現代吸血鬼RPG『Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2』デモ上映概要+開発者インタビュー!【PDXCON 2019】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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現代吸血鬼RPG『Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2』デモ上映概要+開発者インタビュー!【PDXCON 2019】

「PDXCON 2019」でのデモ上映の様子と、開発者インタビュー。キメキメのファッションの二人に注目。

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現代吸血鬼RPG『Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2』デモ上映概要+開発者インタビュー!【PDXCON 2019】
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先日ドイツ・ベルリンにて開催された「PDXCON 2019」。同イベントでは国内でもDMM GAMESより展開予定の吸血鬼RPG新作『Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2』のデモ上映が行われていました。本記事ではその様子をお伝えするとともに、同作のストーリーを手掛けるBrian Mitsoda氏らへのメディアインタビューをお届けします。

当初「PDXCON 2019」ではプレイアブルデモの存在が期待されていた同作ですが、発売延期の影響もあり、プレイアブルはなく、デモ上映に使用されたビルドも3ヶ月前のもの。デモの内容についても規約により写真掲載ができないため、ほぼ文字による説明となってしまうことにはご了承ください。

気を取り直して本格的にデモの内容を説明すると、デモ開始直後に始まったのは吸血鬼たちの法廷。主人公が体から杭を引き抜かれ意識が目覚めるところから物語は幕を開けます(本作での吸血鬼は杭で心臓を貫くことで仮死状態にできる)。いきなり目の前のコートの男に、これから処刑されることを伝えられた主人公。

わけもわからず混乱していると、パイオニア・スクエアでのテロの詳細について尋ねられます。ここで主人公の回想へと場面が移り、状況がようやく断片的に明らかに。パイオニア・スクエアでは、突然吸血鬼が人々を襲う事態が発生していたのでした。主人公ももちろん襲われ瀕死。しかし、女性と思しき謎の人物が主人公に血を与えた結果、吸血鬼として蘇生したのです。そのことを自覚すること無く、突如現れた冒頭の人物に捕らえられ、冒頭に至る形に。

しかしながら、結局重要な部分についてははっきりしない(つい先程まで一般人だったので当たり前ですが)主人公を前に、法廷に集ったシアトル各クランの有力な吸血鬼たちはみな責任を押し付け合い。

余談ながら、ただのテロ被害者の主人公が処刑されるに至ったのには理由があり、基本的に本作の吸血鬼は勝手に“子”を作ってはいけないのです。背いたものや作られた子は本来ならは即処断されることもしばし。前作のオープニングは本作同様、意に反して(前作では一夜の相手のただの気まぐれで)吸血鬼と化した主人公が捕まり、法廷上で死を待つばかりの状況から開始されるので、このパートは前作や原作の設定を知っている人にはニヤリとできる場面であるかも知れません。

しかし、本作が大きく異なるのはここから。主人公が己の行末を案じているといきなり火事と爆発。これをきっかけに仲間割れを始めた主要吸血鬼たちは全滅し、右も左も分からないままにとりあえず脱出することに。脱出ではパルクール的なよじ登りや、特定のアクション使用時に主人公の姿が表示される仕様について確認できました。

なんとか死地を脱した主人公、気付けばそこはシアトル地下街です。デモではゲーム内の説明パートが省かれていたものの、「コウモリに変化する能力」「霧化能力」「テレキネシス能力」の三種の能力を試しながら進み、地下街脱出時に内1つを選ぶ流れに。

その後生きた人間と遭遇するのですがなにかおかしな雰囲気。吸血鬼の能力で操られていると思しき男は主人公にスマートフォンを手渡します。そこには謎の女からの通話が着信しており、主人公は自身にいまだ危険が迫っていることを知ることができます。デモでは、この後目の前の男から吸血をしましたが、吸血で相手を殺してしまうかどうかで「人間性」に影響があるとのこと。人間性を失うとマイナス要素があるとのことなので注意しましょう。

その後は本作での初戦闘が開始。とはいえ相手はただの人間。吸血鬼と化した主人公の前では、忍者と一般人のごとく戦力差があります。武器も持っていないため素手格闘での戦闘となりましたが、その過程ではアクロバティックなムーブも確認できました。



敵から武器を奪ったり、得た能力によって攻略法が異なる地形などを通過し進んでいくと、謎の女と待ち合わせしていたらしき人物が登場。しかし少し話したところで、背後から透明となり近寄ってきた吸血鬼に一撃で殺されてしまいます。ヴァンパイアは主人公を一瞥し「リストにない」と放置。再び九死に一生を得ます。

主人公は殺された人物が口にした名前と場所を辿って行くと、一人の男が。友好的なヴァンパイアであった彼の助力で拠点を得た主人公はこれから夜の街に繰り出す……というところまでが最序盤の物語となるようです。


デモは、ここでゲーム進行したあとのデータに切り替え。シアトルの町並みの紹介や、超人的能力での壁上りなども披露されました。また、一般人に吸血鬼の視覚で見ることができる「感情」の概念があることが紹介。これは、該当の相手から血を吸った時に感情に合わせポイントが得られるもので、貯めることで短期的なものの他に永続的なボーナスも得ることができるとのこと。


その後の戦闘では、超常的な力で一瞬で人を殺害するブラッドマジックも披露。最後には「人前で吸血鬼の力をどうなるか」を実演。一瞬で街がパニックとなり、警官隊が押し寄せるさまや、吸血鬼の能力で場を即座に離脱する様子が描かれたところでデモ終了となりました。上記では触れていませんでしたが、会話の殆どには、前作同様に多数の返答選択肢が用意されていたのも印象的でした。

ナラティブリードBrian Mitsoda氏・シニアナラティブデザイナーCara Ellison氏インタビュー



Cara Ellison氏(左)、Brian Mitsoda氏(右)

――まず初めに自己紹介をお願いします。
Cara Ellison(以下 Ellison)Cara Ellisonです。Hardsuit Labsでシニアナラティブデザイナーを務めています。具体的にはストーリーラインやキャラのセリフ、ファクションとクランのインタラクション、ゲーム内のミッションや街、ボイス、キャラの衣装など様々な部分を担当しています。Brianさんは前作でとても良いシナリオの仕事をしました。その部分については今作では半分ぐらいは私が担当しています。
Brian Mitsoda(以下 Mitsoda)ナラティブリードのBrian Mitsodaです。前作のシナリオも担当しています。

――開発状況はどのあたりなのでしょうか。
Ellisonメインストーリーは完成していますが、細かいNPCとの会話などはまだ調整中です。

――発売時期の延期はどういった部分の作り込みによるのでしょうか。
Ellisonゲーム全体についてなので、特定の部分が遅れているわけでない感じですね。前作のローンチは非常に不具合が多く、ユーザーたちにも多く助けられたような形だったので、今作では同じ轍を踏まないようにしています。


――Ellisonさんが担当された部分で特に力を入れた部分を教えていただければ。
Ellisonノスフェラトゥのクランですね。歴史あるシアトルの地下に住んでいる彼らのうちの一人がすごく面白くてチャーミングです。

Mitsoda今作で、私はシアトルという街を土地としてだけではなく、キャラクターとしても表現したかったのです。ランドマークだけでなく、街の政治的な面も土地を反映させています。

――今作でも主人公がいきなり処刑の危機、という場面からですが、これは前作を意識したのでしょうか。
Mitsoda物語自体は完全に新しい物語です。同じ世界の物語ですが、前作をプレイしていなくとも今作をプレイできますし、シアトルの吸血鬼たちを描く物語となります。

――今作でシアトルが中心となったのは、「ワールド・オブ・ダークネス」の世界観によるものなのか、それともシアトルの街に何らかの着想を得たからなのでしょうか。
Mitsoda「ワールド・オブ・ダークネス」からはルールなどが多く導入されています。その上で面白いものを作ろうと頑張っています。
Ellison様々なファクションのやり取りを通じてシアトルを表現することにも力を注いでいます。

本人がゲームキャラなんじゃ、といった出で立ちが似合うMitsoda氏……

――本シリーズの吸血鬼は人間にとってどのような立ち位置なのでしょうか。
Mitsoda狩猟者ではありますが、大々的に血を吸ったりのではなく隠れたままいかにして活動していくのを考えています。

――本シリーズの吸血鬼は言葉の通じない怪物ではなく、人間性のある存在です。そういった存在を描くのに気をつけたところはありますか。
Ellison一般的に吸血鬼は魅力的で、低リスクで高い報酬を得られる存在です。吸血鬼同士の会話ではファクションの権力闘争の状態に注意しています。

――前作が本作から濃厚に引き継いだ部分はありますか。
Mitsodaキャラクターやストーリーのフィーリング自体は同様にしています。また会話の選択肢や選択肢に対する様々な返答もですね。

――メインストーリーの製作期間はどれぐらいでしょうか。
Mitsoda数年以上掛けています。キャラクターも大量に居て音声吹き替えもあります。また、分岐も多いので、その結果とかエンディングもですね。企画にも多くの時間を掛けました。
Ellison今作ではカマリリャ以外のファクションも登場するので非常に時間がかかりました……(笑)
Mitsodaまた、クランの一つ“マルカヴィアン”のプレイではほぼ完全に別のセリフ・ストーリーが用意されています。(筆注:“マルカヴィアン”は狂気と混沌を是とするクラン。常人には理解し難い存在と考えるとわかりやすい)

――シアトルの街で特にゲームに向いている土地はどこでしたか?
Mitsodaゲーム冒頭のパイオニア・スクエアはシアトルで最も古く、観光客にも人気で歴史的価値もあります。他にも実際にシアトルに行ったことがあるなら、ほぼゲームと一致していると感じてもらえると思います。


――本作から参加のEllison氏ですが、前作からどこを大きく変えようと考えましたか?
EllisonBrianは本当に役に立つ人で、自分のアイディアが前作で登場しているかなど多岐にわたってチェックしてくれています。なので大体の部分について気に入っています。自分は女性キャラを書くのが好きなのですが、Brianも女性キャラが得意で。なので私はBrianの手が足りない部分を作っているだけですね(笑)
Mitsodaチームは4名居るのですが実は男性は私だけだったり(笑)
Ellisonどう思ってます?
Mitsoda非常にエンジョイしているよ(笑)だから雇ったんだしね(笑)

――プレイヤーは今作の物語でどのような吸血鬼になることを期待できますか?力で全てを支配するような暴君や、ただの市井の1吸血鬼まで。
Mitsodaゲームには様々な種類の吸血鬼が登場します。シアトルは若い街なので吸血鬼も比較的若いのです。ゲームはキャラクター・ストーリー・会話が重要ですが、数百年は街に住んでいる吸血鬼たちがどのような視点で物を見ているのかを考えるのがすごく難しかったです。
Ellisonゲームとしては正体を隠す掟があるので、人間をむやみに襲うようなことがあれば罰を受けますし、警察や、いずれはより強力な存在に狙われることになるでしょう。
Mitsodaプレイヤーの狼藉の影響で生活に影響が出てしまう他の吸血鬼とかですね。

――本作に対する現時点でのファンの反響はどうでしょうか。また、コミュニティからの意見をゲームに反映した部分などはありますか。
Mitsodaもちろん聞いています。前作から15年近く経つのでコミュニティも大きく、ファンからの期待も大きいです。
Ellison非常に怖いですね(笑)
Mitsodaただ、もちろんParadoxやHardsuitにもファンは居ますのでそちらの判断の比重が大きいです。
Ellison私も以前は1ファンでした。以前はジャーナリストなどをやっていました。

――Ellison氏は服装デザインも行ったとのことですが、街の人々の服をデザインするに当たって何に気をつけましたか?吸血鬼たちはみんなタキシードでは無いですよね?
Ellison美術チームと話し合って決めているのですが、ゲームは12月の物語なので、寒さに耐えるための服装を皆しています。みんなカジュアル調で、もしタキシードやスーツを着ていたとしてもその上にはジャケットを羽織ってしまってますね(笑)

――もしお二人が本作の世界に行ったとしたらどのクランとファクションの吸血鬼になりたいですか?
Ellisonトレアドール、と言いたいのですが、ノスフェラトゥがトレアドールを好きではないので。パイオニア所属のトレメールですね。
Mitsodaパイオニアのギャンレルですかね。『ブラッドラインズ2』のゲーム内には居ないのですけど(笑)獣化能力を備えたクランです。

――もしお二人が本作の世界に行ったとしたらどのクランとファクションの吸血鬼になりたいですか?
Ellisonコウモリ化の能力ですね。すごく便利そうです。
Mitsoda私もコウモリ化、と言いたいのですがブラッドマジックとかは派手でいいですね。血なまぐさいですが。

――お二人は原作TRPG「ヴァンパイア・ザ・マスカレード」を遊んだことはあるのでしょうか。
Mitsodaもちろんすべてのソースマテリアルは読んでいますが、今作ではゲーム自体のプレイはしていないです……。やることが多くて時間がないので(笑)
Ellison他のチームメンバーがプレイしたりはしています。


――日本のファン向けの極秘新情報はありますでしょうか(笑)
Mitsodaその質問本当?(笑)情報自体は出せませんが、ちょっと気になることがあって。日本のファンは、本作のどのような部分に興味を持っているのでしょうか。
――最低でもここにファンが一人。1もクリアしてますし(笑)日本ではPCゲームの市場は少ないですが前作は原作のTRPGのファンが触れたりはしていると思います(筆注:かつて日本語版ルールブックが出版されていた)。今作は日本語版なのできっと前作とは比較にならないほどの反響があるのではないかと思います。
Mitsodaすごく楽しみです(笑)
Ellison鹿児島に友だちがいるのでプレイして貰えると良いんですけど(笑)
Mitsoda実は昔、神奈川に住んでました(笑)

――最後に日本のファン向けのメッセージを。
Mitsoda実際にゲームに触れた日本のユーザーの反応を見るのをすごく楽しみにしています。
Ellisonさっきも言いましたが、日本に友だちがいるのでぜひ楽しんでもらいたいですね。あと東京に行きたいので、是非是非TGSに招待いただければな―……と。(帯同したDMM GAMES担当者側を見ながら)



『Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2』は2020年発売予定です。日本でもDMM GAMESより展開予定となっています。

<取材協力:DMM GAMES、Paradox Interactive>
《Arkblade》

関連業界のあちこちにいたりいなかったりしてる人 Arkblade

小さいころからPCゲームを遊び続けて(コンソールもやってるよ!)、あとは運と人の巡りで気がついたら、業界のあちこちにいたりいなかったりという感じの人に。この紹介が書かれた時点では、Game*Sparkに一応の軸足を置きつつも、肩書だけはあちこちで少しづつ増えていったりいかなかったり…。それはそれとしてG*Sが日本一宇宙SFゲームに強いメディアになったりしないかな。

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