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『白き鋼鉄のX』開発インタビュー!2DアクションのX<きょくげん>を、見せてやる【ぜんため】

『ガンヴォルト』シリーズのスピンオフとして生まれた『白き鋼鉄のX』はどのように生まれたのか?ぜんために同作を出展していたインティ・クリエイツ代表の會津に直撃取材を敢行しました。

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8月3日から4日に岐阜市で開催された「ぜんため」には数多くのゲームが展示されていました。その中から『白き鋼鉄のX』についてインティ・クリエイツ會津氏にインタビューを行いました。開発の経緯やこだわったところ、来月の東京ゲームショウでの展示についてもお聞きしています。さっそく見てみましょう。



――本日はよろしくお願いします。今回ぜんためにて『白き鋼鉄のX』を出展されていますが、『ガンヴォルト』シリーズの外伝という位置づけにされたのは何か理由があったのでしょうか

インティ・クリエイツ會津氏(以下會津氏):よろしくお願いします。大きな理由は、弊社副社長の津田がナンバリングタイトルの本編である『ガンヴォルト3』を作ってくれないことですね。いいアイデアがないとか言って作ってくれない(笑)そのため、『ガンヴォルト爪』のアキュラを主人公にして、開発チームとしてはシナリオライターの田井をディレクターにして外伝という立ち位置で開発をしました。アクションゲームはディレクターの個性が出るので『ガンヴォルト』とはまた違うテイストに仕上がっています。

――これは意外な理由ですね。『ガンヴォルト3』も実は進行しているのですね。

會津氏:たまに津田からこういうのを考えている。と『ガンヴォルト3』のアウトプットが出てくるんですけど、開発チームを作ろうとすると「まだ待って」と断られちゃうんですね(笑)まだ津田の中でアイデアが断片的な状態なんでしょうね。無理に作ってもいいものにはならないので、津田本人の納得が必要かなと思って待っていたら3年も経っていました。弊社の生配信やユーザーとの交流の中でいろいろな意見をいただくんですが、津田が「いいアイデアが浮かばないんです」というと、ユーザーはあのシナリオの続きを作るのは大変ですねとか言われるんですけど、実はそうじゃなくって津田は一つのことしか考えていないんです。

――その一つとは?

會津氏:アクションです。1作目は『ガンヴォルト』のアクション性を遊んでもらおうという考えがあって、2作目の『ガンヴォルト爪』には『ガンヴォルト』のアクション性+「アキュラ」のアクション性を遊んでもらおうという考え方があるんです。では、『ガンヴォルト3』はどういうアクション性のゲームを作ろうか。と考えている。少し古い考え方かもしれませんが、例えば『ガンヴォルト』のアクションが好きなら、『ガンヴォルト』を繰り返し遊んで欲しい。というのが津田の考えなんです。新作だったら新しいユーザーに遊んでもらう新しいアクションを生み出さないといけない。と考えているんですね。

――なるほど。常に新しいアクションを生み出し、遊べるようにするところに頭を悩ませているわけですね。


會津氏:うちのディレクターはみんなそうなんですけど、システムは同じで新しいボスと新しいステージを足しました。新作です。というのをイヤがるんですね。続編だったとしても、新しいユーザーに新しいアクション体験をしてほしい。そうじゃないと新しいゲームとは言えない。と考えています。ですから、プロデューサーが新ステージと新ボスの追加だけでもいいよと言ってもディレクターや企画のメンバーは納得してくれないんですね。それだとどんどん遊んでくれるユーザーが減ってしまう。と言って賛成してくれない(笑)

――難易度ばかりが上がって新しい経験ができなくなるわけですね。話がから逸れてしまいました。今回の『白き鋼鉄のX』開発にあたり、大切にしたことはどういったところでしょう

會津氏:今回の主人公「アキュラ」が初登場した『ガンヴォルト爪』は自信をもって世に送り出した作品ですが、せっかく「アキュラ」という面白いキャラクターができたのに、プレイアブルキャラが2人がいることで、片方のプレイアブルキャラに特化できるステージが作れなかった。ちょっと消化不良なところをスタッフは感じていたので、『白き鋼鉄のX』では「アキュラ」のためのステージやストーリー、敵を作ることを意識しました。もう一点は、アクションゲームとして『ガンヴォルト』を遊んでくれたユーザーが違和感なく遊べるようにした点や、外伝としてユーザーに考察してもらえるようなストーリーにしましたのでストーリーも楽しんでほしいですね。


――6月にはBitsummitでも展示されていましたが、ぜんためでの展示の印象はどうですか?

會津氏:昨年のBitsummitでは『白き鋼鉄のX』開発着手のお知らせを出して、今年の出展では発売日のお知らせを発表しました。ビットサミットでの発売日のお知らせを一種のサプライズとして用意したので、ショウに来るか悩んだファンも居たと思うのですが、ぜんためは発表後なので『ガンヴォルト』シリーズのファンが迷わず足を運んでくれたイメージがありますね。

――昨年もぜんために出展されておられて、昨年は屋外での展示でしたね

會津氏:外は……暑いですよね。今回の展示では遊んでくれたユーザーにバッジのプレゼントを用意しているのですが、お客さんも周回プレイができる屋内の環境はいいですね。バッジを4つ用意しているので4週して全部持って帰ってもらえます。外だと熱中症が心配ですからね

――ぜんための翌月ですと東京ゲームショウの出展が控えていますね

會津氏:東京ゲームショウでは、インティ・クリエイツのブースと流通のハピネットさんのブースで『白き鋼鉄のX』体験版が遊べるようになっています。ハピネットさんのブースではRoRoライブを行う予定です。お客さんにコンテンツを隅々まで体験してもらえるようにしようと考えていますので、ライブなどを増やしていますね。東京ゲームショウでは、ぜんためのライブより結構曲数を増やして公演する予定です。YouTubeなどで配信しているガンヴォルト情報局でも9月26日の発売に向けてゲームの情報も出していきます。


――来月も楽しみですね。少し話題が変わりますが、インティ・クリエイツはどういう会社なのでしょう

會津氏:インティ・クリエイツはカプコンで開発をやっていたメンバーが集まって、私が24歳の時に立ち上げた会社で今年23年目です。PS1の頃にソニーミュージックさんがゲームクリエイターの発掘をするコンテストを開催していて、設立メンバーの内の1人の作品がお眼鏡にかなったんですね。そして、そのメンバーが独立するならコンテストの賞金100万円出しますよと言ってもらえたんです。でも、自分たちは10人で会社を起業したいから100万じゃ足りないので1億円ください(笑)と言って、ゲーム開発のお仕事をもらってスタートしました。そのあと、ソニーコンピュータさんからもお仕事をいただいて『ラブアンドデストロイ』を開発したり、元カプコンの稲船さんとお話をする機会があって『ロックマン・ゼロ』を開発したりしました。その後自社オリジナルの『ぎゃるがん』を開発した時に感じたのですが、受託開発が長くなっていたせいか、自分たちからわがままを言うことが少なくなってきて、クライアントのOKをもらうことがゴールになってしまっているのではないかと。良いものをトコトン作るという意識よりクライアントのOKを意識してしまっているように思えたんですね。

――もちろんクライアントの求める水準も非常に高いし、企画や仕様もご自分たちで考えて提案するけれども、受託と自社開発は違うわけですね。

會津氏:昔の僕らはゲーム開発をするときに、スケジュールが守れませんでした。と謝りながらプロデューサーの顔色を見つつ、納期を最大限伸ばしながらクオリティアップをしていて、時間と納得のいく品質のせめぎ合いのようなものをやりながら開発していたんですね。納期はもちろん守らないといけないんですけど、もっとできるんじゃないのかな?とか窮屈な思いをしてゲームを作ってるんじゃないかな?と思うようになったのも、副社長の津田がオリジナルのゲームを作ろうと言って作ったのが『ガンヴォルト』開発のきっかけでしたね。


――自由にゲームを作りたいという気持ちから生まれたのですね。当時ですと3DSでのリリースですね

會津氏:そのようなきっかけで『ガンヴォルト』は誕生したのですが、販売のことをあんまり考えていなくて今のようにダウンロード販売もまだ一般的じゃなかったんですね。売り方を悩んでいる中で海外に目を向けると『ショベルナイト』がすごく売れていて、稲船さんと一緒にアメリカのショウを見に行った時に、昔僕らが作っていたようなゲームが海外でヒットしているし好まれていることが分かって、全世界に向けて販売しようと決めました。対世界では経験豊かな稲船さんに販売の相談をしたのですが、『ガンヴォルト』のアクション内容に対するコメントしか頂けず、何度か直してみてもらいました。結果的に稲船敬二アクション監修という肩書を頂き、話題になったりしましたね。これがプロデューサーと言うものかと勉強させて頂きました。

――海外展開ですと、8月1日にSteamで『マイティガンヴォルト バースト』が出ましたね。

會津氏:元々は『ガンヴォルト』の初回購入でおまけとしてつけたゲームの続編で、稲船さんの『マイティ・No9』とのコラボでもあるんですね。リリースから結構時間は経過しましたが、Steamにもクリエイターページとしてインティ・クリエイツのページができているのでSteamでのリリースも精力的に行っています。

――海外展開の中でアクションゲームには流血表現も多く見られますが、意識をされたことはありますか?

會津氏:ここまでのインタビューでも我々が作りたいゲームを作っているのはお分かりいただけたかと思います。社長が作れって言っても作らなかったりするくらいですからね(笑)そういう考えなので、ディレクターは海外向けだから流血表現を入れないと。みたいな風には思っていないでしょうね。気にしていないんじゃないかな。表現も入れたいものを入れる。という考えでゲームを作っています。なのでレーティングが上がるからその表現を避けてと僕が言っても聞いてくれないしょうね(笑)『白き鋼鉄のX』でもタバコを吸うキャラが出てくるのですが、その時も僕がタバコはちょっと……と言っても、何がいけないの?という反応でしたね。誰も言うことを聞いてくれない(笑)


――作りたいものを作る姿勢は揺らがないのですね。最後にこのインタビューをご覧の皆さんに一言お願いします。

會津氏:我々は自分たちが作りたいゲーム作っていますが、もっと言うと自分たちが遊びたいゲームを作っています。自分たちが遊んで面白いゲームを作ろう。遊びたいゲームがなければ自分たちで作ろうと考えて作っているので、我々の作ったゲームを楽しんでくれている方は、我々に趣味が近いと思います。一つでもインティ・クリエイツのゲームで面白いと思ったものがあるなら、他のインティ・クリエイツのタイトルも楽しんでほしいですね。

――今日はどうもありがとうございました

インタビューを通じて、インティ・クリエイツはアクションゲームを作りたい人が集まり、いいゲームを作ることに一生懸命な印象を受けました。2DアクションのX<きょくげん>を楽しみに待ちたいと思います。『白き鋼鉄のX』は9月26日にPS4/ニンテンドースイッチ/PCで発売予定です
《HATA》
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