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Game*Sparkレビュー:『Apex Legends』

PS4/XboxOne/PC向けにリリースされた、基本プレイ無料のバトルロイヤルゲーム『Apex Legends』のGame*Sparkレビューをお届けします。

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『Apex Legends』は、『タイタンフォール』シリーズと世界観を同じくする新作バトルロイヤルシューターとして、2019年2月5日に突如として発表されました。発表当初は冷ややかな反応も見られましたが、基本プレイ無料でPS4/Xbox One/PC向けに配信を開始し、72時間後には総プレイヤー数が1000万人を超え、Twitchの配信でも30万人以上の莫大な合計視聴者数を獲得しています。乱立するバトルロイヤル作品の中で、着実に影響力を強めている作品でしょう。

今回はそんな『Apex Legends』の、チームでの連携を重視したゲーム性やバトロワとしての手触りをレビューしていきます。なお、今回のレビューにはPS4(通常)版を使用しており、バージョン1.04時のコンテンツを基に執筆しています。リリースから約3週間後時点のレビューであるため、アップデート後のコンテンツとは大きく内容が変わる可能性があるので、ご留意ください。

ゲームとしては全くの別物だが、快適な操作感は『タイタンフォール』譲り



本作は、『タイタンフォール』シリーズで一貫して描かれた「フロンティア戦争」の終結後が舞台。さらにタイトルの「エイペックス」は、『タイタンフォール2』に登場した傭兵集団「エイペックスプレデターズ」を連想させ、シリーズファンに期待を抱かせました。しかし蓋を開けてみれば、タイタンはおろか、ウォールランや二段ジャンプなどの独自要素が登場しないことが明らかに。『タイタンフォール』プレイヤーに対して、「至って平凡なバトロワシューター」といった印象を抱かせました。


実際、『タイタンフォール』シリーズのような高速機動の戦闘は発生しませんが、その抜群の操作感はシリーズ作品とほとんど遜色なしと言ってよいでしょう。スティック入力の軽快な反応やスムーズな挙動は操作していて快適ですし、入力感度やデッドゾーンの設定もできるため、各プレイヤーの好みに合わせた操作感を追求できます。また、視点移動の反応曲線も設定可能。「高精度型」を選べば細かいスティック入力で微妙な操作ができ、「高速型」を選べばスティックの倒す量に関わらず素早く操作できるなど、豊富な設定システムを持っています。


また、『タイタンフォール』シリーズと同じく、スプリント状態から行える「スライディング」はかなりのスピード感。さらにその状態からジャンプすれば、そこそこの距離も飛び移ることができ、スプリント、スライディング、ジャンプを繰り返すことで高速移動が可能です。壁に向かってジャンプすれば、少しの距離とは言え壁面を登ることができ、これを駆使すれば一見届かなそうな段差でもよじ登ることも。

横方向だけでなく縦方向でも移動の幅があり、『H1Z1』や『PUBG』などのバトロワと比べると、ハイスピードな凄まじい機動戦が展開されます。筆者は『タイタンフォール2』のプレイ経験がありますが、ウォールランと二段ジャンプがなくとも、移動操作の手触りに懐かしいものを感じました。

戦うデメリットが少ないゲームデザインや生存率の高さは一長一短か


バトロワでは、隠れたり「待ち」に徹することで、リスクを回避する戦術が有用とされています。本作においても基本的にはその通りなのですが、その一方で、積極的に打って出るスタイルも、決して不利にはならないバランスが取られているように感じます。


他のバトロワと同じように、撃破されたプレイヤーは所持アイテムを落とし、これを漁ってアイテム補充が可能。また、アイテムの所持数を増やすバックパックを装備していれば大量の物資を回収でき、結果的に戦闘で消費した分以上を取り返すことも。さらに、回復アビリティを持ったキャラ「ライフライン」がチーム内にいれば、アイテムを消費せずに消耗をカバーできるため、果敢に戦闘を挑み他プレイヤーの装備を手に入れるという戦術が、実用的な作戦になっています。

また、キルタイムが長いことも本作の特徴の一つ。防具としては、「ボディーシールド」「ヘルメット」「ノックダウンシールド」が登場します。これらの装備により、一般的なFPSと比べてかなりの量のダメージを受けても生存することができ、初心者プレイヤーであっても、すぐ倒されてしまうということは少なめです。特にヘルメットはヘッドショットダメージを軽減するので、訳も分からず一瞬で倒されるということはほぼないと言っていいでしょう。


ですが筆者は、このキルタイムの長さが、そのまま初心者離れの原因にもなるのではないかと考えています。というのも、キルタイムが長くなればなるほど、敵を倒すために的確なエイム力が必要となります。そのため、例えば初心者プレイヤーが熟練プレイヤーの背後をとって先制攻撃を仕掛けても、あっさりと返り討ちにあってしまうことも多く、1人の熟練プレイヤーによってチームが全滅させられる展開も珍しくありません。結果的に、偶然の逆転キルや格上相手の番狂わせなどが起こりにくい状態となっています。

もちろん、失敗を繰り返しながらスキルを向上させていくこともゲームの大きな楽しみのひとつですし、全てをバトロワ/FPS初心者のレベルに合わせてしまうのも問題だと思います。しかし、偶発的な逆転がほとんど起こらず、「初心者は熟練者に狩られるだけ」という現状は、今後のプレイ人口に悪影響を及ぼしかねません。例を挙げると、バトロワシューターとして絶大な人気を誇る『フォートナイト』はプレイヤーの建築テクニックが先鋭化し、新規プレイヤーが参入するには敷居が高くなっています。そうした意味で、ライト層も末永く楽しめるゲーム性を模索していって欲しいと思います。

チーム内での連携や、多彩なキャラクターによる高い戦略性



本作の一番の売りは、やはりチーム制を前面に押し出したゲームデザインでしょう。記事執筆時点でプレイ可能なモードが3人1組の20チーム(全60人)でのバトルロイヤルのみという本作では、いかにチームメンバーと連携が取れるのかが勝敗を分けるカギとなります。


こうしたゲーム性の中で、「シグナル」の利便性は特筆すべきだと思います。アイテムの種類やグレード、敵の位置をボタン一つで共有できるだけでなく、欲しいアイテムを仲間に知らせることまで可能なこの「シグナル」機能は、Co-opゲーム全体に広まって欲しいシステムです。ボイスチャットを介さずともコミュニケーションが取れるので、異言語プレイヤー間でのスムーズな連携を可能にしているうえ、実際に会話していてもなかなか伝わりづらいアイテムの位置などが、視覚情報として一瞬で伝えられます。



本作のプレイアブルキャラ「レジェンド」は、現時点で8名から選択可能。周囲をスキャンして敵や罠を発見できる「ブラッドハウンド」や、ホログラフのデコイを展開したりクロークで身を隠せる「ミラージュ」のほか、軍人の「バンガロール」は支援砲撃を要請したり煙幕を張れるなど、個々に様々なアビリティを持っています。それらを組み合わせて強力なシナジーを生み出すことも可能なので、どんな編成にするかという戦略性もあります。

この「リスポーンビーコン」に味方が落とした「バナー」でアクセスすることで、リスポーンが可能。

そもそも、マッチ開始時に3人一緒に降下したり、仲間が倒されても他のチームメンバーによってリスポーンさせられたりと、ゲームデザイン自体が団体行動を推奨しています。特にチームごとの降下は、他のバトロワ作品で見られるような「気が付いたら取り残されていた」という状況が起こらず、着地後すぐさま全員でカバーし合える良いシステムだと思います。リスポーンにおいても、チームが全滅するまで敵も味方も気が抜けない緊張感を作り出していますし、脱落後に味方のプレイを観ながら暇を持て余す「バトロワあるある」を解消しています。

一方、単独で動くことのメリットはあまりなく、逆に各個撃破されやすくなったり、離れた場所で倒されることで味方がリスポーンさせづらくなったりと、不利な要素しかありません。プレイヤーを上手くチーム間の連携に導くシステムになっていると言えますが、逆に集団行動を強いられているという考え方もでき、ソロプレイを好むユーザーにはやりづらい面もあるでしょう。


また、これからプレイヤー間での研究が進めば、1チーム3人という少人数ゆえに、編成の固定化が起こる可能性もあります。例えば同じヒーロー系FPSの『オーバーウォッチ』は(モードによって変化はあれど)基本的には1チーム6人での対戦です。キャラクターも記事執筆時点で29体と多く様々な編成が考えられていますが、本作では8体のキャラで3つの枠を埋めるため、コミュニティー内から強い編成のアイデアが湧き出たとしても、そのバリエーションは比較的多くないことでしょう。

筆者としては、回復役のライフラインや生存能力の高いジブラルタルのピック率が非常に高く、「カウンターピック」のような概念が見られていない現在では、キャラ毎のピックの偏りが出てきているように感じます。売り切りタイトルである『オーバーウォッチ』と基本プレイ無料の『Apex Legends』のキャラ数はシンプルには比べられませんし、アップデートで続々増えていく可能性もありますが、各キャラクター間の格差やバランス調整は今後の課題となっていくと思います。

今後の展開はどうなっていくのかーソロモードやタイタンの実装は?



配信開始からまだ1か月も経っていませんが、さっそく新武器や新レジェンドの追加を含んだ、イヤー1のロードマップを公開した本作。今後の展開は一体どうなるのでしょうか。


コミュニティなどでは、世界観を同じくする『タイタンフォール』シリーズから、タイタン戦の追加を望む声などが聞かれます。確かにシリーズファンとしては期待してしまうところですし、巨大ロボが入り乱れるバトルロイヤルとなれば、いよいよ唯一無二のゲーム性を誇るタイトルとなりそうです。しかし、それならば『タイタンフォール』の新作をきちんと作るべきでしょうし、本作の独自性の核となっているチームでの連携にもうまく噛み合うか分かりません。いずれにしろ、実現の可能性は低そうです。ただ個人的には、NPCとしてランダムに出現し暴れまわる敵性キャラのような扱いにすると、面白いのではないかと思います。

また、ソロやデュオモードの追加も噂されています。現状は、配信されたばかりということもあり大きな盛り上がりを見せている本作ですが、プレイヤーたちを飽きさせないためにも、新しい対戦モードの導入は急務でしょう。キャラクター間のシナジーが魅力であるため、30対30などが導入されれば、『オーバーウォッチ』や『レインボーシックス シージ』の規模を大きくしたようなゲームプレイが楽しめそうです。


ですが、デュオはともかくソロモードは果たして面白くなるのか、疑問が残ります。プレイヤーに徹底して連携行動を意識させるゲームデザインや、各キャラのアビリティの組み合わせによる戦略性を特色とした本作において、ソロでのバトルロイヤルはそうした魅力を半減させてしまうかもしれません。

特に一部キャラのアビリティには、味方を蘇生する際のみ有効であったり、ノックダウン時に発動するなど、ソロモードでは十全に活用できないものも存在しています。また、リスポーンシステムは、その仕様上1人では利用できません。もしもソロモードが導入されるのならば、こうした部分に何らかの調整が必須となるでしょう。

総評―独自性はあるが、バトロワとしての完成度にはもう一捻り必要


チームワークが鍵となるバトロワシューターとして仕上げられた本作は、『PUBG』や『フォートナイト』よりも、お互いのキャラの長所で短所を補い合う『オーバーウォッチ』『レインボーシックス シージ』などに近い作品ではないかと思います。いずれにせよ、これまでのバトロワの常識が通用するようなタイトルではないでしょう。

その一方で、連携を大前提にしたチームベースなシステムは、ソロプレイでのバトロワと相性が悪く、ソロモードの無理な導入は本作独自の魅力を損なう恐れがあります。その他にも、長すぎるキルタイムや、キャラごとのピック率の偏りなどには、いくらか手を入れる必要があると思います。また、『タイタンフォール』シリーズの要素を追加する声もありますが、こちらも本作の独自性と上手くかみ合わない可能性があるので、新要素を追加するアップデートがあれば慎重な動き方を期待したいところです。


本作はまだリリースから1か月も経っていない新作であり、様々なアップデートによる新要素の追加はこれから始まります。開発スタジオのRespawn Entertainmentは、コミュニティからの声を積極的に聞いて、今後の運営の参考にすることを明かしており、現時点での不満点も改善される可能性は充分あります。今後の成長を、長い目で見守っていくべき作品だといえるでしょう。

総合評価: ★★☆

良い点
・豊富な感度設定と軽快な操作感
・全てのCo-opゲームに普及すべき優秀な「シグナル」機能
・リスポーンシステムによって、チームが全滅するまで勝利の可能性がある
・他のバトロワ作品と比べて戦闘によるデメリットが少なく、積極的にプレイできる


悪い点
・チームでの連携を半ば強要されるゲームデザインは人を選ぶ
・キャラのピック率の偏りや、チーム編成の固定化
・キルタイムが長く、格上相手への逆転勝利などが起こりにくい





「Game*Sparkレビュー」では、読者の皆さまのゲームの感想も募集しています。下記リンクにて質問にお答えください。回答期間は2019年3月1日から2019年3月8日まで。また、集計終了後には「Game*Spark読者レビュー」として記事を公開し、回答やコメントを取り上げる場合があります。

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《TAKAJO》

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