眠の重要性を訴えているのかもしれません。

本作は今後、イベントや観光地、タスクの種類を大幅に増やしたり、新コマンドを追加したりする予定があるとのことです。それと現在のバージョンでは、セーブデータをロードするとフリーズしてしまうという致命的な問題に筆者は遭遇しています(もしかしたら日本語環境のWindowsで起動したからなのかもしれません)。まだ早期アクセスなので、今後の改善を見守っていきたいと思います。

製品情報



※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限により、簡体字を日本の漢字に置き換えています。
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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